営業3名で、10年前から同じExcelリストを更新してきた首都圏の専門工事会社
首都圏で仮設工事を手がける、ある専門工事会社の話です。営業は社長を含めて3名。新規開拓では、インターネット上の建設業者情報や、過去に独自収集した企業情報をExcelへ蓄積してきました。
社長は営業先の地域まで車で行き、車内から電話をかけることもあります。
「今、近くにいるんですけど、少しだけ伺ってもいいですか」
この動き方なら、日程調整に時間をかけず、そのまま面談につながることがあります。営業方法そのものには、長年培った強みがあります。
一方で、Excelについて尋ねると、返ってきたのは率直な言葉でした。
「何社あるか、もう分からないですね。10年前から更新し続けていますから」
問題はExcelを使っていることではありません。企業情報の更新履歴と、次に営業するための情報が分けて管理されていないことです。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
個人名や古い売上情報で除外すると、法人化した有望企業まで営業対象から落ちる状態
古い営業リストでは、現在の企業像と登録情報が一致しないことが珍しくありません。
たとえば、塗装工事会社を検索すると、会社名ではなく個人名が表示されることがあります。個人事業者だと判断し、電話をかけないケースも出てきます。
しかし、実際に電話をすると状況が変わっていることがあります。
「個人名だから外そうと思うじゃないですか。でも電話すると、『今は法人にしています』『それは親父の代の屋号です』という話が出てくるんですよ」
事業承継や法人化を経て、戸建て工事を一定量受注する会社へ成長している可能性もあります。ホームページや外部データベースだけでは、その変化を拾い切れません。
売上高も同じです。設備会社の売上には、機器や材料の販売額が含まれることがあります。売上規模が大きくても、自社が受注できる工事は一部かもしれません。反対に、売上規模が小さく見えても、外注したい工種を継続的に持っている会社なら、有力な営業先になり得ます。
売上高、法人・個人、会社名といった表面的な条件だけで絞ると、「自社へ仕事を出す可能性」という本来見るべき情報を取りこぼします。
会社情報は古くなっても、電話で得た担当者・外注ニーズ・再営業時期が蓄積されていない実態
企業データは、作った時点から少しずつ古くなります。法人化、代替わり、担当者の異動、対応工種の変更、商圏の拡大などがあるためです。
この会社の社長は、その前提を踏まえて電話営業を捉えていました。
「電話営業をかけながら、データを作っているという意識のほうが強いかもしれないですね」
半日電話をすれば、すぐ受注できる会社ではなくても、再営業候補が10社ほど見つかることがあるそうです。そのうち1〜2社からは「今度、時間があれば会ってもいい」と言われることもあります。
ここで大切なのは、電話の成果を受注やアポイントだけで判断しないことです。
「情報を集めていると思えば、受注できなくても凹まないじゃないですか」
この捉え方には、リスト管理の本質があります。電話で確認できるのは、受付を突破できたかどうかだけではありません。
- 現在の法人名と旧屋号
- 実際に対応している工種
- 協力会社へ外注している仕事
- 発注や現場管理を担う担当者
- 今すぐ案件がない場合の再営業時期
- 商談や発注に至らなかった理由
こうした情報を残せば、古い名簿が次の営業判断に使えるデータへ変わります。
実際、この会社では、過去の知人へ2〜3カ月に一度の頻度で連絡を続け、10年越しで具体的な仕事につながった例もありました。
「今は仕事がない」は失注ではなく、再営業時期がまだ来ていない状態かもしれません。記録がなければ関係は途切れ、記録があれば次の接点をつくれます。
Excelに営業結果を上書きせず、再営業の判断材料が残る項目と更新手順をそろえる運用
古いリストは、すべて作り直すより、電話と商談を通じて更新するほうが実態に近づきます。まずはExcelに残す情報を、企業の基本情報と営業活動の情報に分けます。
1.変更される企業情報には、確認日を付ける
法人名、所在地、電話番号、事業内容、対応工種などは変わります。上書きだけをすると、いつ確認した情報なのか分かりません。
最低限、次の項目をそろえます。
- 現在の法人名
- 旧社名・旧屋号
- 所在地と対応エリア
- 電話番号とWebサイト
- 対応工種
- 情報源
- 最終確認日
正しい情報を一度集めることより、「いつ、どの方法で確認した情報か」を残すことが重要です。
2.電話の結果は、次の行動が決まる形で記録する
「不在」「見込みなし」だけでは、次に誰が見ても動けません。電話で得た内容を、次回の営業に使える粒度で残します。
- 担当者名と役割
- 外注している工事、内製している工事
- 協力会社の不足状況
- 対応可能な工種との一致
- 先方が重視する条件
- 再営業する時期
- 面談に至らなかった理由
- 次回に確認すること
たとえば「案件なし」ではなく、「設備工事に付随する仮設は外注。現在は固定業者で足りている。繁忙期前の3カ月後に再連絡」と残します。これなら、次回の担当者が同じ質問を繰り返さずに済みます。
3.優先順位は売上高ではなく、仕事の出方で付ける
売上規模は参考になりますが、それだけで営業順を決めるのは難しいところです。優先順位は、次の判断軸を組み合わせて考えます。
- 自社の対応工種を外注しているか
- 発注判断をする担当者につながっているか
- 案件が発生する頻度を確認できているか
- 再営業する時期が決まっているか
- 条件面や施工体制に大きな不一致がないか
すぐに面談できる会社だけでなく、「案件が出たら声をかける」と言われた会社も分けて管理します。案件発生時期が読めない工事ほど、定期接点の有無が差になります。
優先順位は会社の大きさではなく、「誰に、どの工事を、いつ提案すればよいか」が分かっている順に付けます。
4.商談結果をもとに、リストと電話トークを一緒に直す
電話でアポイントが取れても、会ってみると条件が合わないことがあります。安価な発注だけを求めていた、対象工種を外注していなかった、固定の協力会に入らなければ取引できなかった、といった理由です。
その結果を失注理由として記録し、次の電話で事前確認する項目へ反映します。
たとえば、金額そのものを電話で提示しなくても、自社の施工方法や対応範囲を伝え、「この進め方でも検討できますか」と確認できます。商談後に同じ理由で不一致が続くなら、対象企業の条件か電話トークのどちらかを見直します。
運用は次の順番で十分です。
- 既存リストへ電話する
- 企業情報と営業情報を更新する
- 面談結果と失注理由を記録する
- 優先順位を付け直す
- 電話で確認する内容を修正する
- 決めた時期に再営業する
営業リストは完成させてから使うものではありません。電話と商談の結果を戻しながら、受注につながりやすい形へ育てるものです。
まとめ
10年前から使っているExcelでも、すぐに捨てる必要はありません。その中には、現在は法人化している会社、担当者が変わった会社、外注ニーズが生まれた会社が含まれている可能性があります。
大切なのは、古い情報だけで機械的に除外しないことです。電話営業を受注活動だけでなく情報収集と捉え、担当者、外注ニーズ、対応工種、再営業時期、失注理由を残します。
そして、商談結果をリストと電話トークへ戻します。
受注につながる営業リストとは、企業名が多く並んだ表ではなく、次に誰へ何を確認するかが分かる表です。
自社の営業リストを、次に動ける形へ整理するために
「Excelはあるけれど、何社入っているか分からない」「過去の電話結果が担当者の記憶に残っている」「再営業の時期まで管理できていない」という段階でも、整理は始められます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の案件獲得や販路拡大について、営業先の整理、リストの更新項目、優先順位、電話トーク、商談後の運用まで横断して整理し、実行を支援しています。
自社の場合はどの情報から整えるべきか、まだ決まっていない段階でも構いません。状況を伺ったうえで一緒に整理します。無理に営業を進めることはありませんので、次の整理先として気軽にお声がけください。

































