前提

15名強の空調・電気設備会社で、現場は回っているが情報確認にひと手間かかる状態

首都圏近郊で、業務用空調工事を主軸に、電気設備工事や鉄道関連の夜間工事も手がける、従業員15名強の専門工事会社の話です。売上は3億円弱の規模まで伸び、ここ数年で若手も増えています。

日中はオフィスや施設の空調工事、夜間は鉄道インフラ系の工事というように、現場の種類も時間帯も分かれています。空調工事だけを見ても、1日で終わる小規模現場もあれば、1か月半ほど入る現場もあります。

その中で出てきたのが、施工管理アプリや現場情報管理の悩みでした。

「スケジュールは別のアプリ、写真は別のアプリ、会話はLINE、データ保存はクラウドストレージ。全部違うじゃないですか」

現場は止まっていません。むしろ、今の道具で回っています。ただ、業務は回っているのに、現場情報を確認するたびにアプリを行き来している状態です。

ここが大事です。システムがないから困っているのではなく、情報の置き場が分かれていることで、確認・共有・振り返りに手間が出ているという課題です。

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  • 7月17日塗装工事会社栃木県
  • 7月17日リフォーム会社岩手県
  • 7月17日総合土木山形県
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県
  • 7月16日外構工事会社東京都
  • 7月16日塗装工事会社大阪府
  • 7月16日内装工事会社群馬県
  • 7月16日総合建築岐阜県
  • 7月15日工務店東京都
  • 7月15日内装工事会社神奈川県
  • 7月15日塗装工事会社奈良県
  • 7月15日内装工事会社鳥取県
  • 7月14日配管工事会社高知県
  • 7月14日配管工事会社広島県
  • 7月14日防水工事会社神奈川県
  • 7月12日配管工事会社京都府
  • 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
  • 7月12日リフォーム会社茨城県
  • 7月11日総合建築福島県
  • 7月11日総合土木大阪府
  • 7月11日造園会社愛知県
  • 7月11日外構工事会社茨城県
  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

「全部一発で見たい」が先に立つと、施工管理アプリ選びも開発判断も難しくなる

現場情報がバラバラになると、多くの会社で「施工管理アプリを入れれば解決するのではないか」「いっそ自社に合うものを作った方が早いのではないか」という話になります。

この会社でも、大手の施工管理アプリのようなものは認識していましたし、オーダーメイドでシステムを作る話も一度聞いていました。ただ、最終的には導入に踏み切っていません。

「まとまった費用をかけてまで、満足いくものではなさそうだったのでやめました」

この判断は、とても現実的です。施工管理アプリは便利ですが、会社ごとの現場の持ち方、職人の動き方、元請けや協力会社との関係、日勤・夜勤の分かれ方まで完全に合うとは限りません。

一方で、オーダーメイド開発は自由度が高いぶん、何を作るかが曖昧なまま進むと、費用対効果が見えにくくなります。

特に注意したいのは、「全部を一つにまとめたい」という要望だけでは、導入すべきシステムの条件になりにくいことです。

スケジュール、写真、チャット、通話、図面、データ保存、出面、現場情報。これらはすべて大事ですが、同じ重さではありません。毎朝見るもの、現場で即確認するもの、後から探せればよいもの、証跡として残すものが混ざっています。

ここを分けずに一体化だけを目指すと、結果として次のような状態になりやすいです。

  • 既存アプリより入力が面倒になる
  • 現場が使わず、結局LINEや電話に戻る
  • 写真や図面の置き場だけが増える
  • 管理者だけが便利で、職人側の負担が増える
  • 開発しても「あと少し違う」が残る

システム導入の前に必要なのは、アプリ比較ではなく、現場情報の交通整理です。

背景

日勤・夜勤、短期・長期、元請け・協力会社が混在すると情報の分散は自然に起きる

この会社の情報管理がバラバラになっている背景には、単にITが苦手という話ではなく、現場構造の複雑さがあります。

空調工事は売上の大半を占めていますが、現場規模はかなり幅があります。2名で回る現場もあれば、10名ほど入る現場もあります。1日で終わる工事もあれば、長く入る工事もあります。

さらに、夜間の鉄道関連工事は、日中の空調工事とは部隊も仕事内容も違います。現場に入る時間、連絡のタイミング、必要な情報、注意事項も変わります。

つまり、ひとつの会社の中に、複数の現場運営パターンが同居しているわけです。

この状態では、自然とツールが分かれます。

スケジュールは、全員が見やすいカレンダー系のアプリ。写真は、現場写真を共有しやすい専用アプリ。日々の会話や急ぎの連絡はLINE。図面や資料はクラウドストレージ。通話は電話。

それぞれのツールは、それぞれの用途では便利です。だからこそ、すぐには捨てられません。

相談の中でも、こんな表現がありました。

「別に不便だけど、困ってはいないかな。でも、画期的なシステムがあったら楽だなとは思います」

この言葉に、多くの中小建設会社のリアルがあります。現場が止まるほどではないが、人数が増え、現場の種類が増えるほど、情報確認の小さな手間が積み上がるのです。

特に、若手が増えている会社では、この問題が後から効いてきます。ベテラン同士なら「あの件ね」で通じることも、若手や協力会社が入ると、現場名、住所、図面、写真、変更内容、誰に聞けばよいかを、毎回探す必要が出ます。

システムの問題に見えて、実際には現場情報の標準化と、確認経路の設計の問題でもあります。

解決

アプリを選ぶ前に、現場ごとに最初に見る情報と残す情報を分ける

最初にやるべきことは、今使っているアプリを否定することではありません。むしろ、現場で定着している道具は、簡単に捨てない方がよいです。

大事なのは、どの情報を一元化し、どのやり取りは今のまま残すかを決めることです。

まず整理したいのは、「現場ごとに最初に見るべき情報」です。たとえば、次のような項目です。

  • 現場名、住所、集合時間
  • 工期、作業日、日勤・夜勤の区分
  • 担当者、参加メンバー、協力会社
  • 元請け・発注側の連絡先
  • 図面、仕様書、関連資料の置き場
  • 写真の保存先
  • 変更事項、注意事項
  • 出面や作業実績の確認先

ここで重要なのは、すべての情報そのものを一つのアプリに移すことではありません。まずは、現場ごとの入口を一つにすることです。

たとえば、写真は今の写真管理アプリのままでも構いません。図面はクラウドストレージのままでもよいです。チャットはLINEのまま残す判断もあります。ただし、「この現場の写真はどこ」「最新図面はどこ」「変更事項はどこを見ればよいか」が、現場ごとの一覧から迷わずたどれる状態にします。

この考え方なら、いきなり大きな開発をしなくても始められます。

次に、既存ツールを3つに分類します。

1つ目は、現場がすでに使えていて、無理に置き換えないものです。通話やLINEのような即時連絡は、現場では強い道具です。ここを無理に専用チャットへ移すと、かえって連絡漏れが起きることがあります。

2つ目は、情報の保管先として残すが、入口を整理するものです。写真、図面、資料、データ保存がここに入ります。保管先は分かれていても、現場単位でリンクや参照先がまとまっていれば、探す手間はかなり減ります。

3つ目は、二重入力や確認漏れが多いなら置き換えを検討するものです。スケジュール、出面、作業実績などは、人数が増えるほど管理負荷が上がります。ここは既存ツールで限界が見えたら、施工管理アプリや自社向けシステムの対象になりやすい領域です。

判断軸はシンプルです。

現場で毎日見る情報は、入力のしやすさを優先する。後から探す情報は、検索性と保管ルールを優先する。経営側が集計したい情報は、二重入力を減らす設計を優先する。

この3つを分けると、「全部入りのアプリが必要なのか」「今のアプリをつなぐだけで足りるのか」「本当に開発すべきなのか」が見えやすくなります。

オーダーメイド開発を考える場合も、いきなり全機能を作るのではなく、最初は現場台帳のような最小単位から始めるのが現実的です。

たとえば、1日で終わる小規模現場と、1か月以上続く長期現場をそれぞれ数件選び、次の観点で試します。

  • 現場情報を探す時間が減ったか
  • 職人が迷わず見られるか
  • 写真や図面の置き場が明確になったか
  • 変更事項が後から追えるか
  • 管理者の確認連絡が減ったか

導入判断は「便利そう」ではなく、確認連絡・探す時間・二重入力がどれだけ減るかで見ると、費用対効果を判断しやすくなります。

まとめ

施工管理アプリの悩みは、「どのアプリが一番よいか」から入ると迷いやすくなります。

特に、日勤と夜勤があり、短期現場と長期現場があり、自社施工と協力会社への依頼が混ざる会社では、ひとつの既製アプリですべてが気持ちよく収まるとは限りません。

一方で、オーダーメイド開発も、作るものが曖昧なまま進めると負担が大きくなります。

まず整理すべきなのは、次の順番です。

  • 現場ごとに最初に見る情報を決める
  • 今のツールで残すもの、入口だけ統一するもの、置き換えるものを分ける
  • 短期現場と長期現場の両方で、小さく試す
  • 確認連絡、探す時間、二重入力が減るかで判断する

「不便だけど困ってはいない」という状態は、悪い状態ではありません。むしろ、現場が回っているからこそ、落ち着いて整理できるタイミングです。

システムを入れる前に業務を整えることで、既製アプリを使う場合も、開発する場合も、失敗しにくくなります。

うちの現場情報は何から整理すべきかを考えたいときは

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

施工管理アプリを入れるべきか、今のアプリを活かすべきか、開発まで考えるべきかは、会社ごとの現場の持ち方によって変わります。

「うちの場合は、まず何を一元化すべきか」「現場に負担をかけずに整理したい」「今のツールが増えすぎているが、何から手をつけるべきかわからない」という段階でも大丈夫です。

ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、現場の実態に合わせた整理から一緒に考えます。無理な営業はいたしませんので、状況整理の場としてご相談ください。

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