前提

引き合いはあっても、主力工種を動かせる実働12名では複数現場を持ちにくい現在地

中国地方に拠点を置く、40名規模の専門工事会社があります。専門工事に加えて商業施設の内装にも対応し、県外の現場へ動ける機動力を持つ会社です。

取引先は複数に分散しており、仕事の相談が途切れているわけではありません。むしろ課題は供給側にあります。主力工種で実際に動ける社員職人は12名前後。外部の協力会社にも応援を頼んでいますが、現場を任せられる人は限られます。

「極端に言えば、現場が3つ出たら、3つに人を割いて終わりです」

人数がいるように見えても、すべての人が現場を持てるわけではありません。複数現場を同時に動かすには、職人の人数だけでなく、現場担当者や職長として全体を見られる人が必要です。

受注拡大のボトルネックは、仕事の不足ではなく、現場を任せられる中間層の不足にあります。

1週間で 17件の相談 がありました

  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
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課題

現場担当者が2人増えれば受注できるのに、中間層からの応募が来ない状態

この会社が探しているのは、単に現場で作業できる人ではありません。現場担当として工事を見られる人。職長として一つの現場を任せられる人です。

「そういう人が2人来てくれれば、一気に受注しやすくなる」という言葉からも、必要な人材像はある程度見えています。

求人媒体への掲載はすでに行っています。SNSから求人に関する反応もあります。社長自身が発信に前向きで、採用の入口を増やす活動にも取り組んできました。

それでも、中間層の応募はほとんどありません。

ここで注意したいのは、応募数全体と、必要人材からの応募数を分けて考えることです。若手や未経験者から反応があっても、現場を任せられる経験者の採用につながっていなければ、受注能力はすぐには増えません。

求人を出しているかではなく、現場を任せたい経験者に求人が届き、応募する理由まで伝わっているかが判断軸です。

背景

地域内の経験者だけを待ち、求人媒体とSNSを同じ訴求で運用している採用構造

中間層が採れない背景には、候補者そのものの少なさがあります。特に地域内で同じ工種を経験し、転職を考えている人に限定すると、対象者はかなり絞られます。

実際、この会社で経験者として入社したのは、県外で同様の仕事をしてから地元へ戻ってきた60代後半の人でした。現場では頼れる存在ですが、長期的に働ける期間には限りがあります。

「県外でこの仕事をしていて、たまたまこっちに戻ってくる人でないと、なかなか来ません」

これは地方の専門工事会社に共通しやすい状況です。地元在住者だけを対象にすると、採用可能な人数が最初から少なくなります。一方で、県外で経験を積み、将来的に地元へ戻りたい人まで含めれば、候補者の捉え方は変わります。

もう一つの背景は、採用経路の増加です。現在は求人媒体、検索型の求人サービス、SNS、直接声をかける方法など、候補者との接点が細かく分かれています。媒体へ掲載するだけでは、欲しい経験者が普段見ている場所とずれることがあります。

求人原稿も同様です。「経験者募集」「現場担当者募集」だけでは、候補者が自分向けの求人だと判断しにくくなります。どの程度の経験を求めているのか。入社後に何を任せたいのか。どこまで自分で判断できるのか。ここが曖昧なままでは、同じ経験者でも受け取り方が分かれます。

別の専門工事会社では、求人原稿を20回以上出し直し、閲覧数や反応を確認しながら表現を変え続けました。その結果、自社の仕事を端的に表す言葉が見つかり、毎年の採用につながるようになっています。

採用媒体の数を増やすだけではなく、誰に、どこで、何を伝えるかを組み合わせて検証する必要があります。

さらに、即戦力だけを待つことにも難しさがあります。若手が現場担当者や職長へ育つまでには、この会社の感覚で3年から5年ほどかかります。採用できてから育成を考える進め方では、受注したい時期に間に合わない可能性があります。

解決

即戦力採用と3〜5年の職長育成を分け、ターゲット・経路・求人原稿を順番に見直す進め方

最初に整理したいのは、採用媒体ではなく「採用できたら何を任せるか」です。中間層という言葉だけでは、人によって想定する経験や役割が異なります。

少なくとも、次の点は社内でそろえておきたいところです。

  • どの施工領域の経験を必要とするのか
  • 入社後、どの段階から一人で現場を持ってもらいたいのか
  • 現場担当者と職長のどちらを求めているのか
  • 会社側に確認すべきことと、本人に任せる判断の範囲はどこか
  • 2年後、3年後にどの役割を担ってほしいのか

すべてを満たす人だけに限定すると、対象者が極端に少なくなります。そのため、「入社時点で必須の経験」と「入社後に覚えてもらえること」を分けるのが現実的です。

即戦力の条件を増やすのではなく、入社時に必要な条件と、入社後に補える条件を切り分けます。

次に、候補者の範囲を地域外まで広げます。特に考えたいのは、県外で同工種を経験しているUターン候補者です。現在の居住地だけで対象を区切らず、「地元へ戻る可能性がある経験者」に届く経路を検討します。

年齢についても、一律に狭めないほうがよい場合があります。長く働ける中堅層が理想でも、経験豊富な人を一定期間採用し、その間に若手へ役割を引き継ぐ考え方もあります。ただし、経験者一人への依存を再びつくらないことが前提です。

採用経路と求人原稿は、次の順番で検証します。

  1. 欲しい人材が普段どの経路で仕事を探すかを仮定する
  2. まずは費用を抑えて求人を掲載する
  3. 求人がどれだけ見られ、どの層から反応があったかを確認する
  4. タイトルや仕事内容、任せる役割の表現を変える
  5. 経験者から反応が得られた経路と原稿に費用を寄せる

SNSから応募があるなら、発信自体をやめる必要はありません。ただし、若手向けの発信と、現場を任せたい経験者向けの発信は分けたほうが検証しやすくなります。中間層には、会社の雰囲気だけでなく、これまでの経験をどう生かせるか、入社後にどこまで任されるかが重要です。

求人原稿は一度作って終わりではなく、閲覧と応募の反応を見ながら、経験者に届く言葉へ直していきます。

同時に、若手の育成を別の計画として進めます。3年から5年かかるのであれば、その期間を前提に、いつまでに何を任せるかを言葉にします。若手にとっても、「この仕事を続けると、何年後にどの役割を担えるのか」が見えたほうが働き続ける判断をしやすくなります。

即戦力採用は、目の前の受注余力をつくる施策です。職長候補の育成は、数年後も受注を断らない体制をつくる施策です。両方を同じ採用活動として扱わず、目標と期間を分けることが大切です。

「経験者を2人採る」と「若手を3〜5年で職長候補へ育てる」を並行させることで、採用できるまで成長が止まる状態を避けやすくなります。

まとめ

仕事の引き合いがあるのに受注を増やせない会社では、営業より先に、現場を任せられる人の確保が課題になることがあります。

今回のように、求人媒体への掲載やSNS発信を行っていても、中間層から応募が来ないケースは珍しくありません。その場合、媒体を追加する前に、求める経験、任せる役割、裁量の範囲を具体化する必要があります。

そのうえで、地域内の転職者だけでなく、県外で経験を積んだUターン候補者まで対象を広げます。求人原稿は反応を確認しながら修正し、手応えが得られた経路へ費用を配分します。

そして、即戦力採用だけに頼らず、若手が職長候補へ育つまでの3年から5年を採用計画に織り込みます。

受注を増やすための採用は、人数を増やす活動ではなく、複数現場を任せられる体制をつくる活動です。

現場を任せられる人材の条件から一緒に整理するために

「中間層が欲しいものの、どんな条件で募集すべきかわからない」「媒体やSNSを使っているが、経験者から反応がない」という段階では、求人を増やす前の整理が役立ちます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、必要人材の設定、採用経路、求人原稿、入社後の教育体制まで横断して整理し、実行まで支援しています。建設企業の持続的成長を支え、ものづくりに集中できる環境を一緒につくります。

自社の場合は何から見直すべきか、まだ考えがまとまっていない段階でも問題ありません。状況を伺ったうえで整理します。無理にサービスを勧めることはありませんので、気になる点があれば気軽にお声がけください。

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