前提

兵庫県東部の小規模足場会社が、三次請け中心から中堅ゼネコンの二次請けを目指している状況

兵庫県東部で足場工事やとび工事を中心に手がける、従業員10名弱の専門工事会社の話です。法人化からまだ数年の若い会社で、年間売上は5,000万円前後。現在は三次請けに近い立場で現場に入ることが多く、書類上は二次請けの形になる現場もあります。

社長自身ももともとはとび職人です。自社の強みも、足場・とびの職人力にあると見ています。今後は「5人1チームを2〜3チーム作れたらいい」という構想があり、仕事量としては「あと10人おってもいいぐらい」と感じている状況です。

一方で、単純に人を増やすだけではありません。三次、四次と下にいくほど単価は厳しくなります。応援単価も上がっています。会社として利益を残すには、今より上流の取引に近づく必要があります。

そこで見えている方向性が、中堅ゼネコンの二次請けに入り、まずは実績と名前をつくることです。

社長の言葉にも、その考えがよく出ています。

「ほんまはゼネコンの名義人になりたい。ただ、最初は二次ぐらいでいいんじゃないかな」

ここで大事なのは、いきなり一次請けや公共工事を狙う話ではないことです。施工力はある。仕事量もある。協力会社もいる。けれど、管理体制はまだ追いついていない。この温度感は、多くの小規模・専門工事会社に近いのではないでしょうか。

職人の腕で評価されている会社ほど、次の成長では「管理をどこまで持つか」が分岐点になります。

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  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
  • 6月8日防水工事会社兵庫県
  • 6月8日電気設備工事会社神奈川県
  • 6月8日内装工事会社大阪府
  • 6月5日リフォーム会社愛知県
  • 6月5日プラント工事会社香川県
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課題

職人の評判はあるのに、書類対応と現場管理が弱く一次請けや公共工事に踏み出しにくい

この会社の悩みは、施工品質が低いことではありません。むしろ逆です。

社長は自社の強みを聞かれたとき、こう話していました。

「職人は褒められるんです、足場は。ただ、管理は弱いね」

この一言に、課題の芯があります。

足場の品質、現場での動き、職人の評判はある。けれど、上流に近づくほど求められるものは変わります。現場で組む力だけではなく、書類、段取り、安全管理、元請とのやり取り、協力会社の管理、入場手続き、工程調整などが増えていきます。

特に一次請けや公共工事になると、施工そのもの以外の業務が一気に重くなります。

たとえば、次のような業務です。

  • 施工体制台帳や再下請負通知書などの書類対応
  • 作業員名簿、資格証、保険関係の確認
  • 安全書類、KY、入場書類の整備
  • 工程表や写真管理
  • 元請・発注者との定例、報告、調整
  • 協力会社の手配、単価交渉、請求確認
  • 入札や公共案件に関わる事務処理

もちろん、すべてを最初から完璧に揃える必要はありません。ただ、上流に行くほど「職人が良い会社」から「任せても管理が崩れない会社」へ見られ方が変わるのは確かです。

社長も、公共工事については魅力を理解していました。

「国の仕事は硬いけど、僕のパソコンや書類の能力で言うと無理ちゃうかな」

この感覚は、とても現実的です。公共工事は単価や安定性の面で魅力があります。しかし、今の体制で入札案件まで手を伸ばすと、社長の時間が書類と管理に吸われます。現場を見る時間、営業する時間、職人を育てる時間が削られます。

元請化や公共工事への挑戦は、売上の話であると同時に、社内の処理能力の話です。

背景

三次請けの単価構造から抜けたい一方で、今の人数では管理専任者を置けていない

この会社が上流を目指す背景には、単価構造の問題があります。

現在は三次請けに近い立場の工事が中心です。社長は、さらに下の四次に協力会社を入れると、会社として利益を残しにくいと話していました。

「三次の金額になってくるから、四次を探すってなったら、横々では行かれへん。利益は取っていかなあかんけど、ほとんど取られへん状態になる」

現場が忙しくても、利益が残らない。応援単価は上がる。協力会社を使えば使うほど、管理も増える。こうなると、会社を大きくするほど楽になるのではなく、逆に薄利で忙しくなることがあります。

だからこそ、二次請けに上がりたい。中堅ゼネコンの現場に入り、実績をつくりたい。職人の腕を見てもらい、会社名を知ってもらいたい。採用にもつなげたい。

社長は採用についても、求人媒体だけでは限界を感じていました。若い職人が若い職人を連れてくる。現場で会社名や作業服、ヘルメットを見て、「あの会社いいな」と思ってもらう。そういう流れを重視していました。

「名前が売れたら、向こうから来てくれるかもしれない。そっちにお金かけてるほうがええんちゃうかな」

これは採用広報の話でもありますが、今回のテーマでは、上流取引に入る理由として重要です。良い現場に入り、良い仕事を見せることが、営業にも採用にも効いてくるからです。

ただし、上流に近づけば近づくほど、管理の壁が出てきます。

たとえば、中堅ゼネコンと直接に近い立場で取引する場合、現場での施工力だけでなく、書類関係をきちんと回せるかが見られます。公共工事であれば、さらに事務処理や入札対応の比重が上がります。

社長もそこは冷静に見ていました。

「メインで行ったら、多分しんどいと思うんです。書類関係も含めて。ほんまに専門のやつがいれば別やけど、今の会社のキャパ的にも無理やろうな」

この判断は弱気ではありません。むしろ、会社の現在地をよく見ています。

施工力がある会社ほど、管理体制を整えないまま上流に出ると、現場ではなく社内が先に詰まります。

解決

まず二次請けで実績を積み、管理業務を棚卸ししながら右腕・事務人材を段階的に整える

この会社のような状況では、いきなり一次請けや公共工事を取りに行くよりも、段階を分けるほうが現実的です。

最初の軸は、「今の管理体制で受けても崩れない仕事」と「体制を作ってから受ける仕事」を分けることです。

足場・とびの職人力が強みで、協力会社も一定数いる。関西圏で中堅ゼネコンの現場に入りたい。ここまでは方向性が見えています。であれば、まずは二次請けの立場で実績を作り、元請側に「施工は安定している」「現場で任せやすい」と認識してもらうことが第一段階になります。

一方で、公共工事や一次請けは、準備なしに広げないほうがよい領域です。売上は伸びても、社長が書類・現場・営業・採用をすべて抱える形になると、会社全体が重くなります。

進め方としては、次の3段階が考えやすいです。

1. いま発生している管理業務を棚卸しする

まずは、現場管理や事務処理を「なんとなく大変」で終わらせないことです。

たとえば、直近の現場を3件ほど振り返り、次のように分けます。

  • 社長が毎回やっている書類
  • 職長や職人が現場で対応している確認事項
  • 元請や上位会社から毎回求められる資料
  • 協力会社に依頼するときに発生する連絡・確認
  • 請求、支払い、人工、単価で詰まりやすい業務

ここで大事なのは、業務を人ではなく種類で見ることです。

「社長がやっているから社長の仕事」ではなく、「本当に社長がやるべき仕事か」「事務員でもできるか」「番頭に任せるべきか」「外部化できるか」に分けていきます。

この棚卸しをしないまま人を採ると、「事務員を入れたけど、何を渡せばいいかわからない」「番頭候補を入れたけど、社長の頭の中にしかルールがない」という状態になりやすいです。

2. 二次請けで必要な最低限の管理を先に標準化する

次に、二次請けで現場に入るための最低限の管理を整えます。

公共工事レベルのフル装備を最初から作る必要はありません。まずは、中堅ゼネコンの現場で「毎回同じ品質で出せる書類」「毎回同じ段取りで動ける現場管理」を作ることです。

具体的には、次のようなものです。

  • 入場書類のチェックリスト
  • 作業員名簿・資格証の管理表
  • 協力会社ごとの基本情報リスト
  • 現場ごとの提出書類フォルダ
  • 工程・人員配置の簡易表
  • 現場写真や報告の保存ルール
  • 請求・人工・応援単価の確認フロー

ポイントは、立派なシステムを入れることではありません。社長以外の人が見ても、次に何をすればよいか分かる状態を作ることです。

最初はExcelやスプレッドシートでも十分です。書類名、提出先、期限、担当者、完了状況が見えるだけでも、社長の頭の中にある管理を会社の仕組みに移せます。

3. 事務員・番頭・右腕人材のどれが先かを決める

管理体制を整えるとき、よく出る選択肢が「事務員を採るか」「番頭を置くか」「右腕を探すか」です。

この会社でも、社長は「事務員をとりあえず雇うところから始めなきゃいけない」と話していました。同時に、番頭や右腕のような人材がいれば、もっと構想を考えられるという感覚もありました。

ここは順番が大切です。

事務員は、書類・請求・台帳・入力・連絡などを安定させる役割です。番頭は、現場段取り、職人配置、協力会社対応、元請との現場調整を支える役割です。右腕は、営業、採用、管理、組織づくりまで社長の判断を一緒に前に進める役割です。

どれが正解かは会社の状態によります。

判断軸はシンプルです。

  • 書類遅れや入力漏れが多いなら、まず事務員
  • 現場段取りや職人配置で社長が詰まるなら、番頭
  • 営業先選定、採用、管理体制づくりまで社長一人なら、右腕

今回のように、二次請けへ上がりたいが書類と管理が不安な会社では、まず事務・現場管理の業務を棚卸しし、最小限の事務サポートから入るのが現実的です。そのうえで、足場チームを増やすタイミングに合わせて番頭候補を育てる、もしくは採用する流れが自然です。

公共工事や入札対応は、その後でも遅くありません。

「やりたくないわけではない。ただ、今ではない」

この判断は、かなり大事です。公共工事は、管理体制が整えば選択肢になります。逆に、体制がないまま取ると、会社の強みである施工に集中しにくくなります。

二次請けで実績を積む期間を、将来の一次請け・公共工事に向けた管理体制づくりの期間として使うことが、無理のない成長ルートです。

まとめ

職人の腕が評価されている会社にとって、元請化や公共工事は魅力的な選択肢です。単価を上げたい。会社名を広げたい。良い現場に入りたい。採用にもつなげたい。そう考えるのは自然です。

ただ、上流に近づくほど、求められる力は変わります。

施工品質だけでなく、書類対応、現場管理、協力会社管理、社内事務を回せる会社かどうかが見られます。

今回のように、足場・とびの職人力に強みがあり、今は三次請け中心。中堅ゼネコンの二次請けに入りたい。ただし公共工事や一次請けは書類面が重い。そういう会社は、いきなり大きく手を広げるより、段階を踏むほうが動きやすいです。

まずは二次請けで実績を作る。管理業務を棚卸しする。社長以外でも回る書類・現場管理の型を作る。必要に応じて事務員、番頭、右腕人材を整える。

この順番なら、会社の強みである「職人の腕」を活かしたまま、次の取引階層へ進みやすくなります。

元請や公共工事を目指す前に考えるべきことは、「取れるか」だけではなく「取ったあと回るか」です。

ここを冷静に見られる会社ほど、無理なく強くなっていけます。

元請・公共工事に向けた管理体制を、自社の現在地から整理する

「二次請けに上がりたいが、管理が追いつくか不安」「公共工事に興味はあるが、書類対応の負荷が読めない」「事務員や番頭を採るべきか迷っている」。

こうした段階では、いきなり大きな施策を決めるより、まず自社の業務と人の役割を整理することが大切です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、販路拡大や管理体制づくりも、会社の現在地に合わせて一緒に考えます。

「うちの場合は、二次請けを先に狙うべきか」「公共工事に向けて何から準備すべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の場としてご相談ください。

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