関西・関東・北陸で通信設備工事を手がけ、50社以上の協力会社とつながる20名規模の会社
関西を拠点に、関東や北陸にも人員を置く通信設備工事会社があります。創業から約9年。社員は20名ほどで、30歳前後が中心です。
協力会社や個人事業主との接点も、すでに50〜60社ほどあります。社長自身が19歳から業界に入り、長年かけて築いた信用と人脈があるため、仕事は電話で入ってきます。
今後の施工力を考えるうえでは、社員だけを増やすのではなく、協力会社や業務委託を活用する方針です。
「社員を増やすだけではなく、協力会社さんや業務委託という形で増やしていきたいんです」
一見すると、外注体制の基盤は十分に整っています。それでも社長の感覚は違いました。
「グッと案件が寄ったときに、足りなくなってしまうんですよね」
協力会社の登録数が多いことと、必要な時期に必要な品質で動ける施工力があることは、同じではありません。
1週間で 15件の相談 がありました
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
- 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
- 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
- 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
- 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
仕事の考え方が合う数社に発注が偏り、繁忙期に施工力がパンクする状態
最も大きな課題は、発注できる会社が限られていることです。
協力会社の数は少なくありません。しかし、各社で「当たり前の工事」の基準が違います。
「僕らが思っている当たり前の工事と、よその当たり前が本当に違うんです。とりあえず終わらせるのが先なのか、品質を大事にするのか。そこが難しいんですよね」
そのため、仕事の進め方や品質に対する考え方が近い会社へ発注が集中します。頼みやすく、任せても安心だからです。
ところが案件が重なると、その会社の予定が先に埋まります。
「考え方が似ているところに発注していくと、案件がそこばかり重なって、最後は『ちょっと無理やわ』となってしまうんです」
発注先を広げようとしても、品質、現場での振る舞い、安全面に不安があれば簡単には任せられません。自社の名前で現場に入ってもらう以上、協力会社の仕事ぶりは自社の評価にもつながります。
本当のボトルネックは協力会社の社数ではなく、「安心して発注できる会社」の層が薄いことです。
紹介で候補は増えても、選定・発注・評価が社長の経験に集まっている構造
協力会社の開拓は、現在も紹介が中心です。
「今の協力会社さんに『こんな案件があるけど、誰かおらへん?』と聞いて、何社か上がってくる感じです」
この方法は、初対面の会社へいきなり依頼するより安心感があります。一方で、紹介された会社が自社の品質基準に合うとは限りません。これまでの人脈も広がり切りつつあり、社長も「ある程度は上限まで来ている」と感じています。
さらに、案件の振り分けも社長に集中しています。社内の連絡ツールへ案件を流し、担当者を決め、協力会社を探し、両者をつなぐ。案件が増えるほど、この調整も増えていきます。
社長が考えているのは、受注後の判断から完了確認までを一つの流れにすることです。
「案件を精査して、自社で受けるのか、外へ発注するのかを決める。発注するなら、品質や安全をどう管理して、最後にどうチェックするか。そのサイクルを作りたいんです」
現状は、どの会社なら任せられるかという判断が、社長の頭の中にあります。過去の仕事ぶり、担当者の人柄、連絡の取りやすさ、品質への姿勢まで、経験として蓄積されています。
しかし、その判断材料が社内で共有されていなければ、他の担当者は同じ精度で発注できません。結果として、社長が知っている数社に依頼が偏ります。
紹介が問題なのではなく、紹介後に「試す・評価する・次の発注につなげる」仕組みがないことが、外注体制の広がりを止めています。
必要施工力を見える化し、小さく任せて評価する発注サイクルづくり
必要なのは、協力会社を一気に増やすことではありません。候補会社を継続的に受け入れ、自社の基準に合うかを確かめながら、発注可能な会社へ育てる流れです。
「開拓数」ではなく、「評価済みで再発注できる会社数」を増やすことが、繁忙期の対応力につながります。
1.不足する施工力を案件単位で見えるようにする
最初に整理したいのは、「何社増やすか」ではなく「どの施工力が、いつ、どこで足りないか」です。
案件ごとに、少なくとも次の情報を並べます。
- 施工エリア
- 工事内容と必要な技術
- 必要人数
- 稼働時期と期間
- 必要な資格や現場経験
- 自社施工か外注か
- 現在依頼できる協力会社
関西では足りていても、関東の特定工事では依頼先が一社しかない、といった偏りが見えるかもしれません。会社数だけを数えると、この偏りを見落とします。
施工能力は「社数」ではなく、エリア・工種・人数・時期の組み合わせで把握することが大切です。
2.社長の頭にある選定基準を言葉にする
次に、「自社と考え方が合う会社」の中身を明文化します。
相談企業の場合、特に重視していたのは品質、安全、仕事の進め方でした。ここに現場で確認できる項目を加え、選定表にします。
- 仕上がりが自社基準を満たしているか
- 完了を急ぐあまり、必要な確認を省いていないか
- 安全上の決まりを守れるか
- 報告や連絡が必要なタイミングで行われるか
- 現場担当者と円滑に連携できるか
- 指摘後に改善が見られるか
基準を増やしすぎると運用が止まります。まずは「これを外す会社には任せにくい」という項目を5つほど決めるところからで十分です。
曖昧な「相性」を、品質・安全・連絡・改善姿勢などの確認項目へ置き換えると、発注判断を社内で共有できます。
3.新しい会社には小さな範囲から試験発注する
紹介された会社へ、最初から大きな案件を任せる必要はありません。影響範囲を抑えられる仕事から依頼し、実際の施工で判断します。
発注前には、自社が大切にする品質と安全の基準を伝えます。完了後は、担当者が同じ評価表で確認します。問題があった場合も、一度で外すのではなく、指摘に対して改善できる会社かを見ます。
「初回発注済み」「再発注可能」「条件付きで発注可能」「現時点では発注を見送る」と段階を分けると、候補会社の現在地が分かりやすくなります。
試験発注は会社を落とすためではなく、どの仕事なら安心して任せられるかを見つける機会です。
4.品質と安全の評価を、次の発注へ反映する
評価表は、記録するだけでは意味がありません。次回の発注判断に使える状態にします。
協力会社ごとに、対応できるエリア、工種、人数、過去の評価、注意点をまとめます。担当者が変わっても、「この会社は何を任せやすいか」が分かる形です。
すべての会社に同じ仕事を求める必要はありません。品質は安定しているが大人数の手配は難しい会社もあれば、広いエリアに対応できる会社もあります。各社の得意分野を把握すれば、発注先の選択肢は広がります。
協力会社を一律に優劣で並べるのではなく、「どの条件なら力を発揮できるか」で管理すると、発注の偏りを減らせます。
5.稼働状況を定期的に共有する
繁忙期に入ってから一社ずつ電話をかけても、すでに予定が埋まっていることがあります。
そこで、主要な協力会社とは、今後の空き時期や対応可能人数を定期的に確認します。自社側も、確定案件だけでなく見込み案件の時期を共有できれば、相手も人員を調整しやすくなります。
管理項目は複雑でなくて構いません。「今月」「翌月」「翌々月」の稼働見込みを、空きあり・要相談・対応困難の3段階で更新するだけでも、急な電話頼みから抜けやすくなります。
案件情報と協力会社の稼働情報を同じ場所で見られるようにすると、繁忙期になる前に不足へ気づけます。
6.受注から完了確認までの担当を決める
仕組みを回すには、誰が更新し、誰が判断するかも必要です。
相談企業では、将来的に施工部門と施工管理部門を分ける構想がありました。受注した案件を精査し、自社施工か外注かを判断する。外注なら発注し、品質と安全を管理し、最後に評価する。その役割を社内で育てたいという考えです。
最初から専任部門をつくる必要はありません。まずは一人の担当者を決め、社長と一緒に判断基準を使うところから始められます。社長の判断を横で見ながら記録すれば、経験を社内へ移していけます。
外注管理を社長だけの仕事から会社の業務へ変えるには、受注・精査・発注・管理・評価の担当と流れを決める必要があります。
まとめ
協力会社が50社以上いても、案件が集中したときに動ける会社が少なければ、施工力は不足します。品質や仕事の考え方が合う会社へ発注が偏るのは、現場を守るうえで自然な判断です。
ただ、そのままでは信頼できる数社が先にパンクします。紹介先を増やし続けるだけでも解決しません。
整理したいのは、次の流れです。
- 不足する施工力をエリア・工種・人数・時期で把握する
- 品質、安全、進め方の選定基準を明文化する
- 小さな仕事から試験発注する
- 施工後の評価を次の発注へ反映する
- 案件予定と協力会社の稼働状況を共有する
- 一連の管理を担う社内担当者を育てる
紹介で「知っている会社」を増やす段階から、仕組みで「任せられる会社」を増やす段階へ移ることが、品質を保ちながら外注体制を広げる次の一手です。
自社に合う協力会社管理の形から整理したい方へ
必要な施工力や品質基準は、工種、エリア、元請けの要求、現在の社内体制によって変わります。「うちの場合はどこから整理すればよいか」「社長に集中している発注判断をどう移せばよいか」という段階でも、状況を一緒に整理できます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の協力会社開拓や施工体制づくりを、現場、組織、原価、デジタル活用まで横断して支援しています。建設業界の経営者の懐刀として、ものづくりに集中できる環境づくりを実行まで支えます。
無理にサービスを勧めることはありません。現在の協力会社数や発注方法を確認しながら、次に整えるべき項目を考える場としてご活用ください。



























