北部九州の数名体制の専門工事会社で、20代職人を増やしたいが教育役が限られている状態
北部九州で内装・仕上げ系の工事を手がける、数名体制の専門工事会社の話です。現在は20代の職人が中心で、今後は事業を広げるためにも「人を増やしていきたい」という意向があります。
一方で、採用に向けた具体的な動きはまだこれからです。過去には求人を出したこともあるものの、「出しても来なかったから、今はもうかけていない」という感覚も残っています。
ただ、この会社で特に大きかったのは、求人方法そのものよりも、入社後の教育体制でした。社長は「現場のことは自分では教えられない」と話しており、新しく人が入った場合の教育は、以前からいる職長・ベテラン層に頼る形になります。
採用を考える前提として、まず見ておきたいのは「人が来るか」だけではなく、「来た人を誰が育てられるか」です。 小規模な建設会社では、ここを飛ばして採用だけ進めると、現場にも新人にも負荷がかかりやすくなります。
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- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
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- 6月19日総合建築鳥取県
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- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
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- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
社長が教えられず、ベテラン職長に教育が集中すると採用しても定着しにくい
この会社の課題は、人を増やしたい気持ちはあるものの、教育の担い手が現場の一部に集中していることです。
新しく職人を採用した場合、最初は道具の名前、現場での動き方、安全面、材料の扱い、先輩への確認の仕方など、技術以前に覚えることが多くあります。これを現場の職長が通常業務をこなしながらすべて見るとなると、負担は小さくありません。
実際、話の中でも「今後入ってきても、その方にお願いするんですか」という確認に対して、現場で教える人は限られている状況が見えていました。教育役の職長は、自分の作業、段取り、品質、元請けとのやり取りを抱えながら、新人の面倒も見ることになります。
ここで起きやすいのは、次のような状態です。
- 新人に教える時間が取れず、見て覚える形になる
- 職長が忙しく、質問しづらい空気になる
- 現場ごとに教える内容が変わり、成長の基準が曖昧になる
- 新人が「自分はできているのか」が分からない
- 教育役のベテランが疲弊し、採用に前向きになれなくなる
小規模会社の採用は、人数を増やすほど強くなるとは限りません。教育できる量を超えて採ると、むしろ現場の生産性が落ちることがあります。
だからこそ、「求人をどう出すか」と同じくらい、「入った後にどう育てるか」を先に決めておく必要があります。
現場OJTだけで育てるには、職長の仕事量と会社の規模に限界がある
背景にあるのは、建設業では今でも現場OJTが育成の中心になりやすいことです。もちろん、職人の仕事は現場でしか身につかない部分が多くあります。図面や動画だけでは分からない納まり、段取り、現場ごとの空気、他業種との兼ね合いは、実際に動きながら覚えていくものです。
ただし、現場OJTは万能ではありません。特に数名体制の会社では、教える側の余力がそのまま育成の上限になります。
今回の会社でも、いきなり何人も増やすのは現実的ではないという話になりました。教育できる人が限られている中で、2人、3人と一気に採用すると、教える側が追いつきません。
むしろ現実的なのは、「1年に1人くらい入って、3〜4年で数名増えている」ようなペースです。数名体制の会社であれば、1人増えるだけでも会社の動きは大きく変わります。たとえば現在2〜3名の会社が、毎年1人ずつ定着させられれば、数年後には5〜6名体制が見えてきます。
ここで大事なのは、採用人数の目標を売上目標だけで決めないことです。
採用ペースは、「仕事量」だけでなく「教育できる人数」から逆算した方が、結果的に会社に残る人を増やしやすくなります。
また、職長やベテランがずっと現場作業の中心であり続けると、教育の仕組みは属人的なままになります。将来的に人を増やすなら、職人の中から一部を管理側・育成側に移していく視点も必要です。
これは、急に現場を離すという意味ではありません。まずは「新人に最初の1週間で何を教えるか」「1か月後に何ができていればよいか」「誰が確認するか」を決めるだけでも、職長の負担は分散しやすくなります。
採用人数を決める前に、誰が・何を・どの順番で教えるかを小さく決める
最初に整えるべきことは、大きな研修制度ではありません。小規模会社では、現場に合った最小限の育成ルールを作ることが先です。
まずは、次の3つを決めるだけでも十分です。
1つ目は、誰が教えるかです。職長1人に全部を任せるのではなく、社長、職長、先輩職人で役割を分けます。社長が技術を教えられなくても、会社の考え方、挨拶、時間、報告、安全への姿勢は伝えられます。技術面は職長が見るとしても、会社に慣れる部分まで職長に背負わせないことが大切です。
2つ目は、何を教えるかです。最初から一人前にしようとすると、教える側も新人も苦しくなります。たとえば、最初の段階では次のように分けて考えます。
- 入社初日〜1週間:現場での基本ルール、安全、道具、挨拶、報告
- 1か月目:片付け、材料運び、簡単な補助作業、先輩の動きの理解
- 3か月目:決まった作業の一部を任せる、分からない時に確認できる
- 半年〜1年:現場の流れを理解し、次の段取りを少し読める
ここで大事なのは、技術を細かくマニュアル化することではありません。新人が「今、自分は何を覚える時期なのか」を分かるようにすることです。
3つ目は、どの順番で教えるかです。現場では、その日入った現場によって学ぶ内容がバラバラになりがちです。だからこそ、最低限の順番を会社側で持っておく必要があります。
たとえば、いきなり難しい作業を見せるより、まずは安全、道具、材料、片付け、報告を固める。次に補助作業を任せる。その後に、部分的な施工に触れさせる。こうした順番があるだけで、職長も「今日はここまで見ればよい」と判断しやすくなります。
採用ペースも、この育成設計に合わせて決めます。
教育役が1人しかいないなら、最初から複数名を採るより、1年に1人を確実に育てる方が現実的です。 1人が少し育てば、その人が次の新人に道具や基本ルールを教えられるようになります。そうすると、職長がすべてを教える状態から少しずつ抜け出せます。
あわせて考えたいのが、職人から管理側への役割変更です。現場で一番できる人に、ずっと一番難しい作業だけを任せていると、会社としての育成力は増えません。将来の人数増を考えるなら、職長やベテランに「作業者」だけでなく「育てる人」「確認する人」としての時間を持たせる必要があります。
そのためには、採用前に次のような整理をしておくと進めやすくなります。
- 今の職長が新人教育に使える時間は週にどれくらいか
- 社長が技術以外で新人に伝えられることは何か
- 20代の既存職人に任せられる基本教育はどこか
- 1人目の新人に、1年後どこまでできていてほしいか
- その状態なら、翌年もう1人採れるか
採用と教育は別々に考えるものではなく、同じ計画の中で設計するものです。 先に教育の受け皿を作っておけば、採用活動も「どんな人なら育てられるか」という目線で判断しやすくなります。
まとめ
人を増やしたい小規模建設会社にとって、採用活動は大切です。ただ、求人を出す前に、教育体制を少し整えておくことで、採用後の定着率は変わりやすくなります。
特に、社長自身が現場教育をできない場合や、ベテラン職長に教育が集中している場合は、無理に採用人数を増やすよりも、まずは「1人をどう育てるか」を具体化する方が現実的です。
最初から立派な教育制度を作る必要はありません。誰が、何を、どの順番で教えるかを決め、1年に1人ずつ増やせる状態を作ることが、数名体制の会社には合っています。
採用は入口です。育成は定着の土台です。入口だけ広げるのではなく、入ってきた人が現場で迷わず育っていける流れを作ることが、会社の人数を着実に増やす近道になります。
うちの会社に合う育成ペースを整理したいときは
「人は増やしたいけれど、今の現場で教えきれるか分からない」「職長にどこまで任せてよいか整理できていない」という段階でも、考える順番を一緒に整理できます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用人数を決める前の育成体制づくりや、職人から管理側への役割整理も、会社の規模や現場の実態に合わせて考えていきます。
無理な営業はいたしませんので、「まず何から整理すべきか」を確認したい段階でも差し支えありません。必要に応じて、お問い合わせはこちらからご相談ください。

































