前提

3年先まで現場は見えていても、8月・9月は空き、10月以降に工事が重なる内装工事会社

北関東で軽鉄工事とボード工事を手がける、年商6千万円台から1億円弱の内装工事会社があります。現場作業を担う社員は1名。そこに4名ほどの専属職人が加わり、社長は事務と経営を担っています。

主な受注経路は、大手ゼネコン案件を請け負う一次下請けの内装会社です。工場、学校、病院などの新築現場が中心で、長い付き合いの取引先から継続的に仕事が入っています。

先の見通しがないわけではありません。1年後、2年後、案件によっては3年先まで現場の話が見えています。それでも、実際の施工時期には偏りがあります。

「8月、9月は仕事がないかと思うくらいなのに、10月からは現場がびっちり入る。重なったら困るな、という感じです」

この会社では、3カ月ほど忙しい時期が続いた後、2カ月ほど手が空くこともあります。年間の案件数ではなく、建設会社の工程に沿って軽鉄・ボード工事の時期が集中するためです。

先の案件が見えていることと、年間を通じて人を安定稼働させられることは別の問題です。

1週間で 18件の相談 がありました

  • 8月5日設備保全会社滋賀県人材確保の相談
  • 8月5日プラント工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 8月4日プラント工事会社埼玉県利益率向上の相談
  • 8月4日防水工事会社京都府原価管理の相談
  • 8月4日造園会社群馬県原価管理の相談
  • 8月3日総合土木愛知県案件獲得の相談
  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
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課題

繁忙期の受注能力を上げたい一方、閑散期の人件費が採用判断を止める状態

悩ましいのは、仕事がないことだけではありません。忙しい時期には、今の人数で施工できる量を超える案件が重なります。

「3カ月いくら忙しくても、うちでできる量は人数で決まっています。でも、人を抱えすぎたら暇な時期にどうするのか、となるんですよね」

自社雇用を増やせば、繁忙期に受けられる仕事は増えます。一方、閑散期にも給与や社会保険料などの固定費は発生します。仕事量の波が大きいほど、採用に踏み切りにくくなります。

かといって、仕事が薄い時期だけ新しい取引先を増やす方法にも難しさがあります。暇な時には対応できても、既存案件が重なれば断らざるを得ません。継続取引を前提とする相手に対して、「今月はできますが、繁忙期はできません」とは言いにくいものです。

現在は、忙しくなると横のつながりがある同業会社へ声をかけ、相手に余力があれば応援を頼んでいます。それでも足りなければ、一次下請け会社に別の職人を手配してもらいます。

この方法は固定費を抑えやすい反面、相手も同じ時期に忙しくなれば頼めません。

判断すべきなのは「人を増やすか、増やさないか」ではなく、閑散期に維持できる人数と繁忙期に外部から補う人数の境目です。

背景

年間売上では見えない工程の集中が、固定費と受注の取りこぼしを同時に生む構造

人員判断が難しくなる背景には、仕事量を年間合計で見てしまいやすいことがあります。

たとえば年間で十分な受注が見込めても、軽鉄・ボード工事が10月から1月に集中し、8月・9月の稼働が落ちるなら、毎月同じ人数を動かせるわけではありません。年間売上が同じでも、毎月均等に仕事がある会社と、数カ月に集中する会社では、抱えられる固定人員が変わります。

また、現場が重なった時にどれだけ仕事を取りこぼしているかも、感覚だけでは判断しにくい部分です。

  • 依頼を断った案件は何件あったか
  • 人がいれば追加で受けられた工事量はどの程度か
  • 協力会社へ依頼できず、受注を見送ったことはあったか
  • その仕事から見込めた粗利益はいくらか

これらが整理されていなければ、新たに雇う人の固定費と、繁忙期に逃している利益を比べられません。

さらに、この会社の専属職人は社長と近い年代が中心です。現在の人数が今後も同じように稼働できるとは限りません。ただし、将来への備えだけを理由に急いで採用すると、目の前の閑散期負担が重くなります。

採用判断には、年間売上ではなく「月別の最低稼働量」と「繁忙期に逃している粗利益」の両方が必要です。

解決

閑散期の最低稼働量を土台に、自社雇用・専属職人・協力会社の三層で施工力を組み立てる方法

最初に整理したいのは、売上目標ではなく月別の施工量です。今後12カ月程度の現場を並べ、軽鉄工事とボード工事に必要な人数と日数を月ごとに置いていきます。

案件は、少なくとも次のように分けておくと見通しを立てやすくなります。

  • 受注が確定している現場
  • 受注の可能性が高い現場
  • 話はあるが、時期や受注が未確定の現場

大切なのは、忙しい月の人数ではなく、8月・9月のように仕事が薄い月でも継続して動かせる人数を見ることです。

自社雇用の人数は、繁忙期の最大仕事量ではなく、閑散期でも維持できる最低仕事量を基準に決めます。

そのうえで、施工体制を三つに分けます。

1.自社雇用は、年間を通じて必要な中核人数に絞る

現場の最低稼働量で仕事を確保でき、閑散期を含めても固定費を負担できる人数は、自社雇用の候補です。技術や段取りを社内に残したい場合も、自社雇用の意味が大きくなります。

一方、繁忙期の数カ月だけ必要になる人数まで社員化すると、仕事が薄い月の負担が増えます。採用前には、少なくとも閑散期の仕事量と固定費を並べて確認しておきたいところです。

2.専属職人は、一定量が見込めるが社員化までは判断できない部分を担う

専属職人は、現在の施工力を支える重要な層です。先の現場予定を早めに共有し、どの時期に何人動けそうかを確認できれば、社員だけで抱えるより柔軟な体制をつくれます。

ただし、専属職人も年齢や他現場の状況によって稼働が変わります。「いつも頼めているから」という前提だけでなく、半年後や1年後の稼働見込みを個別に確認しておく必要があります。

3.協力会社は、繁忙期の上振れに備えて平時から確保する

協力会社は、仕事が重なってから探すのでは間に合わないことがあります。特に同業会社は同じ時期に繁忙期を迎えやすいため、社数だけ増やしても実際の応援力が増えるとは限りません。

確認したいのは、次のような点です。

  • 軽鉄とボードのどちらに対応できるか
  • 何人程度の応援が可能か
  • 自社の繁忙期に相手の手が空く可能性があるか
  • 県内だけでなく、都内や近県まで対応できるか
  • 過去に一緒に施工した実績があるか

相談企業には、県外の店舗工事を受注し、現地の知り合いの職人へ施工を任せていた経験もありました。自社職人が移動できる範囲と、現地の協力会社に任せられる範囲を分けることも、受注能力を広げる方法の一つです。

協力会社は「何社知っているか」ではなく、自社の繁忙期に何人を確保できるかで見ます。

最後に、採用を判断する前に、繁忙期の取りこぼしを記録します。断った工事量と見込めた粗利益が、新たな社員の年間固定費を継続的に上回るなら、採用を検討しやすくなります。反対に、取りこぼしが年に数回だけなら、専属職人や協力会社を厚くするほうが合う可能性があります。

固定費と取りこぼしを比べることで、採用を感覚ではなく仕事量から判断できます。

まとめ

仕事量に波がある専門工事会社では、忙しい時期だけを見て採用すると固定費が重くなり、閑散期だけを見て人を増やさないと繁忙期の受注を逃します。

整理の順番は、次のとおりです。

  1. 今後12カ月の現場を月別に並べる
  2. 閑散期でも維持できる最低稼働量を確認する
  3. 繁忙期に断った仕事量と粗利益を記録する
  4. 最低稼働量は自社雇用、一定量は専属職人、上振れは協力会社で組み立てる
  5. 協力会社ごとの対応工種・人数・時期・エリアを整理する

自社雇用・専属職人・協力会社のどれか一つに寄せるのではなく、仕事量の波に合わせて役割を分けることが、固定費を抑えながら受注能力を高める基本になります。

自社に合う人員構成を、月別の仕事量から整理したい方へ

人を雇うべきか、専属職人を増やすべきか、協力会社との関係を広げるべきかは、年間売上だけでは決めにくいものです。現場の時期、最低稼働量、固定費、取りこぼしている工事量まで並べると、自社に合う形が見えやすくなります。

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