前提

依頼を断るほど仕事があり、社長を含め5名ほどまで採用を進めた地域密着型の外構工事会社

北関東で一般顧客向けの外構工事を手がける、社長を含め5名ほどの会社があります。商圏を近隣地域に絞り、受注の7〜8割は一般顧客からの直接依頼。ホームページ経由の問い合わせや既存顧客からの紹介、メーカーからの送客を中心に案件を獲得してきました。

少人数ながら受注は堅調で、以前は問い合わせが来ても「もう予定がいっぱいなので、着工はかなり先になります」と伝えざるを得ない状態でした。協力会社の力を借りながら施工しても、対応できる件数には限界があります。そこで、長く続いた2〜3名体制から採用に踏み切り、経験者と未経験者を迎えました。

ところが、人が増えると経営者の役割が変わります。

「今までは仕事を断る側だったけれど、人が増えたら今度は自分が仕事を取ってくる立場になります」

受注過多を解消するための採用が、次の案件を確保するための営業課題につながる。これは、少人数の専門工事会社が成長するときに起こりやすい転換です。

同社は売上を単純に倍増させたいわけではありません。近距離の現場を中心に、夕方には社員が帰れる働き方を維持しながら、施工できる仕事の種類と受注基盤を広げたいと考えています。採用と営業の両方が必要ですが、どちらかを一気に先行させればよい状況でもありません。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
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課題

人を先に増やせば固定費が残り、仕事を先に増やせば再び依頼を断るという板挟み

採用と営業は、片方だけでは成立しません。

「取引先を増やして仕事が増えても、人数がいなければ工事が回りません。採用しても、仕事がなかったら採用した分が負担になります。両方を並行しないと意味がないですよね」

この言葉が、課題を端的に表しています。

採用を先行させると、給与や社会保険料などの固定的な負担が増えます。入社直後から既存社員と同じ施工量を担えるとは限らず、特に未経験者であれば、教える側の手も一時的に止まります。人数は増えたのに、会社全体の施工能力はすぐには増えないこともあります。

一方、営業を先行させすぎると、せっかく獲得した案件を断る、着工を長く待ってもらう、協力会社への依存を増やすといった状況に戻ります。受注額が増えても、現場管理や見積もり、設計を社長が抱えたままでは、営業に使える時間も限られます。

採用人数と受注金額を合わせるだけでは不十分です。見るべきなのは、実際に施工できる量と、その施工能力がいつ増えるのかです。

同社でも、現在の社員がどこまで成長するかによって次の採用判断が変わると考えています。既存社員が現場を任せられる水準まで育てば、社長は営業や見積もりに時間を振り向けられます。育成に時間がかかるなら、次は未経験者ではなく経験者を優先する必要があります。

そのため、現在は求人を完全に止めてはいないものの、未経験者の採用には慎重になり、経験者を優先しています。採用数を増やすことよりも、今の組織に必要な施工能力を補えるかを見ている段階です。

背景

少人数で高い売上をつくった実績が、そのまま増員後の施工能力にはならないという現実

同社は、少人数だった時期にも1億円近い売上をつくりました。ただし、社長自身が現場に入り、長年のつながりがある協力会社から支援を受けた結果でもあります。

「人数が倍になったから、売上もそのまま倍になるかといえば、絶対になりません」

社員数と売上が比例しないのは、建設業では珍しいことではありません。新しく入った社員には、施工技術だけでなく、現場ごとの判断や顧客対応を覚えてもらう必要があります。さらに、社長が現場、営業、見積もり、設計、事務処理を兼ねている場合、社員が増えるほど指示や確認の時間も増えます。

また、受注する案件の中身も重要です。同社の場合、売上から材料費を引いた段階の粗利率は高いものの、人件費を含めると現場単位の粗利は3割前後となり、固定費や税負担まで考慮した最終的な利益は5%前後に落ち着きます。小規模な現場では、さらに利益が薄くなる場合もあります。

人を増やした後に必要なのは、単なる売上ではなく、増えた固定費と育成負担を吸収できる粗利のある仕事です。

案件の継続性も欠かせません。同社は現状、民間工事が大半です。ただ、住宅価格の上昇などで新築需要が落ち着けば、地域内の外構工事が価格競争に入り、単価を下げざるを得ない可能性があります。

そこで、民間工事を維持しながら、外構工事の延長で対応できる公共工事も徐々に扱う構想を持っています。どちらか一方を急拡大するのではなく、繁忙期の違いを利用し、仕事が薄い時期を補い合える受注構成を目指しています。

「どちらも仕事がなくならないような仕組みをつくりたいんです」

遠方へ商圏を広げれば案件数は増えるかもしれません。しかし、移動に片道1時間以上かかる現場が続けば、社員の帰社時間が遅くなります。同社が大切にしている働き方や定着にも影響します。そのため、受注拡大は売上だけでなく、移動時間、地域ごとの単価、社員の負担まで含めて考える必要があります。

採用と営業のバランスは、人数と案件数だけでは決まりません。育成速度、現場の粗利、受注の継続性、移動負担まで含めて判断する必要があります。

解決

受注残、施工能力、育成状況、粗利、継続性の五つをそろえて小さく採用と営業を進める方法

採用と営業は同時に進める必要がありますが、同じ強さで走らせ続ける必要はありません。会社の状態を定期的に確認し、採用を少し強める時期と、営業を少し強める時期を切り替えていく進め方が現実的です。

判断の基準となるのは、次の五つです。

  • 受注残:現在確定している仕事で、何か月先まで予定が埋まっているか
  • 施工能力:自社社員と継続的に頼める協力会社で、月に何現場を完工できるか
  • 育成状況:社員が補助作業、単独施工、現場管理のどこまで担えるか
  • 案件の粗利:材料費、人件費、協力会社費を引いた後に、固定費を吸収できるか
  • 案件の継続性:単発案件なのか、紹介や取引先から継続して見込めるのか

この五つを基に、まずは現在の施工能力を把握します。「社員が5人いるから5人分働ける」と考えるのではなく、誰がどこまで任せられるかを分けて見ます。

例えば、経験者が現場を一つ任せられ、未経験者がその補助に入る体制なら、単純な2人分ではありません。社長が毎日現場を確認しなければならない段階なのか、週に数回の確認で進む段階なのかによっても、社長が営業へ回せる時間は変わります。

次に、受注残と問い合わせ状況を確認します。数か月先まで粗利を確保できる案件が埋まり、断る依頼が継続しているなら、採用を進める根拠があります。ただし、問い合わせ件数が多くても、小規模で利益が残りにくい案件ばかりなら、採用の根拠としては弱くなります。

営業を強める場合も、案件数だけを追わないことが大切です。同社のような地域密着型の会社であれば、次の条件に合う受注先を優先すると、現在の体制を崩しにくくなります。

  • 既存の施工技術で対応できる
  • 現在の商圏から大きく外れない
  • 一定の粗利を確保できる
  • 単発ではなく、継続的な紹介や発注が期待できる
  • 民間工事の繁閑を補える時期に仕事がある

同社にとっては、広域で大手の仕事を取ることだけが営業ではありません。既存のメーカーとの関係を深め、継続的な顧客紹介を増やすことも営業です。近隣で外構工事の延長として対応できる公共工事を増やすことも、受注基盤を分散する選択肢になります。

営業先は会社の知名度ではなく、自社の施工能力、商圏、粗利、繁忙期との相性で選ぶことが重要です。

採用については、育成余力で採用対象を変えます。既存社員の育成に手がかかる時期に未経験者を続けて採用すると、教える側の負担が大きくなります。その場合は、現在の社員の成長を待つか、経験者に対象を絞る判断が合います。

進め方としては、次のような段階が考えられます。

  1. 現在の受注残と、社員ごとの施工可能範囲を整理する
  2. 既存社員のうち、次に現場を任せる候補を決める
  3. 社長が現場から離れられる時間を少しずつ増やす
  4. その時間で、近隣の継続受注先や紹介元を開拓する
  5. 粗利のある受注残が積み上がった段階で、次の採用を決める
  6. 入社後は再び施工能力を確認し、営業量を調整する

この流れは一度で終わるものではありません。採用、育成、営業、受注、施工能力の確認を小さく繰り返します。

「一人採用してから一気に仕事を増やす」のではなく、「今いる社員が担える範囲を広げ、受注の見通しをつくり、その次の一人を採る」という順番が、固定費の増加と受注機会の損失を抑えます。

まとめ

採用すると仕事が必要になり、仕事を増やすと人が必要になります。この循環自体は問題ではなく、会社が次の段階へ進んでいる表れでもあります。

大切なのは、採用か営業かを二者択一にしないことです。一方で、両方を無計画に拡大することでもありません。

  • 受注残がどこまであるか
  • 現在の人数で実際にどこまで施工できるか
  • 既存社員がいつ現場を任せられるようになるか
  • 増やす案件に必要な粗利があるか
  • その案件が継続し、繁閑の差を補えるか

この五つを見ながら、採用と営業の強弱を調整していくことが現実的です。

同時に、会社が守りたい条件も外せません。地域密着を続けるのか、社員の帰宅時間を守るのか、民間と公共をどの程度組み合わせるのか。売上だけでなく、働き方や施工品質を含めて成長の形を決める必要があります。

採用と営業を同時に進めるとは、両方を一気に増やすことではありません。施工能力の増加に合わせて、粗利と継続性のある受注を段階的に積み上げることです。

自社に合う採用と案件獲得の順番を整理したい方へ

採用を先に進めるべきか、営業を強めるべきかは、会社ごとの受注残、社員の育成状況、粗利、商圏によって変わります。「うちの場合はどちらから考えるべきか」「数字や状況をどう整理すればよいかわからない」という段階でも問題ありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用人数を増やすことや新規取引先を開拓すること自体を目的にせず、会社が無理なく施工でき、社員が働き続けられる成長の形を一緒に考えます。

無理に契約や施策を勧めることはありません。まずは現在の受注と人員体制を整理する場として、気軽にお声がけください。

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