納品書と請求書を経営側が現場別にまとめている中国地方の専門工事会社
中国地方に拠点を置く、40名弱の専門工事会社があります。複数の施工領域を扱い、県外の工事にも対応しています。その一方で、原価や経理に関する事務作業は経営側へ集まりがちでした。
数年前には原価管理ソフトを導入したものの、自社の業務に合わず、十分に使えていません。現在は納品書や請求書を集め、経営側が現場ごとに整理しています。
「自分で納品書と請求書を全部まとめて、現場ごとに分けています。でも、やっぱり手間なんですよね」
建設業では、単に支出を会計ソフトへ入力すれば終わりではありません。どの工事にかかった材料費なのか、外注費なのか、共通経費なのかを分ける必要があります。複数の工種や現場が並行すると、処理はさらに複雑になります。
この会社の課題は、経理作業の量だけではなく、工事別に判断できる人へ業務が集中していることです。
1週間で 17件の相談 がありました
- 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
- 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
- 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
- 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
- 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
- 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
建設業特有の勘定科目と工事別管理が分かる人を地域採用だけで探す難しさ
求めているのは、一般的な事務経験者ではありません。建設業特有の勘定科目や、工事ごとの原価管理を理解した人材です。
相談者からも「建設業は一般企業の経理とは違って、独特の勘定科目があります。そこが分かる人でないと難しい」という声がありました。しかし、地域内で条件に合う経験者を探しても、なかなか応募がありません。
地方の専門工事会社では、専任者を採用できず、既存の事務員が複数業務を兼任することも珍しくありません。結果として、仕訳前の確認や現場別の振り分けが経営者へ戻ってきます。
この状態で採用活動だけを続けても、候補者が少ない地域では長期戦になりやすいでしょう。採用できるまで経営側が抱え続けるのではなく、業務の一部を地域外へ切り出す選択肢も考えられます。
採用難への対応は「地元で正社員を探す」だけではなく、建設業やゼネコンで経理を経験したリモート人材へ業務委託する方法まで広げて考えられます。
経理のやり方が担当者の頭の中にあり、遠隔で渡せる仕事になっていない状態
リモート人材を活用できるかどうかは、会社の経理業務がどこまで言語化されているかで変わります。
「この請求書はこの現場」「この支出は材料費」「これは複数現場にまたがる」といった判断を、経営者や長年の担当者がその都度行っている会社も多いはずです。社内では会話で補えても、遠隔の担当者には伝わりません。
今回の会社でも、複数の施工領域が重なり、工事別の内訳が分かりにくくなっていました。既製の原価管理ソフトが定着しなかった背景にも、自社独自の分類や処理方法と、ソフト側の設計が合わなかった事情があります。
リモート化を難しくするのは距離そのものではありません。次のような情報が曖昧なままになっていることです。
- 請求書や納品書を、誰が、いつまでに共有するのか
- 工事名や工事番号を、どの書類に記載するのか
- 材料費、外注費、経費などをどう区分するのか
- 現場を特定できない支出を誰が判断するのか
- 入力後の内容を誰が確認し、承認するのか
遠隔で経理を任せられない原因は、人材の能力不足よりも、社内の処理基準と判断経路が見える形になっていないことにあります。
定型処理はリモートへ、工事帰属と承認は社内へ残す業務の切り分け
最初に行いたいのは、経理業務を丸ごと外へ出すことではありません。社外でも処理できる定型業務と、社内でなければ判断できない業務を分けることです。
リモート人材へ任せやすいのは、ルールに沿って再現できる作業です。たとえば、共有された証憑の整理、決められた区分での入力、工事別の集計、未提出書類の一覧化などが考えられます。
一方、次のような判断は社内に残します。
- どの工事へ原価を付けるか確定する
- 複数現場に関係する費用の配賦方法を決める
- 通常と異なる勘定科目の扱いを判断する
- 支払いや修正内容を最終承認する
外部へ任せるのは「決められた基準で処理する業務」、社内に残すのは「工事の実態を踏まえて決める業務」です。
そのうえで、次の順番で導入を進めると整理しやすくなります。
1.現在の処理を一度書き出す
納品書や請求書を受け取ってから、現場別の原価として集計するまでの流れを並べます。立派な業務マニュアルを最初から作る必要はありません。
「誰から受け取るか」「どこへ保存するか」「何を見て工事を判別するか」「分からない場合は誰へ聞くか」を書くだけでも、属人化している箇所が見えてきます。
2.必要な経験とスキルを具体化する
募集時に「経理経験者」とだけ書くと、求める人材とのずれが生まれます。建設業またはゼネコンでの経理経験、工事別原価管理への理解、請求書や納品書の処理経験など、実際に必要な経験を明示します。
資格の有無だけでなく、どの業務をどこまで担当したことがあるかを見ることが大切です。
3.証憑共有と承認の流れを決める
現場で発生した領収書はスマートフォンで撮影し、工事名、日付、金額、用途と一緒に共有する形にすると、遠隔でも処理しやすくなります。
入力後は、現場責任者または管理側が承認します。判断できない証憑は無理に処理せず、「確認待ち」として戻すルールも必要です。
証憑を送るだけではなく、工事情報の付与、例外時の確認先、最終承認者まで決めて初めて遠隔運用が安定します。
4.一部の業務から試す
最初から月次経理のすべてを任せる必要はありません。まずは一つの工種や数現場分の証憑整理など、範囲を限定して試します。
実際に動かすと、「工事名の表記が人によって違う」「現場を特定できない請求書が多い」といった問題が見えてきます。その都度ルールを直し、安定してから対象を広げていく進め方が現実的です。
クラウドソーシングサービスには、建設会社やゼネコンで経理を経験し、現在は在宅で仕事を受けている人も登録しています。リモートを前提にすれば、所在地に縛られず候補者を探せます。業務委託から始めることで、雇用に比べて固定費化を抑えながら相性を確かめやすい面もあります。
リモート人材の活用は、採用の代替策というより、経営者へ集中している定型業務を会社の仕組みに戻す取り組みです。
まとめ
建設業の経理経験者を地域内だけで探すと、候補者が限られます。既存の事務員による兼任や、経営者による最終整理が続いているなら、地域外のリモート人材も現実的な選択肢です。
ただし、経験者を見つけるだけでは安定して回りません。任せる業務、社内に残す判断、証憑の共有方法、例外時の確認先、承認者を先に整理する必要があります。
地元で採用できないことだけを問題にせず、経理業務が遠隔でも渡せる状態になっているかを見直すことが次の一手になります。
自社の経理業務をどこまで切り出せるか整理したい方へ
「どの業務ならリモートで任せられるのか」「工事別管理の判断をどう残せばよいのか」と迷う場合は、現在の処理手順を整理するところから始められます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。経理人材の採用だけでなく、業務の切り分けや運用方法を含めて相談できます。
まだ依頼内容が固まっていない段階でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、自社の場合に何から整理すべきかを確認する場としてご活用ください。






























