売上約9,000万円、5名弱で屋根・外装工事を手がける専門工事会社の現在地
ある地域密着型の専門工事会社では、5カ年計画をつくり、現在の約1.6倍まで売上を伸ばす目標を掲げています。主な取引先は地場工務店で、売上の6割ほどが新築工事です。
自社施工は屋根・外装工事が中心で、それ以外の工事は協力会社への外注を活用しています。社内は5名弱で、職人が2名、残る役員・社員が現場管理を担う体制です。
売上拡大に向けて、社長は「販路は常に探している」と話し、地場工務店を中心に自ら営業しています。その理由は、単に大きな発注先を増やすためではありません。「取引先と一緒に成長できたらいい」という考えがあります。
一方、採用活動にはまだ着手していません。現時点では、採用よりも取引先開拓を優先する方針です。
この会社の現在地は、売上目標と営業方針はあるものの、その売上を受け止める施工能力と必要人員がまだ数字で接続されていない段階です。
1週間で 16件の相談 がありました
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
- 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
- 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
- 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
- 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
- 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
- 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
売上1.6倍の目標が案件数、施工能力、外注量、必要人員まで分解されていない状態
少人数の専門工事会社が売上を伸ばすとき、取引先を増やせばそのまま目標を達成できるとは限りません。受注後には、自社職人による施工、協力会社の手配、工程調整、品質確認、請求までの仕事が増えるからです。
今回の会社では、自社施工を担う職人が2名で、現場管理にも限られた人数しか配置できません。営業が順調に進んでも、施工や管理が追いつかなければ、受注量を調整する必要が出てきます。
反対に、受注の見通しがないまま採用を先行すると、人員を十分に生かせない期間が生まれます。だからといって、仕事があふれてから採用を始めても、必要な時期に人がそろうとは限りません。
取引先開拓と採用は、どちらを先にするかの二者択一ではなく、受注見込みが施工能力を超える時期から逆算して連動させるテーマです。
まず、5年後の売上目標を次の順番で分解する必要があります。
- 現在の取引先から継続して見込める売上
- 新規の地場工務店から積み上げる売上
- 売上増加に必要な年間案件数
- 自社職人で施工できる案件数
- 協力会社へ依頼する案件数
- 同時に管理できる現場数
- 不足する職人・現場管理人員
採用人数を売上目標から直接決めるのではなく、案件数と施工体制を間に置いて算出することが重要です。
社長営業で販路を広げる一方、現在の少人数体制でも仕事を回せていることによる判断の難しさ
採用に動いていない背景には、現状の仕事が社内の職人と協力会社によって回っていることがあります。現在の体制で大きな支障が見えていなければ、まず営業を優先する判断は自然です。
加えて、狙っている取引先は地場工務店です。大口の取引先を一社獲得して売上を急増させるというより、地域の取引先と関係を築きながら成長していく方針です。そのため、受注増加の時期や幅を事前に読み切るのは簡単ではありません。
もう一つのポイントは、自社施工と外注施工が混在していることです。屋根・外装工事は自社で行い、それ以外は協力会社へ依頼しています。この体制では、同じ売上増加でも、どの工事が増えるかによって必要人員が変わります。
たとえば、自社施工する屋根工事が増えれば職人の増員が課題になります。外注工事が増えれば、協力会社の確保だけでなく、工程や品質を管理する側の負荷が高まります。
売上の増加率だけでは採用時期を判断できず、何の工事を、誰が施工し、誰が管理するかまで見なければなりません。
5カ年計画に売上だけが置かれていると、営業は社長の経験、採用は忙しさの実感、外注は案件ごとの判断になりやすくなります。個々の判断が間違っているわけではありませんが、5年後の目標との距離が見えにくい状態です。
営業計画と施工能力を一枚に並べ、採用開始の条件を年度ごとに決める進め方
最初に行いたいのは、5年後の売上を毎年の案件数へ置き換えることです。考え方は複雑ではありません。
- 5年後の目標売上から現在の売上を差し引く
- 増やす売上を既存取引先と新規取引先に分ける
- 1案件当たりの平均売上から必要案件数を出す
- 案件を自社施工と外注施工に分ける
- 職人と現場管理それぞれの不足量を確認する
たとえば、新規取引先による売上を計画するときは、「地場工務店を何社開拓するか」だけでは足りません。1社当たり年間何件を受注する想定なのか、屋根工事と外注工事のどちらが中心になるのかまで置くと、必要な施工体制が見えてきます。
営業目標は取引先数ではなく、取引先数、年間案件数、工事構成、施工方法の組み合わせで設定します。
次に、現在の施工能力を把握します。少なくとも、次の項目は自社施工と外注施工を分けて確認したいところです。
- 職人2名で年間に対応できる案件数
- 繁忙期に同時進行できる現場数
- 現場管理担当者が無理なく管理できる件数
- 継続して依頼できる協力会社数と対応量
- 受注予定に対する施工能力の不足分
ここまで整理すると、採用開始の条件を決められます。忙しくなった感覚だけでなく、受注見込みと施工能力の差を基準にする方法です。
採用を検討する主なタイミングは、次のいずれかが見え始めた段階です。
- 新規取引先からの年間案件数が具体化したとき
- 翌年度の受注見込みが現在の自社施工能力を超えるとき
- 協力会社への外注量が計画した上限に近づいたとき
- 職人ではなく現場管理が受注拡大の制約になったとき
採用開始の基準を「今が忙しいか」ではなく、「翌年度の受注見込みが、現在の施工・管理能力をどれだけ上回るか」に置くと判断しやすくなります。
年度ごとの行動計画には、売上だけでなく営業と採用の先行指標も入れます。5年間を最初から細かく固定するより、毎年見直せる形が現実的です。
- 1年目:既存取引先別の売上、案件数、工事構成を把握し、新規開拓する地場工務店の条件を決める
- 2年目:新規取引先からの受注見込みを施工計画へ反映し、能力不足が見えた職種の採用準備を始める
- 3年目:自社施工と外注の比率を確認し、職人と現場管理のどちらを増やすか判断する
- 4年目:取引先ごとの案件量と施工体制を調整し、特定の人や協力会社への負荷集中を見直す
- 5年目:目標売上を安定して受けられる取引先構成と人員体制になっているか確認する
計画の見直しでは、売上実績だけでなく、新規取引先数、受注見込み案件数、自社施工件数、外注件数、同時稼働現場数を並べます。これにより、営業をさらに強める年なのか、採用と施工体制の整備を優先する年なのかを判断できます。
5カ年計画は、5年後の数字を決めるだけでなく、営業を強める条件と採用を始める条件を毎年度確認するための計画にすると実行しやすくなります。
まとめ
売上約9,000万円、5名弱の専門工事会社が5年後に売上1.6倍を目指す場合、まず取引先開拓を進める方針には合理性があります。ただし、営業と採用を別々に考えると、受注と施工能力のずれが見えにくくなります。
必要なのは、売上目標を案件数へ落とし、自社施工、協力会社への外注、現場管理へ振り分けることです。そのうえで不足する能力を確認すれば、職人を採用するのか、現場管理を増やすのか、外注体制を広げるのかを選びやすくなります。
取引先開拓を先行させながら、受注見込みが施工能力を超える時期を採用開始の合図にすることが、少人数の専門工事会社に合った進め方です。
自社の売上目標と必要人員を一緒に整理したい方へ
5年後の売上目標は決まっていても、「地場工務店を何社増やせばよいか」「職人と現場管理のどちらをいつ採用するか」まで落とし込むのは簡単ではありません。自社施工と外注が混在している会社ほど、数字のつなぎ方には個別の整理が必要です。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の取引先開拓、採用、施工体制、組織づくりを横断して整理し、年度ごとの実行まで支援しています。「うちの場合は何から整理すべきか」という段階でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、今後の計画を整理する場として気軽にご活用ください。































