前提

戸建てが売上の半分以上を占め、地域の工務店減少で受注が増えている会社の現在地

近畿圏を中心に新築戸建ての施工を請け負う、12名弱の建設会社があります。売上は10億円台前半。設計は協力会社や発注元が担い、自社は建物一式の施工管理を担う形です。

社員のうち6〜7名ほどが施工管理者として現場に入り、実際の施工は約90社の協力会社へ依頼しています。同じ工種でも頼める会社を複数確保し、新築とリフォームでは別の業者群を使い分けています。

ホームページ上ではリフォーム会社に見えるものの、実際には新築戸建てが売上の半分以上です。主な受注経路は、地域の不動産会社から持ち込まれる施工案件です。

住宅着工は先細りすると見ていましたが、足元の受注は減っていません。

「戸建てを建てる人は減っても、建てる人がいなくなるわけではありません。それ以上に、僕らくらいの規模の工務店がなくなって、頼める先が減っています」

地域の住宅需要が縮小していても、施工の受け皿がそれ以上の速さで減れば、残った会社には案件が集まります。市場全体の縮小と、自社の受注減少は必ずしも同時には起きません。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

戸建て受注が好調なため、非住宅へ移る時期を決めにくい状況

悩ましいのは、戸建ての仕事がなくなってから次を探すのでは遅い一方、受注が増えている今すぐ大きく転換する理由も見えにくいことです。

この会社も、数年前から工場や倉庫などの非住宅分野を第二の柱にしようと考えていました。将来的には、戸建てと非住宅を売上の「5対5」ほどにしたい意向があります。

ところが、予想に反して戸建て受注は増えています。既存顧客との関係もあり、現場を管理できる社員の人数にも限りがあります。好調な事業を止めてまで、未知の分野へ人を振り向ける判断は簡単ではありません。

ここで見るべきなのは、戸建ての受注件数だけではありません。第二の柱をつくるかどうかは、受注量ではなく「利益率」「市場の持続性」「施工管理者の余力」の組み合わせで判断する必要があります。

背景

売上規模より利益を残したい一方、戸建てでは利益率を上げにくい構造

会社が目指しているのは、売上を20億円、30億円へ増やすことではありません。

「売上はあまり見ていません。利益をどれだけ残せるかです」

現在の営業利益率は2割前後。まずは2割台半ば、将来的には2割台後半を目指しています。しかし、仕入先や協力会社への価格交渉には限界があります。すでに一件ずつ厳しく見ており、さらに外注費を下げても継続的な改善にはつながりにくい状況です。

一方、戸建ては受注が続いていても、高い利益率を取りにくい傾向があります。大手住宅会社の仕事も過去に経験しましたが、提示価格が合わず、赤字に近い条件で施工せざるを得ない時期がありました。そのため、単に戸建ての発注元を増やせばよいわけでもありません。

そこで候補に挙がっているのが、工場や倉庫です。設備投資を行える法人から元請けで受注できれば、2〜3割程度の利益率を見込める案件があります。商業施設や事業用建物についても、条件が合えば対応する考えです。

ただし、現状の案件獲得は「こちらをメインでやっていきたい」と知人へ声をかけ、話を待つ方法が中心です。相談は少しずつ入るものの、継続的に受注できる流れにはなっていません。

課題の本質は、戸建ての仕事が減っていないことではなく、利益を残せる非住宅案件を計画的に増やす仕組みがまだないことです。

解決

戸建てを維持しながら、利益率と管理余力を基準に非住宅を段階的に育てる進め方

戸建てと非住宅のどちらか一方を選ぶ必要はありません。現在の戸建て受注を維持しながら、工場・倉庫などを小さく積み上げる進め方が現実的です。

まず、「5対5」を売上比率だけで決めないことが大切です。事業ごとに、少なくとも次の項目を並べます。

  • 受注額と残る利益
  • 施工期間と施工管理者の拘束日数
  • 必要となる工種と、対応できる協力会社
  • 元請けとして負う管理範囲
  • 同じ発注元から継続受注できる可能性

売上が同じ1億円でも、必要な管理人数や利益は案件によって異なります。事業構成は売上の比率ではなく、「利益」と「施工管理者一人あたりの負荷」まで含めて決めることが重要です。

次に、非住宅案件を受ける前に、自社の対応範囲を整理します。この会社には、新築とリフォームで業者群を使い分けながら、入ってきた仕事に応じて協力会社を探してきた経験があります。この調達力は、非住宅分野でも土台になります。

ただし、「何でもできます」だけでは案件の選別が難しくなります。工場、倉庫、商業施設などのうち、既存の協力会社で主要工種を組めるものから優先します。施工管理者が経験している建物や工法も確認し、無理なく管理できる範囲を最初の対象にします。

初めての工事については、実績づくりのために利益率を抑えてでも受ける考え方があります。実際に「初めての仕事なら、最初は利益率が低くても話があればやる」という姿勢です。

その場合も、低い利益率を恒常化させない線引きが必要です。

  • 初回案件で確認したい施工上の課題を決める
  • 想定より管理負荷が増えた工程を記録する
  • 次回見積もりへ反映する費用を整理する
  • 継続受注時に確保したい利益率を決める

初回案件は単なる安値受注ではなく、次回から適正利益を取るための検証案件として扱います。

最後に、非住宅の受注目標を、施工管理者の余力とセットで置きます。管理者を積極採用する予定がないなら、受注を先に増やしすぎることはできません。誰が戸建てを担当し、誰が非住宅を担当するのか。既存案件を維持したまま試せる件数は何件か。ここを先に決めておくと、紹介案件が来た際にも判断しやすくなります。

第二の柱は一気につくるものではなく、既存事業を守れる範囲で受注、施工、採算検証を繰り返しながら太くしていくものです。

まとめ

地域の工務店が減る局面では、住宅市場全体が縮小していても、残った会社へ戸建て案件が集中することがあります。そのため、戸建て受注が増えている事実だけで、将来も同じ事業構成でよいとは判断できません。

確認したいのは、次の4点です。

  • 戸建てで確保できている利益率
  • 地域の受注が続く理由と持続性
  • 非住宅へ振り向けられる施工管理者の余力
  • 既存の協力会社で対応できる建物と工種

戸建てを手放すのではなく、好調なうちに非住宅を試し、利益を残せる受注パターンを見つけることが第二の柱づくりの第一歩です。

自社に合う第二の柱を、事業構成から整理したい方へ

戸建てを続けるべきか、工場・倉庫などの非住宅へどこまで人を振り向けるべきかは、売上だけでは決められません。案件別の利益、施工管理体制、協力会社の対応範囲、受注経路を一緒に並べると、自社に合った移行の順番が見えやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、組織、原価管理、現場体制、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は何を第二の柱にすべきか」「何から整理すればよいかわからない」という段階でも構いません。無理に話を進めることはありませんので、今後の事業構成を考える整理先としてお声がけください。

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