前提

約8名単位の作業班が現場を移動しながら工事を引き継ぐインフラ工事の現在地

東北地方で送電設備や変電設備の工事を発注・管理する、あるインフラ事業者では、元請と協力会社、さらに協力会社同士のコミュニケーションを安全上の課題として捉えていました。

担当者の言葉は率直です。

「工事中の協力会社とのコミュニケーションも、協力会社同士のコミュニケーションも、まだ十分ではありません」

現場では、約8名単位の班が基礎工事、鉄塔などの組立、ケーブルに関わる作業をそれぞれ担当します。一つの工程が終わると、班は次の施工場所へ移動します。班の顔ぶれは大きく変わらなくても、作業場所と周囲の関係者は変わっていく形です。

このような現場では、各班の内部で情報が共有されていても、別の班まで届くとは限りません。前工程で見つかった注意点を次工程の班が知らないまま作業に入ることも考えられます。

安全上の気づきを個人や班の中に残さず、現場全体へ渡す仕組みが必要な現場です。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
  • 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
  • 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
  • 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
  • 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
  • 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
  • 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
  • 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
  • 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
  • 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
  • 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
  • 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
  • 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
  • 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
  • 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
  • 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
  • 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
  • 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
  • 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
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課題

朝礼や注意喚起だけではヒヤリハットが班を越えて残りにくい状況

朝礼や安全ミーティングは重要ですが、それだけですべての気づきを共有するのは難しいものです。作業班が複数に分かれ、別々の場所を回る工事では、同じ時間に全員が集まれないこともあります。

特に難しいのは、事故には至らなかった小さなヒヤリハットです。その場で対応できたからこそ、わざわざ別の班へ伝えないまま終わりやすくなります。

一方で、現場に必要なのは注意や指摘だけではありません。「声かけが早かった」「周囲を確認してから作業を止めた」といった良い行動も、安全を支える大切な情報です。

「お互いに褒め合うことは、工事災害の防止にも有効ではないか」

こうした考え方が出てきたのは、注意喚起だけでは日常的な参加を生みにくいからです。危険を報告することだけを求めると、投稿する側に心理的な負担がかかります。良い行動も共有対象にすると、現場の会話を始めやすくなります。

ヒヤリハットと称賛を同じ安全活動の中で扱い、報告しやすい入口を増やすことがポイントです。

背景

班ごとに施工場所を回る体制と夜勤を含む勤務時間の違い

情報が広がりにくい背景には、協力会社の意識だけではなく、現場の運営構造があります。

送電設備などの工事では、一つの班が同じ場所にとどまり続けるとは限りません。基礎を担当する班が施工を終えて移動し、その後に組立の班、さらに別工程の班が入ります。同じ現場名の下で働いていても、班によって見ている場所、工程、危険が異なります。

勤務時間の違いも見逃せません。別の道路工事現場では、事務局の担当者が夜勤に入り、連絡への返信が朝方になる状況がありました。利用開始に向けたやり取りは多いものの、担当者自身のログインや現場展開が進まないケースも見られました。

これは担当者の熱意の問題とは限りません。24時間に近い施工体制や夜間作業がある現場では、日中を前提にした説明や運用が合わないことがあります。

また、デジタル上に共有場所を用意するだけでも定着しません。ある土木現場では300名弱が登録し、称賛の投稿と数件のヒヤリハット報告が始まっていました。その一方で、別の現場では実利用まで進んでいませんでした。

「登録者がいること」と「安全上の気づきが継続して共有されていること」は分けて確認する必要があります。

解決

称賛とヒヤリハットを日常化し、投稿・反応履歴から参加状況を確かめる運用

安全コミュニケーションを改善する際は、ツールの導入そのものではなく、誰が、どの場面で、何を共有するかを先に整理します。

1.班を越えて読める共有単位を決める

作業班ごとに情報を閉じると、次工程への引き継ぎが弱くなります。一方、すべての投稿を全員に流すだけでは、自分に関係する情報を見つけにくくなります。

そのため、現場全体で閲覧できる状態を基本としながら、どの班・工程・施工場所に関する投稿なのかが分かる形にします。

共有単位を「会社別」だけで設計せず、「班・工程・施工場所」まで見えるようにすることが、現場全体への展開につながります。

2.称賛とヒヤリハットの両方を投稿対象にする

報告を定着させるには、危険な出来事だけを対象にしないことが大切です。

  • 周囲への声かけや確認など、良かった行動を称賛する
  • 事故には至らなかったヒヤリハットを共有する
  • 別の班にも知ってほしい注意点を残す

称賛は雰囲気づくりだけが目的ではありません。安全につながる具体的な行動を見えるようにし、ほかの班でも再現しやすくする役割があります。

「危険を見つけた人」だけでなく、「安全な行動をした人」も参加できる仕組みにすると、日常的な共有へつなげやすくなります。

3.投稿数だけでなく、反応まで確認する

投稿があっても、ほかの班に読まれていなければ情報共有としては不十分です。投稿・反応履歴を見る際は、次の点を分けて確認します。

  • 登録後にログインしている人はどれくらいいるか
  • 称賛やヒヤリハットが特定の班だけに偏っていないか
  • 投稿に対して、ほかの班から反応があるか
  • 夜勤を含め、勤務時間が異なる人も参加できているか
  • 利用が止まっている班や施工場所はないか

ただし、投稿が少ない班をすぐに「安全意識が低い」と判断するのは避けたいところです。説明を受ける時間がなかった、端末の準備ができていない、勤務時間が合っていないなど、運用上の事情も考えられます。

履歴は人を評価するためではなく、情報が届いていない班や、気づきが表に出ていない場所を見つけるために使います。

4.利用開始前後の現場支援を分けて行う

実利用まで進めるには、事務局への説明だけで終わらせないことも重要です。実際の立ち上げでは、事務局担当者との顔合わせ、操作画面の説明、タブレット端末の設定、現場監督への説明を段階的に行う計画が組まれていました。

利用が始まらない場合は、オンライン上の連絡を重ねるだけでなく、現場を訪れて勤務体制や端末の置き場所、説明を受けられる時間帯を確認する選択肢もあります。

安全活動の定着度は、導入時の説明回数よりも、各班が実際に投稿・閲覧・反応できているかで確かめるのが現実的です。

まとめ

協力会社同士のコミュニケーション不足は、単に「もっと会話を増やそう」と呼びかけるだけでは改善しにくい課題です。作業班が施工場所を移動し、工程や勤務時間が異なる現場では、情報が自然に分断されます。

安全上の気づきを広げるには、次の流れをつくることが大切です。

  • 称賛とヒヤリハットを日常的に共有する
  • 班・工程・施工場所を越えて読める状態にする
  • 投稿だけでなく、閲覧や反応の状況も確認する
  • 利用が進まない班には、現場の勤務体制や端末環境を踏まえて支援する

朝礼を置き換えるのではなく、朝礼の間に生まれた気づきを残し、別の班へ渡す仕組みとして考えると整理しやすくなります。

自社の安全コミュニケーションをどこから整えるか考えるために

「協力会社ごとの情報共有で止まっている」「ヒヤリハット報告が一部の人に偏る」「仕組みを入れても現場で使われるか分からない」といった段階では、まず班編成、工程、勤務時間、現在の共有方法を並べてみると、詰まりやすい場所が見えてきます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・組織・原価・採用・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。安全に関する情報共有についても、「うちの場合は何から整理すべきか」という段階から一緒に考えられます。

無理にサービス導入を勧めることはありません。現場に合う進め方を整理したい場合は、気軽にお声がけください。

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