前提

関西の資材関連会社が、余剰在庫をつなぐ建設業向けアプリを立ち上げようとしている段階

関西圏のある資材関連会社が、建設会社や専門工事会社の余剰在庫を、必要とする会社につなぐアプリを広げようとしていました。

イメージは、建設業向けの在庫マッチングです。使わなくなった部材や資材を持つ会社と、それを買いたい会社をつなぐものです。

すでに簡単なチラシがあります。QRコード付きのカードもあります。Instagramアカウントも用意されています。ただ、まだ本格的に配布や開拓は始まっていませんでした。

相談の温度感は、とても現実的でした。

「このアプリって、入れる側にあまりデメリットはないんです。いつでもやめられるし、1回でも在庫がはけたら十分ペイする話なんです」

サービスに手応えはある。けれど、最初のユーザーをどう集めるかが見えていない

ここが出発点です。

1週間で 8件ダウンロード されました

  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

初期ユーザー獲得を広告単価だけで比べると、肝心な検証が抜けやすい

建設業向けアプリを立ち上げるとき、最初に迷いやすいのが「広告で広く集めるか」「電話や紹介で狙って取りにいくか」です。

広告なら、ダウンロード単価で考えやすいです。SNS広告も出せます。まとまった予算を投じれば、一定の表示回数や流入は作れます。

一方で、電話や紹介は手間がかかります。リストを作り、相手に合わせて話し、断られた理由も拾う必要があります。短期的な獲得単価だけ見ると、広告のほうが安く見えることもあります。

ただ、初期段階で見るべきものは、単純な登録数だけではありません。

初期ユーザー獲得で本当に知りたいのは、「誰が、なぜ反応するのか」です。

たとえば、余剰在庫のアプリなら、次のようなことを確かめる必要があります。

  • どの工種が在庫を持ちやすいのか
  • どの規模の会社が登録しやすいのか
  • 元請け寄りか、下請け寄りか
  • 材料を多く扱う会社か、施工中心の会社か
  • 在庫を「困りごと」として認識しているか
  • 登録しない理由は、手間なのか、不信感なのか、必要性の薄さなのか

広告は広く届けるには向いています。けれど、初期の仮説づくりには、相手の反応を直接聞ける接点が強いです。

背景

「在庫がはけるなら悪くない」は伝わっても、誰に刺さるかは現場でしか分からない

このケースでは、サービスの価値は比較的説明しやすいものでした。

在庫を持っている会社にとって、使わない資材が売れる可能性がある。買う側にとっても、必要な部材を安く手に入れられる可能性がある。登録の心理的ハードルも高くありません。

それでも、広げ方は簡単ではありません。

なぜなら、建設業の会社は一括りにできないからです。

内装、リフォーム、塗装、設備、建材販売、商社、メーカー寄りの会社。扱う材料も違います。在庫の持ち方も違います。社長が判断する会社もあれば、現場担当や購買担当が実態を握っている会社もあります。

実際、初期の候補としては、関西圏の内装工事会社やリフォーム会社など、10億円未満規模の会社群が挙がっていました。ざっくり数百社から千社単位の候補があり、そこからさらに絞り込む必要がありました。

ここで大事なのは、最初から正解のリストを作ろうとしすぎないことです。

最初のリストは、登録を取り切るためだけでなく、反応の違いを見るためのリストです。

たとえば、1日あたり一定数の電話をかけ、月に数件から十数件の面談機会を作る。そこで登録につながる会社、つながらない会社を分けていく。

その過程で、見えてくるものがあります。

「内装会社より、材料を多く抱える会社のほうが話が早い」

「小規模会社のほうが社長に届きやすい」

「在庫処分より、仕入れメリットを前面に出したほうが反応がよい」

「登録の手間を嫌がっているだけで、興味はある」

こうした情報は、広告管理画面だけでは拾いにくいものです。

解決

最初の数十社は、登録数よりも「反応する会社の型」を見つけにいく

初期ユーザー獲得では、まずターゲット仮説を小さく置いて、直接反応を取りにいくのが進めやすいです。

広告を否定する必要はありません。むしろ、後から効いてきます。ただ、最初から広告だけに寄せると、なぜ登録されたのか、なぜ離脱したのかが見えにくくなります。

進め方は、次の順番が現実的です。

まず、ターゲットを仮で切ります。

「関西圏の内装・リフォーム系」「従業員30名未満」「材料を自社で持ちやすい」「社長や番頭が判断しやすい」など、粗くても構いません。

次に、接点を作ります。

電話、既存の知人、取引先からの紹介、関連業者の営業担当からの紹介。建設業では、ここがまだ強いです。

特に、建材メーカーや商社、資材販売会社の営業担当は、在庫で困っている会社を知っていることがあります。

「お取引先で、余った材料の置き場に困っている会社さんはいませんか」

こう聞ける紹介チャネルは、広告とは違う濃さがあります。

そして、面談では登録を迫るだけにしません。

登録率、断られる理由、刺さった言葉を必ず残します。

見るべき指標は、たとえば次のようなものです。

  • 架電数に対して、何件の接点ができたか
  • 接点から何件が説明まで進んだか
  • 説明後、何件が登録したか
  • 登録しない理由は何か
  • 「在庫処分」「仕入れメリット」「低リスク」のどれに反応したか
  • チラシ、QRカード、Instagramのどこで止まったか

ここまで拾えると、次の打ち手が変わります。

登録しない理由が「よく分からない」なら、チラシの1枚目を変える。 「面倒そう」なら、登録手順を短く見せる。 「売れるイメージがない」なら、在庫が1回でもはけたときのメリットを前に出す。 「買う側が少なそう」なら、売り手より先に買い手候補を集める。

この改善を2週間単位、1か月単位で回します。

初期の目的は、大量獲得ではなく、勝ち筋の濃い業種・規模・商流・訴求を見つけることです。

その型が見えた後で、広告を使うと効果が出やすくなります。

広告の文言も、LPも、配布チラシも、電話で拾った言葉を反映できます。たとえば「余った在庫を売れます」よりも、「倉庫に残った部材を、必要な会社につなげます」のほうが伝わるかもしれません。

これは、実際に断られた理由を聞かないと分かりません。

まとめ

建設業向けの新規サービスは、最初のユーザー獲得が一番悩ましいところです。

広告で広く集めるのか。電話で狙うのか。紹介を使うのか。

どれか一つが正解というより、初期段階では役割を分けて考えるのがよさそうです。

広告は広げる手段です。電話や紹介は、反応する会社の型を見つける手段です。

特に、在庫マッチングのようなサービスでは、業種、会社規模、商流、材料の持ち方によって反応が変わります。

最初の数十社で見るべきなのは、獲得単価だけではありません。

誰が登録したのか。なぜ登録したのか。誰が断ったのか。どの言葉で前のめりになったのか。

ここを丁寧に拾うと、次の広告も、紹介依頼も、チラシも、営業トークも強くなります。

初期ユーザー獲得は、登録を増やす活動であると同時に、サービスの売り方を磨く活動です。

うちのサービスなら、最初のユーザーをどう集めるべきか整理したい方へ

建設業向けのアプリやマッチングサービスは、良いサービスであっても、最初の広げ方で悩みやすいです。

「広告に予算を使うべきか」 「電話でどの業種から当たるべきか」 「紹介をどう作ればよいか」 「登録しない理由をどう改善につなげるか」

このあたりは、サービス内容だけでなく、対象業種や商流によって変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題だけでなく、建設業向けサービスの販路拡大、顧客開拓、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「まだターゲットが固まりきっていない」「何から検証すべきか分からない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の場としてご活用ください。

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