前提

関西で架線・保守工事を続けてきた15名弱の会社が、次の取引先を増やそうとしている状況

関西エリアで、鉄道関連の架線工事や保守工事を長く手がけてきた専門工事会社の話です。人数は15名弱。内訳は、代表と事務方、現場管理を担う人が数名、職人が中心という体制です。

仕事は架線工事が中心で、保守工事や電気通信関連も一部あります。創業から長く同じ領域を続けており、「安全面と、ずっとやってきた技術には自信があります」という言葉がありました。

一方で、今後については「仕事の量も増やしていきたい」「取引先も増やしていきたい」という温度感です。現在の取引先だけで人を増やした分だけ仕事が増えるかというと、そこははっきりしません。

ここで大事なのは、大手企業や元請け候補との接点をつくる前に、自社がどの立ち位置で、どの規模の工事を受けられるのかを確認することです。

販路開拓というと、つい「どの会社につながるか」に目が向きます。もちろん接点は大切です。ただ、建設業ではその前に、許可、施工体制、管理者、外注比率、財務の条件が商談の進み方を左右します。

1週間で 19件ダウンロード されました

  • 7月16日外構工事会社東京都
  • 7月16日塗装工事会社大阪府
  • 7月16日内装工事会社群馬県
  • 7月16日総合建築岐阜県
  • 7月15日工務店東京都
  • 7月15日内装工事会社神奈川県
  • 7月15日塗装工事会社奈良県
  • 7月15日内装工事会社鳥取県
  • 7月14日配管工事会社高知県
  • 7月14日配管工事会社広島県
  • 7月14日防水工事会社神奈川県
  • 7月12日配管工事会社京都府
  • 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
  • 7月12日リフォーム会社茨城県
  • 7月11日総合建築福島県
  • 7月11日総合土木大阪府
  • 7月11日造園会社愛知県
  • 7月11日外構工事会社茨城県
  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

大手との接点ができても、一般建設業許可のまま大型工事を受けられるとは限らない

大きな工事を直接受けたいと考えたとき、最初に確認したいのが建設業許可です。

この会社の場合、公開情報上は電気工事系の一般建設業許可が中心でした。一般建設業許可でも、もちろん工事は受けられます。ただし、元請けとして受けた工事を一定金額以上、下請けに出す場合は、特定建設業許可が必要になるケースがあります。

現場感としては、次のような問いが出てきます。

  • 大手ゼネコンや鉄道関連会社から直で仕事を受けたいのか
  • 今の一次下請けに近い立ち位置を広げたいのか
  • 同業の有力会社の専属協力会社のような形を目指すのか
  • 自社施工中心でいくのか、協力会社を使って受けるのか

この整理をせずに「大手を紹介してほしい」と進めると、接点ができても話が止まりやすくなります。

たとえば、元請けとして大型工事を受け、下請けに大きな金額を出す形になるなら、一般建設業許可だけでは対応できない可能性があります。特定建設業許可には、下請金額の条件だけでなく、財務面の要件も関わります。

また、許可だけではありません。現場を回す管理体制も見られます。15名弱の会社で、現場管理を担う人が限られている場合、同時に受けられる現場数や、遠方対応の可否も現実的な論点になります。

背景

「取引先を増やしたい」の裏側には、元請け・一次下請け・専属協力会社のどこを目指すかが未整理なことがある

この会社は、関西圏を中心に事業を続けてきました。代表は、関東など遠方まで広げることについては「そこまでは難しいんじゃないですかね」と話していました。出張費や現場管理の負担を考えると、自然な感覚です。

また、人を増やすなら協力会社よりも自社職人を優先したいという考えもありました。「外注費が重んじゃうんで」という言葉があり、外注依存を高めすぎることへの慎重さが見えます。

ここに、販路開拓の難しさがあります。

大型案件を受けるには、施工量を増やす必要があります。しかし、外注を増やしすぎると利益が残りにくくなる。逆に自社職人だけで増やそうとすると、採用と育成に時間がかかる。さらに現場管理者の採用は簡単ではありません。

つまり、課題は単に「紹介先がない」ではありません。どの取引先を狙うかの前に、自社がどういう受け方なら利益と管理を両立できるのかが決まっていないことです。

大手ゼネコンや鉄道関連の大手企業とつながること自体は、魅力があります。ただ、そこから直接大きな仕事を受けるのか、既存の取引構造に近い形で一次下請け先を増やすのか、安定した専属協力会社のポジションを取りにいくのかで、必要な準備は変わります。

売上1億円台前半の会社が、いきなり大手から大型工事を直請けするのか。あるいは、同じ領域で2億円台を安定している会社のように、特定の元請け・一次会社との関係を深めるのか。

この違いを見ないまま候補企業だけを並べても、自社に合う販路は見えにくくなります。

解決

紹介先を探す前に、受けられる工事規模と施工体制を先に棚卸しする

販路開拓を進める前に、まずは自社の「受けられる仕事の形」を整理すると動きやすくなります。

特に確認したいのは、次の5つです。

  1. 現在の建設業許可が一般か特定か
  2. 元請けで受けた場合、下請けに出す金額がどの程度になりそうか
  3. 特定建設業許可が必要になる案件を目指すのか
  4. 現場管理者の人数で、同時に何現場まで見られるか
  5. 自社施工と外注の割合をどこまで許容できるか

一般建設業許可と特定建設業許可の違いは、「自社が受ける請負金額の大きさ」だけで決まるものではありません。ポイントは、元請けとして受けた工事について、下請けに出す金額です。

一定金額を超えて下請けに出す場合、特定建設業許可が必要になります。金額基準は改定されることがあるため、実際に判断するときは最新の制度確認が必要です。加えて、特定建設業許可には財務要件もあります。資本金や自己資本などの条件が関わるため、「営業先が見つかったからすぐ受ける」とはなりにくい部分です。

そのため、進め方としては、いきなり大手企業リストを作るよりも、次の順番が現実的です。

まず、直近の売上、主要取引先、1件あたりの工事規模を整理します。次に、自社施工で対応できる上限と、外注を使った場合の利益感を見ます。そのうえで、一般建設業許可の範囲で狙える案件と、特定建設業許可を視野に入れないと難しい案件を分けます。

ここまで整理できると、狙うべき取引先も変わります。

直請けの大型案件を目指すなら、許可・財務・管理体制の整備が先です。一方で、今の体制を活かして売上を伸ばすなら、同業領域の一次下請け先や、安定した専属協力会社として入れる先を探す方が現実的な場合もあります。

「大手とつながる」ことが目的ではありません。自社が安全に、利益を残しながら、無理なく施工できる受け方を選ぶことが大切です。

まとめ

販路開拓では、候補企業の名前を探す前に、自社の受け皿を確認することが大切です。

特に専門工事会社の場合、技術力や安全面に強みがあっても、建設業許可、下請金額、財務要件、現場管理者の人数、外注費の重さによって、受けられる案件の形は変わります。

大きな工事を直接受けたいなら、一般建設業許可のままでよいのか、特定建設業許可が必要になるのかを先に見る必要があります。

一方で、必ずしも最初から直請け大型案件を狙う必要はありません。一次下請け先を増やす、地域内で同じ工種の取引先を広げる、専属協力会社として安定した関係をつくる。こうした選択肢もあります。

大事なのは、元請け・一次下請け・専属協力会社のどこを目指すのかを決めたうえで、許可と施工体制を合わせていくことです。そこが揃うと、営業先の選び方もかなり具体的になります。

自社が受けられる案件規模から、販路開拓の進め方を整理する

「大手とつながりたいが、どの立ち位置を目指すべきか分からない」「一般建設業許可のままで、どこまで仕事を広げられるのか整理したい」という段階でも、考える順番を整えるだけで次の一手は見えやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、組織体制、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、会社ごとの現在地に合わせた進め方を一緒に考えます。

無理な営業はいたしませんので、「うちの場合は直請けを目指せるのか」「まず何を確認すべきか」という段階でも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら