10名弱の成長企業で、社長が採用を全部見ながら応募50〜60件をさばいている状態
一人目人事を採用する前に最初に揃えるべき前提は、「人事がほしい」の中身が採用専任なのか、組織づくり全般なのかを分けることです。
ある成長中の中小企業では、社員数は10名弱、平均年齢は20代後半。事業は伸びており、今後の拡大に向けて採用の重要度が上がっていました。一方で、採用実務は社長がほぼ一人で担っていました。
「基本的には僕が全部やっています。二次面談には社員が出るようにしています」
応募数だけを見ると、月に50〜60件ほど集まることもあります。まったく応募がないわけではありません。ただ、会いたい人に会えているかというと、そこには課題がありました。
「応募数は集まってきます。ただ、質はあまり良くないんです」
建設業でも、同じような状況はよく起きます。求人媒体や紹介会社を使えば応募は来る。けれど、現場の働き方、会社の価値観、将来任せたい役割と合う人にはなかなか出会えない。社長や幹部が現場、営業、見積、採用面接まで兼務しながら、なんとか回している状態です。
この会社も、今後は新卒採用にも取り組みたいと考えていました。しかし、社長自身に新卒採用の経験は多くありません。
「新卒とかやろうかなと思うと、今の片手間では絶対に無理です」
ここで大事なのは、すぐに「人事経験者を採れば解決する」と考えないことです。事業成長に採用が追いつかないときほど、一人目人事に何を任せ、何を任せないのかを先に決めておく必要があります。
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- 7月16日外構工事会社東京都
- 7月16日塗装工事会社大阪府
- 7月16日内装工事会社群馬県
- 7月16日総合建築岐阜県
- 7月15日工務店東京都
- 7月15日内装工事会社神奈川県
- 7月15日塗装工事会社奈良県
- 7月15日内装工事会社鳥取県
- 7月14日配管工事会社高知県
- 7月14日配管工事会社広島県
- 7月14日防水工事会社神奈川県
- 7月12日配管工事会社京都府
- 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
- 7月12日リフォーム会社茨城県
- 7月11日総合建築福島県
- 7月11日総合土木大阪府
- 7月11日造園会社愛知県
- 7月11日外構工事会社茨城県
- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
応募数はあるのに質が合わず、新卒採用まで広げたいが社長兼務では限界が来ている状態
このケースの課題は、採用活動が止まっていることではなく、採用の設計と運用を社長の兼務に依存していることです。
応募は来ています。面談もしています。社員も二次面談に出ています。選考もスピーディーで、二次面談とオファー面談を同日に行うこともあります。つまり、採用への意欲も、意思決定の速さもあります。
それでも限界が来ている理由は、採用が「都度対応」になりやすいからです。
たとえば、採用には次のような仕事があります。
- どんな人を採るべきかを言語化する
- 求人票をつくる
- 媒体や紹介会社に伝える情報を整える
- 応募者を見極める基準を揃える
- 日程調整や候補者対応を滞らせない
- 面談後の振り返りを次の採用活動に反映する
- 新卒採用に向けて、時期・接点・説明内容を設計する
社長が兼務していると、面接や最終判断はできても、母集団形成や求人改善、候補者への細かなフォローが後回しになりがちです。建設業でいえば、現場を見ながら採用面接を入れ、夕方以降に幹部会議を行い、その後に応募者対応をするような状態です。
この会社でも、就業時間は9時〜18時を基本としながら、18時以降にミーティングが入ることが多く、そこから雑務を行う日もあるという話がありました。採用は大事だと分かっていても、日々の事業運営の中でどうしても後ろ倒しになります。
さらに、一人目人事の求人票もまだ整っていませんでした。
「求人票はまだないので、作らないといけないなという感じです」
ここに、一人目人事採用の難しさがあります。採用担当を採りたいのに、その採用担当に任せる仕事の輪郭がまだ曖昧なままだと、候補者にも紹介会社にも魅力と期待値が伝わりません。
創業期の兼務体制では、人事に評価や制度まで求めるのか採用実務に絞るのかが曖昧になりやすい状態
一人目人事の採用でミスマッチが起きやすい背景には、「人事」という言葉の範囲が広すぎることがあります。
人事と聞くと、採用だけでなく、評価制度、研修、組織開発、労務、オンボーディング、社内コミュニケーションまで含まれます。候補者によっても、やりたい人事の中身は違います。
この会社では、1on1や四半期ごとの評価面談はすでに行っていました。個人の経験や成長について擦り合わせる場もあります。ただし、今回の一人目人事に求めていたのは、評価制度や研修づくりではありませんでした。
「人事って評価とかいろいろあると思うんですけど、そこはあまり触っていただくイメージではなくて、本当に採用・リクルーティングをメインミッションにしたいです」
ここは非常に大事な整理です。事業が伸びている会社では、「採用も評価も研修も全部できる人がほしい」と言いたくなります。しかし、社員数がまだ少なく、採用の土台づくりが急務であれば、最初から人事全般を任せようとするより、まずは母集団形成と採用オペレーションに役割を絞ったほうが立ち上がりやすい場合があります。
特に建設業では、採用が属人的になりやすいです。社長の人脈、職長の紹介、協力会社経由、昔からのつながりで人が入る一方、若手採用や新卒採用に踏み出すと、急に「会社をどう見せるか」「未経験者に何を伝えるか」「現場の魅力をどう言語化するか」が必要になります。
この会社でも、求める人物像は最初から完全に固まっていたわけではありませんでした。
「人事のペルソナは、正直まだふわっとしています」
一方で、話を深めると重要な条件が見えてきました。
- 人材紹介や採用支援の経験があり、採用の数を動かせること
- 事業会社での経験もあり、事業側の目線を持っていること
- 新卒採用について一定の知見があること
- 平均年齢の近い組織に馴染めること
- チームで働くことを重んじつつ、自分で前に進められること
- フル出社の環境を前提にできること
また、社内文化としては、チームで働くことを大事にし、情報共有もオープンにしていました。ナレッジを社内ツールに蓄積し、ロープレやミーティングを通じて共有する文化があります。
「チームで仕事をすることにやりがいを感じる方のほうがいいと思います。ただ、一人目人事なので、自分でゴリゴリ進める力も求められます」
このように、一人目人事に必要なのは、単なる採用経験だけではなく、その会社のフェーズに合う動き方です。
建設業で置き換えるなら、求人媒体を回した経験だけでは足りないことがあります。現場を理解し、社長や職長から情報を引き出し、未経験者や新卒に伝わる言葉に直し、応募後の対応を速く回す。そうした「現場と採用の間に立つ力」が必要になります。
一人目人事を採る前に、採用目的・業務範囲・候補者要件・入社後90日の動きを決めておくこと
一人目人事の採用は、求人票を出す前に4つのことを決めておくと進めやすくなります。
1つ目は、採用目的です。
今回のように「応募数はあるが質が合わない」「新卒採用にも広げたい」「社長兼務から脱したい」という状況では、人事を採る目的は明確です。採用の量を増やすだけではなく、会社に合う人と会える状態をつくることです。
建設業であれば、目的は次のように言語化できます。
- 若手職人・施工管理の採用を社長依存から脱却する
- 応募数ではなく、定着しやすい人との接点を増やす
- 新卒・未経験採用に向けて、説明会や面談の型をつくる
- 現場の魅力や働き方を、候補者に伝わる形に整える
「人が足りないから人事を採る」ではなく、「採用のどの詰まりを解消するために採るのか」まで落とすことが大切です。
2つ目は、業務範囲です。
この会社では、評価制度や研修ではなく、採用・リクルーティングに絞る方針が見えていました。これは一人目人事採用では有効な考え方です。
最初から人事全般を任せようとすると、候補者側も「結局、何を期待されているのか」が分かりにくくなります。逆に、次のように役割を切ると、候補者も自分が活躍できるか判断しやすくなります。
- 主担当:中途採用、新卒採用の母集団形成
- 主担当:求人票、媒体、紹介会社との連携
- 主担当:応募者対応、日程調整、選考進行管理
- 共同担当:面談設計、候補者への訴求内容づくり
- 将来的に検討:評価、研修、オンボーディング改善
ここで重要なのは、「今は任せない仕事」も決めることです。評価や制度設計を将来的に任せる可能性があるとしても、入社直後の主戦場が採用運用なら、そのように伝えたほうがミスマッチは減ります。
3つ目は、候補者要件です。
今回のケースでは、人材紹介、採用支援、RPOの経験者が候補に挙がっていました。ただし、人材業界出身なら誰でもよいわけではありません。採用オペレーションを回せることに加えて、事業に入り込む姿勢が必要でした。
「人材紹介だけを長くやってきた方より、事業会社も経験していて、事業のことを考えながら採用に携わってきた方が合いそうです」
建設業でも同じです。採用担当者に求める要件は、単に「求人媒体を使ったことがある」では弱いです。たとえば、次のような要件に整理できます。
- 応募者対応をスピーディーに進められる
- 求人票やスカウト文を改善しながら運用できる
- 社長、現場責任者、若手社員から話を引き出せる
- 会社のカルチャーを理解し、候補者に伝えられる
- 新卒や未経験者に対して、仕事のイメージを噛み砕いて説明できる
- 一人目担当として、決まっていないことも相談しながら前に進められる
一人目人事では、完成された制度を運用する人より、未整備な環境で採用の型をつくれる人のほうが合うことがあります。
4つ目は、入社後90日の立ち上がり方です。
候補者が気にするのは、入社後に何を任され、誰と進め、どこまで裁量があるのかです。この会社でも、「入社後のフローや最初にやる業務を明確にすると訴求しやすい」という話が出ていました。
一人目人事の立ち上がりは、たとえば次のように設計できます。
- 1〜2週目:会社理解、事業理解、既存求人・選考状況の把握
- 3〜4週目:求人票の見直し、紹介会社・媒体への説明内容の整備
- 2か月目:応募者対応、面談調整、候補者別の振り返り運用
- 3か月目:中途採用の改善サイクルを回しながら、新卒採用の年間計画を仮置きする
このとき、社長が完全に手放す必要はありません。むしろ最初は、社長と一緒にディスカッションしながら進めるほうがよいです。
「完全にゼロからではありません。僕がそれなりに作ってきているので、最初はオペレーションを回すところからキャッチアップして、一緒にディスカッションしながらできるといいです」
この言葉の通り、一人目人事は“丸投げ先”ではなく、社長の採用判断を仕組みに変えていく相棒として迎えるほうが機能しやすいです。
まとめ
事業成長に採用が追いつかないとき、一人目人事を採ること自体は有力な選択肢です。ただし、採る前の整理が採用成否を大きく左右します。
応募が50〜60件あっても、質が合わなければ採用は前に進みません。社長が採用を全部見ている状態では、新卒採用や候補者フォローまで丁寧に回すのは難しくなります。
そのときに必要なのは、「人事経験者がほしい」と広く出すことではなく、次の4点を決めることです。
- 何のために一人目人事を採るのか
- 採用、評価、研修、制度のうち、最初に任せる範囲はどこか
- どんな経験・動き方の人なら、自社のフェーズに合うのか
- 入社後90日で何を一緒に立ち上げるのか
建設業の中小企業でも、採用はますます社長一人で抱えるには重いテーマになっています。特に若手採用、新卒採用、未経験採用に取り組むなら、現場の魅力を言葉にし、候補者対応を速く回し、選考の振り返りを改善につなげる人が必要です。
一人目人事を採る前に、まずは「採用担当に何を任せる会社なのか」を決めること。そこから求人票、候補者要件、選考設計が自然につながっていきます。
うちの採用体制なら何から整理すべきかを考える場として
一人目人事を採るべきか、まずは採用業務の一部を外に出すべきか、社内の兼務体制を見直すべきかは、会社の規模や採用目標によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用についても、求人票を出す前の目的整理、候補者要件の言語化、社内体制づくりから一緒に考えることができます。
「うちの場合は一人目人事を採るべきなのか」「社長が採用を持ち続ける限界が見えてきたが、何から決めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況の整理先として活用してください。































