大工職人と施工管理の採用に向けて、学校との接点を増やしている首都圏の専門工事会社
首都圏で住宅工事を手掛けるある専門工事会社では、大工職人に加えて、今後は施工管理も採用したいと考えていました。高校や専門学校への訪問を始め、会社見学に来た高校3年生から入社に前向きな反応も得られています。
一方で、採用は来年の人数を満たせば終わりではありません。経営側からは、次のような言葉も出ていました。
「来年1人が決まったから良しではなく、5年かけて会社を変えたいんです」
そのため、これまで接点のなかった高校へ求人票を郵送し、専門学校や職業訓練校にも訪問先を広げる方針です。ホームページの刷新や、若手職人・施工管理・経営陣・現場の写真撮影も並行して進めようとしていました。
学校への求人活動を単年度の人数合わせではなく、5年先を見据えた採用基盤づくりと捉えている会社です。
そこで必要になったのが、求人票に添えて仕事内容や会社の雰囲気を伝える「採用案内」です。
1週間で 16件の相談 がありました
- 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
- 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
- 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
- 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
- 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
- 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
- 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
- 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
- 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
- 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
- 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
- 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
- 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
- 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
- 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
求人票だけでは、大工の仕事や若手が育つ会社の姿まで比較してもらえない状態
求人票は、給与、勤務時間、休日、勤務地、雇用形態などを正確に伝えるために欠かせません。ただし、所定の書式だけでは、会社ごとの違いを十分に見せにくい面があります。
たとえば「建築大工職人」と記載しても、求職者には次のようなことまでは伝わりません。
- どのような住宅や建物を手掛けるのか
- 現場では誰と、どのように働くのか
- 未経験者に何から教えるのか
- 若手社員がどのように仕事を覚えたのか
- 大工や施工管理として、どのような将来を描けるのか
- 社内や現場にどのような雰囲気があるのか
学校側にも同じことが言えます。進路指導の先生が生徒へ会社を紹介するとき、求人票だけでは仕事のイメージを補足しきれません。数多くの求人の中で、社名と労働条件だけを見て判断されることになります。
相談企業の社長も、採用案内について「そんなにページ数はいらないと思うけれど、やっぱりアピールできるものは必要だと思います」と話していました。
求人票は条件を確認する書類であり、採用案内は「ここで働く自分」を想像してもらうための資料です。
ここで混同しやすいのが、取引先向けの会社案内です。両者は似ているようで、相手と目的が異なります。
項目 | 取引先向けの会社案内 | 求職者向けの採用案内 |
|---|---|---|
主な相手 | 発注者、元請け、協力会社 | 高校生、専門学校生、職業訓練校生、中途求職者 |
主な目的 | 施工力や信用を伝える | 働く姿と入社後を伝える |
中心となる情報 | 沿革、許可、施工実績、対応工種、設備 | 仕事内容、社員、育成、キャリア、働く環境 |
写真の役割 | 施工品質や会社の規模を示す | 人、仕事、職場の雰囲気を見せる |
会社案内をそのまま学校へ持参しても、施工実績は伝わります。しかし、生徒が知りたい「自分にもできそうか」「誰が教えてくれるのか」への答えは不足しがちです。
採用案内は会社案内の簡易版ではなく、求職者に向けて情報を組み直した別のツールです。
工業高校だけに絞りたい思いと、採用接点を広げなければ候補者に会えない現実
採用案内が必要になった背景には、学校の選び方に関する迷いもありました。
社長は、普通科や商業科まで対象を広げるより、建築を学んでいる工業高校の中で採用できないかと考えていました。
「建築になじみのない人が入って、やっぱり違ったと辞めてしまうより、建築を理解している人に絞った方がよいのではないか」
この懸念は自然です。受け入れ体制が十分でないまま採用範囲だけを広げれば、入社後の行き違いが起こる可能性があります。採用人数だけでなく、育成や定着まで見ているからこその迷いです。
ただ、工業高校の建築系学科だけを対象にすると、そもそもの母数が限られます。大工だけでなく施工管理も含めて人材を増やしたい場合は、ものづくりに関心のある普通科・商業科の生徒、専門学校生、職業訓練校生にも接点を持つ必要があります。
ここで大切なのは、対象を広げることと、誰でもよいから採用することを分けて考えることです。
採用対象を広げる目的は採用基準を下げることではなく、自社の仕事を知ってもらう入口を増やすことです。
求人票を複数校へ送っても、会社の情報が条件欄だけで終われば、建設業になじみのない生徒には仕事の魅力が届きません。反対に、現場写真や若手社員の話、育成の流れがあれば、「ものづくりに関わりたい」「手に職をつけたい」という生徒が比較対象に入れてくれる可能性があります。
高校の追加募集では、進学予定から家庭事情などで就職へ切り替える生徒が出ることもあります。専門学校や職業訓練校も含め、時期をずらしながら採用機会が生まれるため、求人票に添えられる資料を早めに用意しておく意味があります。
学校へ求人票を送るだけで終わらせず、先生や生徒が会社を説明・比較できる情報まで渡すことが、接点を採用機会に変える鍵です。
仕事内容・社員・育成・キャリアを写真で見せ、ホームページと同時進行する採用案内づくり
採用案内は、ページ数を増やすことより、求職者の疑問に順番に答えることが重要です。最低限、次の情報を整理すると会社選びに使える資料になります。
1.募集職種ごとの仕事内容
大工職人と施工管理では、担う役割も現場での動きも異なります。職種名だけで済ませず、何を手掛け、誰と関わり、どのように一日が進むのかを分けて伝えます。
大工職人であれば、住宅建築のどの工程を担うのか、現場で身につく技術は何かを示します。施工管理であれば、現場確認、打ち合わせ、工程や品質の管理など、担当する仕事を具体化します。
2.社員紹介と入社後の実感
若手社員の紹介は、年齢の近い求職者が働く姿を想像する材料になります。入社理由、最初に覚えた仕事、苦労したこと、現在できるようになったことを短くまとめると、きれいな会社紹介だけでは出せない実感が伝わります。
相談企業では、その年に入社した若手職人を写真撮影の中心に据える案が出ていました。若手が実際に働いている姿そのものが、採用における大切な情報になります。
3.未経験者を受け入れる育成体制
採用対象を工業高校以外にも広げるなら、育成体制の説明は欠かせません。「未経験歓迎」とだけ書くのではなく、入社後に誰が教えるのか、最初は何から始めるのか、どのように仕事の幅を広げるのかを示します。
受け入れ体制がまだ整備途中であれば、立派に見せる必要はありません。現時点で実施していることと、これから整えることを分けて掲載すれば、会社としての姿勢は十分に伝わります。
4.数年先まで見えるキャリア
求職者が知りたいのは、入社直後だけではありません。大工として技術を高める道、施工管理へ役割を広げる可能性、後輩を教える立場など、自社で現実的に描ける将来を示します。
採用案内では、入社条件だけでなく「入社後に何を覚え、数年後にどのような仕事を任されるのか」まで伝えます。
5.働く環境と会社の考え方
勤務時間や休日などの条件は求人票にも載りますが、採用案内では背景を補足できます。どのような現場が多いのか、移動はどうするのか、社内でどのように連携するのかなど、働く場面を想像するための情報を載せます。
あわせて、なぜ若手を採用するのか、5年後にどのような会社を目指しているのかを経営側の言葉で伝えると、募集の本気度も伝わります。
6.現場と人が見える写真
建設業の採用案内では、写真が文章以上の情報を持ちます。必要なのは、完成物件だけではありません。
- 若手職人が作業している様子
- 施工管理が確認や打ち合わせをしている場面
- 先輩と若手が一緒に仕事をしている様子
- 社屋、事務所、機械や道具
- 社長や経営陣の写真
- 現場全体と手元の作業が分かる写真
相談企業では、撮影可能な現場と社員を事前に決め、複数の現場を一日に集約し、数百枚の写真を撮影する計画が検討されました。撮影した写真は採用案内だけでなく、ホームページや求人媒体にも使えます。
ただし、元請けや施主との関係で撮影できない現場もあります。撮影前に許可を確認し、撮ってはいけない箇所を共有したうえで、使用する写真を関係者が確認できる流れにしておくと安心です。
写真撮影は「きれいな写真を撮る日」ではなく、採用案内に必要な人物・仕事・場面を計画的に集める日です。
ホームページと採用案内を同時に進める手順
ホームページを完成させてから採用案内に着手すると、学校訪問や追加募集に間に合わないことがあります。写真や会社情報は共通して使えるため、同時進行の方が進めやすくなります。
実務では、次の順番で整理します。
- 採用する職種と対象者を決める
大工職人と施工管理、高校新卒と専門学校生など、誰に何を伝えるかを分けます。
- 求職者から聞かれやすい情報を洗い出す
仕事内容、育成、キャリア、休日、現場、社員について、現状を言葉にします。
- 採用案内とホームページの構成を並行して決める
共通情報はそろえつつ、紙は学校で説明しやすく、ホームページは詳しい情報へ進みやすい形にします。
- 撮影する社員・現場・場面を一覧にする
撮影可能な現場、出演する社員、必要な作業場面を組み合わせ、撮り忘れを防ぐ日程表を作ります。
- 写真撮影と原稿作成を進める
写真がそろうまで文章を止めるのではなく、仕事内容や育成体制など、先に書ける部分から作ります。
- 学校訪問の日から逆算して仕上げる
高校の追加募集、専門学校や職業訓練校への訪問時期を確認し、印刷や発送に必要な期間も含めて期限を決めます。
相談企業では、ホームページと連動させながら、おおむね3カ月を目安に採用案内を制作する想定でした。早めに写真撮影へ着手し、原稿とデザインを並行させれば、年度内の追加募集や次年度へ向けた学校訪問にも活用しやすくなります。
完成順ではなく、学校へ届けたい日から逆算し、ホームページ・原稿・写真撮影を並行させることが制作を止めない進め方です。
まとめ
求人票は採用活動の基本ですが、それだけで大工や施工管理の仕事、社員の雰囲気、育成の流れまで伝えるのは難しいものです。特に、工業高校以外の生徒や職業訓練校生にも接点を広げる場合は、建設業で働く姿を具体的に見せる必要があります。
採用案内に載せたいのは、華やかな言葉ではありません。実際の仕事内容、働いている社員、教え方、数年先のキャリア、働く環境、現場の写真です。
求人票で条件を伝え、採用案内で働く姿を見せ、ホームページで理解を深めてもらう。この役割分担が学校採用の土台になります。
ページ数の多い冊子を目指す必要はありません。学校の先生が生徒に説明でき、生徒本人が「一度見学してみたい」と思える情報がそろっているかを基準にすると、掲載内容を絞りやすくなります。
自社の採用案内に何を載せるか、一緒に整理したい方へ
採用案内を作ろうとしても、「自社の魅力をどう言葉にするか」「どの社員や現場を撮影するか」「高校や職業訓練校への訪問に間に合わせるには何から始めるか」で手が止まることがあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、求人票、採用案内、ホームページ、写真撮影、育成体制まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は採用案内が必要なのか」「まず求人票とホームページのどちらを見直すべきか」という段階でも問題ありません。建設業の経営課題を解決し、ものづくりに集中できる環境へつなげるための整理先としてご活用ください。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、現在の状況から気軽にお聞かせください。





























