前提

若手採用が長年動かず、技能実習と特定技能が現場の現実解になっている会社

九州北部のある専門工事会社では、仕事の引き合い自体は安定してあります。営業を強くかけなくても紹介や既存のつながりで案件は回ってきており、受注量は「自社の社員数と協力業者の人数に合わせて調整している」状態です。

経営者の言葉で印象的だったのは、次の一言です。

50人おったら、50人分の仕事はあるんです。人員不足に泣きよるんですよね

つまり、売上を伸ばす余地がないのではなく、人がいないから受けられる仕事を絞っているという状況です。外回り、見積もり、積算を任せられる人。数字に強い建築事務のような内勤。現場で動く作業員。経営者の頭の中には、必要な役割がかなり具体的に見えています。

一方で、日本人若手の採用は簡単ではありません。ハローワークから入った人が定着した例はあるものの、求人媒体経由ではすぐ辞めてしまったり、問い合わせ後に連絡がつながらなかったりすることもありました。

その中で、同社はすでに技能実習や特定技能の外国人材を受け入れています。経営者は「日本人だけ」にこだわっていません。

日本人が4割、外国人が6割の会社でも全然いいと思うんです。外国人の労働力は、これから絶対増えるばっかりじゃないですか

この感覚は、これからの中小建設会社にとってかなり大事です。外国人材を“足りない分の穴埋め”として見るのではなく、会社の成長を支える前提として設計する段階に入っているからです。

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  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
  • 6月8日防水工事会社兵庫県
  • 6月8日電気設備工事会社神奈川県
  • 6月8日内装工事会社大阪府
  • 6月5日リフォーム会社愛知県
  • 6月5日プラント工事会社香川県
  • 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
  • 6月5日内装工事会社長崎県
  • 6月4日防水工事会社東京都
  • 6月4日内装工事会社東京都
  • 6月3日総合建築埼玉県
  • 6月3日空調設備工事会社香川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

外国人材を増やすほど、現場を支える日本人管理者と受け入れ体制が先に詰まりやすい

外国人材を増やすこと自体は、今後の建設業では自然な流れです。ただし、人数を増やせばそのまま受注を増やせるかというと、そこにはもう一段の整理が必要です。

この会社でも、経営者は外国人比率を高めることに前向きでした。一方で、現場管理や顧客対応、見積もり、積算、数字管理といった部分には、日本人の管理者や内勤の役割が必要だという感覚も持っていました。

単純に言ったら、日本人の人数の4倍くらいまでの外国人なら大丈夫かな

この言葉には、実務上のリアリティがあります。外国人材が悪いという話ではありません。むしろ、真面目に働いてくれる人材に長くいてもらうためには、誰が教えるのか、誰が相談を受けるのか、誰が現場で判断するのかを先に決めておく必要があるということです。

特に中小の専門工事会社では、採用も教育も生活面の相談も、気づけば社長が抱えがちです。この会社でも採用対応は「全部自分でやっている」という状態でした。社長が人を見る、辞める理由を聞く、改善する。そうした丁寧さがあるから定着している人もいる一方で、会社を40人、50人規模へ伸ばそうとすると、社長個人の面倒見だけでは限界が見えてきます。

外国人材を長期戦力にするうえでの課題は、採用数そのものよりも、外国人材が増えても回る組織の受け皿をつくれるかにあります。

背景

求人媒体で日本人若手を待つだけでは、地域の採用母数と受注余力のズレが埋まりにくい

日本人若手の採用が難しい背景には、単に求人原稿の出し方だけでは片づかない事情があります。

建設業では、有効求人倍率が全産業平均を大きく上回る状態が続いています。技能者や施工管理に近い人材ほど取り合いになり、都市部でも地方でも採用は簡単ではありません。さらに地方では、人口の母数や通勤圏、学校との接点、地元に残る若手の数が地域ごとに大きく違います。

この会社の経営者も、採用の話になると地域性を強く意識していました。

東京、大阪、名古屋の話と、九州の地方都市の話は違うじゃないですか。人口の母数が違うから

まさにその通りです。全国でうまくいった採用手法をそのまま持ってきても、地域の求職者数や移動手段、給与相場、働き方の感覚が違えば、同じ成果にはなりません。

一方で、仕事はあります。内勤があと数名いて、現場作業員が40人ほど抱えられれば、売上は大きく伸ばせるという見通しもあります。つまり、採用市場の厳しさと、会社の受注余力が噛み合っていないのです。

ここで大切なのは、日本人採用を諦めることではありません。ハローワーク経由で定着している人がいるように、地域に合う採用ルートは残されています。ただ、若手日本人だけで必要人数を満たす前提にすると、成長計画が止まりやすくなります。

だからこそ、技能実習や特定技能の外国人材を、最初から人員計画の中心に含める考え方が必要になります。

この子たちを長期で雇用できるように、居心地よくしてやって

この言葉は、単なる優しさではありません。採用が難しい時代に、来てくれた人に長く働いてもらうことは、そのまま経営戦略になるということです。

解決

外国人比率を前提に、人員計画・教育・生活支援・管理者配置を一枚の設計図にする

外国人材を長期戦力にするには、「何人受け入れるか」から考えるよりも、どの規模の会社にしたいか、そのためにどの役割が何人必要かから逆算するほうが現実的です。

この会社の場合、経営者の頭の中にはすでに近い将来の形がありました。

  • 外回り、見積もり、積算を任せられる人が1人
  • その補助ができる人が1人
  • 数字に強い内勤が1人
  • 内勤全体であと数名
  • その体制があれば、現場作業員40人規模も見える

このように考えると、外国人材の受け入れは「作業員を何人増やすか」だけでは決まりません。現場作業員を増やす前に、管理・教育・事務・顧客対応の人数が足りているかを見る必要があります。

実務では、次の順番で整理すると進めやすくなります。

1. 目標人数を「日本人・外国人」ではなく「役割」で分ける

まずは、日本人か外国人かの前に、会社に必要な役割を分けます。

たとえば、現場で施工する人、職長候補、現場を回す管理者、見積もり・積算を担う人、数字を見る内勤、生活面や書類面を支える担当などです。

そのうえで、外国人材に任せる領域と、日本人管理者が担う領域を分けると、受け入れ人数の上限が見えてきます。

経営者が言っていた「日本人の人数の4倍くらいまで」という感覚は、まさにこの管理可能人数の話です。外国人材を何人採れるかではなく、何人までなら安全・品質・教育を保って受け入れられるかを基準にすることが重要です。

2. 外国人材の教育を「その場で教える」から「段階で育てる」に変える

外国人材に長く働いてもらうには、入社直後の教育だけでなく、1年目、2年目、3年目以降で何を任せるかを決めておくことが大切です。

最初は道具の名前、安全ルール、現場での動き方を覚える段階です。次に、一定の作業を任せる段階。さらに、後輩に教えたり、職長の補助をしたりする段階があります。

ここが曖昧なままだと、本人も「自分はこの会社でどう成長できるのか」が見えにくくなります。逆に、できる作業、任せる範囲、評価されるポイントが見えると、外国人材も長く働く理由を持ちやすくなります。

難しい制度を最初から作る必要はありません。まずは、現場でよく出る作業を洗い出し、「見習い」「一人でできる」「人に教えられる」くらいの段階に分けるだけでも、教育の土台になります。

3. 居心地のよさを、社長の人柄だけに頼らない

この会社では、辞めた人にも理由を聞き、改善できるところは改善してきたという話がありました。家族の事情で地元に戻った人とは、その後も普通にコミュニケーションを取っているとのことでした。

こうした関係性は大きな強みです。ただ、外国人材が増えるほど、社長一人で全員の不安や生活面を拾い続けるのは難しくなります。

だからこそ、居心地のよさを仕組みにしておくことが大切です。

たとえば、住まい、通勤、休日、病院、役所手続き、母国の家族との連絡、困ったときの相談先など、働く前後の生活面でつまずきやすいポイントを整理しておきます。現場の技術だけでなく、生活が安定していることが定着につながります。

「面倒を見る」という感覚を属人的に抱え込むのではなく、誰が、どこまで、どのタイミングで確認するかを決めておくと、外国人材も会社側も安心しやすくなります。

4. 日本人管理者は「監督役」ではなく「橋渡し役」として配置する

外国人材の比率が高くなる会社では、日本人管理者の役割がより重要になります。ただし、それは上から管理するだけの役割ではありません。

現場の安全や品質を守ることはもちろん、元請けや顧客とのやり取り、現場での判断、作業指示の翻訳、本人たちの不安の吸い上げなど、複数の橋渡しが必要になります。

特に専門工事会社では、現場での信頼が次の仕事につながります。外国人材が多い体制でも、顧客が安心できる状態をつくるには、日本人管理者が顧客対応と現場教育の両方を支える設計が欠かせません。

その意味で、外回りや見積もり、積算ができる人材を増やしたいという経営者の考えは、外国人材活用ともつながっています。現場作業員だけを増やすのではなく、管理できる人、数字を見られる人、顧客と話せる人を同時に増やすことが、外国人材を戦力化する条件になります。

5. 採用活動は「日本人採用」と「外国人受け入れ」を別々に設計する

日本人若手の採用と外国人材の受け入れは、同じ人材確保でも設計が違います。

日本人採用では、地域の求職者にどう見つけてもらうか、どんな働き方や会社の魅力を伝えるかが重要になります。一方、外国人材では、受け入れルート、在留資格、教育体制、生活支援、長期雇用への道筋が重要になります。

両方を一つの「人手不足対策」としてまとめてしまうと、打ち手がぼやけます。

整理の軸はシンプルです。

  • 日本人には、管理者・職長候補・内勤・顧客対応をどう担ってもらうか
  • 外国人材には、現場の施工力としてどこまで成長してもらうか
  • 両者をつなぐ教育・評価・生活支援を誰が運用するか

この3つを決めると、外国人材の採用人数も、必要な日本人管理者の人数も見えやすくなります。

まとめ

若手が入ってこない中で、外国人材の受け入れを増やすことは、建設業にとって特別な選択ではなくなっています。特に地方の専門工事会社では、地域の採用母数を考えると、外国人材を前提にした組織づくりはかなり現実的な選択です。

ただし、外国人材を増やすだけでは会社は大きくなりません。大切なのは、外国人材を長期戦力として受け入れるために、教育、生活支援、管理者配置、人員計画をつなげて考えることです。

今回の会社のように、「50人いれば50人分の仕事はある」という状態なら、人材確保は単なる採用課題ではなく、受注拡大を支える経営課題です。

ポイントは次の通りです。

  • 日本人若手だけで必要人数を満たす前提にしない
  • 外国人材を一時的な穴埋めではなく、将来の主力として見る
  • 外国人比率を高めるなら、日本人管理者と内勤体制を同時に整える
  • 居心地のよさを、社長個人の面倒見だけでなく仕組みにする
  • 何人採るかではなく、何人まで安全に育てられるかを基準にする

外国人材の活用は、難しく考えすぎる必要はありません。ただ、場当たり的に増やすのではなく、会社の将来像から逆算して設計することで、受注余力をしっかり売上につなげやすくなります。

外国人材を長く戦力化するための体制を整理したいときに

「うちの場合、日本人と外国人の比率はどれくらいが現実的なのか」「外国人材を増やしたいが、教育や管理を誰が担うべきか」「現場作業員は増やせそうだが、内勤や管理者が足りない」など、会社ごとに整理すべき順番は変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。外国人材の受け入れも、採用だけでなく、定着、教育、管理体制、人員計画まで含めて考えることが大切です。

まだ方針が固まっていない段階でも大丈夫です。「何から整理すべきかわからない」という状態から、一緒に現状を見える化していけます。無理な営業はいたしませんので、必要なタイミングでお気軽にご相談ください。

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