約300件への架電で5件超のアポを取れた関東圏の防水工事会社
関東圏で防水工事を手がける、ある専門工事会社の事例です。新規開拓を始め、約300件に電話したところ、担当者や社長につながったのは20件前後。そこから5件を超えるアポを獲得できました。
数字だけを見れば、滑り出しは悪くありません。社長も「もうアポが取れたんですか」と驚いていました。
ただ、アポ先の内訳を見ると気になる点がありました。大半が塗装や防水を手がける同規模の工事会社だったのです。元請・一次請けとして継続的に発注する会社というより、自社と同じく協力会社側にいる可能性がありました。
一方、工場を持つエンドユーザーからは「ちょうど雨漏りで困っている」という具体的な相談も入りました。こちらは需要が明確です。ただし、単発対応になる可能性もあります。
アポが取れていることと、継続受注につながる相手へ接触できていることは別です。
新規営業の初期は、アポ数を増やすだけでなく、「発注する立場の会社に当たっているか」を確かめる必要があります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
売上2億〜5億円という規模だけでは元請会社と協力会社を見分けられない状態
当初の営業先は、売上2億〜5億円ほどの会社が中心でした。しかし社長からは、こんな言葉が出ました。
「この規模だと、うちより人が多くて、自社で工事を回しているイメージが強いんですよね。むしろ、もっと大きい会社のほうがいいのかな」
ここで見るべきなのは、売上の大小だけではありません。
同じ売上規模でも、会社によって立ち位置は異なります。
- 元請として複数の案件を受け、専門工事を外注している会社
- 一次請けとして現場をまとめ、協力会社を探している会社
- 自社施工を中心としており、外注需要が少ない会社
- 自社と同じく二次、三次の立場で仕事を受けている会社
売上が大きければ案件数も多い傾向はあります。その分、防水工事を外注する機会も増えるかもしれません。ただし、施工部隊を十分に抱えていれば、外注需要があるとは限りません。
逆に、売上規模が小さくても、元請として改修工事を受け、専門工事を協力会社へ出している会社はあります。
営業先を絞るときは、「いくら売っている会社か」よりも「どの商流にいて、誰に工事を発注している会社か」を先に確認することが大切です。
ここが曖昧なままだと、アポは増えても、協力会社同士の情報交換で終わりやすくなります。
公共工事の受注歴と抱えている案件数に発注意欲の手がかりがある構造
この会社の社長は、自ら営業リストを作る際、公共工事の入札結果を確認していました。
「役所関係の仕事を取っている会社がいいですよね。入札情報を見ると、落札した会社が出てくるので、それを見てリストを作っています」
この見方には理由があります。
公共施設や公営住宅などの改修工事を落札した会社は、元請として施工体制を組む必要があります。塗装、防水、足場など、工種ごとに協力会社を必要とする可能性があります。
自治体や公的機関が販売先に入っているか。直近でどのような工事を落札したか。落札が単発なのか、継続しているのか。こうした情報は、発注側にいる会社を見分ける材料になります。
ただし、公共工事の実績だけで決めるのも十分ではありません。実際に組める相手かどうかは、次の条件で変わります。
- 自社が対応できる防水工法や施工品質と合うか
- 現在抱えている案件数や今後の工事予定があるか
- 自社の職人数と工期で対応できるか
- 先方の会社や現場まで無理なく移動できるか
- 価格だけでなく、品質や納期も含めて評価されるか
この会社では、移動時間を最大1時間半ほどに設定し、40〜50キロ程度を一つの目安にしていました。ただし、会社所在地が近くても、現場が遠ければ継続対応は難しくなります。反対に、会社は少し離れていても、現場が自社の施工エリア内に集中していれば候補になります。
「相手の会社の位置で見ても、現場の位置で見ても変わりますよね」という会話もありました。
発注可能性は、元請・一次請けという商流、案件の量、公共工事の実績、施工エリア、自社の施工能力を重ねて判断するものです。
どれか一つで決めると、見込みのある会社を外したり、反対に受注につながりにくい会社へ時間を使ったりしやすくなります。
5つの条件で営業リストを仮説化し、小さな架電結果から更新する進め方
最初から「売上10億円以上の会社だけ」と固定する必要はありません。条件を少しずつ変え、反応を比べながら対象を絞るほうが現実的です。
営業リストは完成品として作るのではなく、商談結果を反映して更新する前提で作ります。
まず、候補企業を次の5項目で整理します。
- 商流
元請または一次請けとして工事を受注しているかを見ます。会社案内や施工実績、主な販売先などから確認します。
- 公共工事の落札実績
自治体、公的機関、公営住宅などの工事を落札しているかを見ます。直近の落札回数や工事内容も確認します。
- 抱えている案件の量
売上規模だけでなく、施工実績や落札履歴から案件数を推測します。アポ後は、現在の工事予定や協力会社の充足状況を直接確認します。
- 移動時間
本社までの距離だけではなく、主な現場エリアを見ます。継続して応援に入れる範囲かどうかが判断軸です。
- 自社の施工能力との相性
対応工法、使用材料、実績、品質、価格帯、納期を整理します。受注できても施工できなければ、長い取引にはつながりません。
そのうえで、条件の異なるリストを小さく試します。たとえば、次のように分けられます。
- 売上規模が比較的大きい塗装・改修会社
- 公共工事の落札実績がある元請会社
- 売上規模は中程度でも、自治体や公的機関との取引がある会社
- 不動産管理と工事業を兼ね、修繕需要を持つ会社
一度に大量架電する必要はありません。1日単位、あるいは50社程度のまとまりで試し、アポ率と商談内容を比べます。
商談では、次の点を確認します。
- 防水工事を外注することがあるか
- どのような案件で協力会社が必要になるか
- 現在の協力会社で足りていない工法やエリアはあるか
- 今後の工事予定はいつ頃か
- 協力会社を選ぶとき、価格、品質、実績、納期の何を重視するか
「この規模の会社は絶対に合わない」と分かれば、その結果にも価値があります。次回から同じ条件を外せるからです。反対に、「こんな業種にも防水工事の需要がある」と分かれば、新しい候補群を作れます。
アポ数よりも、協力会社を探している可能性が高い相手との商談を増やすことが、受注に近い営業活動です。
また、自社の施工予定も無視できません。この会社では、すでに工事が詰まっている時期がありました。アポを一気に増やしても、社長が対応しきれず、受注後の施工枠も足りなくなる可能性があります。
そのため、架電件数を追い続けるより、対象を狭めて商談の質を上げるほうが合う局面もあります。営業量は、社長が商談できる件数と現場が受けられる工事量に合わせて調整します。
狙う会社の条件と、自社が受けられる案件の条件を同時に揃えることで、アポから受注までの距離が縮まります。
まとめ
新規営業でアポが取れても、相手が自社と同じ協力会社側にいれば、発注にはつながりにくいことがあります。
狙うべき相手を見極めるには、売上規模だけでは足りません。
元請・一次請けとしての商流、公共工事の落札実績、抱えている案件数、現場までの移動時間、自社の施工能力との相性を組み合わせて判断します。
最初から条件を固定する必要はありません。規模や業種を少しずつ変えてアプローチし、商談で分かったことを営業リストへ戻します。
その積み重ねによって、「自社が狙うべき会社は、このエリアのこの数百社」と輪郭が見えてきます。数を広げるより、発注可能性の高い会社へ狭く深く当たる。その切り替えが、新規営業を受注へ近づけます。
自社が狙うべき元請会社の条件を整理したいときに
「アポは取れるが、その先へ進まない」「元請会社をどの条件で探せばよいか分からない」という段階では、営業トークより先に、商流と施工体制を整理すると次の一手が見えやすくなります。
ネクスゲートは、中小・専門工事会社の販路拡大を、営業リストの設計、元請候補の選定、商談結果の振り返り、実行体制づくりまで一緒に整理しています。建設企業の持続的成長を支援し、ものづくりに集中できる建設業界を目指しています。
「うちの場合は、どの会社を狙うべきか」という段階からでも大丈夫です。状況を伺いながら整理します。無理に営業を進めることはありませんので、気軽にお声がけください。

































