首都圏のアスベスト関連工事会社が、大手ゼネコン・大手デベへの新規取引を検討している段階
首都圏に拠点を置き、関西方面にも施工体制を持つ、年商20億円台後半の専門工事会社の話です。主な領域は、解体工事に付随するアスベスト関連工事です。
既存の取引だけで会社が成り立っていないわけではありません。むしろ、売上は伸びており、次の成長に向けて販路を広げたいという前向きな局面です。
その中で、外部の紹介者を通じて、大手ゼネコンや大手デベロッパーの上層部につながれる可能性が出てきました。会長・社長クラスと近い人脈があり、うまく使えば一気に大手との接点を作れそうな状況です。
一方で、現場側では冷静な見方もありました。
「会長や社長の紹介で、手順を飛ばして入ったら、現場からは押し込まれたように見える」
この感覚は、建設業ではかなり大事です。大手への入口が見えたときほど、最初に考えるべきなのは“誰に紹介してもらうか”ではなく、“どの順番で信頼を積むか”です。
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- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
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トップダウン営業は入口を作れる一方で、所長・購買・現場担当の反発を招きやすい
大手ゼネコンや大手デベロッパーに対して、トップダウンで入り込むこと自体が悪いわけではありません。建設業では、人脈や紹介が仕事の入口になることは珍しくありません。
ただし、トップダウンの紹介を“受注の圧力”として使ってしまうと、現場に嫌われるリスクが高くなります。
特に大手の場合、現場には現場の順番があります。
- 購買・調達の確認
- 安全書類や登録手続き
- 協力会社としての実績確認
- 所長や工事担当者の評価
- 見積、積算、施工体制の確認
- 既存業者との関係調整
こうした手順を飛ばして、上層部の一声で入ると、現場側からは「なぜこの会社を使わなければいけないのか」という見え方になります。
相談の中でも、かなり率直な表現がありました。
「実績も何もなく、ちゃんとした手順をすっ飛ばして入ったら、所長連中から嫌われる。下手を打ったら、紹介してくれた人の顔まで潰れる」
この言葉の通り、トップ紹介の怖さは、自社だけの問題で終わらないところにあります。紹介者の顔、大手側の上層部の顔、現場担当者の顔が同時に絡むため、初動を間違えると関係修復が難しくなります。
だからこそ、大手ゼネコン・大手デベに入れる可能性があるときほど、いきなり本丸を取りに行くのではなく、まずは自社の受け皿を見極める必要があります。
大手は一括管理できる体制を好み、自社の現在地と合わない入口では負担が増えやすい
大手デベロッパーや大手ゼネコンが新しい専門工事会社を受け入れるとき、見ているのは価格だけではありません。むしろ、面倒な調整を増やさずに任せられるかを強く見ています。
特に解体やアスベスト関連工事では、地域によって発注構造も違います。首都圏では、解体とアスベスト関連工事が分離されるケースが多く、関西方面では解体会社が周辺工種まで抱えて進めるケースもあります。
この違いは、営業先の選び方にも影響します。
大手ゼネコンの下に二次、三次の形で入る場合、施工そのもの以外にも、次のような管理負荷が増えます。
- 安全書類の整備
- グリーンサイトなどの登録対応
- 現場ごとの細かなルール対応
- 既存協力会社との役割整理
- 元請、一次会社、現場担当者との調整
もちろん、これらに対応できる体制があれば問題ありません。ただ、まだ組織を作っている途中の会社にとっては、売上機会に見えて、実際には管理工数だけが先に増える入口になることもあります。
相談企業でも、そこを冷静に見ていました。
「今の会社の地盤を考えると、あまり焦って行く話でもない。もう少し組織が形成された後でもいい」
この見立ては、かなり現実的です。大手の案件は魅力がありますが、大手の現場で評価されるには、施工力だけでは足りません。見積、書類、安全、工程、現場対応、報告、既存業者との距離感まで含めた総合力が問われます。
一方で、市場には別の入口もあります。
たとえば、年商50億円から100億円前後で伸びている中堅建設会社や、中小〜中堅のデベロッパーです。こうした会社では、既存の協力会社だけでは回しきれなくなり、「もう1社、選択肢がほしい」というタイミングが生まれます。
相談の中でも、次のような見方がありました。
「伸びている会社ほど、今の協力業者の数では足りなくなってくる。新しい選択肢が欲しい時期がある」
ここに、新規営業の現実的な余地があります。大手の上層部に一気に入るよりも、成長中の中堅企業や中小デベの“協力会社不足”に合わせて入る方が、現場に歓迎されやすい場合があります。
大手一本釣りの前に、中小〜中堅デベと既存取引先周辺で実績を作る順番
大手ゼネコン・大手デベへの営業は、最初から捨てる必要はありません。ただし、順番を変えた方が成功確率は上がります。
おすすめの順番は、トップ紹介で大手に飛び込む前に、自社の体制に合う規模の案件で実績を作り、紹介を“圧力”ではなく“信用補完”として使う流れです。
まず整理したいのは、自社が今、どの規模・どの発注構造なら無理なく対応できるかです。
たとえば、相談企業では「何千坪クラスの大型案件」よりも、「1,000坪前後までの解体」「マンション1棟」「集合住宅」「中小デベが扱う開発案件」のような領域が現実的な候補として見えていました。
この場合、狙う先は大きく3つに分けられます。
1つ目は、中小〜中堅デベロッパーです。大規模再開発を扱う大手ではなく、集合住宅や中規模の開発案件を持つ会社です。開発担当や工事担当に対して、「解体・アスベスト周辺で選択肢を増やせる会社」として入る方が、現場の納得を得やすくなります。
2つ目は、デベロッパーと直接取引している解体会社です。大手ゼネコンの下に何層も入るより、一次に近い立場でやり取りできる先の方が、余計な調整が少なくなります。既存の解体会社が忙しく、アスベスト関連の対応に選択肢を求めている場合は、現実的な入口になります。
3つ目は、売上が伸びている中堅建設会社です。年商100億円前後まで伸びている会社でも、協力会社が足りずに案件をセーブしていることがあります。こうした会社は、大手ほど手続きが重すぎず、かつ継続案件につながる可能性があります。
進め方としては、いきなり紹介者の人脈だけに頼るのではなく、リストを作って検証するのが有効です。
- 直近数年で売上が伸びている会社
- 解体・改修・建替え案件がありそうな会社
- デベロッパーとの取引が見える会社
- 既存協力会社が固定化していそうな会社
- 首都圏で試し、反応を見て中部・東北などに広げられる会社
このように分けると、営業の打ち手が見えやすくなります。大切なのは、最初から数社に絞り込みすぎず、一定数に当たりながら“どの属性が反応するか”を見ていくことです。
紹介営業を使う場合も、使い方を変えます。
避けたいのは、「上から話を通してもらったので使ってください」という入り方です。これでは、現場の顔が立ちません。
望ましいのは、次のような入り方です。
- 紹介者には、最初の接点づくりだけをお願いする
- 実際の評価は、購買・工事担当・現場側に委ねる
- 「選択肢の一社として見てください」という温度感にする
- 既存業者を否定せず、繁忙時や案件特性に応じた補完役として入る
- 小さめの案件で施工・書類・安全対応の実績を作る
この順番なら、紹介者の顔も潰しにくく、現場側も受け入れやすくなります。
トップダウン営業は、受注をねじ込むためではなく、現場が検討しやすくなる入口を開けるために使う。この考え方に切り替えるだけで、大手との距離の詰め方はかなり変わります。
まとめ
大手ゼネコンや大手デベロッパーとの取引は、専門工事会社にとって魅力的です。紹介者の人脈で上層部につながれるなら、なおさら前に進めたくなります。
ただ、建設業では、現場の納得を飛ばした営業は長続きしません。会長・社長クラスの紹介で入口を作れても、所長・購買・工事担当から信頼されなければ、継続取引にはなりにくいです。
まずは、自社の施工体制、書類対応、安全管理、営業後のフォロー体制を見ながら、無理なく対応できる案件規模を決める。そのうえで、中小〜中堅デベロッパー、デベ直の解体会社、成長中の中堅建設会社から実績を作る。
その実績があれば、大手に入るときも話が変わります。単なる紹介先ではなく、「すでにこの規模・この種類の案件で実績がある会社」として見てもらえるからです。
大手への近道は、上から入ることではなく、現場が安心して使える理由を先に作ることです。
新規取引の広げ方を、自社の体制に合わせて整理したいときは
大手に行くべきか、中堅から広げるべきか。紹介営業をどう使うべきか。どの規模の案件までなら今の体制で受けられるのか。
このあたりは、会社ごとの施工体制、営業人員、既存取引、管理能力によって答えが変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、建設企業の持続的成長を支援しています。「うちの場合は、どの順番で新規取引を広げるのがよいか」という段階でも大丈夫です。
無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてご相談ください。

































