前提

北関東の20名弱の専門工事会社で、若手を10年先の番頭候補として育てたい段階

北関東で内装・改修まわりを手がける、20名弱の専門工事会社の話です。

社長は、若い職人を単なる作業者としてではなく、将来の番頭や右腕候補として育てたいと考えていました。

「10年、20年先に自分がいなくなったら、その先をどうするかまで教えたい」

そんな言葉がありました。

現場の技術を覚えさせるだけでは足りない。現場を任せるなら、段取りも、職人の動かし方も、元請けとのやり取りも必要です。さらに大事なのが、利益を残すために現場をどう判断するかです。

職人として腕が良いことと、番頭として現場を回せることは近いようで違います。番頭候補に必要なのは、きれいに納める力だけではありません。受注額から逆算して、材料費・手間・残す利益を頭に入れながら動く力です。

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  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

作業を教えるだけでは、現場で利益を残す判断まで任せにくい

番頭候補の育成で詰まりやすいのは、作業のやり方は教えていても、利益の考え方までは共有されていないことです。

社長の頭の中には、かなり具体的な基準があります。

「5,000万円で受けて2,000万円残すなら、やり方は何でもいい。材料がいくら、手間がいくら、入れ切らしたときにどうするか。それを頭に入れておきなさいって話なんだよ」

この言葉は、番頭育成の本質に近いです。

現場には、正解が一つではない場面が多くあります。

搬入の仕方が変わる。打ち合わせ相手の所長が変わる。若い担当者が出てくる。建物が違えば、同じ工種でも進め方は変わります。

そのたびに社長が細かく指示を出していたら、いつまでも任せられません。とはいえ、全部自由にすると赤字になる可能性もあります。

ここで必要なのが、「やり方の自由」と「利益の基準」を分けて教えることです。

番頭候補に任せたいのは、社長と同じ手順をなぞることではありません。最終的に残す利益を外さずに、自分で現場の登り方を考えられる状態です。

背景

社長の頭の中にある「受注額から逆算する感覚」が、若手には見えにくい

社長にとっては、利益の逆算は当たり前です。

受注金額がある。材料費がある。手間がある。外注を入れるか、自社で回すか。工程が詰まったらどうするか。追加が出たらどこで交渉するか。

こうした判断は、長年の経験で自然に身についています。

ただ、若手から見ると、その判断過程は見えにくいものです。

「自分の思い通りだと思いました」

若い職人がそう言う場面もあります。本人は考えて動いています。でも、社長から見ると違う。なぜ違うのか。どこで原価が崩れたのか。どの判断が利益を削ったのか。

そこを言語化しないと、若手は「怒られたこと」だけを覚えてしまいます。

大事なのは、間違いを責めることではありません。

社長も、こう話していました。

「一回間違ったじゃん。自分の考えでやって間違えたなら、次それをやらなきゃいいだけだよ。間違ったところが分かれば、他に行ってもできるから」

これはかなり大事です。

失敗を経験させること自体が目的ではなく、失敗した理由を原価と利益の言葉で振り返ることが育成になります。

一方で、社長側にも我慢が必要です。

「同じところに行くなら、登り方は別にいい。でも、絶対どこかで突っかかる。それをどれだけ我慢するかなんだよね」

番頭候補を育てるとき、社長が一番苦しいのはここです。

自分ならもっと早くできる。自分ならその段取りはしない。自分ならその材料の使い方はしない。

そう思っても、すぐに手を出しすぎると、本人の判断力は育ちません。逆に放任しすぎると、現場の利益が崩れます。

だからこそ、任せる範囲と、社長が止めるラインを先に決めておくことが必要になります。

解決

技術の前に目標利益と原価感覚を共有し、失敗から判断軸を育てる

番頭や右腕候補を育てるなら、作業手順より先に「この現場で何を残すのか」を共有することが出発点になります。

現場ごとに、細かい数字をすべて渡す必要はありません。最初は大枠で十分です。

たとえば、次のような会話から始められます。

  • この現場はいくらで受けているのか
  • 材料費はどのくらいを見ているのか
  • 手間は何人工までで収めたいのか
  • 予定外の手配が出たら、どこまで現場判断してよいのか
  • 最後にいくら残したいのか

ここを共有してから任せると、若手の見え方が変わります。

「早く終わればいい」だけではなくなります。「材料を余らせない」「手戻りを出さない」「追加になりそうなことは早めに確認する」「人工が膨らみそうなら相談する」という感覚が少しずつ出てきます。

利益の考え方を教えるとは、決算書を読ませることではなく、現場の一つひとつの判断が粗利にどう影響するかを一緒に見ることです。

進め方としては、いきなり大きな現場を丸投げしない方がよいです。

まずは、小さめの範囲で任せます。材料拾いの一部でもいいです。職人の段取りでもいいです。搬入調整でもいいです。

そのうえで、終わったあとに短く振り返ります。

  • 予定より良かった判断は何か
  • 原価が増えた原因は何か
  • 次に同じ場面が来たら何を変えるか
  • 社長ならどう見ていたか

この振り返りを、感覚論だけで終わらせないことが大事です。

「もっと考えろ」では伝わりません。

「この材料を先に押さえたから手待ちが減った」

「ここで確認が遅れたから、半日分の手間が増えた」

「この判断なら利益は守れる。ただ、この段取りだと次の現場に人が回らない」

このくらいまで具体化すると、若手は次に活かしやすくなります。

社長が我慢する範囲も、あらかじめ決めておきたいところです。

たとえば、次のように線を引きます。

  • 品質と安全に関わることは即止める
  • 赤字になりそうな判断は事前相談にする
  • 手順の違いだけなら、一定範囲で任せる
  • 小さなロスは教育コストとして見る
  • 同じ失敗を繰り返したら、やり方ではなく考え方を確認する

任せるとは、何でも好きにやらせることではありません。利益を守る基準を渡したうえで、登り方を考えさせることです。

ここが整うと、職人は「言われた通りに動く人」から、「現場を見て判断する人」に変わっていきます。

まとめ

次の番頭や右腕を育てるには、技術だけでは足りません。

腕の良い職人を育てることと、利益を残せる現場責任者を育てることは別の取り組みです。

大事なのは、受注額から材料費・手間・残す利益を逆算する考え方を、日々の現場判断に結びつけて教えることです。

社長の頭の中には、すでに判断軸があります。

ただ、それが言葉になっていないと、若手には見えません。「一緒にいれば分かるだろう」では、伝わりにくい時代になっています。

現場ごとの目標利益を共有する。任せる範囲を決める。失敗したら、怒る前に原価の言葉で振り返る。社長が止めるラインも決める。

この積み重ねが、10年先の番頭候補を育てる土台になります。

若手に社長と同じやり方を覚えさせるのではなく、社長と同じ利益の見方を持たせること。

そこから、任せられる現場が少しずつ増えていきます。

右腕候補に利益感覚を持たせる育成を整理したいときは

職人を番頭や右腕候補に育てたいと思っても、何から教えるべきか、どこまで任せるべきかは会社ごとに違います。

現場の規模、社長が見ている範囲、職長の人数、原価管理のやり方、若手の経験年数によって、育成の順番も変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合、誰を番頭候補として育てるべきか」「利益の考え方をどう教えればよいか」「社長がどこまで我慢して、どこで止めるべきか」といった段階でも大丈夫です。

無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてお使いください。

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