神奈川県で15名強まで増えた空調・設備工事会社が、採用の次に向き合っている段階
神奈川県を拠点に、業務用エアコンの施工を中心に手がける、15名強の専門工事会社の話です。売上の中心は空調設備工事で、ほかに電気工事や鉄道関連の夜間工事も行っています。
数年前までは10名ほどの体制でしたが、求人広告を始めてから毎年2〜3名ほど採用が進み、20代・30代・40代がそれぞれ数名ずついる構成になってきました。採用経路は一般求人が中心で、応募者の多くは求人検索サイトを見て来ています。
「今まではずっと40代中心でしたけど、若い子が入ってきてくれた感じです」
建設業では、そもそも応募が来ない、若手が採れないという声が多い中で、これはかなり前向きな状況です。ただ、ここで終わりではありません。採用が進んだ会社ほど、次に問われるのは“採った人を現場の売上に変える体制”です。
この会社も、人さえいれば受けられる仕事はまだあります。日中の空調工事も、夜間の鉄道関連工事も、伸ばせる余地はあります。それでも、すぐに現場数を増やせるわけではありませんでした。
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- 7月17日塗装工事会社栃木県
- 7月17日リフォーム会社岩手県
- 7月17日総合土木山形県
- 7月17日電気設備工事会社愛知県
- 7月16日外構工事会社東京都
- 7月16日塗装工事会社大阪府
- 7月16日内装工事会社群馬県
- 7月16日総合建築岐阜県
- 7月15日工務店東京都
- 7月15日内装工事会社神奈川県
- 7月15日塗装工事会社奈良県
- 7月15日内装工事会社鳥取県
- 7月14日配管工事会社高知県
- 7月14日配管工事会社広島県
- 7月14日防水工事会社神奈川県
- 7月12日配管工事会社京都府
- 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
- 7月12日リフォーム会社茨城県
- 7月11日総合建築福島県
- 7月11日総合土木大阪府
- 7月11日造園会社愛知県
- 7月11日外構工事会社茨城県
- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
若手・未経験者は増えても、中堅・職長層が足りないと現場は増やせない
一番の詰まりは、人数そのものではなく、現場を任せられる中堅層の不足です。
「増えてもきついよね。若くて新人が多いと、結局、感じて動ける中堅がいないと」
この言葉は、多くの専門工事会社に当てはまります。若手が入ること自体はありがたいことです。ただ、未経験者や経験の浅い社員が増えると、現場の生産力がすぐに増えるわけではありません。むしろ一時的には、既存の中堅・ベテランの負荷が高まります。
中堅社員は、自分の施工を進めながら、若手に作業を教え、現場の段取りを見て、元請けや他業者との調整も行います。現場によっては2名で終わる小規模工事もあれば、10名ほど入る工事もあります。1日で終わる現場もあれば、1か月半ほど入る現場もあります。
この幅がある中で新人を育てるには、単に「先輩について覚えてもらう」だけでは限界があります。中堅が育成も施工も管理も抱え込む状態では、採用数が増えても受注余力を売上に変えにくくなります。
特にこの会社では、日中の空調工事と夜間の鉄道関連工事で部隊が分かれています。日中と夜間では、作業内容も現場の進み方も違います。つまり、育成も一律ではなく、部隊ごとに設計する必要があります。
日中の空調と夜間の鉄道工事で、独り立ちに必要な力が違っている
この会社の事業構成を見ると、育成の難しさがよりはっきりします。
空調工事は売上の大部分を占め、オフィスや店舗などの業務用エアコンが中心です。現場は日中が多く、規模はさまざまです。小さい現場は利益率が良い一方で、先の予定が読みづらい面があります。長期の現場は予定が安定しやすい一方で、利益率が薄くなることもあります。
「長く入る現場は安定した利益と予算が分かる。でも細かい現場の方が利益率が良かったりする。両方あって初めて、暇が生まれずに利益が積み上がると思っています」
このバランス感覚は非常に重要です。ただし、このバランスを現場で実現するには、単に作業ができる人だけでなく、現場ごとの性質を理解して動ける人が必要です。
一方、夜間の鉄道関連工事は、日中の空調とは別部隊で動いています。終電後の限られた時間で進める工事は、段取りや安全面、時間管理の重要度が高くなります。日中現場で作業を覚えたからといって、そのまま夜間現場を任せられるわけではありません。
ここで整理したいのは、“独り立ち”という言葉の中身が、現場ごとに違うという点です。
たとえば、同じ独り立ちでも段階があります。
- 指示を受けながら、決められた作業を安全に進められる
- 2名程度の小規模現場で、段取りを理解して動ける
- 若手を1名連れて、作業と教育を両立できる
- 元請けや他業者との調整を含め、現場を完了まで管理できる
- 日中部隊・夜間部隊それぞれで、現場の特性に合わせて判断できる
この段階が曖昧なまま人数だけ増えると、「何年目だからそろそろ任せたい」と思っても、実際には任せきれない状態が起きます。結果として、社長や一部の中堅に判断が戻り、現場を増やすブレーキになります。
採用後に売上へつなげるには、独り立ちの基準と教育担当の負荷を先に設計する
若手・未経験者の採用が進んでいる会社は、求人を強める前に、育成体制を一段整理すると効果が出やすくなります。大切なのは、教育を精神論にせず、現場の増やし方とつなげて考えることです。
まず整理したいのは、「誰が、どの現場を、どこまで任せられる状態を目指すのか」です。
この会社であれば、日中の空調工事と夜間の鉄道関連工事で、育成ルートを分けて考えるのが自然です。日中の空調では、1日で終わる小規模現場、複数名で入る中規模現場、1か月以上続く現場があります。小規模現場は利益率が高い分、段取りと判断の速さが必要です。長期現場は安定しますが、日々の進捗管理や他業者との調整が重要になります。
夜間工事では、限られた作業時間の中で、事前準備・安全確認・撤収まで含めた動きが求められます。ここは日中とは別の基準で育てる必要があります。
次に、独り立ち基準を3段階程度に分けます。
1つ目は、作業者としての独り立ちです。道具、材料、基本作業、安全ルールを理解し、先輩の指示で安定して動ける状態です。
2つ目は、小さな現場を任せられる状態です。2名体制の現場や短期工事で、当日の段取り、元請けとの簡単な確認、写真や報告まで進められる状態です。
3つ目は、管理まで担える状態です。社長が言っていた「何にも面倒なく管理して終わらせてくれる」状態に近い段階です。ここまで来ると、会社として受けられる現場数が変わります。
採用後に売上が伸びるかどうかは、この3段階のどこで人が止まっているかを見れば判断しやすくなります。
進め方としては、まず今いる社員を一覧にして、日中・夜間それぞれで次のように整理します。
- どの作業は一人でできるか
- どの現場なら任せられるか
- 誰を連れていけば教育役になれるか
- 管理まで任せるには何が足りないか
- 中堅社員の教育負荷がどこに集中しているか
この整理をすると、「新人が多いから現場を増やせない」という大きな悩みが、「小規模現場を任せられる人があと2名必要」「夜間部隊で段取りを見られる人が足りない」「教育役が特定の中堅に偏っている」といった具体的な課題に変わります。
そのうえで、教育担当を固定しすぎないことも大切です。もちろん、最初は面倒見の良い中堅に寄りがちです。ただ、その人に教育が集中すると、その中堅が現場を持てなくなります。現場数を増やしたい会社ほど、教育担当を分散し、教える内容もそろえていく必要があります。
たとえば、最初の3か月は基本作業と安全、次の3か月は小規模現場の流れ、次の半年は現場管理補助というように、ざっくりでも段階を置くと、育成の見通しが立ちやすくなります。
ここで重要なのは、完璧な教育制度を作ることではありません。“この人はどの現場なら任せられるか”を社内で共通認識にすることです。それだけでも、社長や中堅の判断負担はかなり軽くなります。
まとめ
若手・未経験者を採用できている会社は、建設業の中では大きな強みを持っています。ただ、その強みは、採用した人が現場で力を発揮できるようになって初めて、売上や利益につながります。
今回のように、日中の空調工事と夜間の鉄道関連工事を分けて動かしている会社では、育成も一律では進みません。現場の種類、作業時間、求められる判断、管理の範囲が違うからです。
見るべきポイントは、採用人数だけではありません。
大切なのは、若手が何年で、どの現場を、どこまで任せられるようになるかを決めることです。
そして、そこに中堅社員の教育負荷をどう組み込むかです。中堅が施工・教育・管理をすべて背負っている状態では、受けられる仕事があっても現場を増やしにくくなります。
求人がうまくいっている会社ほど、次の成長余地は育成体制にあります。採用を止める必要はありません。ただ、採用した人を売上に変える道筋を、現場単位で見えるようにしておくことが重要です。
採用後の育成体制を、自社の現場に合わせて整理したいときは
若手が入ってきているのに、なかなか現場を増やせない。中堅に教育が偏っている。独り立ちの基準が感覚になっている。こうした悩みは、会社が前に進んでいるからこそ出てくる課題です。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、採用・育成・組織づくり・現場管理・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、会社ごとの現場事情に合わせた進め方を一緒に考えます。
「うちの場合は、誰をどこまで育てれば現場を増やせるのか」「採用後の教育を何から整えればいいのか」という段階でも問題ありません。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の場としてご活用ください。































