前提

8名弱で夜間の鉄道電気工事を担い、10名体制を目指す会社の現在地

兵庫県を拠点に、近畿圏で鉄道関連の電気工事を手がける、8名弱の専門工事会社があります。創業から半世紀ほどの実績があり、電車を走らせるための電気を送る設備など、専門性の高い工事を担っています。

仕事は継続的にあります。一方で、取引先からは「もう少し人数が必要ですね」と言われることもあり、現在の体制から10名程度まで増やしたい意向があります。

特に採用したいのは20代です。かつての20代社員はすでに30代になり、社長や一部の社員も年齢を重ねています。

「自分で動かないと、どうしても駄目ですね」

求人ページを公開しても反応はほとんどなく、人材関連の会社から提案を受けても応募にはつながりません。そこで次の一手として考えているのが、工業高校などへの訪問です。

ただし、すぐに学校を回るのではなく、まずは社労士に相談し、会社としての雇用体制を整えてから動こうとしています。高校訪問は求人票を持っていく活動ではなく、若手を迎え、育て、働き続けてもらえる会社かを整理するところから始まります。

1週間で 14件の相談 がありました

  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
  • 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
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課題

求人LPを公開しても反応がなく、高校訪問に活路を探す若手採用

高校訪問を始める際の難しさは、会社に技術や仕事があっても、その価値が高校生や進路指導担当者に伝わる形になっていないことです。

鉄道関連の電気工事は、一般住宅の屋内配線とは仕事内容が異なります。電車線やその周辺設備など、工事の幅も広く、電気の知識がない相手へ短時間で説明するのは簡単ではありません。実際、この会社でも「仕事の内容を説明するのがややこしい」という言葉が出ていました。

さらに、仕事のほとんどが夜勤です。会社側も「若者向けにはほど遠いかもしれない」と感じています。

ここで夜勤を曖昧にしたまま、社会インフラを支える仕事という魅力だけを伝えても、入社後の認識違いにつながります。反対に、「夜勤があるから若手には無理」と決めつけてしまえば、仕事の面白さや教育環境を伝える前に採用を諦めることになります。

必要なのは、夜勤を隠すことでも過度に強調することでもなく、働き方と仕事の価値を具体的に並べて伝えることです。

背景

夜勤中心の特殊電気工事と、長年採用が止まっていた組織の説明不足

この会社では、直近数年間に正社員の採用がなく、新しく加わったのはアルバイト1名です。既存社員は長く勤務しており、現場の関係性や教育力はあります。若手を教えられる社員がいるかという問いにも、「十分にあります。そこは問題ありません」と答えています。

ただし、「教えられる人がいること」と「学校へ説明できる教育体制があること」は別です。

学校側から見れば、確認したいのは次のような点です。

  • 入社後は誰が教育を担当するのか
  • 最初にどの仕事から覚えるのか
  • 夜勤へ入るまでにどのような準備をするのか
  • 必要な資格をいつ、どのように取得するのか
  • 資格取得の費用や学習時間を会社がどう支えるのか
  • 数年後にどのような仕事を任されるのか

この会社は、採用時点の資格を重く見ていません。「資格は採用の決め手ではない。入社してから育てたい」という考えです。これは高校新卒採用との相性が悪い考え方ではありません。

一方で、資格が不要という説明だけでは、卒業後の成長像が見えません。採用時に資格を求めないのであれば、入社後に必要となる資格、取得時期、支援内容まで一緒に示す必要があります。

また、現在は別の経営課題への対応を優先しており、高校訪問は翌年以降を想定しています。採用へ大きな費用をかけにくい時期だからこそ、焦って訪問件数を増やすより、社内で準備できることを先に進めるほうが現実的です。

学校訪問の成否は訪問回数だけではなく、訪問前にどこまで自社の働き方と育成方針を言葉にできるかで変わります。

解決

労務・教育・会社案内を整えてから始める継続的な高校訪問

高校訪問の準備は、労務体制、教育計画、会社案内、訪問先の順に整理すると進めやすくなります。

1.夜勤を前提とした労務条件を確認する

最初に行いたいのは、社労士などと相談しながら、高校新卒者を迎える前提で労働条件を確認することです。

特に夜勤が中心となる会社では、求人票の記載だけで終わらせず、次の点を説明できる状態にします。

  • 夜勤の頻度と勤務時間
  • 休憩、休日、夜勤後の休み方
  • 現場までの移動方法
  • 手当を含めた給与の考え方
  • 入社直後から夜勤へ入るのか、準備期間を設けるのか
  • 体調管理や安全面でどのような配慮をするのか

大切なのは、条件をよく見せることではありません。高校生本人と保護者、進路指導担当者が、入社後の生活を具体的に想像できる説明にすることです。

2.「教育担当がいる」を育成計画へ落とし込む

教育できる社員がいる場合は、その強みを簡単な計画に変えます。立派な研修制度を一からつくる必要はありません。

まずは、入社から現場へ慣れるまでを段階に分けます。誰と現場へ入り、何を見学し、どの作業から覚え、どの状態になれば次へ進むのかを整理します。

資格についても、採用条件として求める資格と、入社後に取得してもらう資格を分けます。取得費用、講習への参加、勉強時間など、会社として支援できる範囲を決めておくと説明しやすくなります。

資格の有無で入口を狭めない代わりに、入社後の成長を会社がどう支えるかを明確にします。

3.特殊電気工事を高校生にも伝わる会社案内にする

会社案内では、沿革や売上規模を並べるだけでなく、「何のための工事か」を中心に伝えます。

たとえば、鉄道関連の電気工事であれば、専門用語だけで説明せず、「電車が安全に走るための電気を届ける仕事」と表現できます。そのうえで、一般的な電気工事との違い、夜間に施工する理由、仕事の幅を補足します。

会社案内に入れたい内容は、次のとおりです。

  • 会社が担っている工事の役割
  • 具体的な仕事内容
  • 夜勤を含む一日の働き方
  • 教育担当者と育成の流れ
  • 入社後に取得する資格と支援内容
  • 卒業後に身につく技術
  • 数年後に任せたい役割

会社案内は会社を大きく見せる資料ではなく、入社後の仕事と成長を誤解なく伝える資料です。

4.訪問先は「採用できそうか」だけで選ばない

訪問先は、工業高校や電気系学科がある学校だけに絞り込む必要はありません。仕事内容との相性に加えて、通勤可能な地域か、夜勤を含む働き方を現実的に選択できるかも確認します。

最初から多くの学校を回るより、会社の商圏や通勤圏を踏まえて候補を絞り、各校の進路指導方針を理解するほうが進めやすくなります。

訪問時も、いきなり採用人数だけを相談するのではなく、次の点を聞いてみます。

  • 生徒が就職先を選ぶ際に重視していること
  • 保護者から多く出る質問
  • 会社案内で不足している情報
  • 夜勤のある仕事を説明する際の注意点

学校から得た反応は、労働条件や会社案内を見直す材料になります。高校訪問は自社の説明を一方的に行う場ではなく、若手へ伝わる採用条件を一緒に探る場でもあります。

5.単発訪問ではなく、翌年以降につながる関係をつくる

初回訪問ですぐに応募が出るとは限りません。求人媒体と同じ感覚で短期の反応だけを見ると、「学校訪問も効果がなかった」と判断しやすくなります。

訪問後は、質問された内容を社内へ持ち帰り、会社案内や教育計画を更新します。そのうえで、採用状況にかかわらず情報を届け、翌年も同じ説明ができるよう記録を残します。

担当者が変わっても継続できるよう、訪問日、面談相手、学校からの意見、次回伝える内容を一覧にしておくと、活動が社長個人の記憶だけに依存しません。

高校採用は一度の訪問で応募を得る活動ではなく、学校から「卒業生を送り出せる会社」と理解してもらう積み重ねです。

まとめ

求人ページをつくっても反応がなく、高校訪問を検討する専門工事会社は少なくありません。ただ、媒体を学校訪問へ置き換えるだけでは、採用の状況は大きく変わりにくいものです。

訪問前に整えたいのは、次の5点です。

  • 夜勤を含む労働条件
  • 教育担当者と育成の流れ
  • 入社後の資格取得支援
  • 仕事内容とキャリアを伝える会社案内
  • 訪問先の選定と継続的な記録

特に、資格を持った完成人材を探すのではなく、若手を自社で育てたい会社には、高校採用を検討する余地があります。そのためには、現場にある教育力を学校側へ伝わる形に変えることが欠かせません。

高校を訪問する前に、「若手を採りたい」から「若手をどう迎え、どう育てるか」まで整理することが、最初の一歩です。

高校訪問の前に、自社の採用条件と教育体制を整理するなら

夜勤のある専門工事や、仕事内容を短く説明しにくい会社では、「うちの場合は何を伝えればよいのか」「学校へ行く前に何から整えるべきか」で迷うことがあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の人材課題を、労務、教育体制、組織、現場運営まで横断して整理し、実行まで支援しています。会社案内や訪問先を考える前の段階でも問題ありません。

ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、各社の現在地に合う進め方を一緒に整理します。無理にサービスを勧めることはありませんので、社内だけでは整理しにくいときにご活用ください。

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