前提

専門性の高い通信設備工事を担い、世代交代に向けて未経験の若手を採用したい17名規模の会社

山梨県を中心に、通信施設内の電力設備工事を手がける17名規模の専門工事会社があります。主な仕事は、通信施設内にある電力設備や蓄電池、太い電力ケーブルなどの交換です。屋外で通信線を引く一般的な通信工事とは異なり、入社前に仕事内容を想像しにくい領域です。

社員の平均年齢は40代半ば。20代は3名ほどです。60代前半の社員が2名おり、あと2〜3年ほどでの世代交代を見据えています。

会社として維持したいのは、現在と同程度の16〜18名です。仕事は安定していますが、人員に余裕はありません。

「仕事はあるんです。人数がぎりぎりなので、これ以上広げるより、まず人を入れたいんですよね」

そのため、35歳前後までの若手を中心に採用を進めています。経験者には既存のやり方があるため、むしろ未経験者を歓迎しています。

「うちの仕事は少し特殊です。中途半端に経験がある人より、未経験の子に一から覚えてもらうほうがいいと思っています」

採用自体がまったくできていないわけではありません。ハローワーク経由で20代と30代の社員を採用できた実績があります。一方で、有料求人サイトから採用した10代の社員は、入社から約1週間で突然来なくなりました。

未経験者を採用する方針と、未経験者が仕事を理解して定着できる受け入れ体制は、セットで考える必要があります。

1週間で 16件の相談 がありました

  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
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課題

「未経験歓迎」と伝えても、入社後に仕事の実像が見えて早期離職につながる状態

若手の早期離職を考えるとき、本人の忍耐力や仕事への覚悟だけに原因を求めても、次の採用にはつながりません。

この会社でも、退職理由を聞く機会はありませんでした。

「19歳の子が来たんですけど、1週間くらいでいなくなってしまって。突然来なくなったので、理由も聞けていないんです」

理由がわからないからこそ、会社側で確認できる部分から整理する必要があります。特に見直したいのは、次の3点です。

  • 応募者が入社前に仕事内容を具体的に理解できていたか
  • 入社初日から、誰が何を教えるか決まっていたか
  • 不安や違和感を本人が話せる機会をつくれていたか

求人票に「未経験歓迎」と書くこと自体は、応募の間口を広げます。ただし、未経験者は仕事を知らないからこそ応募できます。同時に、仕事を知らないまま入社することにもなります。

通信施設内で設備や蓄電池を交換すると聞いても、未経験者には、扱う物の大きさや作業環境、必要な体力、先輩との動き方までは見えません。入社して初めて「思っていた仕事と違う」と感じる可能性があります。

採用時に応募を増やす説明と、入社後の定着に必要な説明は同じではありません。良い面だけでなく、仕事の実像まで伝えることが欠かせません。

背景

特殊な工事ほど仕事内容を言葉だけで伝えにくく、現場も教育に時間を割きにくい事情

早期離職の背景には、専門工事会社ならではの「説明の難しさ」と「教える余裕の少なさ」があります。

この会社が担うのは、通信施設内の電力設備に関わる仕事です。一般の求職者が「通信工事」と聞いて思い浮かべる、光ケーブルの敷設や住宅への引き込み工事とは異なります。

「通信ビルの中で、電力設備や蓄電池を交換します。配線もありますが、光ケーブルではなく太いケーブルを扱う仕事です」

社内では当たり前になっている説明でも、初めて聞く若手には仕事の風景が浮かびません。求人票の限られた文章だけでは、なおさら伝わりにくい部分です。

もう一つの背景が、人員の余裕です。現在の現場は既存社員でぎりぎり回しています。新入社員が入っても、先輩は自分の作業を進めながら教えることになります。

教育担当者が決まっていないと、その日に一緒になった社員が都度教える形になりがちです。先輩によって説明が変わったり、「今日は何をすればよいですか」と新人が毎回確認したりする状態も起こります。

未経験者は、わからないこと自体を整理できません。忙しそうな先輩を前にすると、質問を控えることもあります。会社から見れば問題なく働いているようでも、本人の中では不安が積み重なっているかもしれません。

この会社では、数年以内にベテラン2名の世代交代を控えています。若手採用は、単なる欠員補充ではありません。特殊な工事の進め方や安全上の注意を、次の世代へ渡す採用です。

「採ってから現場で覚えてもらう」だけでは、忙しい現場ほど教育が偶然任せになります。定着には、採用活動と同時に教え方の準備が必要です。

解決

入社前の仕事説明と入社後3カ月の育成計画を一つの流れとして整える方法

受け入れ体制は、立派な研修制度を一度に構築しなくても整えられます。まずは、入社前から3カ月程度までの流れを決めておくことが現実的です。

1.求人票より先に、未経験者へ見せる「仕事の全体像」を整理する

最初に、現在の仕事内容を未経験者の目線で分解します。専門用語をなくす必要はありません。専門用語に短い説明を添え、実際に何をする仕事なのかを伝えます。

整理したい項目は次のとおりです。

  • 主な現場はどのような施設か
  • 何を交換・設置・配線するのか
  • 屋内作業と屋外作業の割合
  • 重い物を扱う場面や必要な体力
  • 1人で作業するのか、複数人で動くのか
  • 入社直後に任せる作業
  • 一人でできるようになるまでのおおよその流れ

この会社であれば、「通信工事」という大きなくくりだけでなく、「通信施設の中で、電力設備や蓄電池、太いケーブルを扱う仕事」と示すだけでも、応募者の理解は変わります。

写真や短い動画を用意できる場合は、機密情報や現場の撮影ルールに配慮しながら活用します。難しければ、扱う資材や工具、作業服など、公開できる範囲から見せる方法でも構いません。

仕事の見える化は、応募者を増やすためだけでなく、「想像していた仕事との違い」を入社前に減らすために行います。

2.面接では良い面だけでなく、未経験者が戸惑いやすい点も伝える

面接では、待遇や会社の安定性だけでなく、仕事の難しさも具体的に伝えます。

たとえば、専門設備の名称を覚える必要があること、最初は補助作業が中心になること、一定の体力が必要なことなどです。そのうえで、会社がどのように教えるかもセットで説明します。

「最初はわからなくて当然です。初月はこの作業までを覚えてもらい、先輩と一緒に進めます」と伝えられれば、厳しさだけを強調せずに済みます。

可能であれば、入社前に職場や公開可能な作業環境を見てもらいます。現場を見せることが難しい場合は、事務所で写真や工具を使って説明します。

面接時には、応募者側の理解も確かめます。

  • 説明を聞いて、どのような仕事だと理解したか
  • 体力面や作業環境で気になる点はあるか
  • 未経験から覚えることに不安はあるか
  • 入社後、どのような教え方があると安心できるか

会社が説明して終わるのではなく、応募者がどう受け取ったかまで確認すると、期待値のずれを見つけやすくなります。

3.教育担当者を一人決め、質問の行き先を明確にする

教育担当者は、すべてを一人で教える人ではありません。新人が「誰に聞けばよいかわからない」状態を防ぐ役割です。

現場ごとの技術指導は、複数の先輩が担当しても問題ありません。ただし、教えた内容や新人の様子を集約する担当者は決めておきます。

担当者を選ぶときは、技術力だけでなく、次の点も判断軸になります。

  • 質問に対して手を止めて確認できるか
  • 新人の理解度に合わせて説明できるか
  • できていない点だけでなく、できた点も伝えられるか
  • 経営者や現場責任者へ状況を共有できるか

「背中を見て覚える」方法が合う人もいます。一方、仕事の前提知識がない若手には、作業の目的や注意点を言葉で補う必要があります。

教育担当者の役割は、新人を付きっきりで見ることではなく、成長と不安を誰も把握していない状態をなくすことです。

4.初日・1週間・1カ月・3カ月の育成計画をつくる

育成計画は、細かなマニュアルから始める必要はありません。時期ごとに「何を知るか」「何ができればよいか」「誰が確認するか」を1枚にまとめます。

たとえば、次のように区切ります。

  • 初日:会社と現場のルール、安全上の注意、道具や設備の名称を知る
  • 1週間まで:先輩の補助に入り、1日の流れと基本動作を覚える
  • 1カ月まで:限定した補助作業を、確認を受けながら進める
  • 3カ月まで:担当できる作業と、引き続き指導が必要な作業を整理する

ここで大切なのは、習得を急がせすぎないことです。特殊な工事では、未経験者が短期間でベテランと同じように動くのは難しいものです。

一方で、いつまでも補助作業だけでは本人が成長を感じにくくなります。小さくても「ここまでは一人でできる」という区切りをつくります。

育成計画は新人を管理する表ではなく、会社側の教え忘れを防ぎ、本人が成長を実感するための道筋です。

5.短い定期面談で、辞める前の違和感を拾う

突然来なくなるケースを完全に防ぐことは難しいものです。それでも、話す機会を会社側からつくることで、早い段階の違和感を把握しやすくなります。

入社直後は、長い面談を月に1回行うより、短い確認をこまめに入れるほうが現実的です。初日、3日目、1週間後、その後は2週間ごとなど、会社の動きに合わせて設定します。

確認する内容は複雑でなくて構いません。

  • 入社前の説明と違っていた点はないか
  • わからないまま進めている作業はないか
  • 質問しやすい相手がいるか
  • 体力面や人間関係で困っていることはないか
  • 次に覚えたい作業は何か

「何か困っていることはある?」だけでは、「大丈夫です」で終わることがあります。具体的な質問にすると、本人も答えやすくなります。

面談で出た内容は、できることと難しいことを分けて返答します。すべての希望を受け入れる必要はありません。話した内容がどう扱われたかを本人へ返すことが大切です。

定期面談の目的は退職を引き止めることではなく、本人が一人で抱え込む前に、仕事上のずれを調整することです。

まとめ

若手の未経験者を採用しても短期間で辞めてしまうと、「若い人は続かない」と感じることがあります。ただ、専門性の高い工事ほど、応募者が入社前に仕事を正確に想像するのは難しいものです。

今回のように、通信施設内で特殊な電力設備を扱う会社では、一般的な「通信工事」という説明だけでは実際の仕事が伝わりません。さらに、現場をぎりぎりの人数で回していると、入社後の教育も担当者任せになりやすくなります。

最初に整えたいのは、次の流れです。

  1. 仕事内容を未経験者にも見える形にする
  2. 入社前に仕事の難しさまで説明する
  3. 教育担当者と質問の行き先を決める
  4. 初日から3カ月までの育成計画をつくる
  5. 短い定期面談で期待値のずれを確かめる

採用数を増やすことだけでなく、「入社前の理解」と「入社後の教育」をつなげることで、未経験者が続けやすい採用へ変えていけます。

ベテランの世代交代まで2〜3年あるなら、今から一人ずつ受け入れ方を整える時間があります。最初から完璧な制度を目指さず、次に入社する一人へ何を説明し、誰がどう教えるかを決めるところから始めるのがよさそうです。

自社に合う若手の受け入れ方を整理したいときは

採用媒体を増やす前に、仕事内容の伝え方や入社後の教育を見直したほうがよい会社もあります。一方で、社内だけでは「どこまで説明すればよいか」「誰を教育担当にすべきか」を整理しにくいこともあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、求人の入口だけでなく、現場の受け入れ、教育体制、組織づくりまで横断して整理し、実行を支援しています。

「うちの場合、採用と定着のどちらから手をつけるべきか」「育成計画をどうつくればよいかわからない」という段階でも大丈夫です。状況を伺いながら、無理にサービスを勧めることなく、次に整理すべきことを一緒に考えます。

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