埼玉県南部の10名規模の足場工事会社が、大手ハウスメーカーとの直接取引を考え始めた段階
埼玉県南部を拠点に、東京・千葉・山梨方面まで動く、10名規模の足場工事会社の話です。
主な仕事は戸建て住宅の足場工事です。新築も改修も対応しています。物件としては一般住宅が中心で、少し大きめのアパートや小規模マンションもあります。協力会社や一人親方とのつながりもあり、エリア対応力は一定あります。
現状でも大手ハウスメーカー系の仕事に入ることはあります。ただし、多くは塗装会社などを経由した二次請けです。
「大手の仕事はやっているんです。ただ、直接ではなくて、間に入っている会社さん経由なんです」
この会社が考えていたのは、単純な売上拡大ではありません。
売上を2倍、3倍にしたいという話ではなく、自社の足場工事・対応品質・現場マナーが、大手の厳しい現場で通用するのかを試したいという販路拡大です。
ここが大事です。
販路拡大というと、すぐに「売上を増やす」「単価を上げる」「案件数を増やす」という話になりがちです。もちろん、それも大切です。
ただ、今回のように、会社の姿勢や現場品質を次の市場で試したいという動きもあります。
特に足場工事のように、現場での印象がそのまま会社の評価につながる業種では、どの取引先に入るかは、売上だけでなく会社の見られ方を変える選択でもあります。
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- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
大手案件に入りたいが、入口が紹介や協力会員に限られやすい構造
大手ハウスメーカーとの取引で最初にぶつかるのは、営業力以前の入口です。
この会社も、まさにそこに悩んでいました。
「実力や実績に自信があっても、窓口につけないんです」
大手ハウスメーカーの場合、いきなり新規営業で入り込むのが難しいことがあります。協力会、既存協力会社からの紹介、現場ごとのつながりなど、入口が限られているケースが多いからです。
電話をして、資料を送って、すぐ面談になる。そういう世界ではないことも多いです。
特に足場工事では、すでに長く入っている協力会社がいます。既存の施工体制もあります。安全管理や工程管理のルールもあります。
そのため、外から見れば「大手と直接つながりたい」というシンプルな話でも、実際には次のような壁があります。
- 既存協力会社との関係が強い
- 協力会や紹介ルートが重視される
- 安全・品質・書類・報連相の基準が高い
- 現場単位ではなく、会社としての継続対応力を見られる
- 価格だけでは入りにくいが、価格競争に巻き込まれる可能性もある
この会社も、地域の工務店や既存顧客とは長く付き合えていました。紹介もあり、評価も得ていました。
「お客さんからは、だいぶいい評価をいただいているんです」
それでも、大手に入るとなると別の難しさがあります。
販路拡大の課題は、営業先のリストを増やすことではなく、自社の強みが評価される入口をどう見つけるかにあります。
ここを間違えると、せっかく大手案件に入れても、単価だけで比較される可能性があります。
足場工事は、人を動かして、現場を回して、工程に合わせる仕事です。無理な条件で受けると、現場に負荷がかかります。職人の疲弊にもつながります。
相談の中でも、かなり率直な言葉がありました。
「建設で売上を上げたいとなると、単価を上げるか、生産性を上げるしかない。でも生産性を上げるだけだと、人を使ってバスバス回すしかなくなって、結局きついし、ハードになるじゃないですか」
これは、多くの専門工事会社に通じる感覚だと思います。
大手案件に挑戦するなら、売上が増えるかだけでなく、現場が健全に回る条件で入れるかを見る必要があります。
「足場屋っぽくない」と言われる会社にしたいという思いが販路拡大の土台になっている
この会社が大手ハウスメーカーを見ていた理由は、売上だけではありませんでした。
背景にあったのは、足場業界の見られ方を変えたいという思いです。
「建設業をサービス業に、というのは常に念頭に置いています」
この言葉が印象的でした。
足場工事は、どうしても荒いイメージを持たれやすい業種です。怖い。柄が悪い。言葉がきつい。近隣対応が雑。そう見られてしまう場面もあります。
もちろん、現場で真面目にやっている会社はたくさんあります。ただ、業界全体のイメージは一朝一夕には変わりません。
だからこそ、この会社では、技術だけでなく人としての対応を大事にしていました。
「足場屋なのに、サービス業みたいだねと言われる会社にしたいんです」
大手に勝てる強みについて聞かれたときも、答えは明確でした。
「大手に勝てる強みは、そこだけです」
ここで言う「そこ」とは、職人の態度、約束を守ること、嘘をつかないこと、報連相、近隣や元請けへの対応、現場での立ち居振る舞いです。
この会社にとっての販路拡大は、単に新しい取引先を増やすことではなく、自社が大切にしてきた現場対応が厳しい市場で評価されるかを確かめる挑戦でした。
この視点は、中小の専門工事会社にとって大きなヒントになります。
大手案件に入ると、当然ルールは細かくなります。安全書類、工程調整、現場での報告、近隣配慮、職人のマナー。求められる水準は上がります。
一方で、そこをきちんとできる会社にとっては、価格だけではない評価軸が生まれます。
「小さい会社だけど、現場がきれい」
「職人さんの対応がいい」
「連絡が早い」
「安心して任せられる」
こうした評価は、すぐに数字には見えません。けれど、継続取引や紹介につながります。
大手案件で評価される可能性があるのは、施工力そのものに加えて、品質・マナー・報連相を会社として再現できる体制です。
ここが、単なる営業開拓との違いです。
大手に入る前に、狙う市場・既存顧客・現場体制の3点を整理する
大手案件への挑戦は、勢いだけで進めないほうがよいです。
入り口が見つかったとしても、その先で現場が回らなければ意味がありません。既存顧客との関係が崩れても困ります。条件が合わず、職人に無理が出ても続きません。
まず整理したいのは、次の3点です。
1. なぜ大手案件に入りたいのかを言葉にする
最初に見るべきは目的です。
売上を伸ばしたいのか。単価を上げたいのか。安定受注を増やしたいのか。自社の実力を試したいのか。業界での見られ方を変えたいのか。
目的によって、狙う先は変わります。
今回の会社であれば、目的はかなりはっきりしていました。
「売上を増やしたい」よりも、「自社の品質が厳しい現場で通用するかを見たい」ことが主目的でした。
この場合、ただ物量が多い会社を狙うより、自社の対応品質を評価してくれる会社を選ぶほうが合っています。
たとえば、次のような観点です。
- 改修案件で近隣対応を重視する会社
- 安全管理や報連相の基準が明確な会社
- 単発ではなく継続的な協力会社を求めている会社
- 価格だけでなく現場対応を見てくれる会社
- 既存協力会社の入れ替えではなく、補完先を探している会社
大手だから良い、ではありません。
自社の強みが評価される大手を選ぶことが、販路拡大の第一歩です。
2. 既存顧客との関係を崩さない入口を探す
足場工事会社が大手案件に入るとき、既存顧客との関係も大切です。
この会社も、地域の工務店、塗装会社、既存の取引先との関係を持っていました。一部のリフォーム対応も、既存顧客から求められた場合に限って行っていました。
足場会社がリフォームまで広げると、見方によっては既存取引先と競合することがあります。
だから、派手に広げていない。
この判断は現実的です。
販路拡大では、新しい取引先だけを見るのではなく、今まで支えてくれた取引先とぶつからない設計が必要です。
大手ハウスメーカーへの入口も同じです。
既存の塗装会社経由で入っている案件があるなら、その関係をどう扱うか。直接取引を狙うことで、どこかの顔をつぶさないか。既存商流を壊さずに広げられる余地はあるか。
ここを先に整理しておくと、動き方が変わります。
たとえば、いきなり本体へ営業するのではなく、次のようなルートを検討できます。
- 既存協力会社からの紹介余地を探る
- 改修部門やエリア担当など、相性のよい窓口を探す
- 既存業者の繁忙期補完として入る
- 足場単体ではなく、改修対応の一部として入れる可能性を見る
- 地域ごとの協力会社網に空きがあるか確認する
大手案件は、正面突破だけが入口ではありません。
「どこに営業するか」より先に、「どの商流なら無理なく入れるか」を見ることが大切です。
3. 現場品質を会社として再現できる状態にする
大手案件では、社長の人柄だけでは評価が続きません。
現場に出る職人、協力会社、一人親方、アルバイトまで含めて、同じ基準で動けるかが見られます。
今回の会社は、報連相やマナーを大切にしていました。足場業界のイメージを変えたいという思いもありました。
だからこそ、入口を作る前に、現場品質を言語化しておくことが重要です。
たとえば、次のような内容です。
- 現場入場時の挨拶
- 近隣対応のルール
- 作業前後の写真報告
- 工程変更時の連絡基準
- 元請け担当者への報告タイミング
- 協力会社に守ってもらう最低基準
- クレーム発生時の初動対応
難しい制度でなくても構いません。
まずは、普段やっていることを言葉にするだけでも十分です。
大手に見せるべき強みは、「うちはちゃんとやっています」ではなく、「この基準で現場を回しています」と説明できることです。
これがあると、紹介を受けたときにも伝わりやすくなります。
また、社内にも効きます。
大手案件が増えたときに、現場ごとのばらつきを減らせます。協力会社にも基準を共有できます。若手にも教えやすくなります。
販路拡大と組織づくりは、別々に見えてつながっています。
厳しい現場に挑戦するなら、営業先を探す前に、自社の現場品質を再現できる形にしておくことが近道です。
まとめ
専門工事会社が取引先を広げるとき、売上拡大だけを目的にすると判断がぶれやすくなります。
もちろん売上は大切です。利益も大切です。社員への還元も、会社を続けるための体力も必要です。
ただ、今回の足場工事会社のように、「自社の実力が厳しい現場で通用するか」「足場業界の見られ方を変えられるか」から販路拡大を考える視点もあります。
大手ハウスメーカーに入るなら、見るべきは次の順番です。
- なぜ大手案件に入りたいのか
- 自社の強みはどの市場で評価されるのか
- 既存顧客との関係を崩さないか
- 入口は紹介・協力会・既存商流のどこにあるのか
- 現場品質を会社として再現できるか
大手案件は、単に案件数が多いから魅力的なのではありません。
自社の施工力、対応力、マナー、報連相が評価される場所なら、会社の次の成長につながります。
逆に、価格だけで比較される入口だと、現場が苦しくなることもあります。
取引先開拓は、営業活動であると同時に、会社のあり方を選ぶことでもあります。
「どことつながるか」は、「どんな会社として見られたいか」と近い話です。
だからこそ、売上目標だけではなく、自社の強みが正しく伝わる市場を選ぶことが大切です。
大手案件への入口を、自社の強みから整理したいときは
大手ハウスメーカーや元請けとの取引を考えるときは、いきなり営業先を増やす前に、自社の現在地を整理すると動きやすくなります。
どの商流なら入りやすいのか。既存顧客とぶつからないか。自社の現場品質はどこで評価されるのか。協力会社も含めて対応できる体制か。
このあたりを一度言葉にしておくと、次の一手が見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は、大手を狙うべきなのか」「どの取引先なら強みが生きるのか」「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてお使いください。
































