前提

関東圏で40名弱、協力会社約150社を抱える外装工事会社が見ている次の成長局面

関東圏で外装工事、塗装工事、シーリング工事を中心に手がける、40名弱規模の専門工事会社の話です。社員とパートを合わせて40名弱、協力会社は約150社。戸建ての工事を主軸にしながら、マンションやアパート関連の仕事も少しずつ増やしている会社です。

この会社は、3年後に売上を大きく伸ばす構想を持っていました。そのために必要なのは、社員だけを増やすことではありません。職人も増やす。管理側も整える。協力会社も増やす。つまり、社員雇用と外部パートナー活用の両方を伸ばさないと、現場の受け皿が足りなくなるという見立てです。

印象的だったのは、協力会社についての考え方です。

「質がいい会社だけ集められれば、それに越したことはないです。でも、最初からそれだけを狙うのは無理じゃないですか」

この言葉には、現場を持つ会社ならではの現実感があります。協力会社は、リスト上の条件だけで良し悪しが分かるものではありません。実際に一緒に仕事をしてみて、段取り、品質、報連相、現場での立ち居振る舞い、手直しへの向き合い方まで見えてきます。

さらに、この会社では若い職人に独立を促す文化もありました。社員として育て、現場を覚え、独立した後も協力会社として仕事を続けてもらう。自社で育った職人が、将来の協力会社ネットワークの一部になるという流れです。

ここで大事なのは、協力会社を単なる外注先として見るのではなく、現場を一緒に支える仲間として育てていく視点です。

1週間で 8件ダウンロード されました

  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

年間休日120日程度を守るほど、社員だけでは現場を吸収しきれなくなる

社員の休日を守る会社ほど、繁忙期や休日対応の現場を社員だけで回し続けることが難しくなります。

この会社では、職人の年間休日はおおよそ120日程度。完全週休二日ではないものの、週休二日制に近い運用と長期休みを組み合わせ、社員の休みをきちんと確保しようとしていました。

ただ、現場は会社のカレンダー通りには動きません。元請けや施主の都合、天候、工程のずれ、他業種との兼ね合いによって、土日や祝日、長期休暇前後に作業が必要になることもあります。

そのとき、社長の言葉はとても現実的でした。

「従業員の休みって基本的に決まってるんで。でも現場作業になっちゃうと、休みばっかり言ってられない。そのときには、社員を守るためにも協力会社さんが必要ですよね」

この一言が、今回の課題の中心です。

協力会社を増やす理由は、単に売上を伸ばすためだけではありません。社員を無理に動かし続けないためにも、外部パートナーの厚みが必要になるということです。

もちろん、協力会社を増やせば何でも解決するわけではありません。数だけ増えても、品質が安定しなければ手直しが増えます。段取りが合わなければ管理側の負荷が上がります。現場のルールが伝わっていなければ、元請けや施主からの信頼にも影響します。

つまり、課題は「協力会社を何社集めるか」ではなく、社員の休日を守りながら現場を任せられる協力会社を、どう増やし、どう育て、どう見極めるかにあります。

背景

最初から質の高い協力会社だけを集めるのは難しく、取引しながら見極めるしかない

協力会社探しで難しいのは、入り口の情報だけでは実力が分かりにくいことです。

紹介でつながった会社でも、実際の現場に入ると、思っていた動きと違うことがあります。逆に、最初は小さな仕事から始まった会社が、こちらのやり方を理解し、数年後には重要な現場を任せられる存在になることもあります。

この会社の社長も、協力会社の質について聞かれたとき、すぐに「育てる」という話をしていました。

「普通はそうですけど、結局、職人って育てていかなきゃいけないじゃないですか」

これは、社員教育だけの話ではありません。協力会社にも当てはまります。

建設業の現場では、技術力だけでなく、会社ごとの考え方や基準を理解してもらう必要があります。たとえば、外装や塗装、シーリングの現場であれば、仕上がりの許容範囲、養生の丁寧さ、近隣対応、写真の撮り方、報告のタイミング、是正が出たときの動き方など、現場品質は細かな積み重ねで決まります。

最初からすべてが合う協力会社だけを探そうとすると、候補はかなり限られます。だからこそ、協力会社は“完成品を探す”より、“一緒に基準を合わせていける相手を増やす”ほうが現実的です。

この会社には、新しく入った職人を育てる教育体制がありました。未経験者を採用し、自社で育てる。技能実習生も定期的に受け入れる。若手は現場で経験を積み、独立する人もいる。成績や適性によっては、管理側に移る道もある。

この流れがある会社では、協力会社づくりも社員教育と切り離して考えないほうが自然です。社員として育てる、独立後に協力会社として関わる、外部の協力会社にも自社基準を伝える。この3つをつなげていくと、現場を支えるネットワークは強くなります。

解決

協力会社は入口で絞りすぎず、小さく発注して基準を合わせながら育てる

協力会社ネットワークを増やすときは、最初から完璧な相手だけを探すより、入口基準を決めたうえで小さく発注し、実際の現場で見極めていく進め方が合っています。

大きく分けると、見るべき順番は5つです。

  • 入口で確認する基準を決める
  • 初回は小さく任せる
  • 品質と現場対応を記録する
  • 継続取引の可否を判断する
  • 任せたい相手には自社基準を共有し、育てる

まず、入口では「安いかどうか」だけで見ないことが大切です。もちろん単価は重要ですが、社員の休日を守るために協力会社を増やすのであれば、見るべきは単価だけではありません。

入口で確認したいのは、たとえば次のような項目です。

  • 対応できる工種、エリア、人数
  • 平日、土曜、繁忙期、急な工程変更への対応可否
  • 代表者や番頭との連絡の取りやすさ
  • 安全書類、資格、保険関係の整備状況
  • 写真報告や完了報告への対応力
  • 手直しや是正が出たときの姿勢
  • こちらの現場ルールを受け入れられるか

ここで大切なのは、厳しく選別しすぎないことです。入口で完璧を求めると、候補が広がりません。一方で、何でも受け入れると管理側が苦しくなります。入口基準は“最低限ここは譲れない”という線引きに絞り、実力は初回発注で確認するのが現実的です。

初回発注では、いきなり重要度の高い現場や難易度の高い現場を任せすぎないほうが安全です。最初は、範囲が限られた工事、工程に余白がある現場、社内の管理者が確認しやすい現場から始めると、相手の実力を見やすくなります。

見るべきポイントは、仕上がりだけではありません。

現場に入る前の確認が早いか、当日の報告があるか、予定外のことが起きたときに隠さず連絡するか、手直しに前向きか。こうした部分は、継続して付き合えるかどうかを判断するうえで、技術と同じくらい重要です。

次に、品質確認を属人的にしすぎないことです。現場管理者の感覚だけで「あそこは良い」「あそこは微妙」と判断していると、会社として協力会社を育てる材料が残りません。

最初は簡単で構いません。現場ごとに、次のような評価を残していきます。

  • 品質:仕上がり、手直しの有無、写真の精度
  • 工程:時間を守れたか、遅れた場合の連絡があったか
  • 安全:ルールを守れたか、近隣対応に問題がなかったか
  • 連絡:報告・相談・共有がスムーズだったか
  • 姿勢:是正や追加依頼にどう向き合ったか

点数化までできれば理想ですが、最初は「継続したい」「条件付きで継続」「しばらく様子見」くらいでも十分です。協力会社の評価を現場ごとに残すだけで、次に任せる現場の判断がかなりしやすくなります

継続取引を判断するときは、1回のミスだけで切るかどうかを決めるより、改善余地を見るほうが合っています。もちろん、安全や重大な品質不良、元請け・施主への信用を大きく損なう対応は別です。ただ、現場ルールの理解不足や報告の遅さなどは、伝え方次第で改善することもあります。

そこで必要になるのが、教育と標準化です。

協力会社に対して、毎回口頭で「うちはこうやってほしい」と伝えるだけでは、現場ごとにばらつきます。最低限、次のようなものを整えておくと、育てるスピードが上がります。

  • 着工前に共有する現場ルール
  • 写真撮影の基準
  • 完了報告の方法
  • 手直しが出た場合の連絡手順
  • 養生、清掃、近隣対応の基準
  • 休日対応や緊急対応を依頼する際のルール

難しいマニュアルである必要はありません。むしろ、最初はA4数枚やチェックリストで十分です。協力会社を育てるとは、相手任せにすることではなく、自社の基準を分かる形で渡すことです。

社員雇用とのバランスも重要です。

社員は、自社の品質基準をつくり、現場の中核を担う存在です。一方、協力会社は、繁忙期や休日対応、エリア拡大、工種の補完などで現場の受け皿を広げる存在です。社員だけで抱え込むと休日を守りにくくなり、協力会社に任せきると品質や管理が不安定になります。

そのため、成長局面では、社員は基準づくりと中核現場、協力会社は対応力の拡張という役割分担を明確にすることが大切です。

今回の会社のように、社員から独立した職人が協力会社になる流れがある場合は、さらに強みになります。自社のやり方を知っている人が外部パートナーになるため、品質基準や現場対応のすり合わせがしやすいからです。

ただし、独立した元社員に頼りすぎると、案件量が増えたときに枠が足りなくなります。だからこそ、既存の協力会社、自社出身の独立職人、新しく開拓する協力会社を分けて管理し、将来の必要数を見ながら広げていくことが必要です。

まとめ

社員の休日を守りながら現場を回すには、社員を増やすだけでは限界があります。現場の都合は常に動きますし、繁忙期や休日対応をすべて社員で吸収しようとすると、せっかく整えた休日制度が崩れやすくなります。

一方で、協力会社を増やすだけでも十分ではありません。数を増やしても、品質、報告、現場対応が合わなければ、管理側の負担が増えます。

大切なのは、協力会社を“探して終わり”にせず、“小さく任せて、見極めて、基準を共有しながら育てる”ことです。

今回の会社が話していたように、「質がいい会社だけを最初から集める」のは簡単ではありません。だからこそ、入口基準を決め、初回発注で確認し、現場ごとの評価を残し、継続する相手には自社基準を共有していく。この積み重ねが、社員を守りながら現場対応力を高める土台になります。

社員は会社の基準をつくる中核、協力会社は現場対応力を広げるパートナー。この役割分担を整理できると、売上を伸ばす局面でも、休日や働き方を守りながら現場を組み立てやすくなります。

うちの協力会社ネットワークをどう整えるか考えたいときに

協力会社を増やしたいと思っても、「どこまで社員で抱えるべきか」「どの現場から外部に任せるべきか」「協力会社をどう評価すればいいか」は、会社の工種、商圏、休日設計、管理体制によって変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。協力会社開拓そのものだけでなく、社員雇用とのバランス、現場基準の整理、継続取引の判断軸づくりまで、会社の現在地に合わせて一緒に考えることができます。

「うちの場合は社員を増やすべきか、協力会社を増やすべきか」「まず何を整理すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の相手として気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら