20名弱まで成長し、今後5名ほど増やしたい北陸地方の電気・通信工事会社
北陸地方で電気設備工事と電気通信工事を手がける、20名弱の会社があります。受注は増えており、3〜5年ほど先を見据えると、さらに5名程度の増員が必要です。現場はあるため、人が増えれば売上を伸ばせる余地もあります。
過去には、有料求人媒体へ年間数十万円を投じ、複数年にわたって採用活動を行いました。応募がなかったわけではありません。電気工事の経験者を含め、4〜5名ほどを採用できた時期もありました。
ところが、在籍期間は長くても2年ほどで、現在残っている人はゼロです。
一方、ここ数年は社員からの紹介を中心に人数が増えています。紹介した社員が新しく入った人の面倒を見て、1年間続いた場合には本人にも感謝の意味を込めた報酬を出す。こうした取り組みによって、退職者より入社者が多い状態をつくれていました。
この会社の採用課題は「応募が来ないこと」ではなく、「どの経路で、どのような人を採れば長く働いてもらえるか」にあります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
有料求人媒体で採用人数は確保できても、1〜2年後に人が残らない状態
求人媒体の費用対効果は、採用人数だけで判断すると実態を見誤ります。
仮に掲載費をかけて4人を採用できれば、採用単価は計算できます。しかし、その4人が1〜2年で全員退職した場合、再び採用費が必要になります。現場で仕事を教えた社員の時間や、担当できる仕事を調整した負担も残ります。
採用活動の成果は、入社時点ではなく、定着して戦力になった時点まで見なければ判断できません。
特に経験者採用では、入社直後から動けることが魅力です。その一方で、本人が比較できる会社や働き方も多くなります。給与や案件の内容、仕事の自由度などを見て、より条件のよい会社へ移ることもあります。
電気工事のように、技術と取引先とのつながりがあれば一人親方として働きやすい領域では、独立も現実的な選択肢です。実際、この会社でも「仕事ができる職人は、技術があれば一人でもやっていける」という認識がありました。
経験者を採用すること自体が問題なのではありません。経験者であることと、自社で長く働くことは別の条件であるという整理が必要です。
経験者の待遇比較と独立のしやすさに対し、自社で働き続ける理由が言語化されていない状況
有料求人媒体では、幅広い求職者へ短期間で接触できます。ただし、他社の求人も同じ画面に並ぶため、給与や休日、勤務地など、比較しやすい条件が判断材料になりやすくなります。
条件をきっかけに転職した経験者は、入社後も別の条件と比較しやすい傾向があります。会社側が働き続ける理由を十分に伝えられていなければ、次の転職や独立を止める材料は多くありません。
一方、この会社で定着につながっていたのは、社員からの紹介でした。紹介者が実質的なメンターになり、年齢の近い社員が教えることもあります。社内には「自分も教えてもらって育ったから、新しい人が入れば教える」という習慣もありました。
社長は「自分で言うのも何ですが、居心地はいいと思います」と話していました。この居心地は、求人票の待遇欄だけでは伝わりにくいものです。
媒体採用では伝え切れていなかった人間関係や教育の習慣が、紹介採用では入社前から伝わっていた可能性があります。
つまり、紹介採用だけが正解なのではなく、紹介経由で自然に伝わっていた情報を、求人媒体や面接でも伝えられる形にすることが重要です。
もう一つの背景は、採りたい人物像が年齢を中心に考えられていたことです。「20代後半から40歳前後」「女性の現場担当者も採用したい」という希望はあるものの、経験の有無や将来の働き方までは明確になっていませんでした。
年齢や資格だけでは、定着の可能性までは判断できません。独立を目指している人と、会社に所属して技術を高めたい人では、同じ経験者でも採用後の見通しが大きく異なります。
採用経路を定着実績で比較し、人物像・会社に残る理由・入社後の支援を一つにつなげる見直し
採用活動を見直す際は、求人媒体を続けるか、やめるかの二択から入らないほうが整理しやすくなります。最初に行いたいのは、過去の採用経路と定着実績の棚卸しです。
採用単価ではなく、定着後まで採用経路を比較する
採用経路ごとに、少なくとも次の項目を並べます。
確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
応募数・採用数 | 人を集める力があったか |
6カ月・1年・2年の定着率 | 入社後に残っているか |
平均在籍期間 | 採用費をかけた効果がどれだけ続いたか |
一人で担当できるまでの期間 | 戦力化の速さ |
教育にかかった社内工数 | 先輩社員への負担 |
育成後の担当業務 | 売上や施工体制へどう貢献したか |
退職理由 | 待遇、仕事内容、独立などの傾向 |
この会社であれば、有料求人媒体と社員紹介を分けて比較します。有料媒体は採用人数を確保できたものの、2年後の在籍者はゼロでした。社員紹介は人数が増えているだけでなく、紹介者が入社後の支援役になっています。
採用経路は「何人採れたか」ではなく、「何人が残り、いつから、どの仕事を任せられたか」で評価します。
求める人物像を経験年数だけで決めない
次に、経験者と未経験者を同じ採用枠で扱わず、それぞれに期待することを分けます。
経験者を採る場合は、技術力に加えて次の点を確認します。
- 今後も会社員として働きたい理由があるか
- 一人親方や独立をどのように考えているか
- チームで施工することに抵抗がないか
- 後輩を教える役割を将来的に担えるか
- 給与以外に、仕事選びで重視しているものは何か
未経験者であれば、現時点の技術よりも、教わる姿勢や長期的に身につけたい仕事との一致を見ます。
この会社では、自社で一から育った社員が多く、教える習慣もあります。過去の結果を踏まえると、経験者だけに絞るより、定着しやすい未経験者を少しずつ採り、自社で育てる方法も有力な選択肢です。
「居心地がいい」を具体的な情報に変える
会社で働き続ける理由は、きれいな採用メッセージを新しくつくることではありません。今いる社員が残っている理由を整理するところから始めます。
たとえば、この会社には次の事実があります。
- 紹介者や年齢の近い社員が新入社員を支えている
- 教わった社員が次の社員を教える習慣がある
- 1年間続いた社員へ感謝を示す仕組みがある
- 電気設備と電気通信の複数分野で経験を積める
- 受注があり、増員後に担当できる現場もある
こうした事実を求人票、採用ページ、面接で一貫して伝えます。同時に、既存社員へ「なぜ入社したか」「なぜ今も続けているか」「入社前に知りたかったこと」を聞くと、社長から見た強みとの違いも見えてきます。
会社の魅力は待遇を飾ることではなく、既存社員が残っている理由を求職者に伝わる言葉へ変えることです。
紹介者任せだったフォローを会社の仕組みにする
紹介採用で定着しているのは強みですが、フォローを紹介者個人に任せ続けると、採用人数が増えたときに負担が偏ります。
入社時に担当する先輩を決め、入社後1週間、1カ月、3カ月などの節目で、仕事内容、人間関係、体力面、今後身につけたい技術を確認できるようにします。紹介者だけでなく、現場責任者や社長も状況を把握できる形が望ましいです。
また、この会社では一気に5人を採るのではなく、2〜3人ずつ段階的に増やしたいという考えがありました。これは教育体制とのバランスを取るうえでも合理的です。
採用人数は目標人数から逆算するだけでなく、同時に何人まで教えられるかを基準に決めます。 即戦力を1人、育成前提の人を1人というように組み合わせれば、現場負担を抑えながら増員を進めやすくなります。
まとめ
有料求人媒体から複数人を採用できても、1〜2年で全員が退職しているなら、同じ募集を繰り返す前に採用の評価基準を見直す必要があります。
経験者は早期に戦力化しやすい一方、待遇比較や独立もしやすい存在です。経験年数だけで判断せず、会社に所属して働く理由や将来像まで確認することが欠かせません。
一方で、社員紹介から入社した人が定着している会社には、すでに採用上の強みがあります。紹介者が支える関係や、教わった人が次の人を教える習慣など、紹介経由では自然に伝わっていた魅力を、他の採用経路でも伝えられる形に整えることが次の一手になります。
採用活動の見直しは、媒体選びではなく、定着実績の確認、人物像の具体化、働き続ける理由の言語化、入社後フォローの設計をつなげることから始まります。
自社に合う採用経路と定着の仕組みを整理したいときは
「求人媒体を再開すべきか」「紹介採用をどう広げるか」「経験者と未経験者のどちらを採るべきか」は、会社の受注状況や教育できる人数によって答えが変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、求める人物像、会社の魅力、採用経路、教育・定着体制まで横断して整理し、実行まで支援しています。まだ方針が決まっておらず、何から整理すべきかわからない段階でも問題ありません。
無理にサービスをおすすめすることはありませんので、自社の場合を一度整理したいときにご活用ください。




























