前提

許可取得を急ぐ15名規模の専門工事会社で、施工管理技士の採用が止まっている状況

神奈川県にある15名規模の専門工事会社では、必要な許可の取得と今後の現場体制を見据え、有資格の施工管理技士を探していました。

当初、紹介会社に伝えていた年齢条件は40代から50代までです。できれば、今後長く働いてもらえる人を採りたい。若手であれば、会社のやり方にもなじみやすい。そう考えるのは自然です。

一方で、条件に合う人からの反応は鈍く、40代の候補者へ打診しても返事がありませんでした。施工管理技士の採用を急ぎたいものの、待っている間にも時間は過ぎていきます。

経営者からは、こんな言葉が出ていました。

「特定の許可を取るのを急ぎたいんです。ある程度の知見があって、みんなにアドバイスできる人がいると助かります」

求めているのは、単なる増員ではありません。資格と経験を持ち、会社の体制づくりを前に進められる人です。

長く働ける若手を採りたいという希望と、許可取得に必要な有資格者を早く確保したいという経営上の期限が、同じ採用枠の中でぶつかっていました。

1週間で 12件の相談 がありました

  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
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課題

若手にこだわるほど、有資格者の確保と現場体制の整備が遅れる採用条件

施工管理技士の採用では、年齢を狭く設定するほど候補者は少なくなります。特に、有資格者で一定の現場経験があり、転職意欲も高い人となると、さらに限られます。

この会社でも、60歳の候補者が出てきたとき、最初は迷いがありました。

「60歳となると、最初はどうかなと思いました。若い人と一緒にバリバリ働く前提で考えていたので」

ただ、その候補者は複数の資格を持っていました。現場経験もあります。本人が希望すれば、70歳前後まで働ける可能性もあります。

ここで整理したいのは、年齢条件が採用の目的より優先されていないかという点です。

今回の採用目的は、若返りだけではありませんでした。

  • 必要な許可の取得を進める
  • 有資格者を社内に置く
  • 現場経験を生かして社員へ助言してもらう
  • 今後の施工体制を整える

この目的に照らすと、60代という理由だけで候補から外すのは、少しもったいない判断になります。

もちろん、年齢を広げれば誰でもよいわけではありません。実際に別の60代候補者を確認した際には、短期間での転職が続いていることや、会社側の事情に合わせられるかが懸念になりました。

「疲れた人を採りたいわけではないんです。立ち上げの負担もありますから」

この感覚も大切です。見直すべきなのは採用基準そのものではなく、年齢を基準の中心に置く考え方です。

背景

「長く働ける人」と「今必要な資格者」を一人で満たそうとしていた採用設計

採用が進まなかった背景には、一人の採用ですべてを解決しようとしていたことがあります。

若くて、資格がある。現場経験も豊富で、社内に柔軟になじめる。社員へ助言でき、長く働いてくれる。こうした人が採れれば理想的です。

ただし、その条件をすべて満たす候補者は多くありません。大手やゼネコンも40代、50代の施工管理人材を求めています。中小の専門工事会社が同じ年齢層だけで競うと、採用までの時間が延びやすくなります。

社内でも、次第に考え方が変わっていきました。

「年齢にはいったんこだわらず、まず会社の体制をつくりたい。そのうえで若手は随時探そうと思っています」

さらに、シニア人材に期待する役割も具体的になりました。

「頭が固くて、自分のやり方だけを押し通す人だと難しいです。でも、『会社のためにひと肌脱ぐよ』という人ならいいと思います」

ここから見える判断軸は、年齢ではありません。

  • 必要な資格を実際に保有しているか
  • 会社が必要とする実務経験や知見があるか
  • 若手や既存社員へ助言できるか
  • 中小企業のやり方に合わせる柔軟性があるか
  • 周囲と無理なくコミュニケーションを取れるか
  • 本人に働く意欲と体力があるか

「ちゃんとコミュニケーションが取れる方だったら、年齢はそこまで気にしなくてもいい」という言葉は、採用基準を見直すうえで本質を捉えています。

若手採用と有資格者の確保は、同じ求人で同時に解決しなくても構いません。役割と時間軸を分けると、採用の間口を広げやすくなります。

解決

元気なシニアで当面の有資格者体制をつくり、若手採用を止めない二段構え

施工管理技士の年齢条件を見直すなら、まず採用目的を「当面」と「中長期」に分ける方法があります。

当面は、許可取得や現場体制の整備に必要な有資格者を確保します。ここでは60代も候補に含め、資格、経験、柔軟性、コミュニケーション力を中心に見ます。

中長期では、若手や40代前後の施工管理人材を継続して探します。採用できた若手には、シニア人材の知見を引き継いでもらうことも考えられます。

「シニアか若手か」の二者択一ではなく、「シニアで足元の体制を整えながら、若手を継続採用する」という二段構えが現実的です。

進め方は、次の順番で整理すると判断しやすくなります。

1.今回の採用で最優先する目的を一つ決める

許可取得を急ぐのか、現場の管理力を高めたいのか、若返りを進めたいのか。最優先の目的を明確にします。

許可取得が先なら、長期勤続の期待だけで候補者を絞らず、必要な資格と実務要件を満たしているかを優先します。資格の種類や経歴については、紹介会社とも連携して確認しておきたいところです。

2.年齢条件を「60代も含めて検討」に広げる

紹介会社には、年齢の上限だけを伝えるのではなく、求める人物像を具体的に共有します。

例えば、「60代でも働く意欲があり、周囲とコミュニケーションを取れる方」「中小企業のやり方に柔軟に合わせられる方」と伝えます。施工管理人材に強い紹介会社や媒体にも、同じ基準で候補者を出してもらいます。

年齢不問と書くだけでは、会社が求める人物像は伝わりません。間口は広くしつつ、資格・経験・柔軟性・対話力の基準は具体的にすることが大切です。

3.面接では「何ができるか」と「どう関わるか」を分けて確認する

資格や経験が十分でも、既存社員とうまく関われなければ、期待した役割を果たしにくくなります。

面接では、保有資格や担当現場だけでなく、次の点も確認します。

  • 若手や経験の浅い社員へ助言した経験
  • 自分と異なる施工方法や社内ルールへの向き合い方
  • 希望する勤務日数や勤務時間
  • 今後何年程度、どのように働きたいか
  • 中小規模の会社で担いたい役割

勤務体系については、時短などの調整も選択肢になります。フルタイムに限定せず、許可取得と現場体制に必要な役割を果たせる働き方をすり合わせます。

4.若手採用は止めず、常に候補者と接点を持つ

当面の有資格者を採用できても、若手採用を閉じる必要はありません。

採用活動は、一度止めると再開時に求人票の作成や紹介会社との調整からやり直すことになります。候補者が少ない時期でも窓口を開け、良い人がいれば面接する状態を保つほうが動きやすくなります。

社内でも「採用はやり続けないといけない」という認識が共有されていました。

足元の許可取得と、中長期の世代交代を別の採用計画として並行させることが、施工管理体制を途切れさせない進め方です。

まとめ

施工管理技士が採れないとき、最初に見直したいのは年齢の上限です。ただし、単に対象年齢を広げればよいわけではありません。

採用の目的を確認し、候補者を見る軸を整理します。

  • 必要な資格を持っているか
  • 現場で生かせる経験と知見があるか
  • 既存社員へ助言できるか
  • 会社のやり方に柔軟に合わせられるか
  • 周囲とコミュニケーションを取れるか
  • 意欲と体力に合った働き方を設計できるか

許可取得を急ぐなら、元気なシニア人材まで対象を広げて当面の体制をつくり、若手採用は中長期で続ける。この二段構えなら、目の前の経営課題と将来の組織づくりを切り分けて進められます。

年齢条件を変えることは、採用基準を下げることではありません。会社にとって本当に必要な役割へ、判断軸を戻すことです。

施工管理技士の採用条件を、自社の必要な体制から整理するために

施工管理技士の採用では、資格要件、許可取得までの期限、現場で担ってほしい役割、勤務条件を一緒に整理する必要があります。「若手を待つべきか」「シニアまで広げるべきか」と迷う段階でも、まず優先順位を言葉にすると次の一手が見えやすくなります。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、人材確保、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。自社の場合は何を優先すべきか、採用条件をどこから見直すべきかという段階からでもご相談いただけます。

無理にサービスを勧めることはありません。建設業の経営課題を整理し、ものづくりに集中できる体制を考える機会としてお声がけください。

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