前提

5年後の25名体制に向け、若手・未経験者・子育て世代を少しずつ迎えたい専門工事会社の現在地

地方都市で事業を営む、20名弱の専門工事会社があります。現場の受注は安定しています。次の課題は人です。

目指しているのは、5年後をめどに25名ほどの体制をつくること。毎年1人前後を安定して採用し、時間をかけて育てていくイメージです。

採用したい人材は、一つの層に限りません。若手もほしい。未経験者も迎えたい。女性にも活躍してほしいという考えがあります。

一方で、採用専任の担当者はいません。社長が日々の仕事と並行して対応しています。過去には求人媒体から3名の応募があり、2名を採用したものの、最終的には退職しました。

現在は社員からの紹介などが主な採用経路です。ただし、いつ、何人と出会えるかは読めません。

社長は、こう話していました。

「必要な時に一気に3人採用できても、うちの規模では全員を教育できるとは限りません。人件費を支えられる利益も考えると、少しずつ増やしたいです」

採用人数を増やすだけでなく、受け入れられる人数と育成速度をそろえることが、この会社の採用における前提です。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

「全員フルタイム」の一つの求人条件が、欲しい人材を入口でこぼす構造

若手、未経験者、子育て世代を採用したいのであれば、全員を一つの勤務条件で集めるのは難しくなります。

働く人が仕事に求めるものが、それぞれ違うからです。

例えば、収入を増やしたい人は、勤務日数や休日出勤の少なさよりも、働いた分だけ収入を伸ばせるかを重視します。一方、家庭との両立を考える人は、休日の取りやすさや勤務時間の見通しを重視します。

この会社が女性採用について想定していたのは、30代後半から40代を中心とする未経験者でした。

「子どものことを優先できて、週に3日か4日から働ける形がつくれれば、一番いいと思っています」

ところが、求人票が「週5日勤務、条件は全員同じ」という一種類だけなら、この希望を持つ人は応募前に離れてしまいます。仕事内容に関心があっても、「自分には働けない会社だ」と判断するためです。

反対に、休日重視の求人だけを前面に出すと、「しっかり働いて稼ぎたい」という若手や経験者には魅力が伝わりにくくなります。

一つの求人条件に絞ることは採用方針を明確にするように見えて、実際には異なる希望を持つ人材の入口を閉じる可能性があります。

過去のように応募が3名しかなければ、その中から採用を決めざるを得ません。応募者の選択肢が増えれば、経験だけでなく、人柄や会社との相性も見ながら採用できます。

勤務条件を分ける目的は採用基準を緩めることではなく、自社に合う人と出会う母数を増やすことです。

背景

稼ぎたい人と家庭を優先したい人では、会社選びの基準が最初から異なる現実

働き方の希望は、年齢や性別だけでは決まりません。同じ若手でも、収入を優先する人と、プライベートの時間を確保したい人がいます。家庭の状況も、子どもの成長や家族の事情によって変わります。

そのため、「若手向け」「女性向け」と大きく分けるだけでは不十分です。見るべきなのは、本人が現在どのような働き方を望んでいるかです。

考えられる希望には、次のような違いがあります。

  • 勤務日数を増やし、収入を伸ばしたい
  • 土日や決まった曜日を休みたい
  • 家庭の予定を優先しながら働きたい
  • 未経験なので、まず週3〜4日から始めたい
  • 仕事を覚えた後に勤務日数を増やしたい

ただし、間口を広げれば、それだけで採用がうまくいくわけではありません。特に未経験者を週3〜4日勤務で迎える場合、フルタイム勤務者よりも教育にかかる暦上の期間が長くなります。

社長も「週3回、4回だと仕事を覚えるまでに時間がかかる」と見ていました。さらに、社内の教育方法やルール、ノウハウも整えていく必要があると感じています。

今年も未経験者が1名入社しており、次の採用は年末から翌春にかけて1名ほどを想定しています。一度に採用するのではなく、今いる社員が教えられる範囲で進めたいという考えです。

勤務日数の選択肢を増やすなら、「何人採れるか」ではなく「何人なら育てられるか」を同時に決める必要があります。

もう一つ大切なのが、入社後の公平性です。勤務日数や休日数が違うと、社員同士で「自分のほうが負担している」「あのコースだけ優遇されている」という受け止め方が生まれることがあります。

働き方を分けること自体が問題なのではありません。勤務日数、担当業務、責任、収入の関係が見えないことが、納得感を損なう原因になります。

解決

勤務コースを分け、教育・公平性・見直し面談まで一体で運用する採用設計

採用の入口は、希望する人材に合わせて複数に分ける方法があります。最初から細かく増やしすぎず、まずは二つか三つのコースから始めると運用しやすくなります。

例えば、次のような分け方です。

  • 収入重視コース:勤務日数を確保し、働いた分だけ収入を伸ばしたい人向け
  • 休日・家庭両立コース:休日や勤務予定の見通しを重視する人向け
  • 週3〜4日スタートコース:未経験者が限られた勤務日数から仕事を覚える入口

大切なのは、一つの求人票にすべてを書き込まないことです。コースごとに求人を分け、「誰に向けた働き方なのか」を明確にします。

「稼ぎたい人も、家庭を優先したい人も歓迎します」と一つの求人に書くだけでは、条件の違いが伝わりません。勤務日数、休日、収入の考え方、仕事を覚えるまでの流れを、それぞれ具体的に示す必要があります。

勤務日数と教育期間をセットで決める

週3〜4日から未経験者を迎える場合は、勤務条件だけでなく教育計画も同時につくります。

整理したいのは、次の項目です。

  1. 最初に覚えてもらう作業
  2. 一人で任せられる状態の基準
  3. 教える社員と確認する責任者
  4. 週3日、週4日、週5日それぞれの教育期間の目安
  5. 次の段階へ進むための確認時期

「研修期間中は勤務日数を抑え、仕事を覚えたら増やす」という設計も考えられます。ただし、いつまで研修扱いなのかが曖昧だと、本人も教える側も動きにくくなります。

勤務日数が少ない人には、習得速度の違いを前提にした教育期間と到達基準を用意することが必要です。

受け入れ人数も、求人の反応だけで決めないほうがよいでしょう。「指導役1人が同時に見られる未経験者は何人か」「現在の利益で何人分の教育期間を支えられるか」を確認し、採用時期をずらします。

公平性は「全員同じ」ではなく、条件の見える化でつくる

勤務コースを分ける際の公平性は、全員を同じ働き方にすることではありません。勤務日数、役割、責任、収入がどのようにつながっているかを共有することです。

最低限、次の条件は社内でそろえておきたいところです。

  • 各コースの勤務日数と休日
  • 残業や休日勤務の扱い
  • 賃金の計算方法
  • 担当する業務と責任範囲
  • 評価や昇給の考え方
  • コースを変更できる時期と手順

公平とは条件を同じにすることではなく、違いの理由と選択方法を全員が理解できる状態です。

求人を出す前に、現在の社員にも制度の目的を説明しておくと、入社後の受け入れが進みやすくなります。

年1回の面談で、働き方を選び直せるようにする

働き方は、入社時に一度決めたら終わりではありません。

収入重視で入社した人が、家庭の事情から休日重視へ移りたいこともあります。反対に、家庭優先で働いていた人が、子どもの成長を機に勤務日数を増やしたいと考えることもあります。

実際に、収入重視と休日重視の二つの入口を設け、年1回の面談でコースを変更できるようにした建設会社があります。隣で働く同僚を見て別のコースに移りたいと考える人もおり、逆方向の変更もありました。

複数コースを定着につなげるには、本人の事情に応じて働き方を見直せる面談が欠かせません。

年1回を基本にしつつ、家庭環境などが変わった場合に相談できる窓口も決めておくと、制度が形だけになりにくくなります。

まとめ

若手、未経験者、子育て世代を採用したい会社ほど、働き方の入口を一つに絞らないことが大切です。

稼ぎたい人と、休日や家庭との両立を重視する人では、会社を選ぶ基準が異なります。週3〜4日から始めたい人もいます。一つの条件ですべての人を集めようとすると、仕事内容に興味を持った人まで応募前にこぼれます。

ただし、勤務コースは求人票を分けるだけでは機能しません。

採用の間口、教育できる人数、習得までの期間、コース間の公平性、働き方を見直す面談までを一つの仕組みとして設計することが重要です。

まずは現在の社員が教えられる人数を確認し、自社が実際に提供できる働き方を二つほど整理するところからでも十分です。小さく始め、採用と育成の状況を見ながら調整していくほうが、無理のない人員増につながります。

自社に合う勤務コースと教育体制を整理したい方へ

複数の勤務コースをつくろうとしても、「給与差をどう設計するか」「週3日勤務の未経験者をどう育てるか」「今の社員にどう説明するか」など、会社ごとに整理すべき点は変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、教育体制や組織運用、原価、人員計画まで横断して整理し、実行を支援しています。

「うちの場合は何コースに分けるべきか」「まだ求人を出す段階ではないが、何から整えるべきか分からない」という段階でも大丈夫です。無理にサービスを勧めることはありません。まずは現在の採用状況と受け入れ体制を一緒に整理できます。

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