前提

工業高校を中心に採用してきた住宅建築会社が、若手との接点を増やそうとしている段階

埼玉県南部を拠点とする、ある住宅建築会社では、大工職人や施工管理を担う若手の採用を進めています。これまでは工業高校や専門学校を中心に訪問し、建築に関心を持つ生徒へ求人を届けてきました。

実際、近隣の総合高校に通う3年生が会社見学に訪れ、「この会社に入りたい」と前向きな意向を示すなど、学校との接点が採用につながりそうな動きも出ています。

一方で、工業高校の建築系学科だけに採用先を絞ると、接点を持てる生徒の数には限界があります。そこで候補に挙がったのが、工業高校に加えて、就職者の多い普通科・商業高校にも求人票を送る方法でした。

ただし、対象を広げればよいという単純な話ではありません。

「建築になじみのない人が入社して、やっぱり合わないと辞めてしまうのは避けたいです。うちの受け入れ体制も整えなければなりません」

この懸念はもっともです。採用機会を広げることと、入社後の定着を考えることは、同時に進める必要があります。

1週間で 16件の相談 がありました

  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
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  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
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課題

建築系学科だけに絞ると母集団が縮み、広げすぎるとミスマッチが起きる悩み

採用上の課題は、「建築経験のある生徒を確実に採りたい」という考えと、「その対象者自体が減っている」という現実の間にあるズレです。

工業高校の建築系学科は、仕事内容への理解を期待しやすく、学校側にも求人の意図を伝えやすい採用先です。そのため、まず工業高校の中でもう少し可能性を探したいと考えるのは自然です。

しかし、限られた学校に複数の建設会社が求人を出している場合、自社の求人票が生徒の目に触れるとは限りません。そもそも就職希望者が少なければ、学校訪問や求人票の内容を改善しても、応募機会そのものを大きく増やすことは難しくなります。

だからといって、普通科・商業高校へ無条件に送付先を広げればよいわけでもありません。相談企業からは、次のような懸念が挙がりました。

  • 建設業や大工の仕事を知らないまま応募する可能性がある
  • 入社後に仕事内容とのギャップが生じるかもしれない
  • 未経験者を育てる体制が十分でなければ、早期離職につながる
  • 採用できても「ポロポロ抜ける」状態では、現場の負担が増える

つまり、学校の範囲を広げるかどうかだけでなく、「どの学校に届けるか」「どのような生徒を対象にするか」「入社後にどう受け入れるか」まで一続きで考える必要があります。

背景

来年の1人ではなく5年先の組織を考えると、今から接点を増やす必要がある状況

普通科・商業高校への送付が検討された背景には、単年度の採用人数だけではなく、中長期で会社を変えていきたいという意向があります。

「来年の1人が決まったからよし、ではありません。今から種まきをして、5年間で会社を変えたいと考えています」

この会社が求めているのは、大工職人だけではありません。施工管理を含め、今後の住宅建築を支える複数の職種で人材を増やしたいと考えています。そうであれば、「建築系学科を卒業した生徒だけ」を入口にすると、将来必要になる人材との接点まで狭めることになります。

普通科や商業高校の生徒にも、ものづくりに関心がある人はいます。ただ、学校に求人票が届いていなければ、その生徒が会社を知る機会は生まれません。

求人票の郵送は、その年に必ず応募を得るためだけの施策ではなく、学校や生徒に会社を知ってもらう接点づくりでもあります。

今回想定された送付先は、近隣地域にある普通科・商業高校のうち、次の条件に合う学校です。

  • 卒業後に就職する生徒が一定数いる
  • 会社から通勤できる地域にある
  • ものづくりや現場の仕事に関心を持つ生徒が見込める
  • これまで求人票を持参・郵送していない

候補は20〜30校ほどです。正式に受理された高校求人票をコピーし、送付状を添えて郵送する方法であれば、全校を訪問するよりも社内の負担を抑えられます。

ここで大切なのは、普通科・商業高校を工業高校の代替と考えないことです。工業高校への採用活動を続けながら、今まで接点のなかった学校にも入口を増やす取り組みと捉えるほうが、実態に合っています。

解決

就職実績・地域性・ものづくりへの関心で送付先を絞り、受け入れ体制とセットで検証する進め方

進め方としては、最初から対象を無制限に広げるのではなく、学校を選ぶ基準、応募者を見る基準、入社後に受け入れる条件の3つを先に揃えることが有効です。

1.学校名ではなく、就職実績と地域性から候補を選ぶ

普通科・商業高校という区分だけでは、その学校が自社の採用先に合うかどうかは判断できません。まず確認したいのは、卒業生の進路と通勤可能性です。

候補校を整理するときは、少なくとも次の項目を一覧にします。

  • 学校名と学科
  • 所在地と自社までの通勤圏
  • 卒業後の就職者数や主な就職先
  • 建設・製造など、ものづくり分野への就職実績
  • 過去の求人票送付や学校訪問の有無
  • 送付後の問い合わせ、見学、応募の有無

「普通科だから可能性が低い」と判断するのではなく、就職者がいるか、地域的に通えるか、ものづくりへの関心を持つ生徒と接点をつくれそうかで選びます。

20〜30校の候補が多いと感じる場合は、優先順位を付けても構いません。就職者数と通勤圏を基準に、まず10校へ送り、社内の作業負担を確認してから追加する進め方もできます。

2.学校を広げても、採用する人の基準までは広げすぎない

求人票の送付先を増やすことと、応募者を無条件で採用することは別です。

建築の知識がない生徒でも、ものづくりへの関心や現場で働く意欲を持っている場合があります。反対に、建築系学科の卒業者でも、会社の仕事や働き方と合うとは限りません。

そのため、採用時には学科名だけでなく、次のような点を確認します。

  • 大工職人や施工管理の仕事に、どのような関心を持っているか
  • 住宅建築の現場で働くイメージを持てているか
  • 入社後に覚える必要があることを理解しているか
  • 本人が希望する仕事と、自社が任せたい職種が合っているか

送付先は広げ、採用判断は自社の基準で丁寧に行う。この切り分けが、母集団の確保とミスマッチ防止を両立させます。

3.未経験者に何を見せ、何を伝えるかを揃える

普通科・商業高校へ求人票を出す場合、建設業を知らないことを前提に情報を届ける必要があります。求人票だけでは伝えきれない場合は、採用向けの会社案内や会社見学を組み合わせます。

特に伝えたいのは、格好のよい完成写真だけではありません。

  • 大工職人はどのような仕事をするのか
  • 施工管理は現場で何を担うのか
  • 入社後は何から覚えていくのか
  • 未経験者をどのように迎えるのか
  • 会社が今後どの職種を増やしたいのか

建築系学科の生徒には通じる言葉でも、普通科の生徒には仕事内容が想像しにくいことがあります。建設業を知らない高校生にも分かる言葉へ置き換えることが、応募前の理解を深め、入社後のギャップを抑えることにつながります。

4.受け入れられる職種と人数を先に決める

相談企業が懸念したように、未経験者を採用しても、受け入れ体制が曖昧では定着しにくくなります。そこで、求人票を送る前に、社内で次の点を確認します。

  • 大工職人と施工管理のどちらで受け入れるのか
  • 未経験者に最初から求めることと、入社後に教えること
  • 誰が日常的な相談先になるのか
  • 現場に配属する前に何を説明するのか
  • その年度に無理なく受け入れられる人数

すべてを一度に完成させる必要はありません。ただ、「採用できてから考える」のではなく、少なくとも誰がどの職種で受け入れるかは、募集前に揃えておく必要があります。

受け入れ人数が限られるなら、送付校を減らすより、採用予定人数を明確にしたうえで接点を広く持つほうが進めやすくなります。応募が複数あっても、自社の基準と受け入れ可能人数に沿って判断できるためです。

5.単年度の応募数ではなく、2〜3年の接点で評価する

求人票を送った年に応募がなかったからといって、その学校に可能性がないとは言い切れません。初めて求人票を受け取る学校にとっては、まず会社名と仕事内容を知るところから始まります。

そのため、効果を見るときは次の数字を年度ごとに残します。

  • 求人票を送った学校数
  • 学校からの問い合わせ数
  • 生徒の会社見学数
  • 応募数
  • 採用数
  • 入社後の在籍状況

2〜3年続けても問い合わせや見学がまったくない学校は、送付対象を見直す。一方で、応募がなくても先生から問い合わせがあった学校は、翌年度も接点を続ける。このように段階ごとに判断すると、採用数だけでは見えない手応えを確認できます。

工業高校、普通科、商業高校を一括りにせず、学校ごとの反応を残すことも重要です。数年間の記録があれば、自社に合う学校が少しずつ見えてきます。

まとめ

工業高校の建築系学科は、建設会社にとって引き続き重要な採用先です。ただし、対象となる生徒が減るなか、工業高校だけで十分な応募機会を確保し続けることは難しくなっています。

普通科・商業高校へ求人票を送る目的は、採用基準を緩めることではありません。就職者数、通勤できる地域、ものづくりへの関心を基準に学校を選び、自社を知ってもらう機会を増やすことです。

進める際の要点は次のとおりです。

  • 工業高校への活動を続けながら、普通科・商業高校にも接点を広げる
  • 就職実績と地域性を基準に、送付する学校を選ぶ
  • 送付先を広げても、採用する人の判断基準は曖昧にしない
  • 未経験者に仕事内容を伝え、受け入れる職種と人数を決める
  • 単年度の採用数だけでなく、2〜3年の問い合わせや見学も記録する

「来年1人採れれば終わり」ではなく、5年先の組織をつくる種まきと捉えると、求人票の郵送にも違う意味が生まれます。接点は広く、採用と受け入れは丁寧に進めることが、若手採用の可能性を増やす現実的な進め方です。

自社に合う高校採用の広げ方を整理するために

普通科・商業高校まで広げるべきか、工業高校への働きかけを深めるべきかは、地域の学校事情や採用したい職種、未経験者の受け入れ状況によって変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の人材課題を、採用先の選定だけでなく、求人内容、学校との接点づくり、入社後の教育体制まで横断して整理し、実行を支援しています。

「うちの場合はどの学校へ送るべきか」「採用対象をどこまで広げられるか」といった、まだ方針が固まっていない段階でも構いません。無理に施策や契約を勧めることはありませんので、次の整理先として気軽にお声がけください。

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