前提

2名体制で年商9,000万円前後まで伸ばし、5名弱になった地域密着の外構工事会社

栃木県内で外構工事を手がける、5名弱の会社があります。一般のお客様からの依頼が中心で、ホームページや紹介をきっかけに相談を受け、打ち合わせから施工、集金まで対応しています。

社長は独立前から約9年にわたって現場経験を積み、職人仲間とのつながりも活用しながら会社を育ててきました。2名体制だった時期にも年商9,000万円前後まで伸ばしており、「結構仕事をしたので、この体制ではアッパーだと思っていました」と振り返ります。

受注を断るほど仕事が重なったことから採用を進め、現在は30代前半から半ばの社員が中心です。人が増えた分、今後は社長自身が営業や新しい事業の開拓に時間を使う必要があります。

一方で、社長は今も現場に出ながら、見積もり、設計、営業、事務処理まで担っています。社員は夕方に現場を終えて帰れますが、その後の仕事は社長に残ります。

「事務所に帰ってきたら、事務処理が残っています。見積もりも設計も営業も、まだ自分がやっています」

社員数は増えていても、判断を伴う仕事が社長に残ったままでは、会社として使える時間は増えません。 この会社は、採用そのものではなく、増えた人員を次の成長につなげる段階に入っています。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード
課題

営業へ動きたい社長が、現場管理と見積もりを手放せない状態

社長が次の営業へ動くには、現場側を任せられる人が必要です。ただし、小規模な建設会社では「現場ができる人」と「社長の代わりに現場を任せられる人」は同じではありません。

作業ができるだけでなく、現場の状況を把握し、見積もりや設計の意図を理解し、問題が起きたときには社長へ相談できる必要があります。さらに、地域密着で仕事をしている会社では、その地域の単価や移動距離、顧客との距離感も判断に影響します。

今回の会社には、右腕候補として考えられる社員が2人います。社長も「新しく誰かが入ってこない限り、その2人のどちらかです」と見ています。しかし、現時点ではどちらに任せるかを決め切っていません。

社長の迷いは、本人たちの今後の成長がまだ見え切っていないことにあります。

「今いる従業員がどれだけ成長するかによって変わります。難しければ、経験者を採用することも考えます」

右腕を決められない本当の理由は、候補者がいないことではなく、何ができれば任せられるのかが明確になっていないことです。 「伸びしろがありそう」という感覚だけでは、育成を続けるべきか、経験者採用へ切り替えるべきかを判断しにくくなります。

背景

社長の頭の中にある見積もり・設計・現場判断が、社員から見えにくい構造

社長が長く一人親方として仕事をしてきた会社では、受注から施工までの判断が社長の中でつながっています。現場を見れば必要な工事が分かり、地域の単価感を踏まえて見積もりをつくり、施工方法を設計へ落とし込めます。

この一連の判断は、経験を重ねた社長にとっては自然です。しかし、社員から見ると、なぜその金額になるのか、なぜその設計にするのか、どこまで自分で判断してよいのかが分かりにくいものです。

特にこの会社は、商圏をむやみに広げない方針です。県内でも地域によって単価が異なり、遠方の現場が増えれば通勤時間が長くなります。社長は、利益だけでなく社員の働き方まで含めて案件を判断しています。

「遠い現場ばかりやっていたら、従業員がいなくなってしまいます」

つまり、右腕に引き継ぐべきものは作業手順だけではありません。地域性、採算、移動負担、顧客対応を含めた判断の仕方です。

また、社員が増えたからといって、すぐに社長の仕事を丸ごと渡すことはできません。見積もりや設計の間違いは、そのまま利益や施工品質に影響します。反対に、失敗を避けようとして社長がすべて確認し続ければ、いつまでも手は空きません。

社長依存は、社員の能力だけが原因ではなく、社長の判断基準が分解されず、渡せる単位になっていないことで生まれます。 右腕育成では、人を先に決めるより、まず仕事と判断を整理する必要があります。

解決

右腕を一人に決める前に、仕事・判断・権限を段階的に渡す進め方

最初に行いたいのは、社長の業務を「作業」「判断」「最終責任」に分けることです。現場管理、見積もり、設計、事務処理、営業という大きなくくりだけでは、任せるか任せないかの二択になってしまいます。

たとえば見積もりであれば、最初から提出まで任せる必要はありません。まず候補者が見積もり案をつくり、社長が確認する形に変えます。設計も同様に、案の作成と最終承認を分けます。

移管は、次の順序で進めると整理しやすくなります。

  1. 情報をまとめる仕事を任せる

現場の状況や見積もり・設計に必要な情報を、候補者自身に整理してもらいます。

  1. 案をつくる仕事を任せる

見積もり案や設計案を候補者が作成し、社長が修正点と判断理由を伝えます。

  1. 社長の承認を条件に実行を任せる

現場管理などを任せつつ、重要な判断は社長が確認します。

  1. 一定範囲の判断権限を渡す

任せられる範囲が見えた段階で、確認が必要な事項と本人が決めてよい事項を分けます。

  1. 社長は最終責任と営業へ比重を移す

日常的な確認を減らし、新規営業や事業開拓に使う時間を確保します。

「全部任せられるようになったら渡す」のではなく、案の作成、実行、判断の順に権限を広げることが重要です。 これなら会社側のリスクを抑えながら、候補者の力量も確認できます。

力量を見るときは、経験年数や作業の速さだけで判断しないほうがよいでしょう。少なくとも、次の点を案件ごとに確認します。

  • 必要な情報を自分で整理できたか
  • 見積もりや設計の意図を説明できたか
  • 社長の修正が同じ理由で繰り返されていないか
  • 自分で決める部分と、相談する部分を区別できたか
  • 現場の状況を適切なタイミングで共有できたか

この確認を2人の候補者に対して同じ基準で行えば、「何となくこちらのほうが向いている」ではなく、任せられる業務の範囲で比較できます。一人にすべてを集中させず、現場管理に強い人と、見積もり・設計に強い人へ役割を分ける方法も考えられます。

既存社員を育てるか、経験者を採用するかは、社長が手を空ける必要がある時期と、候補者が任せられる範囲の差で判断します。

既存社員が一部の業務を引き受け、修正を重ねながら判断の精度を高めているなら、育成を続ける余地があります。 一方、営業へ動く時期が迫っているのに、現場管理や見積もりの案作成まで任せられない場合は、経験者採用を並行して検討する必要があります。

ただし、経験者を採れば直ちに解決するとは限りません。地域の単価感や会社の品質基準、無理に遠方へ広げない方針などは、入社後に共有する必要があります。採用と育成のどちらを選ぶ場合でも、社長の判断基準を言葉にする作業は欠かせません。

まとめ

人が増えた会社で次に必要になるのは、さらに人数を増やすことだけではありません。社長が担ってきた仕事を分解し、既存社員へ渡せる状態をつくることです。

この会社には右腕候補が2人いますが、今すぐ一人に決める必要はありません。まずは現場管理、見積もり、設計について、情報整理、案の作成、承認付きの実行という順番で任せます。その過程を見れば、誰がどこまで担えるのかが具体的になります。

右腕育成の目的は、社長の代わりを一人つくることではなく、社長に集中している仕事と判断を、組織で回せる形へ変えることです。 その状態ができて初めて、社長は営業や新しい事業の開拓へ継続的に時間を使えるようになります。

採用か育成かを先に決めるより、まず「何を、どこまで、いつ任せたいか」を整理する。そこから始めると、次の一手が見えやすくなります。

自社に合った右腕育成と業務移管を整理したい方へ

右腕候補はいるものの何から任せればよいか分からない、既存社員の育成と経験者採用のどちらを優先すべきか迷っている、といった段階でも整理は可能です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。社長がものづくりと次の経営判断に集中できるよう、業務の棚卸しや教育体制、権限移譲の進め方を会社の状況に合わせて一緒に考えます。

「うちの場合は誰に何を任せるべきか」という段階からでも問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、社内だけでは整理しにくいときの相談先としてご活用ください。

お問い合わせはこちら