前提

東海エリアで塗装・防水を担う20名弱の会社が、既存の紹介ルートを大事にしながら販路を広げようとしている状況

三重県を拠点に、東海エリアで塗装・防水、大規模修繕まわりを手がける20名弱の専門工事会社の話です。既存の取引先には、地場の建設会社経由の案件や、大手ゼネコン系の仕事があります。さらに、以前から関係のある顧問的な立場の方を通じて、大手との接点も少しずつ作ってきました。

一方で、会社としては次の成長に向けて、管理会社、デベロッパー、改修専門会社、ゼネコン系グループ会社など、まだ直接の付き合いがない先とも接点を持ちたいという考えがあります。

ただ、そこで出てきたのが「新規開拓したいかどうか」ではなく、既存の元請・紹介者・協力会社との関係を壊さずに、どこへ営業してよいのかという悩みでした。

実際に、社長はこう話していました。

「新規のお客さんとの付き合いに興味がない経営者って、あまりいないと思うんです。ただ、僕らは人の付き合いで商売をしているので、誰かが嫌な思いをする形は難しいです」

この感覚は、建設業ではかなり自然です。販路を広げたい気持ちと、既存の信頼関係を守りたい気持ちは、どちらも正しいからです。

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  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

営業先リストを増やす前に、どの会社へ行くと誰とぶつかるのかが見えにくいこと

新規営業の話になると、つい「どの大手にアプローチするか」「誰に紹介してもらえるか」という話になりがちです。しかし、建設業ではその前に、その営業先が既存の商流のどこかに重なっていないかを確認する必要があります。

たとえば、ある改修専門会社とは直接取引がないように見えても、実は既存の元請がその会社の下請けに入っているかもしれません。あるデベロッパーの中部支店に営業したつもりが、現在お世話になっている紹介者の重要な取引先だった、ということもあり得ます。

相談の中でも、ある大手グループの改修会社について「名前は聞いたことがある気がするけれど、仕事で付き合いがあるかは多分ない。ただ、社員がやっていたら分からない」という話がありました。

これは決して珍しいことではありません。現場単位、担当者単位、紹介者単位で関係ができている会社ほど、社長の頭の中だけでは全体を把握しきれないことがあります。

つまり課題は、営業意欲の有無ではありません。攻めてよい先、事前確認が必要な先、避けるべき先を分けるための商流整理ができていないことです。

背景

建設業の新規開拓は、案件ではなく人の信用を動かす仕事になりやすいこと

建設業の営業が難しいのは、仕事が単なる商品売買ではないからです。塗装・防水、大規模修繕、下地補修、足場まわりなどは、品質・安全・段取り・現場対応まで含めて評価されます。さらに、誰から紹介された会社なのか、どの会社の協力会社なのかも見られます。

社長の言葉にも、その前提がよく出ていました。

「紹介できる人って、人との付き合いの中で信頼できる方にしか紹介できないんですよね。紹介する以上、信用問題になってくるので」

この感覚があるからこそ、いきなり営業先リストを渡されても、すぐには判断しづらくなります。会社名だけを見ても、その会社の後ろにいる元請、一次請け、協力会社、紹介者、担当者の関係までは分からないからです。

特に、すでに一定の取引先がある会社ほど、次のような重なりが起きやすくなります。

  • 既存元請の取引先に、別ルートから直接営業してしまう
  • 既存の紹介者が大事にしている会社へ、事前共有なしに接触してしまう
  • 協力会社として入っている先に、元請の立場で入りに行ってしまう
  • 同じ現場・同じエリア・同じ工種で、既存先と競合関係になってしまう

ここを曖昧にしたまま進めると、案件獲得以前に「なぜそこへ行ったのか」という話になりかねません。

一方で、過度に慎重になりすぎると、新しい管理会社や改修専門会社、デベロッパー支店との接点が作れなくなります。大事なのは、営業を止めることではありません。関係を壊さないために、営業先を分類してから動くことです。

解決

既存商流を棚卸しして、営業先を「攻める・確認する・避ける」に分けて進めること

新規取引先を増やすときは、まず営業リストを作る前に、既存商流を見える化するのが現実的です。大がかりな仕組みでなくても構いません。最初はスプレッドシートで十分です。

整理したい項目は、次のようなものです。

  • 既存取引先名
  • その会社との関係性:元請、一次請け、協力会社、紹介元など
  • 受注している工種:塗装、防水、下地補修、大規模修繕など
  • 案件の地域:東海3県、名古屋市内、周辺県など
  • 誰の紹介で始まった取引か
  • 先方の上位会社・主要取引先として把握している会社
  • 自社が直接営業してよいか、事前確認が必要か

この棚卸しをしたうえで、営業候補先を3つに分けます。

1つ目は、攻めてよい先です。 既存取引先との直接的な重なりが薄く、自社の施工実績や体制とも合う会社です。たとえば、まだ接点のない改修専門会社、管理会社、デベロッパーの地域拠点などが該当します。ただし、会社名だけで判断せず、担当者やエリアまで確認します。

2つ目は、事前確認してから動く先です。 既存先とどこかでつながっていそうだが、明確には分からない会社です。ここは、いきなり営業するのではなく、社内の担当者、現場責任者、紹介者に確認します。「この会社に接点を持とうと思っているが、問題ないか」と一言入れるだけで、後々の摩擦はかなり減らせます。

3つ目は、避けるべき先です。 既存元請の主要顧客、紹介者が強く関係している先、現在の協力会社と明確に競合する先などです。短期的には案件につながりそうでも、信頼関係を削る可能性が高い場合は、無理に行かない判断も必要です。

この分類をすると、新規営業はかなり進めやすくなります。社長の感覚だけに頼らず、社員も同じ基準で判断できるようになるからです。

また、ターゲット選定では、バッティングの有無だけでなく、自社がどの立場で入りたいのかも決めておく必要があります。

今回の会社では、「自社が頭になってお客様を持ち、職人さんや協力会社さんが自社の名前で動ける体制」にしたいという考えがありました。この場合、単に下請け先を増やす営業ではなく、元請または一次請けに近い立場で動ける相手を選ぶ必要があります。

そのため、営業先を選ぶときは次の順番で見ると整理しやすくなります。

  1. 自社が担いたい立場は、元請寄りか、一次請けか、協力会社か
  2. その立場で必要な施工体制・管理体制があるか
  3. 既存先と商流が重ならないか
  4. 重なる場合、誰に事前確認すべきか
  5. 接点を作るなら、紹介・面会・直接連絡のどれが自然か

営業先は「行けそうな会社」ではなく、「自社の立場と既存商流に合う会社」から選ぶべきです。ここを間違えなければ、新規開拓は既存関係を壊す動きではなく、会社の幅を広げる動きになります。

まとめ

建設業で新規取引先を増やすとき、本当の論点は「営業するかしないか」ではありません。多くの会社は、新しいお客様との出会いには前向きです。

ただし、建設業は人の信用で仕事が動きます。だからこそ、既存の元請・紹介者・一次請け・協力会社との関係を整理しないまま営業先を広げると、思わぬバッティングが起きることがあります。

まずは既存商流を棚卸しし、営業候補先を「攻めてよい先」「事前確認が必要な先」「避けるべき先」に分けることです。そのうえで、自社が元請として動きたいのか、一次請けとして入りたいのか、協力会社として関係を作りたいのかを決めます。

販路拡大は、既存の人間関係を崩さずに進めることができます。必要なのは、営業力だけでなく、商流を読む順番です。

自社の商流を崩さずに販路を広げたいときの整理先

「新規先は増やしたいが、どこへ行くと既存先とぶつかるのか分からない」「紹介ルートや協力会社との関係を整理してから動きたい」という段階では、まず自社の商流を一緒に見える化するところから始めるのが有効です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、協力会社開拓、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで、建設業の経営課題を横断して整理し、実行まで支援しています。

うちの場合はどこまで営業してよいのか、何から整理すべきか分からない段階でも構いません。無理な営業はいたしませんので、状況整理の相手として必要なときにご相談ください。

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