前提

自社施工へ切り替えるため、30名弱まで急拡大した内装工事会社

神奈川県を拠点に、RC造の内装工事を中心に手がける、30名弱の建設会社があります。数年前までは5名ほどでしたが、自社施工で工事を完結できる体制を目指し、10名強の外国人職人を採用しました。

若い職人を確保し、急な応援依頼にも対応できる。人手不足が続くなかで、これは大きな強みです。

一方で、人数が急に増えると、これまで口頭で済んでいたルールや評価の考え方が伝わりにくくなります。特に外国人職人の場合、日本語の理解度だけでなく、雇用や昇給に対する前提が会社側と異なることもあります。

外国人職人の定着は、採用人数ではなく、入社後の認識を揃える仕組みまで含めて考える必要があります。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

体調不良の欠勤が続き、「クビにされた」と思い込んだまま音信不通になる状態

この会社では、外国人職人が突然来なくなる出来事がありました。

「朝に体調不良だと連絡があり、それが何日か続いた後、急に来なくなりました。連絡しても音信不通になってしまって」

会社側には、解雇する意図はありませんでした。ところが、後から本人に理由を聞くと、返ってきたのは「クビにされたと思っていました」という言葉でした。

会社から見れば、本人の思い込みに見えます。ただ、本人のなかでは、欠勤したことへの不安が膨らみ、会社に確認できないまま「もう戻れない」という結論になっていた可能性があります。

もう一つの悩みが、入社直後の昇給要求です。

「この給料で働くと決めて入ったのに、1、2カ月後には『給料を上げてください』と言われるんです。何を身につけたのか、まだ判断できないじゃないですか」

もちろん、経験があり、担当できる仕事量も多い職人であれば、昇給を検討できます。実際にこの会社でも、「これくらいの量をこなしているなら」と評価して給与を上げたケースがありました。

ところが、その情報が仲間内で広がります。

「俺は上げてもらったから、会社に言ってみれば」という部分だけが伝わり、なぜ昇給したのかが抜け落ちます。すると、入社時期や技能に関係なく、同じ昇給を期待する職人が出てきます。

欠勤後の音信不通と入社直後の昇給要求は、別々の問題に見えて、どちらも「会社の判断基準が本人に見えていない」という点でつながっています。

背景

口頭の説明と仲間内の口コミだけでは、会社の意図より先に思い込みが広がる環境

背景にあるのは、国籍そのものではありません。会社の成長スピードに、説明と対話の仕組みが追いついていない状態です。

5名ほどの組織であれば、経営者や管理側が一人ひとりの様子を見られます。「昨日休んだけれど大丈夫か」「この仕事ができるようになったから次はここを任せよう」と、日常会話のなかで補足できます。

30名弱になり、現場が分かれると、それが難しくなります。外国人職人が10名を超えれば、同じ国の出身者同士だけでなく、職人同士の横のつながりから待遇情報が早く伝わります。

ただし、口コミで広がるのは、必ずしも判断の背景まで含んだ情報ではありません。

  • 経験者だから昇給した
  • 担当できる仕事量が増えたから昇給した
  • 入社時の条件が違っていた

こうした前提が省かれ、「会社に言えば給与が上がる」という情報だけが残ることがあります。

欠勤についても同じです。会社側は「体調が戻ったら連絡してほしい」と考えていても、本人が「何日も休んだから解雇された」と受け取れば、認識は大きくずれます。相談先が分からなければ、本人のなかだけで結論が固まります。

現場を回す管理側も忙しく、異変に気づいたときには連絡が取れない。これでは、採用しても離職が続く「ザルに水を入れるような状態」になりかねません。

個人の性格や思い込みだけで片づけると、同じことが別の職人にも起こります。会社のルールが伝わる経路をつくることが、再発を減らす第一歩です。

解決

欠勤・相談・評価・昇給の基準を見える形にし、短い面談で認識のずれを拾う仕組み

整えたいのは、分厚い規程ではありません。まずは、離職に直結しやすい項目から、会社の考え方を見える形にします。

最初に明文化したいのは、「休んだとき」「困ったとき」「給与を上げたいとき」に、誰へ、どのように伝えるかです。

1.欠勤が解雇を意味しないことまで説明する

欠勤時の連絡方法だけでは不十分です。連絡後に何が起こるのかも伝えます。

  • 体調不良のときは誰に連絡するか
  • 休みが続く場合は、いつ状況を報告するか
  • 欠勤しただけで解雇が決まるわけではないこと
  • 現場復帰について誰と相談するか

説明した後は、「分かりましたか」と聞くだけで終わらせず、本人の言葉で確認してもらう方が認識を揃えやすくなります。

「3日休んだ場合、誰に連絡しますか」「会社から連絡が来ないとき、どうしますか」と具体的に聞けば、理解のずれを見つけられます。

2.相談経路を一つに絞りすぎない

直属の上司に言いにくいこともあります。現場の責任者に加え、事務担当や経営側など、相談できる相手を明確にしておくと、音信不通になる前に話を拾いやすくなります。

外部の受け入れ関係者がいる場合は、会社・本人・外部担当者のどこまでが対応するのかも整理します。誰かが聞いているだろう、という状態をなくすことが大切です。

相談経路は、問題が起きた後の連絡網ではなく、本人が一人で結論を出さないための仕組みです。

3.昇給を「交渉の強さ」ではなく「技能と仕事量」で判断する

昇給要求そのものを否定する必要はありません。重要なのは、要求されたときに、会社として同じ基準で説明できることです。

この会社の実例から考えると、少なくとも次の2点は判断材料になります。

  • 入社後に何を身につけたか
  • どれくらいの仕事量を担当できるようになったか

経験者が多くの仕事をこなして昇給したのであれば、その理由を本人だけでなく、他の職人にも説明できる形にします。

「経験者だから」では曖昧です。「この作業を一人で担当できる」「この仕事量を安定して任せられる」と分ければ、次に何を目指せばよいかが見えます。

会社側も、昇給によって増える人件費を継続して負担できるかを見る必要があります。そのため、評価は技能だけでなく、会社の収支や生産性とのバランスを踏まえて判断します。

昇給基準が見えれば、「あの人は上がったのに」という不満を、「自分は次に何ができれば上がるのか」という確認に変えやすくなります。

4.定期面談を評価の場だけにしない

面談は、給与を決めるときだけ行うものではありません。短い時間でも、定期的に次の点を確認します。

  • 現場で困っていることはないか
  • 会社から注意された内容をどう受け止めたか
  • 給与や仕事について聞いた話で、気になっていることはないか
  • 次に身につけたい仕事は何か

特に見逃したくないのは、体調不良による欠勤が続く、急に昇給を求める、会社の説明より仲間の話を強く信じる、連絡への反応が減る、といった変化です。

これらを問題行動として注意する前に、「何を不安に感じているのか」を確認します。早い段階なら、説明の行き違いを修正できることがあります。

5.評価とキャリアアップをつなげる

評価表だけを作っても、本人に将来像が見えなければ定着にはつながりにくくなります。

身につける技能、任せる仕事量、次の役割、昇給の検討を一つの流れとして示します。研修制度やキャリアアップ制度も、この流れに沿って整えると使いやすくなります。

進める順番は、次の形が現実的です。

  1. 実際に起きた欠勤や昇給要求を書き出す
  2. 会社としての判断基準を揃える
  3. 職人に伝わる表現へ置き換える
  4. 面談で理解度と不満を確認する
  5. 運用後に、伝わらなかった部分を修正する

制度を一度で完成させるより、実際の行き違いをもとに説明と面談を更新していく方が、現場で使える仕組みになります。

まとめ

外国人職人が突然来なくなったとき、本人の責任だけに見えることがあります。入社直後の昇給要求も、会社への理解が足りないように感じるかもしれません。

ただ、その背景をたどると、欠勤後の扱い、相談先、評価、昇給の基準が本人に見えていないことがあります。仲間内の口コミが速い環境では、会社が説明しない部分を、職人同士の情報が埋めていきます。

突然の離職を減らすには、就業ルールを伝えるだけでなく、相談経路、定期面談、技能と仕事量に連動した評価・昇給基準まで一続きで整えることが大切です。

最初から大がかりな人事制度をつくる必要はありません。まずは、実際に起きた欠勤や昇給要求を題材に、「会社はどう判断するのか」「本人は誰に確認できるのか」を揃えるところから始められます。

外国人職人が定着できる評価と対話の仕組みを整理するために

「うちの場合、どこまでルールを決めるべきか」「評価基準はあるが、職人にうまく伝わっていない」と感じる場合は、現在の採用状況や現場の管理体制から整理する方法があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。外国人職人の定着についても、就業ルール、面談、評価・昇給、キャリアアップ制度を会社の規模に合わせて考えられます。

何から整理すべきか決まっていない段階でも問題ありません。状況を伺ったうえで一緒に論点を整理し、無理にサービスをおすすめすることはありません。

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