前提

兵庫県の小規模な電気工事会社が、個人向け反響よりもまとまった建築・店舗案件を重視している状態

兵庫県で電気工事を中心に行う、8名規模の専門工事会社の話です。法人化前から個人事業として長く現場に入り、現在は建築物件や店舗の新築・改築工事を中心に受けています。

ホームページ上では空調や通信なども対応範囲に見えますが、実際の軸は電気工事です。住宅の細かな工事はほとんどなく、建物や店舗の電気工事をベースに、必要に応じて周辺工事も対応する形です。

社長の言葉で印象的だったのは、次の一言です。

「個人の方や小さい会社さんから“工事やってください”という反響は結構あるんです。でも、そういう仕事は正直いらないんですよね」

これは、問い合わせがないという悩みではありません。むしろ反響はあります。けれど、問い合わせの量と、会社が本当に取りたい仕事の質が合っていないという悩みです。

もう少し言うと、会社としては売上を無理に大きくしたいわけではありません。社長も「ガンガン伸ばすつもりはない」と話していました。大事なのは、今の体制で無理なく回せて、工程も読みやすく、利益も残りやすい取引先を増やすことです。

この状態は、多くの専門工事会社に共通します。ホームページや紹介で小口案件は来る。けれど、現場調査、見積、日程調整、材料手配、職人の段取りまで考えると、手間が合わない。結果として、まとまった仕事を持つ元請けや地場有力企業との関係づくりが必要になります。

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  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
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課題

小口案件は反響があっても、現場の手間と利益のバランスが合わない

小口案件の難しさは、金額が小さいことだけではありません。案件ごとに発生する段取りの手間が、受注金額に対して重くなりやすいことです。

たとえば、個人宅や小規模事業者からの依頼では、次のような負担が出やすくなります。

  • 現場ごとの確認事項が多い
  • 見積前の説明や調整に時間がかかる
  • 工期が短く、職人の空き時間に差し込みづらい
  • 追加変更が出ても金額に反映しにくい
  • 施工後の問い合わせ対応が細かくなりやすい

もちろん、小口案件にも良い仕事はあります。地域密着の会社にとって、紹介や評判につながることもあります。

ただ、今回の会社のように、建築物件や店舗改装の電気工事を中心にしている会社では、細かな案件を多く受けるほど、現場管理のリズムが崩れます。社長も「あんまり小さい仕事を取りたくない。やっぱり手間がかかっちゃう」と話していました。

ここで整理したいのは、小口案件を悪者にすることではなく、自社の勝ち筋と合う案件かどうかを分けることです。

電気工事会社であれば、同じ電気工事でも、住宅の単発修繕と、店舗改装に伴う電気設備工事では、必要な段取りも相手先も違います。前者は個別対応力が求められます。後者は工程対応力、図面理解、他業種との調整、一定期間の継続対応が求められます。

自社が後者で力を発揮しているなら、営業先も自然と変わります。個人客を増やすより、継続的に建築・改修案件を持っている会社との接点を増やすほうが、現場にも利益にも合いやすいです。

背景

大手・地場有力企業との取引は、案件のサイクルが読みやすい

社長がまとまった取引先を求める理由は、単に売上を増やしたいからではありません。仕事の流れが読みやすくなるからです。

実際に、すでに一定規模の取引先との仕事はあります。案件ベースで受ける形ではあるものの、規模の大きい会社からの仕事は、物件の金額も大きくなりやすく、工程の組み方も比較的見通しやすい。社長も「コンスタントに仕事がある大手さんのほうが、サイクルがいい」と話していました。

この「サイクルがいい」という感覚は、専門工事会社にとってかなり大事です。

仕事が単発で飛び込んでくるだけだと、売上は立っても、次の現場が読みにくくなります。職人の予定も組みにくい。外注先や協力会社にも声をかけづらい。結果として、忙しいのに落ち着かない状態になります。

一方で、継続的に案件を持つ元請け、設備会社、地場の建設会社、店舗改装会社などと関係ができると、次のようなメリットがあります。

  • 工期の見通しが立てやすい
  • 職人や協力会社の段取りを組みやすい
  • 見積や施工条件のすり合わせが早くなる
  • 過去実績をもとに次の案件につながりやすい
  • 小口対応に追われすぎず、得意な工事に集中しやすい

今回の会社の場合、住宅よりも建築物件・店舗改装が中心です。ですので、狙うべきは不特定多数の個人客ではなく、建築・改修・店舗工事を継続的に持っている法人顧客です。

さらに、将来的には関東方面に営業拠点を広げる話も出ていました。こうした場合も、いきなり知らない地域でゼロから営業するより、今の実績と相性のよい会社を選ぶことが重要です。

たとえば、現在の商圏と関東の両方に拠点を持つ会社、店舗改装を広域で行っている会社、地場で建築・改修案件を継続的に持つ中堅企業などです。自社の施工実績が相手の案件構造と合っているかを見ていく必要があります。

解決

取引先開拓は「誰でもよい」ではなく、案件規模・工種・地域・受けられる体制で優先順位を決める

まとまった仕事を増やすには、まず営業先を増やす前に、狙う相手を絞ることが大切です。営業量より先に、営業先の条件を決めることです。

今回のような電気工事会社であれば、整理する順番は大きく4つです。

まず、取りたい案件種別を明確にします。

今回の会社なら、住宅の細かな単発工事ではなく、建築物件・店舗の新築や改築に伴う電気工事が中心です。空調や通信も対応できるとしても、営業の見せ方は「電気工事を軸に、建築・店舗改装の現場で動ける会社」としたほうが伝わりやすくなります。

次に、狙う取引先の規模を分けます。

大きく分けると、候補は次のようになります。

  • 地場で建築・改修案件を継続的に持つ元請け会社
  • 店舗改装や商業施設改修を扱う内装・建築会社
  • 電気工事の外注先を探している中堅設備会社
  • 複数エリアに拠点を持つ建設会社・工事会社
  • 将来のエリア展開先にも案件を持つ法人企業

ここで大事なのは、いきなり最大手だけを狙わないことです。大手は安定性がありますが、登録、与信、安全書類、実績確認、担当者接点などのハードルもあります。逆に小さすぎる会社では、結局、小口案件に近くなります。

そのため、最初の優先順位は、自社の規模に対して少し大きいが、現実的に継続案件を出せる会社です。今の実績と近い物件を持っている相手から入るほうが、話が進みやすくなります。

3つ目は、既存実績の見せ方です。

「電気工事できます」だけでは、相手は判断しづらいです。見せるべきは、対応できる工事内容だけではなく、どんな現場で、どんな立ち位置で、どの程度の規模を回してきたかです。

たとえば、次のように整理できます。

  • 建築物件・店舗改装の電気工事が中心であること
  • 住宅単発工事より、法人案件・建築案件に慣れていること
  • 元請けや設備会社との案件経験があること
  • 電気工事を軸に、必要に応じて周辺工事も相談できること
  • 工程に合わせて動ける体制があること

社名や金額を出せない場合でも、物件種別、工事内容、エリア、施工時の役割は整理できます。営業資料やホームページも、この見せ方に合わせると、個人向け反響ばかりが増える状態を少しずつ変えられます。

4つ目は、営業先の優先順位です。

おすすめは、次の順番です。

  1. 既存取引先の中で、追加案件を出せる会社
  2. 既存取引先と似た物件を扱う地場有力企業
  3. 店舗改装・建築改修を継続的に持つ法人企業
  4. 現在地と展開したいエリアの両方に接点を持つ会社
  5. 大手・準大手のうち、協力会社を探している部署や担当者に届く会社

新規開拓というと、すぐに知らない会社へ電話するイメージがあります。ただ、実際には既存実績と近い相手から広げるほうが成功確率は高いです。

また、狙う会社の規模によって、開拓方法も変わります。

中堅・地場企業であれば、営業リストを作り、担当部署へ電話やメールで接点をつくる方法が現実的です。一方で、大手や有力企業の場合は、問い合わせフォームだけでは担当者まで届きにくいこともあります。その場合は、紹介、人脈、過去接点、業界内のつながりを使ったほうが早いこともあります。

ただし、今回の会社のように「今の売上を社内でいっぱいこなしている」という状態では、開拓を急ぎすぎない判断も大切です。

社長も「仕事を増やすとなると、また体制を整えていかないといけない」と話していました。これはかなり重要です。せっかく良い会社とつながっても、初回の案件を受けられない、納期に無理が出る、既存現場にしわ寄せがいくとなると、長い関係にはなりません。

そのため、実行の順番は次のように考えると進めやすいです。

  • まず、受けたい案件と受けない案件を分ける
  • 次に、既存実績を法人向けに見せ直す
  • そのうえで、狙う会社を20〜50社ほどに絞る
  • 受けられる体制を確認しながら、優先順位の高い会社から接点をつくる
  • 大手・有力企業は、担当者に届くルートを別途考える

取引先開拓は、仕事を増やす活動ではなく、会社に合う仕事の流れをつくる活動です。ここを間違えなければ、小口案件に追われる状態から、少しずつまとまった案件を中心にした動きへ変えていけます。

まとめ

小口案件の問い合わせがあること自体は、会社の信用がある証拠です。ただ、それが自社の得意な工事や現場体制と合っていないなら、受け方を見直す必要があります。

今回のような電気工事会社では、個人や小規模案件を増やすより、建築物件・店舗改装を継続的に持つ法人企業との関係を増やすほうが、手間と利益のバランスを取りやすいです。

そのために必要なのは、やみくもな営業ではありません。

「どの工事を取りたいか」「どの規模の会社と付き合いたいか」「今の実績をどう見せるか」「どの順番で営業するか」を整理することです。

また、受けられる体制も同時に見ておく必要があります。良い取引先とつながっても、現場が回らなければ意味がありません。仕事を増やす前に、今の人員、協力会社、管理体制でどこまで受けられるかを確認しておくと、開拓の失敗を減らせます。

小口案件を断ることは、後ろ向きな判断ではありません。自社が一番力を発揮できる仕事に集中するための選別です。

まとまった仕事を持つ会社との接点を増やし、工程が読みやすく、利益も残る形に近づけていく。そのための第一歩は、営業先を増やすことではなく、自社に合う取引先の条件を言語化することです。

まとまった案件を増やす前に、営業先と受けられる体制を一緒に整理する

「小口案件は来るけれど、受けたい仕事とは少し違う」「大手や地場有力企業とつながりたいが、どこから動けばよいかわからない」という会社は少なくありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、協力会社づくり、組織体制、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

取引先開拓も、ただ営業件数を増やすだけではなく、今の施工実績、受けたい工事、現場体制、将来のエリア展開を踏まえて、狙うべき会社や進め方を一緒に整理していくことが大切です。

「うちの場合は、どんな会社を狙うべきか」「今は営業より体制づくりが先なのか」といった段階でも構いません。無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてご活用ください。

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