関西圏で長年の取引先を持つガラス・サッシ系専門工事会社が、次の数年で利益率の良い取引を増やそうとしている状況
兵庫県を中心に関西圏で動く、30名弱のガラス・サッシ系専門工事会社の話です。
既存顧客は20社近くあります。中には25年ほど付き合っている先もあります。仕事量は十分にあります。紹介も入ります。青年団体や先輩経営者から「一回行ってみたら」と声がかかることもあります。
一方で、社長の関心は売上を大きくすることではありませんでした。
「正直、今の仕事はめちゃめちゃあるんです。無理せず行けるなら、行けたらいいかなという感じです」
この言葉に、専門工事会社らしい現実が出ています。
仕事がないわけではない。むしろ、あります。ただ、仕事量を増やすほど利益が残るとは限らない。さらに、後継者へ会社を渡していく時期も近づいています。次の代に残すなら、単なる売上ではなく、利益率の良い取引先と、無理なく回せる施工体制を整えておきたい。
このような会社にとって、新規取引先の開拓は「どこでもいいから増やす」話ではありません。受けるべき取引先を選ぶ経営判断になります。
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- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
大手やマンション系の案件は魅力がある一方で、自社体制と利益率を崩す可能性がある
新規取引先を考えるとき、最初に目に入りやすいのは大手の発注元や大型開発案件です。
関西圏ではホテル、商業施設、高層建築、マンションなどの開発が続いています。ガラス、サッシ、カーテンウォール、省エネ対応の複層ガラスなど、専門工事会社にとって需要が見込める領域もあります。
ただ、規模が大きいから良いとは限りません。
ある大手デベロッパー系の話が出たとき、社長はすぐにこう反応しました。
「でかいですね、規模が。僕らで対応できるのかなというのが一番です」
さらに、こう続きます。
「全部を捨てて、そこ一本で行くなら別ですけど、今のお客さんも長い付き合いなんで」
ここが大事です。新しい大型案件を取ることで、既存顧客の仕事をおろそかにしてしまうなら、会社全体ではプラスにならないことがあります。
専門工事会社の場合、現場を回すのは人です。職人、協力会社、番頭、管理者のキャパシティには限りがあります。大型案件を受けると、現場対応、打ち合わせ、納期管理、検査対応、手直し、書類対応が一気に重くなります。
その負荷を吸収できなければ、目先の売上は増えても、既存顧客の信頼や利益率を削ってしまいます。
また、マンション系の案件にも注意が必要です。物量は安定して見えます。反復性もあります。ところが、地域内では「単価が厳しい」「安く叩かれる」「検査が細かい」といった評判が流れていることもあります。
実際に、あるマンション系の取引先候補については、社長がこう話していました。
「マンションばかりで仕事としてはいいんですけど、すごい安いと聞いています」
別の候補についても、こうした声がありました。
「安くやらされているみたいです。製品確認もむちゃくちゃ厳しいみたいですね」
これは、相手が悪いという話ではありません。重要なのは、売上規模や知名度だけで判断すると、利益を残すための条件を見落としやすいということです。
紹介で仕事が入る会社ほど、取引先を増やす前に既存顧客とのバッティングと施工負荷を見ている
この会社は、自社から強く営業をかけて新規開拓してきたというより、紹介や横のつながりで仕事が入ることが多い会社でした。
既存顧客との関係も長く、一次請け・二次請けの立場も案件によって変わります。すでに口座を持っている元請けもあります。ただし、口座があるから仕事が多いわけではありません。特定の工場改修や紹介経由の案件で付き合いがあり、たまたま支払いの都合で口座を作った、というケースもあります。
つまり、取引関係は単純ではありません。
- すでに口座はあるが、実際の仕事量は少ない
- 元請け名は同じでも、実際は別会社経由で入っている
- 先輩や知人が関わる部署とは競合したくない
- 別部署なら入れる可能性がある
- 大手案件でも地域や部門によって条件が違う
こうした事情が重なります。
だからこそ、新規取引先を選ぶときには、「その会社と取引できるか」よりも「どの立ち位置で入るのか」を先に確認する必要があります。
たとえば、大手企業と直接つながること自体は魅力的です。支払い条件の改善や手形廃止の流れなど、大手から取引条件が整っていく可能性もあります。建設業界全体で働き方や支払い条件の見直しが進む中、大手側からホワイト化が進む面もあります。
一方で、大手の看板があっても、実際に入るルートが厳しい単価の下請け構造であれば、利益率は上がりません。逆に、知名度はそこまで高くなくても、改修・更新案件を安定して任せてもらえ、支払いも良く、検査や段取りの負荷が読める先であれば、会社に合う取引先になることがあります。
この会社の社長も、最終的には全国規模の大手ゼネコンより、サッシメーカーや建材メーカー系のルートに関心を寄せていました。
「大手ゼネコンは、関西ならだいたい行き先が頭に出てくるんです。入っていくなら、サッシメーカーのほうが人が足りなくなってきているんじゃないかと思うんです。利益率も高いかなと」
この見方はとても現実的です。
仕事がある会社ほど、新規取引先は“知名度”ではなく“自社が勝てる入り方”で見る必要があります。
新規取引先は売上規模ではなく、利益率・支払い条件・施工負荷・既存取引との相性で点検する
新規取引先を選ぶときは、候補先を並べて「大きい会社かどうか」で判断するより、いくつかの軸で点検したほうが実務に合います。
特に、引き合いが多い専門工事会社は、次の6つを見ておくと判断しやすくなります。
1. 利益率が読めるか
最初に見るべきは利益率です。
売上が大きくても、単価が厳しく、手間が多く、手直しが頻発する案件では利益が残りません。反対に、金額は中規模でも、段取りが読みやすく、職人の動きが安定し、追加対応の精算が通りやすい案件は、会社にとって良い仕事になります。
新規取引先は「売上が増えるか」ではなく「粗利が残る構造か」で見ることが大切です。
2. 支払い条件が合うか
支払い条件も重要です。
手形、入金サイト、出来高の扱い、追加工事の精算タイミングによって、資金繰りへの負担は変わります。大手だから安心とは限りませんが、支払い条件の整備が進んでいる会社であれば、長く付き合いやすくなります。
初回から大きく受けるのではなく、まずは小さめの案件で、請求から入金までの流れを確認するのも有効です。
3. 施工負荷が自社体制に合うか
大型案件は、現場の物量だけでなく、管理負荷も増えます。
打ち合わせ回数、搬入調整、工程変更、検査対応、是正対応、書類対応。こうした負荷が、社長や一部の管理者に集中すると、既存顧客への対応が薄くなります。
自社の職人・協力会社・管理者で無理なく回せる規模かどうかを、受注前に見ておく必要があります。
目安としては、次の問いが使えます。
- その案件を受けても、既存顧客の現場を落とさないか
- 社長が張り付かなくても回るか
- 協力会社を無理に増やさなくても対応できるか
- 繁忙期に重なったとき、逃げ場があるか
- 手直しや検査対応まで含めて採算が合うか
ここに不安が多い案件は、条件が良く見えても慎重に進めたほうがよいです。
4. 検査や品質確認の厳しさが利益を削らないか
品質確認が厳しいこと自体は悪いことではありません。むしろ、良い仕事をする会社にとっては評価される要素でもあります。
ただし、検査が細かいのに単価が低い、是正の範囲が曖昧、現場側の段取り不備まで専門工事会社が吸収する、という状態になると利益が削られます。
「製品確認が厳しい」「手間の割に安い」という評判がある場合は、実際に入っている同業者から情報を取ることが大切です。
検査が厳しい案件は、単価・工程・是正範囲がセットで整っているかを確認してから受けるべきです。
5. 既存取引先とバッティングしないか
紹介で仕事が回っている会社ほど、既存取引先との関係を崩さないことが大切です。
同じ元請けでも、部署が違えば問題ないことがあります。逆に、別会社に見えても、実際は既存顧客の商流と重なっていることもあります。
候補先を見るときは、次の整理が必要です。
- 既存顧客の上流と競合しないか
- 先輩や知人の担当領域を侵さないか
- 既存の紹介者に筋を通す必要があるか
- 同じ会社でも、別部署なら入れる余地があるか
- 直接取引に切り替えることで、誰かの顔をつぶさないか
これは建設業ではかなり大事です。利益率だけで押し切ると、長年の信用を失うことがあります。
新規開拓は、既存顧客を捨てるためではなく、会社に合う取引を少しずつ増やすために行うものです。
6. 最初から大きく取りに行かず、試せる入口を探す
新しい取引先は、最初から本丸の大型案件を狙わなくても構いません。
むしろ、専門工事会社にとっては、改修・更新・小規模なスポット案件から入るほうが相性を見やすいことがあります。
- 改修案件で段取りを見る
- 小規模案件で支払い条件を見る
- 担当者との相性を見る
- 検査基準や是正対応を見る
- 追加工事の精算姿勢を見る
こうした小さな接点を通じて、「この会社とは長く付き合えそうか」を見極めます。
最初の受注は、売上を取りに行く場ではなく、取引先としての相性を確認する場と考えると判断しやすくなります。
まとめ
仕事がある専門工事会社にとって、新規取引先の開拓は売上拡大だけの話ではありません。
むしろ大切なのは、利益率が良く、支払い条件が合い、施工負荷が読め、既存顧客との関係を崩さない取引先を選ぶことです。
大手やマンション系の案件には魅力があります。物量もあります。信用面の安心感もあります。ただし、安さ、検査の厳しさ、管理負荷、既存取引とのバッティングを見ないまま入ると、仕事は増えても利益が残らない状態になりかねません。
一方で、メーカー系、改修・更新系、部門別の直接接点など、自社の体制に合う入口を探せば、無理なく利益率を改善できる可能性があります。
ポイントは、候補先を次の順番で見ることです。
- 利益率が残るか
- 支払い条件が合うか
- 施工負荷が自社体制に合うか
- 検査・是正対応まで含めて採算が合うか
- 既存顧客とバッティングしないか
- 小さく試せる入口があるか
「仕事があるのに利益が残らない」と感じるときほど、増やす営業ではなく、選ぶ営業が効いてきます。
次の代に会社を渡していく時期なら、なおさらです。売上の大きな案件を一発で取りに行くより、利益が残る取引先を1本、2本と仕込んでいく。その積み重ねが、会社の安定につながります。
自社に合う取引先の選び方を整理したいときは
新規取引先を考えるとき、「大手に行くべきか」「メーカー系が合うのか」「既存顧客とぶつからない入り方があるのか」は、会社ごとの商流や施工体制によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、原価管理、人材確保、組織づくり、デジタル活用まで、現場と経営を横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は、どの取引先を狙うべきか」「利益率を落とさずに新規開拓するには何から整理すべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の場としてご活用ください。


































