20名弱の社員と50社超の協力会社で複数地域を回す通信設備会社の現在地
関西に拠点を置く、創業7年目の通信設備会社です。社員は20名弱。関西だけでなく、関東や北陸にも人員を配置しています。
協力会社と個人事業主を合わせたネットワークは50社を超えます。案件そのものは紹介や既存のつながりから入ってきます。
社長はすでに現場作業から離れています。ただし、受注後の案件管理は社長に集中しています。
「会社の連絡網に『こんな案件があります。担当しますか』と流して、外注するなら僕が業者を決めています」
案件が決まると、社内の担当者と協力会社をつなぎ、その後の進み具合も社長が追います。現場には出ていなくても、案件を回すための判断からは離れられていません。
今後は、受注した案件を精査し、自社で施工するのか、協力会社へ発注するのかを判断する体制をつくりたいと考えています。その先には、品質、安全、完了確認まで一貫して管理する構想があります。
「施工部と施工管理部のような形に分けていきたいんです」
現場を離れたことと、施工管理を手放せたことは同じではありません。会社が次の規模へ進むには、社長が担ってきた判断を組織の機能へ変える必要があります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
- 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
- 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
- 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
- 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
受注後の振り分けから完了確認までが社長を経由する案件管理
一番の課題は、協力会社の数ではありません。受注後の工程を回す判断が、ほぼすべて社長を経由していることです。
現在の流れを整理すると、社長が次の役割を担っています。
- 受注した案件の内容を確認する
- 自社施工か外注かを判断する
- 発注する協力会社を選ぶ
- 社内担当者と協力会社をつなぐ
- 品質や安全の状況を確認する
- 最終的な完了を確認する
平常時は、この形でも案件が回ります。社長には長年の業界経験があり、各社の得意分野や仕事の進め方も把握しているからです。
ところが、短期間に案件が集中すると状況が変わります。
「グッと案件が寄ったときに、協力会社が足りなくなるんですよね」
実際には協力会社が足りないだけではありません。どの会社へ、どの案件を、どの条件で任せるかを判断できる人も足りていません。社長への確認が増えれば、発注や現場への連絡も滞りやすくなります。
案件数を増やす前に、案件を振り分けて管理できる人数を増やさなければ、社長の処理量が事業規模の上限になってしまいます。
協力会社ごとに異なる「当たり前」を社長の経験で見極めてきた体制
社長から施工管理を切り離しにくい背景には、協力会社ごとの品質観の違いがあります。
「僕らが思っている当たり前の工事と、よその当たり前が本当に違うんです」
工期を優先して、まず終わらせることを重視する会社もあります。一方で、相談企業は品質や安全も含めて判断しています。考え方が近い協力会社には安心して発注できますが、依頼がそこへ偏りやすくなります。
「考え方が似ている会社に発注していると、案件がそこばかりに重なって、最後は『もう無理です』となってしまいます」
50社を超えるつながりがあっても、実際に継続して頼める先は限られます。新しい協力会社も紹介で見つかりますが、社長が一社ずつ見極めなければなりません。
つまり、社長の頭の中には、次のような判断材料が蓄積されています。
- どの工事を任せられるか
- 品質に対する考え方が合うか
- 安全管理を任せられるか
- 案件が重なったときも対応できるか
- 社内担当者と問題なく連携できるか
これらが明文化されていない状態では、別の社員に「今後は管理を任せる」と伝えても、同じ判断は難しいでしょう。担当者によって発注先や確認の厳しさが変わる可能性もあります。
社長依存の正体は、作業量の多さだけではありません。協力会社を選び、品質と安全を見極める基準が、社長の経験の中にあることです。
案件工程の棚卸しと判断基準の標準化から始める施工管理部門づくり
施工管理機能を組織化するなら、先に部署名や役職を決めるより、受注後の流れを分解するところから始めると進めやすくなります。
1.受注後の工程を一枚の流れにする
まずは、現在社長が行っている業務を案件単位で並べます。
- 案件内容を受け取る
- 内容と条件を精査する
- 自社施工か外注かを決める
- 社内担当者または協力会社を決める
- 発注して関係者をつなぐ
- 品質と安全を確認する
- 完了を確認する
- 結果を次の発注判断へ反映する
社長が頭の中で自然に行っていることも、工程として書き出します。誰から情報を受け、何を見て判断し、誰へ渡しているかまで整理するのがポイントです。
施工管理の組織化は、社長の仕事を丸ごと誰かへ渡すことではなく、案件ごとの工程と判断を分けて移管する取り組みです。
2.施工部と施工管理部の役割を分ける
構想にある「施工部」と「施工管理部」は、担当する責任を明確にすると機能しやすくなります。
施工部は、自社で受け持った工事を進め、現場の状況を施工管理側へ共有します。
施工管理部は、案件の精査、自社施工・外注の判断、協力会社への発注、品質・安全の確認、完了確認を担います。
ただし、最初からすべてを切り替える必要はありません。新しい協力会社への発注や判断が難しい案件だけは社長が承認し、既存の協力会社へ依頼する定型的な案件から担当者へ移す方法もあります。
「誰が作業するか」だけでなく、「誰が判断し、誰が確認し、どこから社長承認が必要か」を決めることが役割分担の中心です。
3.自社施工と外注の判断基準をそろえる
担当者へ判断を移すには、社長が何を見ているかを言葉にする必要があります。
たとえば、案件を受けた際に確認する軸をそろえます。
- 自社の人員と既存案件で対応できるか
- 必要な施工領域に対応できる協力会社がいるか
- 発注候補の稼働状況に余裕があるか
- 求める品質と安全の水準を共有できるか
- 完了まで社内担当者が管理できるか
正解を細かく決めすぎる必要はありません。「この条件なら自社」「この条件なら外注」「ここは社長確認」と境界を置くだけでも、確認の往復を減らせます。
4.協力会社の評価を社長の記憶から共有情報へ変える
発注先が一部に偏る問題には、協力会社を社数ではなく、実際に任せられる範囲で把握することが有効です。
工事を終えるたびに、品質、安全、対応できる工事、稼働状況、社内との連携について短く記録します。良し悪しを一方的に評価するためではありません。次に似た案件が来たとき、社長以外でも候補を挙げられる状態をつくるためです。
「品質を重視する会社なのか」「完了を急ぐ傾向があるのか」といった違いも、感覚のままにせず共有します。
協力会社管理では、つながっている社数より、各社へ何を任せられるかを組織で把握できていることが重要です。
5.責任者候補には実案件で判断理由を伝える
相談企業には、管理を担う候補となる社内メンバーがいます。ただし、現時点では現場へ出ることもあり、専任ではありません。
育成では、座学だけで施工管理全体を教えるより、実際の案件を使うほうが進めやすいでしょう。社長と候補者が一緒に案件を見て、「なぜ自社施工なのか」「なぜこの協力会社なのか」「どこを確認すべきか」を残していきます。
最初は候補者が案を出し、社長が承認します。判断がそろってきた工程から、承認なしで任せる範囲を広げます。
責任者を先に任命して終えるのではなく、社長の判断理由を実案件で共有し、任せられる範囲を段階的に広げる進め方が現実的です。
6.品質・安全・完了確認を同じ項目で回す
案件を発注した後の確認方法も、担当者ごとに変えないことが大切です。
品質、安全、完了確認について、最低限見る項目をそろえます。問題があった場合は、その内容と対応を残し、次回の発注判断へ反映します。
相談企業が目指しているのは、まさにこの循環です。
「発注して、品質と安全を管理して、最後にチェックする。その結果をブラッシュアップして、ぐるぐる回るサイクルをつくりたいんです」
施工管理部門は案件を振り分けるだけの部署ではありません。発注後の結果を次の判断へ戻し、会社としての施工品質をそろえる役割を持ちます。
まとめ
協力会社が50社を超えていても、案件の振り分け、発注、品質、安全、完了確認が社長に集中していれば、案件が増えるほど社長の負担も増えます。
必要なのは、いきなり立派な施工管理部をつくることではありません。まず、社長が行っている受注後の工程を棚卸しします。そのうえで、施工部と施工管理部の責任を分け、自社施工・外注判断と協力会社評価の基準をそろえます。
社長依存から抜ける第一歩は、社長を案件管理から完全に外すことではなく、社長しかできない判断と、担当者へ移せる判断を切り分けることです。
定型的な案件から任せ、判断理由と結果を記録する。この積み重ねが、品質や安全を落とさずに案件を回せる組織につながります。
自社に合う施工管理体制を整理したい方へ
「施工部と管理部をどう分ければよいか」「誰を責任者にすべきか」「社長の判断をどう基準に落とせばよいか」は、会社の人数や施工領域、協力会社との関係によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、採用、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
施工管理を組織化したいものの、何から整理すべきかわからない段階でも構いません。現在の案件の流れや役割分担を一緒に確認し、次に整えるべき部分を整理できます。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、自社の場合を考えるきっかけとしてお声がけください。




























