前提

協力会社だけに頼らず自社の作業員を増やしたい専門工事会社の採用

首都圏で工事を手がける、10名弱の専門工事会社がありました。繁忙期に協力会社へ応援を頼んでも、「こちらも忙しくて出せない」と断られることがあります。その結果、受けられたはずの工事を見送る場面も出ていました。

会社としては、今後の受注拡大を見据え、自社の作業員を増やしたい状況です。ただ、求人を出せば人が集まるわけではありません。

一方、東海地方のある工事会社では、当初7名程度だった組織が、数年をかけて80名規模まで成長しました。この会社が採用時に整えたのが、次の二つの入口です。

  • がっつり働き、収入を増やしたい人向けのコース
  • 休日を確保し、生活とのバランスを重視したい人向けのコース

「いっぱい働いて稼ぎたい人もいる。でも、今はしっかり休みたい人も多い。だったら、両方が入れる窓口をつくろう」

採用条件を一つに固定せず、異なる価値観に合う入口を用意することで、これまで対象外になっていた求職者にも会社を選んでもらいやすくなります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

一つの勤務条件では「稼ぎたい人」と「休みたい人」のどちらかを逃してしまう構造

建設会社の求人では、「給与を高くするか」「休日を増やすか」という二者択一になりがちです。しかし、求職者が仕事に求めるものは一様ではありません。

収入を優先したい人がいる一方で、家庭や私生活の時間を確保したい人もいます。同じ人でも、独身の時期、子育て中、生活が落ち着いた時期では優先順位が変わります。

それにもかかわらず、一つの求人票に一つの働き方だけを載せると、条件が合わない人は応募前に離れてしまいます。会社や仕事に興味があっても、休日数を見て諦める人がいます。反対に、もっと働いて収入を増やしたい人には、物足りなく見える可能性もあります。

問題は待遇の良し悪しだけではなく、異なる希望を持つ求職者に対して、選べる条件として見せられていないことです。

ただし、単に「好きな働き方を選べます」と書くだけでは運用できません。勤務日数と休日、収入の関係が曖昧なままだと、入社後に「求人で聞いた話と違う」という行き違いが起きやすくなります。

採用の間口を広げるには、求人の見せ方だけでなく、入社後も続けられる勤務制度として整える必要があります。

背景

働き方の希望は入社時に決まるものではなく、家庭や収入の状況によって変わるもの

東海地方の工事会社では、休日・休暇の条件をAとBに分け、二つの求人として打ち出しました。一つの求人票に両方を詰め込むのではなく、入口そのものを分けた形です。

これにより、「収入を重視したい人」と「ワークライフバランスを重視したい人」の双方から応募を受けやすくなりました。

さらに特徴的だったのは、最初に選んだコースへ固定しなかったことです。年1回、従業員と面談し、希望に応じてコースを入れ替えられるようにしました。

「休みを重視して入ったけれど、隣で働く同僚を見て、自分も収入重視のほうへ移りたくなった」

実際に、そのような変更がありました。もちろん逆もあります。収入重視で働いていた人が、家庭の状況に合わせて休日重視へ移ることも考えられます。

二つのコースは求職者を分類するための制度ではなく、本人の生活の変化に会社が対応するための仕組みです。

ここを見落とすと、採用時には魅力的でも、数年後には合わない制度になります。退職しか選択肢がない状態を避けるには、社内で働き方を変更できる余地が大切です。

また、勤務コースだけを先につくり、評価や育成を従来のままにすると不整合が生まれます。出勤日数が多い人だけが高く評価される運用では、休日重視のコースを選びにくくなります。新人を採用しても、OJTの担当や育成方法が決まっていなければ、現場任せになってしまいます。

採用の入口を二つにするなら、面談、評価、OJTまで一続きで考える必要があります。

解決

二つの求人を出す前に勤務条件・変更ルール・評価とOJTのつながりを整える進め方

最初に行いたいのは、求人票の作成ではなく、現在の従業員が何を重視して働いているかの確認です。長く勤めている人や若手、幹部に話を聞き、「なぜこの会社で働いているのか」「収入と休日のどちらを重視したいか」を整理します。

そのうえで、次の順番で制度を組み立てると進めやすくなります。

1.勤務コースごとの違いを明文化する

少なくとも、勤務日数・休日と収入の対応関係をそろえます。名称だけが異なり、実際の働き方が同じでは意味がありません。

確認したいのは、次のような点です。

  • それぞれのコースで休日・休暇がどう異なるか
  • 勤務条件の違いが収入へどう反映されるか
  • 現場運営上、無理なく続けられる条件か
  • 本人と現場責任者の双方が説明できる内容か

制度設計の基準は、求職者への見栄えではなく、繁忙期を含めて現場で守れる条件になっているかどうかです。

2.収入重視と休日重視で求人を分ける

二つの働き方を一枚の求人票へ詰め込むと、誰向けの求人なのかがぼやけます。収入重視と休日重視では、求人の入口を分けたほうが伝わりやすくなります。

仕事内容や会社の方針は共通でも、休日・休暇、収入との関係、向いている働き方をそれぞれ明確にします。応募者が自分に近い求人を選べる状態をつくるためです。

「どちらの条件もあります」ではなく、「あなたはこちらを選べます」と見せることが、採用の間口を広げます。

3.年1回の面談でコース変更を確認する

入社時の希望を固定せず、定期面談で見直します。年1回を基本とし、本人の生活や収入に対する考え方が変わっていないかを確認します。

面談では、変更希望だけでなく、現在の勤務状況や今後身につけたい技能も一緒に整理すると、配置や育成とのつながりが見えやすくなります。

大切なのは、変更できることを採用時から伝えておくことです。選び直せると分かれば、応募者も最初の一歩を踏み出しやすくなります。

4.コースと評価制度を切り分けて考える

勤務日数が異なる場合でも、技能や役割まで同じ基準で曖昧に評価すると、従業員の納得感をつくりにくくなります。職務基準や等級を整理し、何を身につければ次の段階へ進めるのかを見えるようにします。

その際、コースの選択そのものを能力評価にしないことが重要です。収入重視を選んだから優秀、休日重視だから意欲が低い、という見方になれば制度は機能しません。

働き方の選択と、技能・役割に対する評価を混同しない設計が、二つのコースを定着させます。

5.採用後のOJTまで準備する

応募が増えても、入社後の育成が現場任せでは定着につながりません。誰が教えるのか、どの仕事から任せるのか、どの段階で振り返るのかを整理します。

若手を採用する場合は、OJT担当やメンターを決め、勤務コースにかかわらず必要な技能を学べる状態をつくります。採用広報、勤務制度、評価制度、育成体制は別々の施策ではありません。

採用の入口を広げた分だけ、入社後に受け止める仕組みも整えることが、採用数と定着の両立につながります。

まとめ

「稼ぎたい人」と「休みたい人」の両方を採用するには、給与や休日を単に増減させるだけでは足りません。

二つの勤務コースを明確にし、求人も分けて出す。入社後は定期面談で変更できるようにする。さらに、評価制度やOJTとつなげる。ここまで整って初めて、働き方の選択肢が会社の採用力になります。

一つの条件に人を合わせるのではなく、会社として運用できる範囲で複数の入口を設けることが、採用対象を広げながら長く働いてもらうための土台になります。

まずは現在の従業員に、「今は収入と休日のどちらを重視しているか」「数年後も同じ働き方を望むか」と聞くところから始めてもよいでしょう。自社に必要な二つのコースが、具体的に見えてくるはずです。

自社に合う勤務コースと採用の入口を整理したい方へ

勤務コースを増やす場合、求人票だけでなく、現場の配置、評価、面談、OJTまで含めた整理が必要です。「うちの場合は二つに分けられるのか」「何から決めればよいか分からない」という段階でも問題ありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の人材課題を、採用から組織づくり、評価、育成まで横断して整理し、実行を支援しています。建設企業の持続的成長に向けて、現場で続けられる働き方を一緒に考えます。

無理にサービスを勧めることはありません。現在の勤務条件や採用状況を整理する機会として、気軽にご相談ください。

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