前提

九州の太陽光・蓄電池工事会社が売上5,000万円前後で足踏みしている状態

九州地方で太陽光発電設備や蓄電池まわりの工事、点検、使用前自己確認、修理対応などを行う、少人数の専門工事会社の話です。

役員はいるものの、実際に現場や取引先対応を動かしている人数はかなり限られています。近く新しい人も加わる予定です。

売上は、以前は2,000万円前後。そこから伸びて、直近ではおおよそ5,000万円規模まで来ています。ただ、この2〜3年は同じ水準で推移しています。

社長の言葉が印象的でした。

「減っているわけではないんです。伸び悩みって感じですかね」

この感覚は、専門工事会社ではかなり身近です。仕事がゼロで困っているわけではない。けれど、次の人を入れる。給与を上げる。設備や機械に投資する。将来の事業にも備える。そこまで考えると、今の売上規模では少し物足りない。

もう一つ、重要な前提があります。

売上の約7割を、主要取引先2社が占めている状態です。

片方が約4割、もう片方が約3割。残りを複数の取引先で埋めています。しかも、その主要2社は、会社が厳しい時期に声をかけてくれた大切な相手です。

だからこそ、新規開拓をしたい一方で、こうした気持ちもあります。

「そこには失礼のないようにしたいんです。迷惑をかけない程度に、広げていければ」

この会社の課題は、単に営業先を増やすことではありません。既存取引先との関係を守りながら、次の売上の柱をつくることです。

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  • 7月16日外構工事会社東京都
  • 7月16日塗装工事会社大阪府
  • 7月16日内装工事会社群馬県
  • 7月16日総合建築岐阜県
  • 7月15日工務店東京都
  • 7月15日内装工事会社神奈川県
  • 7月15日塗装工事会社奈良県
  • 7月15日内装工事会社鳥取県
  • 7月14日配管工事会社高知県
  • 7月14日配管工事会社広島県
  • 7月14日防水工事会社神奈川県
  • 7月12日配管工事会社京都府
  • 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
  • 7月12日リフォーム会社茨城県
  • 7月11日総合建築福島県
  • 7月11日総合土木大阪府
  • 7月11日造園会社愛知県
  • 7月11日外構工事会社茨城県
  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
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  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
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課題

主要2社に支えられた売上構造のままでは次の人材投資に踏み切りにくい

売上5,000万円前後まで来た会社にとって、次の壁は「案件があるかないか」だけではありません。

どの取引先から、どの利益率で、どの範囲の仕事を受けるか。

ここが大事になります。

この会社も、太陽光の新設、メンテナンス、草刈り、修理、蓄電池、キュービクル関連の改修など、対応できる範囲は広がっています。使用前自己確認のための試験も学び、機械もそろえてきました。

一方で、大手との取引には苦い実感もありました。

「大きいところは仕事はあるけど、結局利益は少ないんです」

「お金を回すだけみたいな感じになることもありました」

これはよくある話です。

大手は案件量があります。信用もあります。実績にもなります。ただ、ルールが厳しい。書類も多い。単価交渉もしづらい。小回りの利く少人数の会社ほど、実際の手残りが思ったほど残らないことがあります。

反対に、規模が小さすぎる会社ばかりを狙うと、案件の継続性や支払い条件、管理体制に不安が残ることもあります。

そのため、この会社では「超大手」ではなく、次のような相手が合いそうだという感覚が出てきました。

地場に根を張っていて、ある程度の案件を持っている。けれど、大手ほど決まりが硬すぎない会社。

社長の言葉では、こうです。

「地場の会社で、ぼちぼち大きいところがベストかなと思います」

この一言に、新規開拓の方向性がかなり詰まっています。

背景

既存取引先への恩義と、大手取引で利益が残りにくい経験が営業先選びを難しくしている

新規取引先を増やす時に、最初に考えるべきことは「どこに営業するか」です。

ただし、今回のような会社では、単純に太陽光や蓄電池の会社をリストアップすればよいわけではありません。

背景には、3つの事情があります。

1つ目は、既存取引先への配慮です。

主要2社は、厳しい時期に仕事を出してくれた相手です。売上比率も高い。だから、その会社の商流とぶつかる先に無造作に営業をかけると、関係に角が立つ可能性があります。

たとえば、既存取引先の元請け、主要協力会社、紹介元、グループ会社、よく同じ現場で会う会社などです。

営業先を増やす前に、「当たってよい会社」と「当たり方に注意が必要な会社」を分ける必要があります。

2つ目は、会社規模の見極めです。

この会社は、全国的な大手や通信インフラ系の大企業とも現場で接点がありました。ただ、実感としては「大きすぎる会社は、少人数の会社には少し難しい」という感覚があります。

「決まりが厳しいので、うちみたいな小さいところはなかなか難しいと思うんです」

これは逃げではありません。かなり現実的な判断です。

売上規模、従業員数、営業所展開、発注権限の位置。こうしたものが自社に合っていないと、せっかく受注しても利益が残りません。

3つ目は、受ける仕事の中身の変化です。

太陽光だけでなく、産業用蓄電池やキュービクル関連の工事も視野に入っています。蓄電池では重量物搬入やクレーン手配が絡みます。クレーン費用だけで大きな金額になることもあります。

社長は、こう話していました。

「自社が一次で受けられれば、一括で受けて、協力業者さんに分けていく形ができます」

つまり、単なる作業会社として入るのではなく、一定の管理側に立つ動きも考えています。

ただし、その場合は外注費、クレーン費、重量鳶、電気工事、試験対応などを含めた原価管理が欠かせません。

販路開拓は、売上を増やす話であると同時に、利益が残る仕事の選び方の話でもあります。

解決

商流の重なりを避けるリスト化と、利益が残る相手の条件決めから始める

新規開拓は、いきなり電話をかけるよりも、先に地図を描いた方が進めやすくなります。

特に、既存取引先を大事にしながら販路を広げたい会社では、次の順番が合います。

まず既存取引先の商流を整理する

最初にやることは、営業先リスト作成ではありません。

既存取引先の周辺にある商流を見える化することです。

具体的には、主要取引先ごとに次の情報を整理します。

  • その会社の元請け、発注元
  • よく一緒になる協力会社
  • グループ会社、関連会社
  • 紹介でつながった会社
  • 同じエリア、同じ発電所、同じ施主で重なりやすい会社
  • 過去に価格や条件でトラブルになりやすかった会社

これを整理すると、「営業してよい会社」と「慎重に扱う会社」が分かれてきます。

ここで大切なのは、既存取引先を避けすぎないことです。避けすぎると、営業先がなくなります。

見るべきは、商流上の利害が直接ぶつかるかどうかです。

たとえば、既存取引先の主要顧客を横取りするような形は避けた方がよいです。一方で、別エリア、別設備、別発注系統、別工種であれば、問題なく広げられることもあります。

「迷惑をかけない」の意味を、感覚ではなくリストで確認する。ここが第一歩です。

狙う会社規模を決める

次に、狙う会社の規模を決めます。

この会社の場合、感覚として合っていたのは、以下のような相手です。

地場に強く、太陽光・蓄電池・高圧設備まわりの案件を持ち、従業員数は数十名から100名弱程度。売上規模は数億円から十数億円。

もちろん、これは一例です。

大事なのは、自社に合う発注者像を決めることです。

判断軸は、次の4つです。

  • 大手すぎてルールや書類が重くないか
  • 小さすぎて案件量や継続性に不安がないか
  • 自社が一次または近い立場で入れる可能性があるか
  • 単価交渉や工事範囲の調整余地があるか

社長が言っていた「ぼちぼち大きいところ」は、かなり実務的な表現です。

営業先は、有名企業順ではなく、自社が利益を残しやすい順に並べる方がよいです。

エリアは「近い順」ではなく「管理できる順」で決める

この会社は、九州だけでなく遠方対応の実績もありました。案件によっては東北方面まで行ったこともあります。

だからといって、全国に営業すればよいわけではありません。

少人数の会社では、移動時間、現場管理、協力会社の確保、緊急対応のしやすさが利益を左右します。

エリアを決める時は、次のように分けると整理しやすいです。

  • すぐ対応できる主戦場エリア
  • 協力会社がいれば対応できる準主戦場エリア
  • 単価や工期条件が合う場合のみ受ける遠方エリア
  • 既存取引先との関係上、慎重に扱うエリア

営業エリアは、距離ではなく管理可能性で決める。

これが、少人数の専門工事会社には合っています。

業種は太陽光だけに絞らず、利益が残る周辺領域まで見る

今回の会社では、太陽光のO&Mだけでなく、工事、試験、草刈り、新設、蓄電池、キュービクル改修まで対応していました。

つまり、営業先も「太陽光メンテナンス会社」だけに絞る必要はありません。

候補としては、次のような会社が考えられます。

  • 産業用太陽光の施工会社
  • 蓄電池の設置・販売会社
  • 高圧受電設備やキュービクルを扱う電気工事会社
  • 再エネ設備の保守会社
  • 地場で発電所案件を持つ設備会社
  • 重量物搬入や電気工事を組み合わせる案件を持つ会社

ただし、何でも取りに行くと現場が崩れます。

「できる仕事」ではなく、「利益が残り、継続し、自社の体制で管理できる仕事」を狙うことが大切です。

営業先リストは3段階で作る

営業先リストは、最初から完璧でなくて大丈夫です。

おすすめは、3段階に分けることです。

1つ目は、既存取引先と商流が重なりにくい会社です。

ここは最初に動きやすいです。地域、工種、発注元がずれている会社を優先します。

2つ目は、紹介でつながれる可能性がある会社です。

現場で一緒になった会社、過去に名刺交換した担当者、メーカーや商社経由で接点がある会社などです。いきなり営業するより、紹介や情報交換の形にした方が角が立ちにくいです。

3つ目は、条件が合えば狙いたい会社です。

規模が大きい会社や、既存取引先と少し商流が近い会社です。ここはすぐに営業せず、関係性や発注構造を確認してから動きます。

リスト化の目的は、数を増やすことではありません。攻めてよい順番を決めることです。

受注前に利益率・対応範囲・継続性を確認する

新規取引先が見つかると、最初の案件は受けたくなります。

ただ、ここで焦ると「売上は増えたが手残りがない」という状態になりがちです。

受注前に、最低限この4つは確認したいところです。

  • 直接工事費、外注費、クレーン費、移動費を入れて利益が残るか
  • 自社がどこまで管理し、どこから協力会社に任せるか
  • 緊急対応や追加対応の条件が曖昧になっていないか
  • 単発で終わるのか、継続案件につながるのか

特に、産業用蓄電池や高圧設備まわりは、単価が大きく見えます。けれど、外注費も大きくなります。

売上金額ではなく、粗利額と管理負荷をセットで見ることが大事です。

「大きい現場だから良い」とは限りません。

少人数の会社にとって良い案件は、売上が大きい案件ではなく、手残りがあり、現場を回せて、次につながる案件です。

まとめ

売上5,000万円前後まで伸びた専門工事会社が、次の成長を考える時、販路開拓はとても自然なテーマです。

ただし、主要取引先に支えられてきた会社ほど、営業先の増やし方には配慮が必要です。

大切なのは、既存取引先を守ることと、新規開拓を止めることを混同しないことです。

商流を整理すれば、攻めてよい先は見えてきます。会社規模を決めれば、自社に合う発注者も絞れます。受注前に利益率、対応範囲、継続性を確認すれば、売上だけが増えて利益が残らない状態も避けやすくなります。

今回のように、厳しい時期に助けてくれた取引先を大事にしながら、新しい柱をつくりたいという考え方は、とても健全です。

販路開拓は、今の関係を壊すためではなく、会社を安定させ、社員に還元できる余地を増やすために進めるものです。

そのためには、やみくもに営業するよりも、商流、エリア、会社規模、利益率を一つずつ整理するところから始めるのがよいです。

自社に合う新規取引先の整理から始めたい方へ

「営業先を増やしたいけれど、既存取引先との関係が気になる」

「大手に行くべきか、地場の会社を狙うべきか迷っている」

「売上はあるのに、利益が残る案件の選び方がまだ固まっていない」

こうした段階では、いきなり営業活動を始めるよりも、自社の商流や得意工事、対応できるエリア、利益が残る案件条件を整理するだけでも、次の動きが見えやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、原価管理、組織づくり、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合は、どんな取引先を狙うべきか」「何から整理すればよいか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、情報整理の相手として気軽にお声がけください。

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