前提

15名規模で2〜3年後の世代交代に備え、若手未経験者を2名採りたい通信工事会社の現在地

山梨県にある15名規模の通信工事会社では、採用がここ3年ほどの経営課題になっていました。

社員の平均年齢は40代半ばです。20代は3名ほど。一方、60代前半の社員が2名おり、今後2〜3年を目安に世代交代を進めたい状況でした。

会社が考えている採用人数は、まず2名です。急拡大を目指しているわけではありません。現在の15〜17名程度の体制を維持し、受注している仕事を安定して回すことが目的です。

求めているのは若手の未経験者でした。

「うちの仕事は通信系の中でも特殊です。下手に少し経験があるより、未経験から覚えてもらうほうがいいと思っています」

主な仕事は、通信施設内にある電力設備の交換です。発電機や蓄電池を扱い、太いケーブルの配線も行います。屋外で電線を引く工事とは異なり、現場のほとんどが建物内です。

採用の目的は応募者を増やすことではなく、2〜3年後を見据えて未経験者2名を採用し、仕事を覚えてもらうことでした。

1週間で 16件の相談 がありました

  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
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課題

半年で約100万円を投じても、応募2名・採用1名・早期離職に終わった求人媒体

この会社は、ホームページとハローワークに加えて、有料求人媒体を半年間利用しました。費用は約100万円です。

しかし、半年間の応募は2名ほど。採用できたのは1名でした。その若手社員も、入社から1週間ほどで突然来なくなってしまいました。

「思ったより応募が来ませんでした。採用した若い子も長続きしなかったので、更新はやめました」

ここで見落としたくないのは、無料のハローワークからは採用できていた点です。その年だけでも、20代後半と30代後半の2名を採用しています。既存社員のうち6名ほども、もともとはハローワーク経由でした。残りは知人などからの紹介です。

つまり、結果は次のように分かれていました。

  • 有料求人媒体:応募2名ほど、採用1名、早期離職
  • ハローワーク:直近で2名を採用
  • 過去の採用実績:ハローワークと紹介が中心

有料媒体そのものが悪いわけではありません。ただ、この会社では既存の採用経路よりも明確に良い結果が出たとはいえませんでした。

求人媒体の営業電話は毎日のようにかかってきます。それぞれの媒体に特徴があるため、説明を聞くほど迷いやすくなります。

「有料だから採用できる」「多くの人が見るから応募が来る」ではなく、自社が求める人と接点を持てるかで判断する必要があります。

背景

媒体選びより先に、特殊な仕事内容と採りたい人の条件を伝え切れていなかった可能性

採用が難しかった背景には、仕事の特殊性があります。

「通信工事」とだけ書くと、求職者は屋外で電線や光ケーブルを引く仕事を想像するかもしれません。しかし、実際は通信施設内で発電機や蓄電池などの電力設備を交換する仕事です。

会社にとっては日常的な説明でも、未経験者には仕事内容が見えにくい状態です。

未経験者を採りたいのであれば、業界用語だけでは足りません。少なくとも、次のような情報まで分解して伝える必要があります。

  • どのような建物で働くのか
  • 屋内作業と屋外作業のどちらが多いのか
  • 何を運び、何を交換し、何を配線するのか
  • 未経験者が最初に担当する仕事は何か
  • どのように仕事を覚えていくのか
  • 資格取得や独り立ちまでに、どのような支援があるのか

また、「若ければよい」と考えるだけでは、定着まで見通せません。この会社でも、10代の採用者が1週間ほどで離職しています。理由は確認できていませんが、採用数だけを成果にすると、このようなケースも「採用成功」に含まれてしまいます。

媒体の相性は、応募数だけでなく、求める人からの応募、採用、入社後の定着までを通して見なければ判断できません。

これまでハローワークや紹介から採用できているなら、その理由も整理したいところです。地域の求職者と接点を持ちやすいのか。会社の実情を理解したうえで応募しているのか。紹介者が仕事内容を補足しているのか。

成果が出た採用経路には、自社に合う理由が隠れています。

解決

求める人材像と採用後の定着を基準に、小さく比較して投資先を決める進め方

採用手段は、媒体名や掲載料金から選ぶのではなく、採用したい人と採用目的から逆算すると整理しやすくなります。

この会社であれば、最初に揃える条件は次のようになります。

  • 採用目的:2〜3年後の世代交代
  • 必要人数:まず2名
  • 経験:未経験でも可
  • 仕事内容:通信施設内の電力設備交換
  • 採用後:一定期間をかけて特殊な仕事を習得

「誰でもよいから応募を増やす」のではなく、「特殊な仕事を未経験から覚え、一定期間働いてくれる人」を採用する設計が必要です。

そのうえで、採用手段を次の順番で見直します。

1.過去の採用経路を数字で並べる

まずは、媒体ごとに以下の数字を確認します。

確認項目

見るポイント

応募数

何人から応募があったか

対象応募数

求める条件に近い人が何人いたか

面接数

実際に会えた人数

採用数

入社に至った人数

定着数

入社後、一定期間働いている人数

費用

掲載料や運用費を含めていくらかかったか

100万円を使って1名を採用できても、すぐに離職すれば、その媒体への再投資は慎重に考える必要があります。一方、掲載費がかからないハローワークから継続的に採用できているなら、求人票の改善に時間を使うほうが効果的かもしれません。

2.媒体を増やす前に、求人票と採用ページを揃える

媒体を変えても、掲載する内容が同じなら結果も大きく変わらない可能性があります。

特にこの会社では、「通信工事」という表現を、未経験者が想像できる言葉に置き換えることが重要です。

たとえば、屋内作業が中心であること、発電機や蓄電池を交換すること、太いケーブルを扱うことなどです。仕事の特殊性を隠すのではなく、具体的に見せたほうが入社後の認識違いを減らせます。

ホームページをすでに持っているなら、求人媒体から会社名を検索した人が確認できる採用ページも整えておきます。求人票と採用ページで仕事内容や条件が食い違わないことも大切です。

媒体への掲載前に情報を整えることで、同じ応募数でも面接や定着につながる可能性を高められます。

3.実績のある経路を軸にして、小さく比較する

この会社では、ハローワークと紹介に採用実績があります。まずは、この2つを採用活動の軸として改善する進め方が自然です。

そのうえで別の媒体を試す場合は、いきなり長期契約に寄せすぎず、短期間・小さな予算で反応を比較します。

比較するのは応募数だけではありません。

  • 求める人から応募が来たか
  • 面接まで進んだか
  • 入社意思を持ってもらえたか
  • 入社後に仕事との認識違いがなかったか
  • 一定期間働き続けているか

この結果をハローワークや紹介と並べれば、次に費用をかけるべき採用手段が見えやすくなります。

採用媒体は一度で正解を当てるものではなく、小さく試し、採用と定着の数字を見ながら投資先を絞るものです。

まとめ

求人媒体に掲載しても採用につながらないとき、すぐに別の媒体へ切り替える必要があるとは限りません。

今回の会社では、有料求人媒体に約100万円をかけた一方、実際の採用はハローワークや紹介から生まれていました。この事実を基準にすれば、次にやることは媒体を増やすことではなく、成果が出ている経路を磨くことです。

整理したいポイントは4つです。

  • 何年後までに何人必要なのか
  • どのような人なら未経験から仕事を覚えられるのか
  • 過去に採用・定着した人はどこから来たのか
  • 仕事内容を未経験者にも伝わる言葉で説明できているか

採用手段を選ぶ基準は、掲載料金や知名度ではなく、自社が求める人の採用と定着につながったかどうかです。

応募数が少なくても、必要な2名を採用して長く働いてもらえれば、採用活動としては十分に意味があります。

自社に合う採用経路を一度整理してみませんか

「次も有料媒体を使うべきか」「ハローワークの求人票をどう直せばよいか」「採用ページで何を伝えるべきか」と迷うことは少なくありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、求める人材像、採用経路、求人情報、受け入れや定着まで一緒に整理しています。何から見直すべきか決まっていない段階でも問題ありません。

ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、会社の規模や仕事の特徴に合った採用の進め方を考えます。無理にサービスを勧めることはありませんので、状況の整理先として気軽にお声がけください。

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