前提

代替わりを機に5年後の売上約8億円と十数名体制を目指す千葉県の施工会社

千葉県で工事を手がける、少人数の建設会社があります。今年、先代から代替わりし、5年後には売上約8億円、従業員十数名の体制を目指しています。

仕事がないわけではありません。むしろ課題は、仕事を受ける側の体制です。

「繁忙期に協力会社へ頼んでも、忙しくて行けないと断られてしまう」

受注の話があっても、施工する人を確保できなければ引き受けられません。売上を伸ばしたくても、協力会社の空き状況に左右されます。

そこで経営者が第一優先に挙げたのが、自社で作業員を抱えることでした。

受注機会はあるのに施工人員が足りない会社では、営業強化より先に供給側である自社施工体制を整える必要があります。

一方で、経営者は現在も現場を見る時間が長く、採用や組織づくりについて落ち着いて考える時間を取りにくい状況です。

「会社を成長させたいと言っても、やらなければいけないことがたくさんあります」

この言葉には、少人数の建設会社が成長するときの難しさがよく表れています。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

繁忙期の協力会社不足によって受注量を自社で決められない状態

協力会社を活用すること自体が問題なのではありません。建設業では、工種や時期に応じて外部の力を借りることは一般的です。

問題は、自社が受けられる工事量まで、協力会社の都合で決まってしまうことです。

とくに繁忙期は、取引先から声がかかる時期と、協力会社が埋まる時期が重なります。「人がいれば受けられた」という案件が増えるほど、機会損失も積み上がります。

さらに、5年後の売上目標を掲げていても、次の項目が整理されていなければ、採用人数を決められません。

  • 目標売上を実現するには、年間でどれだけ施工する必要があるか
  • 通常月と繁忙期に、それぞれ何班必要か
  • 自社で担う工程はどこか
  • 協力会社へ依頼し続ける工程はどこか
  • 未経験者を採用した場合、戦力化まで誰が育てるか

「まずは何人か採用したい」という考えだけでは、採用後の配置や育成が曖昧になります。反対に、必要人数を多く見積もりすぎると、閑散期の固定費が重くなります。

目指すべきなのは外注をなくすことではなく、最低限の受注を自社で完結でき、繁忙期には協力会社と組んで施工量を広げられる体制です。

背景

売上目標と必要人員がつながらず、採用媒体の選定が先行しやすい構造

施工人員が不足すると、求人媒体への掲載や採用サイトの制作を急ぎたくなります。ただ、先に求人を出しても、「どのような人に来てほしいか」が曖昧では、自社に合う人材へ届きにくくなります。

現在は求人の入口が増えています。正社員、アルバイト、人材紹介、求人検索サービスなど、選択肢はさまざまです。そのため、広告費をかけるだけではなく、どこにいる、どのような人材へ、何を伝えるかを先に決めることが欠かせません。

実際、ある専門工事会社では、待遇を大きく変えず、仕事内容の見せ方を変えました。万人に好かれる表現ではなく、その仕事に関心を持つ人へ強く届く打ち出しに切り替えた形です。

別の施工会社では、「しっかり働いて稼ぎたい人」と「休日を重視したい人」の二つの入口を用意しました。入社後も定期面談を行い、本人の希望に応じて働き方を見直せるようにしています。

ここで重要なのは、表現だけをまねることではありません。自社の施工体制に必要な人材像と、実際の働き方を一致させることです。

また、採用した人が早期に辞めれば、現場の負担は軽くなりません。受け入れる先輩が決まっていない。仕事の教え方が人によって違う。将来どのような役割を担えるか見えない。こうした状態では、採用を増やすほど既存社員が忙しくなる場合もあります。

施工体制の整備は、採用人数だけの問題ではなく、受け入れ、育成、評価までをつなぐ組織づくりです。

解決

売上目標から必要班数を逆算し、内製範囲を決めて採用・育成・定着を順番に進める設計

自社施工体制を整えるときは、いきなり求人媒体を決めるのではなく、次の順番で考えると整理しやすくなります。

1.売上目標を施工量と必要班数へ置き換える

最初に、5年後の売上目標を年度ごとの受注量へ分解します。そのうえで、過去の工事実績から、一つの班が月間または年間で対応できる施工量を確認します。

見るべきなのは、売上だけではありません。

  • 工期が重なる月
  • 協力会社から断られた件数
  • 人がいれば受けられた工事
  • 現場管理と実作業に必要な人数
  • 入社後、単独で任せられるまでの期間

この情報を並べると、「今すぐ必要な人数」と「数年かけて増やす人数」を分けられます。

採用人数は感覚で決めず、将来の受注量、班編成、育成期間から逆算します。

2.内製化する業務と外注を続ける業務を分ける

すべてを自社施工へ切り替える必要はありません。内製化するかどうかは、仕事量の安定性と、受注への影響度で判断します。

継続的に発生し、そこが止まると工事を受けられない工程は、自社で担う優先度が高くなります。一方、繁忙期だけ増える作業や、特定案件でしか必要にならない専門工程は、協力会社との連携を残したほうが柔軟です。

判断するときは、次の観点を確認します。

  • 年間を通して一定の仕事量があるか
  • 自社で持つことで受注判断が早くなるか
  • 品質や安全を社内で統一したい工程か
  • 未経験者でも段階的に育成できるか
  • 閑散期にも人員を活用できるか

受注の土台となる工程は内製化し、需要の波が大きい工程は協力会社と連携するのが基本線です。

3.採用前に最低限の受け入れ体制を決める

完璧な教育制度を先に作る必要はありません。ただし、入社初日から誰が何を教えるかは決めておきたいところです。

まずは、担当する先輩、最初に覚える作業、独り立ちの目安を簡単に整理します。若手や未経験者を採用するなら、OJTを担当する社員の負担も確認します。

社員への面談も有効です。「なぜ長く働いているのか」「入社前に何を知りたかったか」を聞くと、求人で伝えるべき自社の魅力と、改善すべき受け入れ課題が見えてきます。

4.必要な人材像に合わせて採用の入口を作る

人材像が決まったら、媒体を選びます。若手を採りたいのか、経験者を採りたいのか。将来の班長候補なのか、まず現場を支える作業員なのか。対象によって入口は変わります。

求人は、最初から大きな費用をかける方法だけではありません。無料掲載などで複数の表現を試し、反応のよい内容を確認してから有料施策へ広げる進め方もあります。

求人媒体を先に選ぶのではなく、必要人材と自社の魅力を決め、その人へ届く経路を選びます。

5.採用後は育成と定着を同時に進める

採用できた段階は、施工体制づくりの途中です。入社後はOJTの進捗を確認し、定期的な面談で本人の希望やつまずきを把握します。

人数が増えてきたら、職務基準や等級、評価の考え方も少しずつ言語化します。将来、作業員から職長や管理側へ進める道筋が見えると、本人も成長を考えやすくなります。

採用、育成、評価制度を一度に完成させる必要はありません。現状把握、採用基盤づくり、募集、OJT、評価の順に進めれば、少人数の会社でも取り組みやすくなります。

「採る」「育てる」「続けてもらう」を別々に扱わず、一つの施工体制として設計することが大切です。

まとめ

協力会社が捕まらず受注機会を逃しているなら、求人を出す前に、自社施工体制の全体像を整理する必要があります。

まず、将来の売上目標から必要な施工量と班数を逆算します。次に、受注の土台となる工程を内製化し、需要変動の大きい工程は協力会社との連携を残します。

そのうえで、受け入れ体制を整え、必要な人材へ届く採用方法を選びます。採用後はOJTや面談、評価の仕組みへつなげます。

自社施工体制の強化は、協力会社を減らす取り組みではありません。自社で受注を判断できる範囲を広げ、協力会社とも無理なく連携できる会社をつくる取り組みです。

経営者が現場を見ながら、採用や育成まで一人で進めるのは簡単ではありません。だからこそ、最初からすべてを変えようとせず、「何人必要か」「何を内製化するか」「誰が育てるか」の三点から整理すると、次の一手が見えやすくなります。

自社施工体制の組み立てを一度整理したい方へ

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、人材採用、育成、定着、組織づくりまで横断して整理し、実行を支援しています。

「うちの場合は何人必要なのか」「どの工程から内製化すべきか」「採用と教育のどちらから始めるべきか」といった段階でも構いません。現在の受注状況や協力会社との役割分担を確認しながら、無理のない進め方を一緒に考えます。

無理にサービスを勧めることはありません。ものづくりに集中できる体制を考えるための、次の整理先としてご活用ください。

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