前提

千葉県の30名弱の専門工事会社が、住宅中心から法人の大型案件へ広げようとしている段階

大型案件を取りに行く会社ほど、まず整理したいのは「うちは何ができる会社なのか」を発注者目線の言葉に直すことです。

ある千葉県の専門工事会社では、内装工事を軸にしながら、外装、防水、一部設備まわりまで対応できる体制を持っていました。社員は30名弱。協力会社とのつながりも厚く、売上は6億円弱の規模です。

現場としては、集合住宅やマンションの内装を中心に、新築も改修も対応可能。大きな物件ではRC造の集合住宅で100戸超の内装まで手がけていました。タワーマンション系の現場も経験しており、一定規模以上の現場に慣れている会社です。

一方で、今後の方向性としては、個人オーナーや小規模案件だけでなく、管理会社、デベロッパー、ゼネコン、法人発注者から安定的に大きな仕事を受けたいという考えがありました。

現場側の言葉で言えば、こんな感覚です。

「細かい仕事をたくさん取るより、3か月単位くらいで動く集合住宅のような案件を取りたい」

「社員も増やしたので、今は目いっぱい仕事を取りたい。協力会社もいるので、キャパオーバー気味でも捌ける」

ここには、多くの専門工事会社に共通する転換点があります。施工力はある。人も集められる。複数工種にも対応できる。けれど、その強みが発注側に伝わる形になっていない。

このズレを埋めることが、大型案件の受注に向けた最初の整理になります。

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  • 7月16日外構工事会社東京都
  • 7月16日塗装工事会社大阪府
  • 7月16日内装工事会社群馬県
  • 7月16日総合建築岐阜県
  • 7月15日工務店東京都
  • 7月15日内装工事会社神奈川県
  • 7月15日塗装工事会社奈良県
  • 7月15日内装工事会社鳥取県
  • 7月14日配管工事会社高知県
  • 7月14日配管工事会社広島県
  • 7月14日防水工事会社神奈川県
  • 7月12日配管工事会社京都府
  • 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
  • 7月12日リフォーム会社茨城県
  • 7月11日総合建築福島県
  • 7月11日総合土木大阪府
  • 7月11日造園会社愛知県
  • 7月11日外構工事会社茨城県
  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
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課題

「人数を集められる」「一式でできる」が営業先に価値として伝わっていない状態

課題は、施工力そのものではなく、施工力の伝え方が発注者の評価軸に合っていないことです。

この会社の強みは明確でした。

社長は自社の強みを聞かれたとき、こう話していました。

「うちの一番いいところは、人数を集められることです。どんな現場でも集められる」

さらに、内装だけではなく、外装、防水、その他の工事にも広く対応できることも強みでした。

「内装だけじゃなくて、設備の一部を除けば、ほとんどできます。他の業者さんで問題が出たときも、うちが手伝えます」

これは現場を知っている人から見れば、かなり大きな価値です。大型案件では、工程がずれます。職人が足りなくなります。前工程の遅れを後工程で吸収しなければならない場面も出ます。

そのときに、人数を動かせる会社、複数工種をまたいで見られる会社、他業者の遅れをカバーできる会社は、発注者にとって単なる下請けではなく「現場を止めない会社」になります。

ただし、この価値は「うちは人数がいます」「いろいろできます」だけでは伝わりません。

発注者が知りたいのは、もう少し具体的です。

  • 何人くらいまで動員できるのか
  • 何日前に言えば手配できるのか
  • どの工種まで自社または協力会社で対応できるのか
  • 過去にどの規模の物件を納めたのか
  • 工程がずれたとき、どうリカバリーしたのか
  • 元請けや管理会社にとって、どの業務負担が減るのか

実際、この会社では「明日70人欲しいと言われても、1日2日あれば集められる」という趣旨の話がありました。これは非常に強い訴求です。

しかし、営業資料や紹介時の説明でそれが整理されていなければ、相手には伝わりません。強みは、持っているだけでは営業力にならず、相手が評価できる形にして初めて営業力になります。

背景

社員を増やしたことで、仕事量の波と職人を遊ばせるリスクが見え始めている

大型案件を取りたい背景には、単なる売上拡大ではなく、人を抱えた会社として仕事量を安定させたい事情があります。

この会社では、今年に入って人数を増やしたことで、受注の見方が変わっていました。

「増やして感じたのは、もっと受注しておかないといけないということです」

人を抱えると、仕事が空いたときの痛みが大きくなります。外注中心の会社であれば、案件に合わせて職人を呼ぶ形も取りやすいです。しかし、自社社員や優先的に動いてくれる協力会社が増えると、仕事がない期間はそのまま固定費と機会損失になります。

特に大手元請けや住宅系の仕事では、工程変更が起きることがあります。

「工期がずれると、補わないといけない。直前に変わって、1か月空くこともある」

その空きを小さな仕事で埋めることもできます。ただ、小口案件が増えると、手配や段取りの業務量が増えます。利益率や管理負担の面でも、会社としては楽ではありません。

だからこそ、法人発注者との長い付き合いを増やしたいという考えが出てきます。

「個人オーナーさんから仕事をもらいたくないわけではないけれど、ちゃんとした法人さんからもらった方が、長い付き合いで仕事ができる」

この感覚は、成長フェーズの専門工事会社では自然です。職人を増やした会社は、仕事を選ばないといけなくなるのではなく、仕事の取り方を変えないといけなくなります。

もう一つの背景は、発注者側のニーズです。

大規模修繕や集合住宅の現場では、資材、工程、職人手配のズレが重なります。後期が押すと、最後に内装や仕上げ側へしわ寄せが来ることもあります。そこで評価されるのは、単に単価が安い会社ではありません。

発注者が本当に見ているのは、工程が崩れたときに現場を戻せる会社かどうかです。

つまり、この会社の「人数が集まる」「複数工種に対応できる」「他業者の穴も埋められる」という強みは、大型案件ほど価値があります。

問題は、その価値を営業時にどう見せるかです。

解決

施工実績・動員力・対応範囲・リカバリー力を、発注者別に言語化して提案に組み込む

大型案件の営業では、人脈を広げる前に「紹介された先で勝てる材料」を整えることが大切です。

もちろん、管理会社やデベロッパー、ゼネコンのキーマンと接点を持つことは重要です。通常の営業では会えない相手に会えるだけでも、大きな前進です。

ただし、接点ができても、そこで自社の価値を伝え切れなければ案件化しません。紹介やつながりは入口です。入口の先で評価されるには、発注者が判断しやすい資料と話し方が必要です。

整理する順番は、次の4つです。

1. 施工実績を「物件規模」と「役割」で見せる

施工実績は、単に現場名を並べるだけでは弱くなります。大型案件を取りたいなら、発注者が見たい形に直します。

たとえば、次のように整理します。

  • RC造集合住宅、100戸超の内装対応
  • タワーマンション系現場の施工経験
  • 新築・改修どちらも対応
  • 内装を中心に、外装・防水も対応可能
  • 一次会社としての取引経験あり

ここで大事なのは、「何をやったか」だけでなく「どの立場で、どの規模を、どこまで任されたか」を示すことです。

発注者は、過去の実績から「この会社に任せて現場が回るか」を見ています。自社が担当した範囲、施工人数、工期、対応工種、元請けとのやり取りの範囲まで整理しておくと、評価されやすくなります。

2. 動員力を数字と条件で伝える

「人数を集められる」は強い言葉です。ただし、営業では数字にする必要があります。

この会社の場合、会話の中で「70人規模でも、1日2日あれば集められる」という話が出ていました。これを営業上の訴求にするなら、次のように整えます。

  • 通常時に動かせる自社職人数
  • 協力会社を含めた最大動員目安
  • 何日前の依頼なら何人まで現実的か
  • 短期集中で対応できる工種
  • 繁忙期に確保しやすい職種、弱い職種

動員力は「多いです」ではなく、「いつ、何人、どの工種を、どの条件なら動かせるか」まで落とすと信頼に変わります。

大型案件の発注者は、夢のある話よりも、読める話を好みます。無理に大きく見せる必要はありません。むしろ、対応可能な条件を正直に出した方が、継続発注につながりやすくなります。

3. 対応範囲を「一式で任せられる安心」に変える

この会社のように、内装、外装、防水まで対応できる場合、「いろいろできます」で終わらせるのはもったいないです。

発注者側から見ると、複数工種に対応できる会社の価値は、次のような点にあります。

  • 業者手配の手間が減る
  • 工種間の取り合いを調整しやすい
  • 急な欠員や遅れに対応しやすい
  • 現場の責任範囲をまとめやすい
  • 小さなトラブルを現場内で吸収しやすい

つまり、複数工種対応の強みは「便利な会社」ではなく「発注者の管理負担を減らす会社」として伝えるべきです。

たとえば、紹介時や初回説明では、次のような表現が使えます。

「内装を中心に、外装・防水まで対応できます。設備の一部を除けば、現場で他工種の遅れが出たときも、当社側で応援や調整に入れる体制があります」

これなら、発注者は使いどころをイメージしやすくなります。

4. 工程トラブル時のリカバリー力を事例化する

大型案件で本当に評価されるのは、順調なときの施工力だけではありません。工程が崩れたときに、どう戻したかが一番の営業材料になります。

たとえば、次のような事例を整理します。

  • 前工程遅れで内装期間が短くなった現場
  • 他業者の人員不足を応援した現場
  • 工期直前で追加人員を投入した現場
  • 防水や外装の遅れを内装工程と調整した現場
  • 元請けの工程変更に合わせて職人を再手配した現場

ここで必要なのは、武勇伝ではありません。発注者が知りたいのは、再現性です。

  • 何が起きたのか
  • 何人追加したのか
  • 何日で手配したのか
  • どの工種を調整したのか
  • 結果として工期や品質にどう影響したのか

リカバリー実績は、発注者にとって「この会社なら現場を任せても大丈夫」という判断材料になります。

ターゲットごとに訴求を変える

同じ施工力でも、相手によって刺さる言葉は変わります。

管理会社なら、修繕対応、入居者対応、短工期、継続発注への安定感が重要です。デベロッパーなら、品質、工程順守、将来的な案件対応力が見られます。ゼネコンなら、安全管理、現場ルールへの対応、施工体制、協力会社管理が重視されます。

そのため、提案資料は1種類だけで済ませない方がよいです。

会社案内は共通でよくても、提案の見せ方は「管理会社向け」「デベロッパー向け」「ゼネコン向け」で変えるべきです。

特に、紹介でつながる場合は、紹介者が伝えやすい一言も用意しておくと効果的です。

たとえば、次のような形です。

「集合住宅の内装を中心に、外装・防水まで見られる会社です。協力会社含めた動員力があり、工程が詰まった現場のリカバリーにも強いです」

この一言があるだけで、相手は会う理由を持ちやすくなります。

まとめ

大型案件を取りたい専門工事会社に必要なのは、施工力を大きく見せることではなく、発注者が安心して判断できる形に整えることです。

今回のような会社には、すでに強みがありました。社員がいる。協力会社もいる。内装だけでなく、外装や防水にも対応できる。100戸超の集合住宅やタワーマンション系の経験もある。急な人員手配にも強い。

ただ、そのままでは「いい会社そうですね」で終わることがあります。

大型案件につなげるには、次の整理が必要です。

  • 施工実績を、物件規模・担当範囲・工期・役割で整理する
  • 動員力を、人数・日数・工種・条件で具体化する
  • 対応範囲を、発注者の管理負担を減らす価値として伝える
  • 工程トラブル時のリカバリー実績を、再現性のある事例にする
  • ターゲット企業ごとに、提案資料と紹介時の訴求を変える

人脈や紹介は大きな力になります。ただ、紹介された後に案件化するかどうかは、やはり自社の伝え方で変わります。

「施工力がある会社」から「発注者が任せやすい会社」へ見せ方を変えること。

大型案件を取りに行く専門工事会社にとって、そこが次の一手になります。

自社の施工力を大型案件向けに整理したいときは

自社の強みは、社内では当たり前になっていることが多いです。人数を集められること。複数工種を見られること。急な工程変更に対応してきたこと。長年付き合っている協力会社がいること。

外から見ると、それが十分な営業材料になる場合があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで、現場の実態に合わせて整理し、実行まで支援しています。大型案件を取りに行く前の施工実績の見せ方、ターゲット企業の選び方、紹介時の訴求整理なども一緒に考えられます。

「うちの場合は、どの発注先を狙うべきか」「施工力をどう資料に落とせばよいか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の場としてご活用ください。

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