複数の求人媒体を使いながら、20名弱から40名規模への拡大を目指す通信設備工事会社
関東圏で通信設備工事を手がける、20名弱の専門工事会社があります。有線・無線、建物内の設備工事など、特定の工種だけに偏らず、複数の仕事へ対応できる体制が強みです。
現場はあります。人が増えれば受注体制を広げられます。協力会社を増やす方法もありますが、管理の負担を考えると、自社採用を優先したい意向です。
目指しているのは、将来的に40名ほどの組織です。一方で、複数の大手求人媒体へ掲載し続けても、期待する反応がありません。
「募集はずっと出しています。応募があれば、人は増やしていきたいんです」
採用意欲が弱いわけではありません。媒体を試していないわけでもありません。それでも応募が来ない状態です。
現場も採用意欲もあるのに人が増えない会社では、媒体を追加する前に、採用条件と求人票の中身を分けて点検する必要があります。
1週間で 16件の相談 がありました
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
- 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
- 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
- 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
給与と休日の比較段階で埋もれ、自社の対応力まで読まれていない求人票
求職者が最初に見るのは、給与と休日です。会社の技術力や将来性がどれほど高くても、比較の前提となる条件で候補から外れると、その先は読まれません。
相談企業からも、こんな言葉が出ていました。
「今、仕事を探している人は、まず給料と休みを見ているんじゃないですか」
この感覚は、求人票を見直すうえで外せません。ただし、「最近の人は条件しか見ない」で終わらせると、改善先が見えなくなります。
確認したいのは、自社の給与や休日が良いか悪いかではありません。同じ地域、似た工種、近い経験条件で募集する会社と並んだとき、応募を検討できる条件になっているかです。
たとえば月給が同程度の会社が3社並んでいたとします。その場合、求職者は次の情報で比較します。
- 年間休日や休日の取り方
- 残業や早出、夜間作業の有無
- 現場エリアと移動の負担
- 未経験から担当する作業
- 一人で作業するまでの期間
- 対応する工種と身につく技術
- 仕事量の安定性
ところが、建設会社の求人票では「通信工事スタッフ」「未経験歓迎」「各種工事に対応」といった表現だけで終わることがあります。これでは、求職者から見た仕事の違いが分かりません。
この会社には、有線・無線から建物内の工事まで対応できる技術があります。仕事も一つの取引先や工種だけに寄せず、複数の受注経路を持っています。しかし、それが求職者にとってどのような利点になるのかまで言葉にしなければ、選ぶ理由にはなりません。
給与と休日は応募を検討してもらうための前提条件であり、対応工種、仕事の安定性、働き方、教育体制は最後に自社を選んでもらうための情報です。
一人作業と集団作業が混在し、未経験者の教育負担をひとくくりにできない現場
採用ターゲットを決めにくい背景には、通信設備工事ならではの教育事情があります。
外部の通信設備を扱う仕事には、一定の経験を積んだ作業者が一人で複数の現場を回るものがあります。そこへ新人を同行させると、売上をつくる一人分の稼働を二人で担う期間が生まれます。安全上のルールも細かく、独り立ちまで長い時間を要する工種もあります。
「一人で完結する仕事に新人を乗せて、何年も二人で回るのは、会社として簡単ではありません」
一方、建物内の通信設備工事など、複数人で動く現場では事情が異なります。5人、10人で入る現場なら、新人にもケーブルを引く、機器を取り付けるといった作業を段階的に任せやすくなります。
つまり、「未経験者を採れるか」は会社全体で一律に決まるものではありません。どの工種へ配属するか、誰と組ませるか、教育中の人件費をどの現場で吸収できるかによって変わります。
この会社でも、以前は若手の未経験者を採用していました。ただ、現在は「経験者のほうがよいかもしれない」と考えが変わりつつあります。現場へ同行させながら教えているものの、基本的な仕事の理解から伝える負担が大きいためです。
経験者といっても、必ずしも資格の数だけが基準ではありません。現場経験があり、指示の意味を理解できること。通信設備を扱う責任や、安全上の基本を理解していること。こうした要素も重要になります。
未経験者を広く募集しながら、実際には教育の余力がない状態では、採用できても現場と本人の双方に負担がかかります。 求人票を直す前に、まず「誰なら受け入れられるのか」を現場単位で整理する必要があります。
競合条件の確認から配属工種と教育計画までを一枚の求人票へ落とし込む手順
求人媒体の追加より先に、採用条件、採用ターゲット、訴求内容を順番に整理します。媒体は、それらを届ける手段です。中身が曖昧なまま媒体だけを変えても、同じ状態が続く可能性があります。
1.給与と休日を同じ商圏の求人と比較する
最初に、自社が採用したい地域で、似た工種を募集する会社を10社ほど確認します。見る項目をそろえることが大切です。
- 給与の下限と上限
- 固定残業代の有無
- 年間休日と休日制度
- 賞与、手当、昇給の記載
- 現場エリアと出張の有無
- 未経験者と経験者の条件差
平均より高い給与を出せばよい、という話ではありません。自社がどこで比較され、何が応募の壁になっているかを把握するための作業です。
条件をすぐに変えられない場合もあります。その場合は、休日の取り方、移動範囲、仕事量の安定性など、求職者が生活を想像するために必要な情報を具体化します。
まずは給与と休日で比較対象に入り、そのうえで自社ならではの選択理由を伝える、という順番が重要です。
2.「何でもできる」を具体的な工種と働き方に分解する
会社側にとって「幅広い通信工事に対応」は強みです。ただ、求職者には仕事の姿が伝わりにくい表現でもあります。
求人票では、実際に対応している工種を分けて記載します。そのうえで、入社後に担当する可能性が高い仕事を明示します。
たとえば、次のような情報です。
- 有線と無線のどちらを扱うのか
- 建物内と屋外のどちらが中心なのか
- 一人で回る現場か、複数人で動く現場か
- 入社直後に担当する作業は何か
- 将来的にどの工種まで経験できるのか
すべてを魅力的に見せる必要はありません。実際の働き方を具体的に伝えるほうが、入社後の行き違いを減らせます。
複数工種を持つ会社なら、「一つの仕事が減っても別の工事へ対応しやすい」「経験に応じて担当領域を広げられる」といった形で、仕事の安定性や技術の広がりへつなげられます。
3.未経験者と経験者を同じ求人票で募集しない
未経験者と経験者では、会社が伝えるべき内容が違います。
未経験者向けには、次の情報が必要です。
- 最初に配属する工種
- 誰と現場へ入るのか
- 最初に覚える作業
- 一人で任せるまでのおおよその流れ
- 教育期間中に求める姿勢
経験者向けには、次の情報を明確にします。
- どの工種の経験を求めるのか
- 資格を必須とするか、現場経験を優先するか
- 入社後に任せたい役割
- 現場作業だけか、将来は管理も任せるのか
- 経験を給与や待遇へどう反映するのか
この会社のように教育負担が採用上の制約になっているなら、経験者採用を優先する判断には合理性があります。ただし、「経験者募集」だけでは対象が広すぎます。
必要なのは資格名を並べることではなく、自社の現場で早期に任せられる経験を定義することです。
4.応募数だけでなく、採用工程ごとの数字を見る
求人票を直した後は、「応募が来たか」だけで判断しません。
- 求人ページの閲覧数
- 応募数
- 面接設定数
- 面接実施数
- 内定数
- 入社数
閲覧されていないなら、媒体や求人名、掲載条件を見直します。閲覧はあるのに応募がないなら、条件や仕事内容の表現が課題かもしれません。応募後に辞退が多いなら、連絡速度や面接時の説明に改善余地があります。
採用活動を媒体単位ではなく、閲覧から入社までの工程で見ると、手を入れる場所が分かりやすくなります。
まとめ
求人媒体へ掲載し続けても応募が来ないとき、媒体そのものだけが原因とは限りません。
最初に確認したいのは、給与と休日が競合と比較できる水準・見せ方になっているかです。その次に、対応工種、仕事の安定性、実際の働き方、教育の流れを求人票へ落とし込みます。
未経験者と経験者のどちらを狙うかは、年齢の希望だけでは決められません。育成できる現場があるか。教える人を付けられるか。独り立ちまでの負担を吸収できるか。どの技術が入社時点で必要か。そこまで整理して判断します。
採用条件で比較対象に入り、自社の現場に合う人へ具体的な仕事を伝え、受け入れられる人だけを募集する。この3段階が、求人票を見直す基本になります。
自社に合う採用条件と求人の伝え方を整理するために
採用条件をどこまで変えるべきか、未経験者と経験者のどちらを狙うべきかは、会社の工種や教育余力によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は、何を求人票に出せばよいのか」「媒体を変える前に、どこから整理すべきか」といった段階でも構いません。現状を伺いながら、採用ターゲットや条件、訴求内容を一緒に整理します。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、情報交換に近い感覚でお声がけください。


























