中国地方の10名規模の専門工事会社で、採用のためのホームページや動画が反響につながっていない状況
中国地方で防水工事やコンクリート補修を手がける、10名ほどの専門工事会社の話です。
売上はおおむね1億円台半ばで安定。公共工事やインフラ補修の仕事が中心です。会社としては、売上を急に大きくしたいわけではありません。
むしろ大事にしているのは、今の規模を保ちながら、若い人が入り、ベテランが教え、現場が無理なく回る状態をつくることです。
社長はこう話していました。
「売上規模は別に変わらなくてもいいです。若い子が入ってきて、現場がスムーズに回って、今いる職人が楽になって教えていければいい」
ただ、そのための採用がうまくいきません。
ホームページは2つあります。ひとつは新しめで、動画も載せています。もうひとつは過去に営業を受けて作ったものの、今では「もういらない」と感じているサイトです。
採用に力を入れようと、動画を作る。ホームページを直す。ブログも更新する。求人媒体やSNS広告の営業も来る。
それでも反響がない。
「動画を載せてみたら勉強にはなるんです。でも、こんなところに載せてても人って来ないよね、となる。お金を払った後だから、また失敗か、となるわけです」
この感覚は、多くの中小建設会社に近いものがあると思います。
採用が必要なのはわかっている。発信も必要だと感じている。けれど、何にお金をかければ採用につながるのかが見えないまま、ランニングコストだけが増えていく。
ここが今回の出発点です。
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- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
求人広告やSNS広告を足す前に、応募までの導線が整理されていないこと
採用で反響が出ないとき、最初に考えがちなのは「もっと見られる場所に出すこと」です。
求人媒体を増やす。SNS広告を出す。YouTubeやTikTokを使う。採用動画を作る。ホームページをリニューアルする。
どれも間違いではありません。
ただし、順番を間違えると費用だけが増えます。
社長の言葉に、現場感がありました。
「いろんな営業がかかってくるわけです。動画をつけてみないか、YouTube広告、TikTok広告、なんだかんだと。ひとつじゃだめなのね、複合的なものじゃないですか。どうやってホームページまで引っ張るかっていうのは」
まさにその通りです。
採用は、媒体単体では完結しません。
求職者は、求人票だけを見て応募するわけではありません。気になった会社名を検索します。ホームページを見ます。施工内容を見ます。社長や社員の雰囲気を見ます。更新が止まったブログを見て「今も動いている会社なのか」と感じることもあります。
つまり、求人媒体、ホームページ、動画、ブログ、SNSは別々の施策ではなく、応募前に見られる一連の採用導線です。
この導線が整理されていない状態で広告を増やしても、途中で離脱します。
たとえば、次のような状態です。
- ホームページが複数あり、どれが正式な情報かわかりにくい
- 採用ページに、誰に来てほしいのかが書かれていない
- 動画はあるが、応募につながる導線が弱い
- ブログの更新が止まり、会社の今が伝わらない
- 求人票とホームページで仕事内容や雰囲気がずれている
- 費用をかけた後、何件見られて何件応募が来たか測れていない
この会社でも、保守サポートを切ったタイミングで月1回のブログ更新が止まりました。
「保守のサポートを切った瞬間に、月1回のブログ更新がなくなった。誰もブログ更新しないっていうね」
これは珍しい話ではありません。
外部に任せている間は動いているように見える。でも、自社の採用活動としては根づいていない。結果として、費用を止めると発信も止まる。
採用活動が「外注した制作物」で止まってしまうと、応募までの導線は育ちにくくなります。
営業電話で施策が増え、社長ひとりで判断するほど採用費の使い道が見えにくくなる
背景には、社長がひとりで判断せざるを得ない構造があります。
この会社では、現場を任せられる職人はいます。現場作業については、頼れる人が2名、3名いる状態です。
一方で、採用、ホームページ、事務手続き、外部業者とのやり取りは社長に寄っています。
「全部、私の采配ひとつ、努力次第なんで」
この状態で、営業電話が毎日のように来ます。
ホームページ制作。動画制作。SNS広告。求人媒体。採用支援。SEO。MEO。補助金。DX。
社長はこう言っていました。
「営業電話は1日に5本以上かかってくる。基本、営業電話がかかってきたら詐欺だと思ってるわけよね」
少し強い言葉ですが、気持ちはよくわかります。
過去に、ホームページを作った後で思うように消せなかった経験もありました。非表示にするにも費用がかかると言われた。保守費用の契約も残っている。
こうした経験が重なると、新しい提案を聞くたびに警戒心が強くなります。
そして、もうひとつ大きいのが費用感です。
「100万、200万をドーンと払うんだったら、社員にボーナスで払ってあげたいじゃないですか」
これは中小建設会社にとって、とても現実的な感覚です。
採用費は必要です。けれど、反響が出なければ「生き銭」ではなく「死に銭」になってしまう。
だからこそ、採用費を増やす前に、今ある導線が本当に応募につながる形になっているかを見直す必要があります。
この会社の採用ニーズは明確です。
今いる10名のうち、技能実習生が数名。数年後には抜ける前提で考えている。20代はひとり。30代はいない。40代、50代が中心。ベテランの中には、あと5年ほどで現場を退く人もいる。
社長は「人材が血液のように回っていけばいい」と表現していました。
新しい人が入る。育つ。年長者が少しずつ引いていく。また若い人が入る。
この循環をつくりたい。
しかし、採用導線が整理されていないと、いくら発信しても「誰に」「何を」「どこで」伝えるのかがぼやけます。
その結果、媒体を増やすほど迷いやすくなります。
まず既存の採用導線を棚卸しし、誰に何を伝えるかを決めてから小さく試すこと
採用費を増やす前にやるべきことは、派手な施策ではありません。
まず、今ある採用導線を棚卸しすることです。
順番としては、次の5つが現実的です。
1. ホームページを「会社案内」ではなく「応募前に見られる場所」として見る
創業当初のホームページは、名刺代わりで十分だったかもしれません。
「会社組織としてやっていくなら、持っていないと。名刺代わりみたいなものだよ、と言われて作った」
この段階では、施工実績や会社概要があれば役割を果たしていました。
しかし採用で使うなら、見るべきポイントが変わります。
求職者が知りたいのは、会社概要だけではありません。
- 未経験でも入れるのか
- どんな現場に行くのか
- 何年で何ができるようになるのか
- 給与はどう上がるのか
- 資格取得や道具の扱いはどう覚えるのか
- 怖い職場ではないか
- 社長や先輩はどんな人か
特に若い人を採りたい場合、「入社後の自分が想像できる情報」が重要です。
社長の頭の中には、育成のイメージがあるはずです。
「頑張ればこうなれるよ」という道筋も、きっとあります。
でも、それがホームページや求人票に出ていなければ、求職者には伝わりません。
まずは、採用ページに以下を入れるだけでも変わります。
- 入社1年目に覚えること
- 3年目で任せたい仕事
- 5年目で目指せる立場
- 未経験者に最初から求めないこと
- 先輩が教える場面
- 会社として大事にしている働き方
大きなリニューアルでなくても構いません。
社長の頭の中にある育成イメージを、求職者が読める言葉にすることが第一歩です。
2. 複数あるホームページや古い情報を整理する
ホームページが複数ある場合、求職者は迷います。
会社名で検索したときに、古いサイトと新しいサイトが両方出る。内容が似ている。更新状況が違う。どちらを見ればいいかわからない。
この状態は、採用では小さくないマイナスです。
すぐ削除できない契約事情がある場合でも、できることはあります。
- 採用で使う正式サイトを決める
- 古いサイトから正式サイトへ誘導する
- 古い情報をできる範囲で修正する
- 採用ページへのリンクをわかりやすくする
- 更新が止まっているブログの扱いを決める
ブログも同じです。
更新できないなら、無理に「毎月更新」にこだわらなくてもよいです。
ただ、最後の更新が何カ月も前で止まっていると、会社が動いていない印象を与えることがあります。
その場合は、ブログを採用の主戦場にするより、施工実績、社員紹介、よくある質問など、更新頻度が低くても価値が落ちにくい情報に切り替えるのも一つです。
3. 「若い人がほしい」をもう一段具体化する
採用でよくあるのが、「若い人がほしい」で止まってしまうことです。
この会社でも、社長は若い人を求めていました。
理由は明確です。
「手に職をつけるのは長いことしないといけない。若いうちから技術を覚えた方がいい」
ここまでははっきりしています。
次に考えるべきは、どんな若い人なら自社に合うのかです。
たとえば、同じ18歳から25歳でも、響く言葉は違います。
- 高校卒業後に地元で働きたい人
- 都市部に出たいが、大都市までは不安な人
- 学歴より手に職をつけたい人
- 体を動かす仕事が合う人
- 収入を早く安定させたい人
- 大きな会社より、社長や先輩との距離が近い会社が合う人
社長は、近隣県の若い人にも目を向けていました。
「田舎の方から、広島みたいな中途半端なところでもいいから出てきて働いてみたい、という若い子を引っ張れる仕組みがあればいい」
この発想は、採用導線づくりに使えます。
誰に向けるかが決まると、ホームページに書く言葉も変わります。写真も変わります。求人票のタイトルも変わります。広告を出す場所も変わります。
媒体選びより先に、採りたい人の輪郭を具体化することが大切です。
4. 費用対効果は「応募数」だけでなく途中の数字を見る
採用施策は、最後の応募数だけで判断すると見誤ります。
応募がゼロでも、どこで止まっているかによって改善策が違うからです。
最低限、次の数字は見たいところです。
- 求人ページが何回見られたか
- ホームページの採用ページが何回見られたか
- 動画が何回再生されたか
- どの媒体から流入したか
- 問い合わせボタンや電話番号が押されたか
- 応募後に面接まで進んだか
たとえば、求人ページは見られているのに応募がないなら、条件や仕事内容の見せ方に課題があるかもしれません。
ホームページには来ているのに離脱しているなら、採用ページの情報不足かもしれません。
そもそも見られていないなら、媒体や広告の出し方を変える必要があります。
反響がない、で終わらせず、どこまで来て止まったのかを見ることが費用対効果の第一歩です。
5. 大きく払う前に、小さく試す
中小建設会社にとって、採用投資は重い判断です。
だからこそ、最初から100万円、200万円をかけるより、小さく試して数字を見る方が現実的です。
たとえば、次のような進め方です。
- 採用ページだけ先に修正する
- 求人票のタイトルと本文を2パターン試す
- 動画を作る前に、スマホ撮影の短い社員コメントを載せる
- ブログではなく「よくある質問」を追加する
- 1媒体だけ期間を決めて出し、流入と応募を記録する
- SNS広告を出すなら、地域と年齢を絞って少額で試す
大事なのは、やりっぱなしにしないことです。
「何を狙って、いくら使い、どの数字がどう動いたか」を残します。
これが残ると、次の営業提案を聞いたときにも判断しやすくなります。
採用コストを抑える一番の方法は、何もしないことではなく、判断できる材料を増やしながら小さく試すことです。
まとめ
求人広告、ホームページ、動画、SNS広告は、それぞれ単体では採用を決めてくれません。
特に中小の専門工事会社では、求職者が応募前に見る情報が限られます。だからこそ、ホームページや求人票の中身が重要になります。
今回の会社では、採用したい理由ははっきりしていました。
技能実習生に頼りきれない。20代、30代を増やしたい。ベテランが引退する前に、若い人が育つ流れをつくりたい。売上拡大より、今の規模を無理なく回したい。
一方で、ホームページは複数あり、ブログ更新は止まり、動画も反響につながっていない。営業電話は多く、ランニングコストも増えやすい。
この状態でさらに広告費を足すと、疲れてしまいます。
まず見るべきは、今ある採用導線です。
誰に来てほしいのか。応募前に何を見られているのか。ホームページに何が書かれているのか。古い情報が残っていないか。どこまで数字を測れているか。
ここを整理すると、採用施策の優先順位が見えます。
採用にお金をかけること自体は悪くありません。
ただ、お金をかける前に、応募者が安心して一歩進める状態をつくることが先です。
それができると、求人媒体も動画もSNS広告も、ただの支出ではなく、採用導線を動かすための投資として見やすくなります。
採用導線を一度、外から整理してみたいときは
「ホームページも求人も試した。でも何が効いているのかわからない」
「ランニングコストをこれ以上増やす前に、今あるものを整理したい」
そう感じる段階でも、相談する意味はあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、組織、現場、原価、デジタル活用まで横断して、会社ごとの課題を整理し、実行まで支援しています。
採用についても、いきなり媒体や制作物を増やすのではなく、今あるホームページ、求人票、発信内容、採りたい人材像、費用対効果の見方から一緒に整理できます。
無理な営業はいたしません。まずは「うちの場合は、何から見直すべきか」を確認する場として使ってください。































