40〜60代が中心で、直近の退職により従業員が8名ほどになった外構工事会社の採用状況
中国地方で戸建て住宅の外構工事を手がける、従業員8名ほどの建設会社があります。社員は管理や見積もり、現場確認を担い、実際の施工は長年付き合いのある20人前後の協力職人と進めています。
直近では2名が退職しました。1名は年齢による引退。もう1名は自己都合です。残った社員は40〜60代が中心で、社内の年齢構成も上がっています。
採用活動は、知人からの紹介とハローワークが中心です。専門学校にも求人を出していますが、求人媒体を使ったことはありません。
社長の希望は明確でした。
「本当は紹介がいいですね。身元がはっきりしていて、技術力もある程度分かる人に来てもらいたいです」
「もちろん経験者がいいです。若ければ若いほどいいのでしょうけど、男女は関係ありません」
採用人数としては、まず10名弱の体制に戻したい意向です。その一方で、会社を将来引き継ぐ人材もまだ決まっていません。
この会社に必要なのは単なる欠員補充ではなく、現場管理や見積もりを担い、将来の中核にもなり得る人材の採用です。
1週間で 16件の相談 がありました
- 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
- 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
- 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
- 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
- 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
- 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
- 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
- 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
- 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
- 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
「経験者が欲しい」という希望だけでは、募集する職種と期待役割が伝わらない状態
採用が進みにくい大きな理由は、紹介やハローワークだけを使っていることではありません。採りたい人の条件が、まだ「若い経験者」という段階にとどまっていることです。
建設会社が求める経験には、いくつかの種類があります。
- 外構工事そのものを施工できる経験
- 見積もりや現地調査ができる経験
- 複数の協力職人をまとめる施工管理の経験
- 住宅会社や顧客と調整できる経験
- 将来、経営や組織運営にも関われる経験
この会社では、現場の施工を協力職人が担っています。そうであれば、社員として優先すべき人材は、必ずしも手を動かせる職人だけとは限りません。見積もり、現場確認、工程調整、協力職人との関係づくりを任せられる人のほうが、経営上の必要性は高い可能性があります。
一方、将来の承継候補まで求めるなら、採用条件はさらに変わります。技術力だけでなく、人をまとめる力や取引先との関係を引き継ぐ力も必要になるからです。
「経験者募集」のままでは対象が広すぎるため、入社直後に任せたい仕事と、数年後に期待する役割を分けて言葉にする必要があります。
経験者にこだわるほど、対象者は少なくなります。さらに若さ、地域、特定工種の経験、管理能力まで一度に求めると、紹介を待つだけではなかなか出会えません。
経験者採用を諦める必要はありません。ただし、絶対に必要な条件と、入社後に身につけてもらえる条件は分けたほうが採用の間口を保てます。
身元と技術力への安心を優先する一方、入社した人が2、3年で辞める定着課題
紹介採用が好まれるのは、建設業では自然なことです。履歴書だけでは、仕事の丁寧さや周囲との関わり方までは分かりません。誰からの紹介かが分かり、過去の仕事ぶりも確認できる人のほうが安心して迎えられます。
ただ、紹介には候補者の数を増やしにくいという弱点があります。声をかけられる範囲が、社長や社員、協力職人の人脈に限られるためです。
この会社には、採用後の課題もありました。
「なかなか長続きしないんですよね。すぐ辞めるわけではないのですが、2、3年で辞めることは結構あります」
2、3年働いてからの退職は、採用時の印象だけでは説明しにくい問題です。仕事を覚え、社内外の関係ができ始めた時期に辞めるのであれば、待遇だけでなく、任される仕事や将来の見通しまで確認する必要があります。
特にこの会社では、社長が60歳を迎え、今後10年ほどで会社を引き継ぐ準備を進めたいと考えています。しかし、現時点で候補者はいません。
「私のような立場になる人間を、そろそろ選んでいかないといけないと思っています」
ここで採用した人に、目の前の見積もりや現場確認だけを任せ続けるのか。協力職人をまとめる役割まで広げるのか。将来的に経営を支える立場を期待するのか。その道筋が曖昧なままでは、本人も数年後の姿を描きにくくなります。
採用と定着は別々の課題ではなく、「何のために採り、どこまで役割を広げてもらうか」という一つの設計として考えることが大切です。
採用したい経験を分解し、紹介・ハローワーク・求人媒体・学校を役割別に使う進め方
最初に取り組みたいのは、求人を出すことではなく、募集する役割の整理です。次の3段階で考えると、条件を言葉にしやすくなります。
- 入社直後に任せたい仕事
- 1〜3年後に任せたい仕事
- 将来的に期待する立場
たとえば、入社直後は現場確認と見積もりの補助から始める。仕事への理解が深まったら、協力職人との工程調整を任せる。その先では、取引先対応や社内管理にも関わってもらう。このように役割の広がりを示せれば、候補者も自分が働く姿を想像しやすくなります。
そのうえで、採用条件を次のように分けます。
- 必須条件:入社時点で欠かせない経験や資格
- 歓迎条件:あれば任せられる仕事が広がる経験
- 育成条件:入社後に教えられる技術や業務
- 将来条件:本人の希望と適性を見ながら任せたい役割
経験者採用では、すべてを満たす人を待つよりも、「入社時に必要な経験」と「入社後に育てられる部分」を切り分けるほうが現実的です。
採用経路も、それぞれの強みで使い分けます。
紹介は偶然を待たず、条件を共有する
「良い人がいたら紹介してください」だけでは、紹介する側も誰を連れてくればよいか分かりません。
社員や協力職人には、募集職種、必要な経験、任せたい仕事、勤務条件を簡潔にまとめて共有します。外構工事の経験者だけを探すのか、施工管理や見積もりの経験者まで対象にするのかも明確にします。
紹介後の選考方法も通常の応募者とそろえておくと、紹介者との関係に左右されにくくなります。
紹介採用は人脈の広さよりも、紹介してほしい人物像を社内外へ具体的に伝え続けられるかで成果が変わります。
ハローワークは求人票の役割表現を見直す
ハローワークは地域の求職者と接点を持ちやすい一方、求人票の内容が似通いやすい傾向があります。
「現場管理」「経験者優遇」だけではなく、見積もり、現地確認、協力職人との調整など、実際に任せる業務を具体的に書くことが重要です。将来、管理業務や会社運営を支える役割へ進める可能性も、事実として提示できる範囲で伝えます。
求人媒体は紹介外の経験者へ接点を広げる
求人媒体は、これまで接点のなかった経験者へ募集を届けるために使います。ただし、掲載するだけでは十分ではありません。
応募数を増やしたいのか、特定工種の経験者に絞りたいのか、管理経験者を探したいのか。目的によって媒体の選び方は変わります。最初から複数媒体へ広げず、採用したい人物像に合う媒体を選び、応募の質を確認しながら範囲を広げる進め方が合っています。
専門学校は即戦力採用とは分けて考える
専門学校との接点は、若手人材との関係づくりに向いています。ただし、経験者採用と同じ成果を期待すると、判断がぶれます。
学校経由では、技術や経験の完成度よりも、入社後にどう育てるかが重要です。経験者の欠員補充は紹介や求人媒体で進め、専門学校は将来の年齢構成を整えるための採用経路として分けて考えると整理しやすくなります。
採用後は、処遇だけでなく仕事の任せ方も確認します。入社時に説明した役割と、実際に任せている仕事がずれていないか。経験を生かせる場面があるか。次に覚える仕事が見えているか。将来の役割について本人と認識が合っているか。定期的にすり合わせることが必要です。
2、3年での退職を減らすには、給与条件の確認に加えて、仕事の広がり、育成方法、将来任せたい役割を継続的に共有することが欠かせません。
まとめ
紹介とハローワークは、中小建設会社にとって大切な採用経路です。ただし、経験者を採りたい場合、その2つだけで候補者を待つ方法には限界があります。
まずは「経験者」という言葉を分解します。施工経験が必要なのか。見積もりや現場管理の経験が必要なのか。協力職人をまとめられる人が必要なのか。将来の中核人材まで見据えるのか。ここが決まると、使う採用経路も求人で伝える内容も変わります。
そして、採用できた時点をゴールにしないことも大切です。入社後に何を任せ、どう育て、数年後にどのような役割を期待するのか。会社側と本人の認識を合わせ続けることが、定着につながります。
経験者の採用・定着を進める第一歩は、採用経路を増やすことではなく、募集する役割と入社後の道筋を一つにつなげて整理することです。
自社に合う経験者採用と定着の進め方を整理したい方へ
「経験者が欲しいものの、どの経験を必須にすべきか決めきれない」「紹介以外の採用方法を試したいが、何から始めるべきか分からない」という段階でも、整理できることはあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の人材課題を、募集職種の整理、採用経路の選定、教育体制、入社後の役割設計まで横断して整理し、実行を支援しています。ものづくりに集中できる建設業界に向けて、自社に合う採用と定着の形を一緒に考えます。
状況の整理だけでも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、今考えていることから気軽にお聞かせください。





























