施工管理の求人を出し続けても反応が薄く、有資格者の採用が長期戦になっている改修工事会社
首都圏で改修工事を手がける40名弱の建設会社では、施工管理人材の採用を続けていました。求人媒体や人材紹介会社を使い、求人タイトルも調整しています。それでも、期待する人材からの反応は多くありません。
大型案件の問い合わせはあります。しかし、受注に必要な資格者や現場を任せられる人材が足りず、案件を積極的に取りにいけない場面が出ています。
候補者がまったくいないわけではありません。資格を複数持つベテランや、現場監督の経験者から応募が来ることもあります。ただ、書類と対面時の印象に差があったり、会社の仕事の速さや若手とのコミュニケーションに合うか判断しにくかったりします。
「資格は魅力的だけれど、うちのスピード感で本当に仕事を任せられるだろうか」
採用を急いで資格だけで決めると、入社後に本人も周囲も苦しくなります。だからといって、人が採れるまで案件を待ち続けるわけにもいきません。
施工管理採用では、資格の有無だけでなく、自社の仕事の進め方に合うかまで採用前に確かめる必要があります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
求人媒体から届く経歴だけでは、自社で活躍できる施工管理人材か見極めにくい状況
求人媒体は、転職を考えている人に広く接点を持てる手段です。一方で、施工管理や有資格者は母数が限られています。募集を公開して待つだけでは、採用期間が長くなりやすい職種です。
さらに難しいのは、資格や職歴が自社での活躍をそのまま保証するわけではないことです。
この会社が候補者を見る際にも、次のような点が論点になっていました。
- 現場の判断や連絡に必要なスピード感があるか
- 若手社員と自然にコミュニケーションを取れるか
- 資格だけでなく、任せたい実務を経験しているか
- 転職理由と入社後に期待する働き方が合っているか
- 長く働く意思があるか
実際に、面談時の受け答えはよくても、本人がキャリアに迷っており、「入社しても短期間で辞める可能性がある」と感じる候補者もいました。反対に、経験年数だけでは測れなくても、はきはきと話し、周囲に質問しながら仕事を吸収できそうな人が高く評価されることもあります。
採用の本当の難しさは応募数の少なさだけではなく、限られた候補者の中から自社に合う人を見極めることです。
そこで選択肢になるのが、社員、協力会社、取引先、元同僚などから候補者を紹介してもらう採用です。ただし、「誰かいないか」と声をかけるだけでは、継続的な採用経路にはなりません。
「一級を持つ後輩がいる」という現場のつながりを採用経路として整理できていない状態
建設業では、求人媒体に登録していない人も、転職の可能性がないわけではありません。職人や施工管理者同士のつながり、以前の勤務先で一緒だった後輩、協力会社や取引先との会話の中に候補者がいます。
この会社でも、社員に声をかけると「一級資格を持つ後輩がいる」「前職の仲間に聞いてみる」といった話が出ていました。取引関係のある人から、転職を考えている人の話が入ることもあります。
求人媒体では反応が薄くても、身近な人からの一言で候補者との接点が生まれることはあります。紹介者が会社の雰囲気や仕事の速さを知っていれば、応募前にある程度の情報も伝えられます。
「紹介会社に費用を払うより、信頼できる人が連れてきてくれるほうがいい」
この感覚は自然です。ただし、紹介採用には注意点もあります。
紹介者が資格だけを見て候補者を連れてくると、実際に任せたい仕事とのずれが起きます。採用数を増やすために紹介を強く求めすぎれば、社員や協力会社が負担を感じるかもしれません。不採用時の伝え方が曖昧だと、紹介者との関係にも影響します。
また、取引先や協力会社に在籍する人へ無理に転職を促せば、既存の取引関係を損なうおそれがあります。紹介採用は、引き抜きとは分けて考える必要があります。
建設業には紹介につながる人脈がありますが、信頼関係に依存する方法だからこそ、声のかけ方と選考ルールの整備が欠かせません。
紹介先・人物像・選考手順を決め、求人媒体と並行して運用する採用設計
紹介採用は、求人媒体をやめて切り替えるものではありません。媒体、人材紹介、既存の人脈をそれぞれ異なる採用経路として並行運用するのが現実的です。
まず取り組みたいのは、紹介を頼む対象の整理です。
1.声をかける相手を一覧にする
候補になるのは、次のような人たちです。
- 自社の社員
- 自社を退職した元社員
- 社員の元同僚や後輩
- 日頃から付き合いのある職人や協力会社
- 採用したい仕事を理解している取引先
- 経営者が継続的に交流している同業者
全員へ一斉に依頼する必要はありません。自社の仕事と社風を理解し、候補者に誤解なく説明できる人から声をかけることが基本です。
取引先や協力会社に頼む場合は、「現在所属している人を紹介してほしい」という伝え方は避けます。退職予定者や元同僚など、既存の取引を損なわない範囲を明確にしておくと安心です。
2.資格名だけでなく、任せたい仕事を伝える
「一級施工管理技士を紹介してほしい」だけでは、紹介者も候補者を選びにくくなります。採用後の役割まで具体的に共有します。
例えば、次のような情報です。
- 主に任せたい工事と案件規模
- 現場管理と顧客対応の比重
- 仕事を進める速さ
- 若手社員や協力会社との関わり方
- 入社直後に任せる業務
- 将来的に期待する役割
この会社では、一般的なリフォーム会社より仕事の進行が速く、若手社員との連携も必要でした。この情報を伏せて「資格が生かせる会社」とだけ伝えると、入社後にずれが生じます。
紹介者に伝えるべきなのは求人票の肩書ではなく、入社後の一日と期待する役割です。
3.紹介でも通常の選考を省略しない
信頼する社員からの紹介であっても、採用基準を下げる必要はありません。むしろ、紹介者との関係を守るためにも、通常の応募者と同じ手順で判断したほうが進めやすくなります。
面談では、資格や経験に加えて、転職理由、希望する働き方、仕事の進め方を確認します。必要に応じて対面で話し、実際の職場や社員の動きを見てもらいます。
いきなり役職付きで迎えるか迷う場合は、短期間の就業や一日単位の職場体験など、双方が実務との相性を確かめられる方法も考えられます。ただし、実施する際は業務内容や雇用条件を事前に明確にしておくことが前提です。
見極める軸は、次の3点に絞ると整理しやすくなります。
- 必要な資格と実務経験があるか
- 自社の仕事の速さや意思決定に合うか
- 既存社員と協力して働けるか
紹介者への信頼と、候補者の採用判断は切り分けます。「紹介だから採る」としないことが、長く続く制度につながります。
4.紹介後の連絡方法と謝意の示し方を決める
紹介制度を続けるには、紹介者が不安を抱えない運用が必要です。
候補者を紹介してもらったら、誰が連絡するのか、いつまでに面談するのかを決めます。不採用の場合も、候補者本人へ丁寧に伝えたうえで、紹介者へ選考終了の報告をします。評価の詳細や個人情報まで共有する必要はありません。
紹介への謝意として報奨を設ける場合は、支給対象、支給時期、雇用形態、早期退職時の扱いを社内で統一します。金額の大きさだけで紹介を促すと、人数を集めることが目的になりやすいため注意が必要です。
紹介数ではなく、入社後に定着し活躍できたかを制度の成果として見ます。
5.入社後の受け入れまで採用設計に含める
紹介で採用できても、入社後に役割や人間関係が分からなければ定着しにくくなります。
この会社では、新入社員から「会社全体の業務の流れが分かる資料がほしかった」「社員の顔と名前が分からなかった」「先輩へどこまで質問してよいか迷った」という声が出ていました。
特別な研修制度を一度に作る必要はありません。まずは次の内容を用意するだけでも違います。
- 会社全体の業務フローを示した一枚資料
- 社員の顔、名前、担当が分かる名簿
- 朝礼などでの双方の自己紹介
- OJTを担当する先輩の明確化
- 入社後の定期的な短時間面談
候補者を紹介した社員に、受け入れまで任せきりにしないことも大切です。紹介者は採用の入口をつくる人であり、教育担当者とは限りません。
紹介採用のミスマッチ防止は、選考だけでなく、入社後に「誰に何を聞けばよいか」を分かる状態にするところまで含まれます。
求人媒体は広く候補者と出会うために使い、人材紹介会社は急ぎの採用や接点のない層へのアプローチに使います。紹介採用は、自社を理解する人の信頼を通じて、転職市場に出ていない候補者へ接点をつくる手段です。
それぞれの役割を分ければ、一つの採用経路に結果を求めすぎずに済みます。
まとめ
施工管理や有資格者の採用は、求人を出せば短期間で決まるとは限りません。応募が少ないときほど、既存社員、元同僚、協力会社、取引先とのつながりを採用経路として整理する価値があります。
ただし、「誰か連れてきて」と頼むだけでは仕組みになりません。
- 声をかける相手を決める
- 資格だけでなく、任せたい仕事と社風を伝える
- 紹介でも通常の選考を行う
- 紹介者への連絡と謝意のルールを決める
- 入社後の受け入れ体制を整える
この流れを小さく始め、求人媒体や人材紹介会社と並行して運用します。
紹介採用の目的は紹介人数を増やすことではなく、自社の仕事を理解したうえで長く働ける人との接点を増やすことです。
自社に合う紹介採用の進め方を整理したいときは
紹介を頼めそうな社員や協力会社はいるものの、「どんな人物像を伝えればよいか」「報奨や選考ルールをどう決めるか」と迷う会社も少なくありません。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の人材課題を、採用経路の設計、求める人物像の整理、選考、入社後の受け入れまで横断して整理し、実行を支援しています。
まだ制度案がなく、「うちの場合は何から整理すべきか」という段階でも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、採用活動を見直す際の整理先として気軽にお声がけください。

































