前提

兵庫県で15名弱、架線工事と保守工事を半世紀続けてきた会社の次の受注先探し

既存の大口取引先だけでは、今後の仕事量がどこまで伸びるか読みにくい。 そんな状況で、新規取引先の開拓を考える建設会社は少なくありません。

ある関西圏の専門工事会社は、15名弱の体制で、鉄道関連の架線工事と保守工事を長く手がけてきました。創業から半世紀以上、現在は3代目。事務が数名、管理側が数名、現場の職人が中心という、地域の専門工事会社としてよくある堅実な体制です。

主力は架線工事と保守工事。割合としては、主力工事が6割前後、保守や関連工事が4割前後。電気通信関連の仕事も少しありますが、会社として伸ばしたいのは、あくまで「メインのところ」です。

経営者の言葉として印象的だったのは、次の一言です。

「仕事の量は、そんなに増えないんじゃないですかね」

既存先との関係が悪いわけではありません。むしろ長年の実績があります。安全面への意識も高く、「創業してからずっとやってきた仕事なので、技術には自信があります」という土台もあります。

ただ、実績があることと、今後も自然に受注量が増えることは別の話です。 ここに、新規取引先開拓を考える理由があります。

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  • 7月16日外構工事会社東京都
  • 7月16日塗装工事会社大阪府
  • 7月16日内装工事会社群馬県
  • 7月16日総合建築岐阜県
  • 7月15日工務店東京都
  • 7月15日内装工事会社神奈川県
  • 7月15日塗装工事会社奈良県
  • 7月15日内装工事会社鳥取県
  • 7月14日配管工事会社高知県
  • 7月14日配管工事会社広島県
  • 7月14日防水工事会社神奈川県
  • 7月12日配管工事会社京都府
  • 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
  • 7月12日リフォーム会社茨城県
  • 7月11日総合建築福島県
  • 7月11日総合土木大阪府
  • 7月11日造園会社愛知県
  • 7月11日外構工事会社茨城県
  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

「大手とつながりたい」ではなく、自社が増やせる仕事の型が決まっていないこと

新規取引先開拓で最初に詰まりやすいのは、営業先リストの不足ではなく、狙うべき取引先の型が決まっていないことです。

この会社でも、「取引先を増やしたい」という意向はありました。一方で、「具体的にどことつながりたいですか」と聞かれると、明確な社名や分類はまだ出てきませんでした。

「狙っているところは、今は特にないです」

この状態は珍しくありません。日々の現場を回しながら、営業戦略まで細かく考えるのは簡単ではありません。特に、鉄道関連・架線工事・保守工事のように専門性が高い領域では、単純に「元請けを増やす」「大手に行く」と言っても、現実にはいくつかの分岐があります。

たとえば、取引先候補は大きく分けると次のように考えられます。

  • 既存の大口取引先と同じような立ち位置の会社
  • 鉄道系・電気設備系の元請け候補
  • 同業種で協力会社を探している会社
  • 架線・保守から近い電気通信やインフラ保全の会社
  • 公共・鉄道・災害復旧など、周辺領域の工事を持つ会社

ここで大事なのは、「有名な会社につながること」ではなく、「自社の施工体制で継続的に受けられる仕事につながること」です。

大手ゼネコンや大手電気工事会社と接点ができても、自社がその仕事を直接受けられる体制なのか。必要な建設業許可は合っているのか。管理者は足りるのか。外注を大きく使うと利益が残るのか。

この確認を飛ばすと、せっかく紹介や接点ができても「話は大きいが、自社にはまだ合わない」ということが起きます。

背景

主力工事を伸ばしたい一方で、エリア・許可・外注費・管理体制に現実的な制約がある

取引先開拓の方向性は、やりたい工事だけでなく、動けるエリア、許可、外注比率、管理体制で決まります。

この会社の場合、伸ばしたい工事ははっきりしていました。

「メインのところを増やしていったほうがいいかなと思っています」

主力である架線工事を増やしたい。これは自然な考え方です。長年の実績があり、安全面と技術面にも自信がある。新しい領域に無理に広げるより、まずは勝ち筋のある主力工事を増やすほうが現実的です。

ただし、エリアには制約があります。大阪・兵庫を中心とした関西圏であれば対応しやすい一方、関東まで広げるとなると、出張費や現場管理の負担が重くなります。

「そこまでは難しいんじゃないですかね。出張もあるので」

また、外注を増やせば仕事量は増やせるかもしれませんが、利益面では慎重になります。

「自社職員じゃないですかね。外注費が重んじゃうんで」

この一言は、新規取引先選びで非常に大事です。外注を多く使って売上を増やす会社なのか、自社職人を軸に利益を残す会社なのかで、狙うべき取引先は変わります。

さらに、建設業許可の問題もあります。電気工事業など必要な許可の種類に加えて、元請けとして大きな工事を受け、一定以上を下請けに出す場合は、一般建設業許可だけで足りるのか、特定建設業許可が必要になるのかも確認が必要です。

つまり、「大きい会社とつながる」だけでは不十分です。

  • 自社は元請けを目指すのか
  • 一次下請け・専属協力会社のような立ち位置を目指すのか
  • 既存先に近い会社を増やすのか
  • 隣接領域へ広げるのか
  • 外注を使って広げるのか、自社施工を守るのか

この整理がないまま営業先を増やすと、案件の質がばらつきます。逆に、ここが決まると、候補企業の見方が一気に具体的になります。

解決

ベンチマーク企業から逆算し、専属協力会社・同業元請け・隣接領域のどれを狙うか決める

新規取引先は、思いつきで探すより、似た施工領域で少し先を行く会社から逆算すると選びやすくなります。

たとえば、同じ関西圏で架線工事や鉄道系の電気設備工事を手がけ、売上規模が自社より一段大きい会社を見ます。自社が1億円台前半なら、2億円台、3億円台で安定している会社。人数が極端に違わず、利益も残している会社です。

その会社が、どんな取引先と付き合っているのかを確認します。

  • 鉄道系の電気設備会社と継続取引しているのか
  • 大手電気工事会社の協力会社になっているのか
  • 公共系・インフラ保全系の工事を持っているのか
  • 同業の元請けから専門工事を受けているのか
  • 特定の会社の専属協力会社に近い立ち位置なのか

ここから、自社に合う開拓方針を3つに分けて考えます。

1. 専属協力会社を目指す

安定した仕事量を重視するなら、鉄道系・電気設備系の会社の専属協力会社に近い立ち位置を狙う考え方があります。

主力工事が明確で、安全面・技術面に強みがある会社には相性が良い進め方です。毎回ゼロから営業するより、継続的な発注先として認識されるほうが、現場体制も組みやすくなります。

ただし、専属に近づくほど、相手先の基準に合わせる必要があります。安全書類、施工品質、緊急対応、管理体制、職人の安定配置などです。

この方向を選ぶなら、営業先は「大手全般」ではなく、自社の主力工事を継続的に必要としている鉄道系・電気設備系の会社に絞るべきです。

2. 同業種の元請け候補を増やす

既存取引先に近い構造で仕事を増やしたいなら、同じような工事を持つ元請け候補を増やす方法があります。

この場合は、今の大口取引先と似た会社を探します。たとえば、鉄道関連の電気工事を持っている会社、架線・保守に関わる会社、関西圏で協力会社網を広げたい会社です。

メリットは、自社の経験をそのまま説明しやすいことです。

「創業以来、この領域を続けてきました」 「安全面と技術面には自信があります」 「関西圏であれば、現場対応もしやすいです」

このように、営業時の訴求がぶれません。

一方で、既存先と同じような仕事だけを狙うため、候補数は限られます。だからこそ、ベンチマーク企業の取引先を見て、「同じような会社はどこか」を丁寧に洗い出す必要があります。

3. 架線・保守から隣接領域へ広げる

主力工事を軸にしながら、電気通信・インフラ保全・災害復旧などの隣接領域へ広げる選択肢もあります。

この会社も、電気通信関連を少し手がけていました。多くはないものの、まったく未経験ではありません。こうした周辺工事は、取引先候補を広げる入口になります。

ただし、隣接領域に広げる場合も、何でも受けるのは避けたいところです。自社の職人が対応できるのか。必要な資格や許可は合うのか。既存の現場と人員配置がぶつからないか。利益が残るのか。

隣接領域は、売上を増やすための逃げ道ではなく、主力工事の延長にあるかどうかで判断するのが安全です。

まとめ

既存の大口取引先だけでは仕事量が伸びるか読めないとき、新規取引先開拓は自然な選択肢です。ただ、最初から「大手とつながる」「元請けを増やす」と考えると、方向がぼやけやすくなります。

まず整理したいのは、次の5つです。

  • 伸ばしたい主力工事は何か
  • 対応できるエリアはどこまでか
  • 元請け・下請け・専属協力会社のどの立ち位置を狙うのか
  • 必要な建設業許可や管理体制は足りているのか
  • 外注を使って広げるのか、自社施工を軸にするのか

そのうえで、少し先を行く同業・近接業種の会社をベンチマークします。売上規模、人数、取引先、施工領域を見ると、自社が狙うべき取引先の型が見えてきます。

新規開拓は、営業先を増やす前に「どの取引構造なら自社が伸びやすいか」を決めることから始まります。 ここが決まると、紹介を受ける相手も、営業で話す内容も、かなり具体的になります。

自社に合う取引先の型を整理したいときは

取引先開拓は、候補企業を並べるだけでは前に進みにくいものです。自社の主力工事、施工体制、許可、外注比率、対応エリアを見ながら、「専属協力会社を目指すのか」「同業種の元請け候補を増やすのか」「隣接領域へ広げるのか」を整理する必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、組織体制、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、建設企業の持続的成長を支援しています。

「うちの場合は、どんな取引先を狙うべきか」「今の体制で大手とつながってよいのか」「まず何を整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の場としてご相談ください。

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