求人広告を止めた後も、社員紹介を中心に15名ほどから20名弱まで増えてきた専門工事会社
北陸地方で電気設備工事と電気通信工事を手がける、20名弱の専門工事会社があります。防犯設備、通信局内の接続工事、光回線の現場調査など、複数の施工領域を持つ会社です。
数年前までは、有料の転職サイトへ年間80万円ほどを投じ、2年ほど採用活動を続けていました。そこから4〜5名を採用できたものの、1〜2年ほどで全員が退職。現在残っている人はいません。
一方、近年は有料媒体を使わず、社員や元社員からの紹介を中心に人が増えています。退職者が後輩に声をかけたり、40代で入社した社員が20代の知人を紹介したりと、紹介のつながりは一つではありません。
「広告会社にお金を払うなら、紹介してくれた社員に還元したい」という考えから、紹介者への謝礼も設けています。さらに、入社した本人が1年間勤務した際にも、感謝を込めた報奨を出しています。
この会社で人が増えている理由は、紹介料の存在だけではありません。候補者が入社前から会社や仕事を知り、入社後も紹介者との関係が残ることが、定着を支えています。
1週間で 15件の相談 がありました
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
社員紹介を個人の人脈任せにすると、紹介先の枯渇と人材層の偏りが起きやすい採用構造
社員紹介は、専門工事会社と相性のよい採用方法です。会社の雰囲気や現場の実情を知る社員が間に入るため、求人票だけでは伝えにくい仕事の中身を説明できます。候補者側も、知らない会社へ応募するより一歩を踏み出しやすくなります。
ただし、紹介が順調だからといって、そのまま自然増に任せ続けられるとは限りません。実際、この会社からも「どこまで通用するか、いずれ限界は出てくると思う」という見方が示されていました。
主な限界は次の3点です。
- 社員が声をかけられる知人には限りがある
- 紹介者と似た年齢、経験、職歴の人に候補者が偏りやすい
- 紹介者ごとに仕事の説明や入社後の支援方法が変わりやすい
この会社では、今後3〜5年で25名程度の体制を目指しており、20名弱からさらに5名ほど増やしたい考えです。理想とする年齢層は20代後半から40歳前後で、女性の現場人材も採用したいとしています。
一方、元社員やベテラン社員のつながりをたどると、経験豊富な人を採用しやすい反面、年齢層は高くなりやすくなります。社員紹介を続けるだけでは、会社が求める人材構成と実際の候補者層が少しずつずれる可能性があります。
リファラル採用の課題は、紹介数を増やすことだけではありません。欲しい人材像、現場の受け入れ余力、紹介者が担う役割をそろえ、再現できる採用経路に変えることです。
入社前の理解と入社後の相談相手がつながっているから、未経験者を自社で育てる流れが生まれる環境
求人広告から採用した経験者が定着せず、紹介で入社した人が増えている背景には、採用時点の期待の違いがあります。
電気工事の経験者には、技術を身につけた後、より条件のよい会社へ移ったり、個人事業主として独立したりする選択肢があります。求人広告では給与や待遇が比較されやすいため、条件を入口に入社した人が、別の条件を求めて動くこともあります。
これに対して社員紹介では、候補者が応募する前から、紹介者を通じて会社の働き方や現場について聞けます。入社後に誰と働くのかも想像しやすく、求人情報と実際の仕事のずれを小さくできます。
この会社では、未経験者を一から育てる採用を重視しています。社員の多くが同じように先輩から教わって育ってきたため、「教えてもらった分、新しい人が入ったら教える」という習慣ができています。
また、紹介者がそのまま相談相手になることも少なくありません。年齢や経験の近い社員が教えることで、新入社員は現場で分からないことを聞きやすくなります。
つまり、社員紹介には次の流れが自然に含まれています。
- 候補者が紹介者から仕事の実情を聞く
- 入社前に会社との相性を確かめる
- 入社後は紹介者や年齢の近い社員が教育を支える
- 一定期間の勤務を会社が評価する
紹介者が採用の入口だけでなく、入社前の案内役と入社後のメンターを兼ねていることが、社員紹介を定着につなげる大きな要因です。
ただし、紹介者の善意だけに頼ると負担が偏ります。紹介した社員が必ずしも教育に向いているとは限らず、同じ現場へ配置できるとも限りません。自然に生まれている良い流れを残しながら、会社として役割を整える必要があります。
紹介前・入社前・入社後・定着後の4段階を決め、社員紹介と他の採用経路を使い分ける仕組み
社員紹介を継続的な採用経路にするには、紹介料を決めるだけでなく、候補者との接点から定着までを4段階に分けて整理すると進めやすくなります。
1.紹介前に「誰でもよい採用」にしない
まず、社員へ人数だけを伝えるのではなく、どの部門で、どのような人に来てほしいかを共有します。
今回の会社であれば、通信部門で1〜2名、会社全体では3〜5年で5名程度が目安です。しかも「一気に5名ではなく、2〜3名ずつ徐々に入れたい」という受け入れ方を想定しています。
社員へ共有する内容は、次の程度でも十分です。
- 配属を想定している工事領域
- 経験者と未経験者のどちらを求めるか
- 想定する年齢層
- 現場で必要になる働き方
- 入社後に誰が教育できるか
採用人数ではなく、配属先と育成担当まで含めて募集条件を伝えると、社員も紹介すべき相手を判断しやすくなります。
2.入社前に仕事の理解と相性を確認する
社員の紹介だからという理由だけで採用を急ぐと、紹介者との関係が選考判断に影響しかねません。通常の採用と同じように、会社側が候補者本人と話し、仕事内容への理解を確認することが大切です。
特に確認したいのは、紹介者から何を聞いているかです。現場の種類、必要な技術、未経験から覚える期間などについて認識がずれていれば、入社前に説明を補えます。
また、紹介者には良い面だけを伝えてもらうのではなく、実際の仕事を候補者が判断できる材料を渡してもらいます。紹介の目的は入社させることではなく、会社と候補者の双方が「ここなら続けられそうか」を確かめることです。
3.紹介者と教育担当者の役割を分けておく
紹介者がメンターになる流れは有効ですが、技術教育まですべて任せる必要はありません。
紹介者には日常的な相談相手を担ってもらい、施工や安全に関する教育は、配属先の先輩社員が担当する形も考えられます。紹介者と年齢が離れている場合は、新入社員に近い年代の社員を相談役として追加する方法もあります。
入社時に、少なくとも次の3点を決めておくと役割が曖昧になりません。
- 日常の相談を受ける社員
- 現場で技術を教える社員
- 定期的に本人の状況を確認する人
「紹介した人が全部見る」のではなく、相談と技術教育を分けることで、紹介者の負担を抑えながら定着を支えられます。
4.報奨は入社人数だけでなく、一定期間の定着と結びつける
社員紹介の報奨は、入社時に全額を支給する方法だけではありません。入社後の一定期間を踏まえて段階的に設計する考え方もあります。
今回の会社では、紹介者へ謝礼を渡すだけでなく、入社した本人が1年間続けた際にも報奨を出しています。採用したことだけでなく、働き続けてくれたことに感謝を示す設計です。
制度を整える際は、次の点を社内で明文化しておくと運用しやすくなります。
- どの時点で紹介成立とするか
- 紹介者と入社者のどちらを報奨対象にするか
- どの程度の勤務期間を確認するか
- 退職した場合をどのように扱うか
- 紹介後の選考は通常どおり会社が判断すること
報奨額だけを強調すると、相性より人数が優先されることがあります。制度の目的を「知人を入社させること」ではなく、「会社と合う人に長く働いてもらうこと」と定めることが重要です。
社員紹介だけで足りない部分は、別の採用経路で補う
紹介先の枯渇や年齢層の偏りが見え始めたら、社員紹介を止める必要はありません。社員紹介が得意な層と、届きにくい層を分けて考えます。
例えば、経験者や元取引先の退職者には人づての紹介が機能しやすい一方、20代の未経験者や女性の現場人材は、現在の社員構成によっては接点を持ちにくい場合があります。その層だけ求人媒体など別の入口を使う判断もできます。
判断軸は、応募数ではなく次の3点です。
- 採用したい層へ届いているか
- 入社前に仕事内容を十分伝えられるか
- 入社後に教育できる人数を超えていないか
過去に求人広告から複数名を採用できたのであれば、広告そのものが機能しなかったわけではありません。定着まで含めた設計が不足していた可能性があります。再び媒体を使う場合も、社員紹介で機能している仕事理解やメンターの仕組みを組み合わせることで、以前とは違う結果を目指せます。
まとめ
社員紹介で人が増える会社には、紹介料だけでは説明できない土台があります。候補者が入社前に仕事を理解し、入社後も知っている人へ相談でき、周囲に教える習慣があることです。
今回の専門工事会社では、有料求人から採用した経験者は残らなかった一方、社員や元社員の紹介による採用が会社の人数増加につながっていました。紹介者が自然にメンターとなり、未経験者を自社で育てる流れができていたためです。
この流れを継続するには、次の点を仕組みにしておく必要があります。
- 紹介してほしい人材と配属先を具体化する
- 入社前に仕事内容と相性を確認する
- 紹介者と技術教育担当者の役割を決める
- 一定期間の定着を踏まえて報奨を設計する
- 紹介で届かない人材層には別の採用経路を使う
リファラル採用を定着につなげるポイントは、紹介を増やすことではなく、紹介から教育までの流れを会社の仕組みにすることです。
自社に合う紹介制度と教育体制を整理するために
社員紹介が自然に生まれていても、今後何人まで採用できるのか、どの層には別の採用経路が必要なのかは、会社ごとに異なります。特に、現場の受け入れ人数や教育担当者を考えずに採用だけを進めると、せっかくの紹介を定着につなげにくくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、募集方法だけでなく、入社後の教育体制や組織づくりまで横断して整理し、実行を支援しています。「うちの場合は社員紹介をどこまで続けるべきか」「何から制度にすればよいか分からない」という段階でも問題ありません。
状況を伺ったうえで整理先を一緒に考えるため、無理にサービスを勧めることはありません。ものづくりに集中できる体制づくりの一歩として、必要なときにお声がけください。




























