創業数年の専門工事会社が、職人を増やすより営業社員と協力会社管理で元請け化を進めようとしている段階
鹿児島県を中心に動く、創業4年ほどの専門工事会社での相談です。代表は一人親方に近い形から事業を立ち上げ、現在は自分で案件対応や取引先対応を回しながら、今後の体制を考えていました。
方向性として出ていたのは、職人を大きく増やすよりも、営業社員を入れて案件獲得と協力会社管理を任せ、会社として元請け側に回れる体制をつくりたいというものです。
代表の言葉を借りると、「最近は自分の手が回らないところもあるので、営業社員に任せた方が仕事が効率よく回るのかな」という状態です。将来的には営業を2〜3人置く構想があり、まずは早めに1人入れたい。ただし、営業社員を採った経験がないため、給与水準、求人の出し方、任せる仕事内容がまだ探り探りでした。
ここで大事なのは、採用そのものだけを切り出して考えないことです。初めて営業社員を入れる会社では、「誰を採るか」と同じくらい「入社後にどう立ち上げるか」が定着と成果を左右します。
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- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
営業経験者を採れば何とかなる一方で、入社後に放任すると成果も定着も本人任せになる
営業経験者を採りたい理由は自然です。代表自身が「営業の仕方を教えられない」と感じている場合、未経験者を一から育てるより、すでに営業の流れを知っている人に来てもらいたいと考えるのは無理のない判断です。
ただ、経験者採用には別の難しさがあります。営業経験者は、採った瞬間に自社の営業ができるわけではありません。
建設業、とくに専門工事会社の営業は、一般的な法人営業とは少し違います。案件を取るだけでなく、現場の段取り、協力会社の実力、見積の精度、工期、安全、利益の残し方まで見ながら動く必要があります。エンドユーザーを開拓するのか、元請け先を広げるのか、協力会社を集めるのかによっても、やることは大きく変わります。
相談企業でも、営業社員に期待する業務として、次のような内容が混在していました。
- エンドユーザーや新規取引先の開拓
- 協力会社の開拓
- 書類作成
- 代表の手が回らない業務の引き受け
- 将来的な下請け管理、案件管理
どれも必要な業務です。ただし、入社直後の1人に全部を任せると、本人は何を優先すべきか分からなくなります。会社側も「営業なのだから成果を出してほしい」と思いながら、何をもって成果と見るかが曖昧になります。
その結果、よく起きるのが次の状態です。
「経験者だから大丈夫」と任せたものの、会社の勝ち筋や判断基準を共有していないため、営業社員が孤立し、成果が出る前にお互いの期待がずれていく。
これは本人の能力だけの問題ではありません。初めて営業社員を入れる会社では、営業部門そのものがまだ存在していないため、教育、評価、フォローの仕組みも未整備であることが多いのです。
社長が営業を教えられない会社ほど、営業のやり方ではなく自社の判断基準を先に渡す必要がある
代表は「最初は経験者の方がいい。自分も営業の仕方を教えられないので」と話していました。この感覚は、多くの専門工事会社に共通します。
ただし、社長が教えるべきことは、営業トークやテレアポの細かいやり方だけではありません。むしろ、経験者に対してこそ先に渡すべきなのは、自社として何を取りに行き、何を断り、どの水準なら任せられるかという判断基準です。
たとえば、協力会社を開拓する営業であれば、単に名刺を集めればよいわけではありません。
- 対応できる工種やエリア
- 人数や繁忙期の受け皿
- 品質、安全、報連相の水準
- 単価感と支払い条件の相性
- 小規模案件から試せるか
- 自社の現場と相性がよいか
こうした基準がないまま「協力会社を増やして」と伝えると、数は増えても実際には使いづらい、現場でトラブルになる、利益が残らない、ということが起きやすくなります。
エンドユーザーや取引先の開拓でも同じです。どんな案件なら利益が残るのか。どんな案件は手離れが悪いのか。どの地域なら対応しやすいのか。既存の協力会社で回せる案件なのか。社長の頭の中には判断材料があるはずですが、営業社員には最初から見えていません。
営業経験者に必要なのは、自由に動ける環境ではなく、会社の勝ち筋が分かる地図です。
採用前の段階で給与や求人内容が分からないという悩みも、実はここにつながっています。仕事内容と成果基準が曖昧なままだと、給与の妥当性も評価の仕方も決めにくくなります。逆に、入社後3か月、6か月、1年で何を任せ、どこまでできればよいかが見えてくると、求人票に書く内容も、面接で確認すべきことも具体化しやすくなります。
初めての営業社員は、採用前から任せる範囲・成果指標・同行・評価面談を決めて迎える
営業社員の定着と戦力化は、入社後に考え始めるより、採用前から設計しておく方が進めやすくなります。特に初めて営業社員を入れる場合は、「採る準備」ではなく「受け入れて成果が出るまでの準備」までをセットで考えることが重要です。
まず整理したいのは、営業社員に任せる範囲です。
相談企業のように、案件獲得も協力会社開拓も書類作成も任せたい場合でも、最初から全部を同じ重さで任せるのは避けた方がよいです。最初の3か月は、会社の理解と既存業務の引き継ぎに寄せる。次の3か月で新規開拓を増やす。半年後から数字責任を少しずつ持たせる。このように段階を分けると、本人も動きやすくなります。
たとえば、最初の設計は次のように置けます。
- 入社1か月目:既存案件、協力会社、見積・書類の流れを覚える
- 入社2〜3か月目:社長同行で取引先や協力会社に顔を出す
- 入社4〜6か月目:協力会社候補のリストアップ、初回接点、簡単な案件対応を担当する
- 入社6か月以降:新規取引先開拓や協力会社開拓の目標を持つ
ここでのポイントは、社長が営業手法をすべて教えなくてもよいことです。代わりに、社長が持っている顧客観、案件の良し悪し、協力会社を見る目、利益が残る条件を言語化して渡すことが大切です。
次に、成果指標を売上だけにしないことです。入社直後の営業社員に売上だけを求めると、成果が出るまでの期間が評価しづらくなります。特に建設業では、初回接点から案件化まで時間がかかることもあります。
初期の評価指標は、次のように分けると現実的です。
- 行動指標:訪問数、架電数、紹介依頼数、協力会社候補への接触数
- 進捗指標:見積依頼数、現調数、商談化数、協力会社面談数
- 品質指標:報告の正確さ、見積・書類の期限遵守、現場への引き継ぎ精度
- 結果指標:受注件数、粗利額、継続取引先数、稼働できる協力会社数
最初から売上だけで見るのではなく、行動、進捗、品質、結果を段階的に見ることで、成果不振なのか、立ち上がり途中なのかを判断しやすくなります。
同行と引き継ぎも欠かせません。経験者だからといって、初日から一人で外に出すのではなく、最初は社長が既存取引先や協力会社に同行し、「この会社とはこういう関係」「この担当者はここを気にする」「この単価帯だと利益が残りにくい」といった背景を共有します。
協力会社開拓については、リストを作る前に基準を決めておきます。どの工種が足りないのか。どのエリアを厚くしたいのか。すぐ発注できる会社がほしいのか、繁忙期の受け皿がほしいのか。ここが曖昧だと、営業社員は動いているのに成果につながりにくくなります。
評価制度も、最初から大がかりなものを作る必要はありません。まずは、基本給に対して何を期待するのか、成果に対してどこまで評価するのか、行動や社内貢献をどう見るのかを簡単に決めます。営業職は数字で見やすい一方で、建設業では見積、段取り、協力会社調整、現場への引き継ぎといった裏側の仕事も成果に直結します。
そのため、評価は次の3つで見ると整理しやすくなります。
営業数字だけでなく、現場に迷惑をかけずに案件をつなげているか、協力会社との関係を積み上げているか、社長の手離れを本当に進めているかを見る。
最後に、定期面談です。入社後3か月は週1回、少なくとも隔週で短い面談を入れるのがおすすめです。内容は難しくなくて構いません。
- 今、動いている案件は何か
- 止まっている理由は何か
- 社長判断が必要なことは何か
- 協力会社や取引先で気になる点は何か
- 本人が困っていることは何か
この面談がないと、営業社員は外で何をしているか見えづらくなり、社長側も不安になります。本人側も、成果が出る前に「期待されていない」「何をすれば評価されるか分からない」と感じやすくなります。
営業社員を定着させるフォローとは、甘やかすことではなく、期待値と判断基準をこまめにすり合わせることです。
まとめ
営業経験者を採りたいという判断は、社長の手が回らなくなり、会社として元請け化や協力会社管理を進めたい段階では自然な流れです。ただし、経験者採用であっても、入社後の教育・評価・フォローがなければ、成果も定着も本人任せになってしまいます。
特に初めて営業社員を入れる会社では、営業ノウハウそのものより先に、次の整理が必要です。
- 何を任せる営業なのか
- 入社3か月、6か月、1年でどこまで期待するのか
- 売上以外に何を成果として見るのか
- 既存取引先や協力会社をどう引き継ぐのか
- 協力会社開拓の基準をどう置くのか
- どの頻度で面談し、何を確認するのか
営業社員を採る前に受け入れ体制を整えることで、「採ったけれど続かない」「経験者なのに成果が見えない」というズレを減らせます。
社長が営業を教えられない場合でも、会社の勝ち筋や案件判断は社長の中にあります。そこを言語化し、営業社員が動ける形に変えることが、初めての営業採用では大きな一歩になります。
初めての営業社員を迎える前に、社内体制を一度整理しておく
営業経験者を採るか、未経験者を育てるか。給与をどう置くか。協力会社開拓まで任せるか。こうした判断は、会社の今後の方向性や現場体制によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、採用、組織づくり、原価管理、デジタル活用、販路拡大まで横断して整理し、実行まで支援しています。営業社員の採用についても、求人を出す前の役割設計、採用後の教育・評価・フォロー体制づくりから一緒に考えることができます。
「うちの場合、営業に何を任せるべきか」「経験者を採っても定着するか不安」「何から決めればよいか分からない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の相談先としてご活用ください。





























