前提

近畿圏で8名規模の専門工事会社が、経験者のいないニッチな仕事に若手を迎えようとしている状態

近畿圏で産業用設備まわりの電気工事を手がける、8名規模の専門工事会社の話です。一般的に想像される「町の電気工事」とは少し違い、蓄電池設備や電源まわり、ケーブル工事など、かなり専門性の高い領域を扱っています。

社内には10年以上の経験を持つ職人が複数名おり、現場力はあります。仕事量も、人が増えれば受けられる余地がある状態です。一方で、社長は「うちの仕事の経験者って、おそらくいないので」と話していました。

つまり、採用で狙うべき相手は経験者ではなく、未経験から育つ可能性のある若手になります。ただし、仕事内容がニッチであるほど、入社前のイメージと入社後の現実にズレが起きやすくなります。

この会社でも、過去数年で数名の退職がありました。中には、入社して数日で退職代行を通じて辞めた人もいたそうです。理由を聞くと、「思っていた仕事と違った」「人が合わなかった」というものでした。

これは単なる定着の問題ではなく、採用前の期待値調整の問題として見る必要があります。

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  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

仕事内容が伝わりにくい会社ほど、入社後ではなく応募前にミスマッチが起きている

専門工事会社の採用では、「入ってから教えればいい」と考えたくなる場面があります。特に、現場で見て覚える仕事では、文字で説明しきれない部分が多いからです。

ただ、求職者側は求人票や採用ページ、面接で受け取った限られた情報をもとに、「たぶんこういう仕事だろう」と想像します。その想像が現実とズレると、入社後すぐに違和感が出ます。

今回のようなニッチな電気工事では、求職者が「電気工事」と聞いて思い浮かべる仕事と、実際の現場が大きく違う可能性があります。一般住宅や店舗の配線をイメージしていた人が、メーカーやインフラ系の現場で、専門設備に関わる仕事に入る。これ自体は魅力でもありますが、事前に伝わっていなければミスマッチになります。

「電気工事です」と伝えるだけでは、求職者の頭の中に別の仕事が立ち上がってしまうことがあります。

また、「人が合わない」という退職理由も、職場の誰かが悪いという話だけではありません。現場での教わり方、先輩との距離感、複数の職人から学ぶ環境、仕事の覚え方が、本人の想像と違っていた可能性があります。

この会社では、若手を日々違う先輩につけながら、「いろんな先輩のやり方を見て、自分に合ったやり方を見つけてくれたらいい」という考え方で育てていました。これは現場力のある会社らしい育て方です。一方で、若手によっては「どれが正解なのか分からない」と感じることもあります。

退職理由として出てくる言葉は入社後の不満に見えますが、実際には採用前に確認しきれていなかった認識のズレが表に出ていることがあります。

背景

ニッチな専門工事では、求人票のきれいな言葉だけでは現場の実態が伝わりにくい

背景にあるのは、仕事そのものの説明難易度です。

この会社の仕事は、一般的な電気工事経験者でも即戦力になりにくい領域です。社長も「町の電気工事屋さんの経験者といっても、なかなか即戦力にはならない」と話していました。

それだけ特殊な仕事であれば、採用ページや求人票で伝えるべきことは、給与や休日、資格支援だけでは足りません。むしろ重要なのは、求職者が入社後の自分を具体的に想像できるだけの仕事説明です。

たとえば、次のような情報です。

  • どんな設備に関わる仕事なのか
  • 一般的な電気工事と何が違うのか
  • 最初の数ヶ月は何を見るのか、何を任されるのか
  • どの範囲の現場に行くことがあるのか
  • 先輩からどのように教わるのか
  • どれくらいで一人前になるイメージなのか
  • 向いている人、合いにくい人はどんな人か

特にこの会社では、近畿圏を中心に、ときには中部・中国・四国方面の現場もあります。取引先もメーカーや大手グループ関連の現場が多く、一般消費者向けの工事とは雰囲気が違います。

こうした情報は、会社側にとっては当たり前でも、未経験の若手には当たり前ではありません。

採用で大事なのは、会社の魅力を盛ることではなく、入社後に起きる現実を先に言葉にしておくことです。

もう一つの背景は、育成の属人性です。

現場仕事では、資料で説明するより「現場で見たほうが早い」という場面が多くあります。この会社でも、「資料で説明するより、現場で見させるほうが一番伝わりやすい」という考えがありました。

これは自然なことです。ただし、採用前の段階では、求職者はまだ現場を見ていません。だからこそ、求人票・採用ページ・面接・現場見学の中で、現場に近い情報をどこまで渡せるかが重要になります。

解決

求人票・面接・現場見学をつなげて、入社前に「想像と現実の差」を小さくする

短期離職を防ぐには、入社後のフォローだけでなく、採用前の設計を見直すことが効果的です。特にニッチな専門工事では、応募を増やす採用と、ミスマッチを減らす採用を分けて考えないことが大切です。

まず見直したいのは、求人票と採用ページです。

「未経験歓迎」「手に職がつく」「安定した仕事」といった言葉は必要ですが、それだけでは他社との差も、仕事の実態も伝わりません。そこに加えて、以下のような表現を入れると、求職者の理解が進みます。

  • 「一般住宅の配線工事ではなく、産業用設備まわりの電気工事が中心です」
  • 「入社後すぐに一人で作業を任せるのではなく、先輩の現場に同行して覚えます」
  • 「複数の先輩のやり方を見ながら、自分に合う進め方を身につけていきます」
  • 「一人前になるスピードには個人差があり、1年で伸びる人もいれば、数年かけて覚える人もいます」

ここで重要なのは、良い面だけでなく、戸惑いやすい点も先に伝えることです。

「難しそうだから応募が減る」のではなく、「分かったうえで応募する人が残る」と考えるほうが、専門工事会社の採用には合っています。

次に、面接で確認すべきことです。

面接では、志望動機や勤務条件だけでなく、求職者が仕事内容をどう理解しているかを確認します。たとえば、次のように聞くと認識のズレが見えやすくなります。

  • 「電気工事と聞いて、どんな作業をイメージしていますか」
  • 「うちの仕事で、一般的な電気工事と違いそうだと思った点はありますか」
  • 「最初は見て覚える時間が多くなりますが、その働き方はどう感じますか」
  • 「複数の先輩から教わる場面がありますが、分からない時に質問できそうですか」
  • 「現場ごとに場所や相手先が変わる働き方について、抵抗はありますか」

面接は会社が選ぶ場であると同時に、求職者が「自分に合うか」を判断する場でもあります。ここで無理に良く見せすぎると、入社後に反動が出ます。

面接の目的は、入社意欲を上げることだけではなく、入社後に続く前提をそろえることです。

さらに、できれば現場見学や社員面談を入れたいところです。

ニッチな仕事ほど、言葉だけでは伝わりません。もちろん、安全面や取引先の都合で見せられる現場には制限があります。それでも、可能な範囲で次のような機会をつくるだけで、入社後のギャップは小さくなります。

  • 実際の工具や仮設設備を見せる
  • 現場写真を使って作業の流れを説明する
  • 若手に近い立場の社員と話す時間をつくる
  • 10年以上の経験者から「最初につまずきやすいこと」を話してもらう
  • 入社後1ヶ月、3ヶ月、半年の過ごし方を説明する

特に効果があるのは、若手に近い社員との面談です。社長やベテランが話す会社説明も大切ですが、求職者にとっては「自分に近い人がどう感じているか」が判断材料になります。

採用前に現場のリアルを少し見せることは、辞退を増やすためではなく、入社後に続く人と出会うための工程です。

最後に、会社側で面接後の判断軸をそろえておくことも欠かせません。

この会社では、履歴書が届いた際に2〜3名で相談する動きがありました。これは良い進め方です。そこに、ミスマッチ防止の観点を加えるなら、以下のようなチェック項目を持つと判断しやすくなります。

  • 仕事内容を自分の言葉で説明できているか
  • 「思っていた仕事と違う」と感じそうな点を事前に話せているか
  • 現場で見て覚える育ち方に大きな抵抗がないか
  • 分からない時に質問する姿勢があるか
  • 長く覚えていく仕事であることを理解しているか

スキルや元気の良さだけで決めるのではなく、仕事理解の深さを採用判断に入れることが、短期離職の防止につながります。

まとめ

ニッチな専門工事会社では、採用の難しさが「応募が来ない」だけに見えがちです。ただ、実際には応募後・入社後に「思っていた仕事と違う」というズレが起きていることもあります。

このズレを防ぐには、求人票をきれいに整えるだけでは足りません。仕事内容、育ち方、現場の範囲、先輩との関わり方、一人前になるまでの時間を、採用前から具体的に伝える必要があります。

短期離職を減らす採用は、入社後の根性論ではなく、入社前の期待値調整から始まります。

特に、経験者がほとんどいない専門領域では、未経験者に「この仕事は自分に合いそうか」を判断してもらう材料を渡すことが大切です。現場見学、社員面談、面接での認識確認を組み込むだけでも、採用の質は変わります。

人が増えれば仕事を受けられる会社ほど、採用の入口を丁寧に整える価値があります。無理に良く見せるより、現場の実態を誠実に伝えるほうが、結果的に長く働く人との出会いにつながります。

自社の仕事をどう伝えればミスマッチが減るかを整理する

「うちの仕事は説明しにくい」「求人票に何を書けばいいか分からない」「面接で何を確認すればよいか迷う」という段階でも、採用の見直しは始められます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、人材確保、組織づくり、教育体制の整理まで、現場の事情を踏まえて一緒に考えています。求人原稿や採用ページの見直しだけでなく、面接設計、現場見学、社員面談の組み込み方まで、会社ごとの状況に合わせて整理できます。

「うちの場合は、何を先に直すべきか」を確認するだけでも構いません。無理な営業はいたしませんので、まずは現状の整理先としてご活用ください。

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