北関東の専門工事会社でも、若手を育てたい思いと現場ごとの教え方の差が同時に起きている状態
北関東で専門工事を手がける、10名台のある建設会社の話です。
社長には、若い人を育てたい思いがありました。単に作業員として使うのではなく、将来を見据えて、現場の考え方まで教えたい。そんな温度感です。
「若いのを入れたら、10年後、20年後にどうやっていくかまで教えたいんだよね」
この言葉には、かなり本音が出ています。
一方で、現場では別の難しさもありました。建設の仕事は、現場ごとに条件が違います。搬入の仕方も違います。所長も違います。打ち合わせの相手も違います。だから、やり方が一つに決まりきらない。
社長自身も、「同じところに行くなら、登り方はいろいろあっていい」という感覚を持っていました。
これは、建設業ではとても自然な考え方です。職人の世界では、経験から身につく幅があります。現場対応力も大事です。
ただ、未経験者にとっては少し違って見えます。会社として大事にしている基準が見えないまま、職長ごとのやり方だけが次々に変わると、若手は何を正解にすればよいか分からなくなります。
ここが、未経験者の定着でよく見落とされるポイントです。
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- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
Aさんのやり方で教わった新人が、Bさんの現場で怒られてしまう問題
未経験者が早く辞める会社では、本人の根性不足や時代の違いだけでは説明しきれないことが起きています。
よくあるのが、職長ごとに教え方が違う状態です。
たとえば、1ヶ月目はAさんの現場。2ヶ月目はBさんの現場。3ヶ月目はCさんの現場。新人はそれぞれの現場で一生懸命覚えます。
ところが、Aさんに「これでいい」と言われたやり方を、Bさんの現場でやると怒られる。
「なんでそんなやり方してるんだ」
新人からすれば、かなりつらい状態です。悪気はありません。サボってもいません。教わった通りにやっただけです。
それでも怒られる。
この状態が続くと、新人の中ではこうなります。
- 誰を真似すればいいのか分からない
- 何を守れば怒られないのか分からない
- 会社としての正解が見えない
- 人間関係が悪い会社だと感じてしまう
本当は教育の問題なのに、退職理由としては「人間関係が合わない」とまとめられてしまうこともあります。
社長から見ると、「みんな同じようにやっている」「現場で覚えればいい」と見えるかもしれません。
でも、未経験者の目線では違います。職長ごとの違いを吸収できるだけの土台がない段階で、毎月違う正解を渡されているように感じてしまうのです。
社長の頭の中には方針があるのに、職長と新人に同じ言葉で届いていない状態
この問題の背景には、社長の考えがないわけではありません。むしろ、考えはあります。
たとえば、ある社長はこう話していました。
「5,000万円で受けて2,000万円残すなら、やり方は何でもいい。材料がいくら、手間がいくら、入れ違いが起きたらどうするか。それを頭に入れておきなさいってことなんだよ」
かなり実践的な考え方です。
現場の細かいやり方を一つに縛るより、最終的に利益を残す。材料、手間、段取り、現場対応を自分で考える。これは、職長や将来の幹部には必要な力です。
ただし、未経験者にいきなりその基準で動いてもらうのは難しいです。
社長の中では、「目的が合っていれば登り方はいろいろあっていい」という考えがあります。けれど、その目的や判断基準が言葉になっていないと、職長ごとのクセだけが前面に出ます。
ここで起きるのが、社長・中間層・新人のズレです。
- 社長は「一緒にいれば分かるだろう」と思っている
- 職長は自分の経験則で教えている
- 新人は誰の言葉を基準にすればよいか分からない
特に昔からいる中間層ほど、社長の考えを空気で理解していることがあります。社長の言葉の背景も分かる。多少言われ方がきつくても、意図をくみ取れる。
でも、18歳や20代前半の未経験者には、それが通じにくい場面があります。
社長の考えは、発信されていなければ、現場の新人にとっては「ない」のと近い状態になります。
さらに、社員面談をしてみると、同じ会社の中でも見えている景色が違うことがあります。良いことも、困っていることも、人によって言っていることが違う。中間層は社長を立てるので、表では不満が出にくいこともあります。
だからこそ、若手の離職は「最近の若い子は続かない」で止めずに、会社の中で何がどう伝わっているかを見る必要があります。
OJTの型をつくり、職長ごとの違いをなくすのではなく基準をそろえること
未経験者の定着で最初に整えたいのは、完璧な教育制度ではありません。
まず必要なのは、職長ごとの教え方を完全に同じにすることではなく、会社として外してはいけない基準をそろえることです。
建設現場では、やり方が一つに決まらない場面が多いです。現場条件が違うからです。搬入経路も、元請けの所長も、工程も違います。
だから、すべてをマニュアル化する必要はありません。むしろ、現場対応力まで消してしまうと、職人の強みが薄くなります。
整理したいのは、次のような部分です。
- 最初の1ヶ月で必ず教えること
- 安全面で絶対に守ること
- 品質で会社として譲れないこと
- 材料・手間・段取りで見るべき基本
- 分からない時に誰へ確認するか
- 職長ごとに違ってよい部分と、違ってはいけない部分
これだけでも、新人の受け取り方は変わります。
たとえば、AさんとBさんで細かいやり方が違っても、「この会社では、最終的にここを見ている」という軸があれば、新人は迷いにくくなります。
進め方としては、いきなり立派な教育資料を作るより、まず職長同士で基準合わせをするのが現実的です。
- 社長が「どんな人に育ってほしいか」を言葉にする
- 職長ごとに、普段新人へ何を教えているかを書き出す
- 教え方が違う部分を責めずに、違ってよい部分とダメな部分に分ける
- 新人向けに「最初に覚えること」を1枚にまとめる
- 1ヶ月ごとに社長・職長・新人で短く振り返る
特に大事なのは、職長を否定しないことです。
職長ごとに教え方が違うのは、悪いことばかりではありません。経験があるからこそ、現場ごとの見方があります。問題は、その違いが新人に説明されていないことです。
「Aさんは段取りを重視する」「Bさんは仕上がりを細かく見る」「Cさんは元請けとの調整をよく見ている」。こうした違いを会社として説明できれば、新人にとっては混乱ではなく学びになります。
もう一つ、社員面談も有効です。
社長が直接聞くと、社員は遠慮することがあります。特に中間層は、社長の悪口のように聞こえることを避けがちです。だから、面談では「誰が悪いか」ではなく、次のように聞くと実態が出やすくなります。
- 入社して最初に困ったことは何か
- 教わる内容で、人によって違うと感じたことは何か
- 怒られた時に、理由が分かったか
- 先に知っていれば助かったことは何か
ここで出てきた内容を、OJTの型に戻していきます。
若手を定着させる教育は、優しい会社にすることだけではありません。厳しさの理由、判断の基準、成長の道筋を伝わる形にすることです。
まとめ
未経験者がすぐ辞める背景には、本人の覚悟や相性だけではなく、会社側の伝え方の問題が隠れていることがあります。
特に建設業では、職長ごとの経験値が高い分、教え方にも個性が出ます。それ自体は強みです。
ただ、未経験者にとっては、基準が見えないまま教え方だけが変わると、不安になります。Aさんに教わった通りにやったら、Bさんに怒られる。これが続くと、「この会社では何を信じればいいのか」が分からなくなります。
大事なのは、現場のやり方を一つに縛ることではありません。
社長の考えを言葉にし、職長間で基準を合わせ、新人が迷わない最初の道筋をつくることです。
それだけで、若手の受け止め方は変わります。
「見て覚えろ」がすべて悪いわけではありません。ただ、見て覚える前に、何を見るべきかを渡してあげる。そこから始めるだけでも、教育はずいぶん進めやすくなります。
若手が辞める理由を、教え方と組織の伝わり方から整理したいときは
若手・未経験者の定着は、採用だけで解決しにくいテーマです。
入社後のOJT、職長間の基準合わせ、社長の考えの言語化、社員面談による実態把握までつながっています。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は、何から整えるべきか」「若手が辞める理由をどう見ればいいか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の相手として気軽にご相談ください。





























