前提

30年近い人脈から仕事が続く一方、自社で元請け販路を開拓したい中部地方の専門工事会社

中部地方で塗装・防水工事を手がける、ある専門工事会社があります。社長は職人出身です。父親と現場に入り、腕一本で仕事をしてきました。その後、法人化や建設業許可、各種資格の取得を進め、企業向け工事を受ける体制を整えてきました。

現在の仕事を支えているのは、社長が10代、20代の頃から築いてきた人間関係です。

「若い頃に一緒だった監督さんたちが、今は力を持つ立場になっています。20年、長ければ30年近い付き合いの方から紹介をいただいて、今の仕事があります」

長年の関係から仕事が生まれるのは、会社にとって大きな強みです。実際、塗装や防水だけでなく、「こういう工事ができる業者はいないか」と別工種の相談まで入ることがあります。発注側が窓口を一本化したいとき、最初に声をかけてもらえる存在になっているのです。

一方で、次の成長を考えると、紹介を待つだけではなく、自社から新しい発注先との接点をつくる必要があります。

目指しているのは、ゼネコンやリニューアル会社、ビル管理会社などに協力会社として認知され、先方から声がかかる状態です。ただし、すでに取引のある元請けや、既存顧客から流れてくる案件と競合する動きは避けなければなりません。

必要なのは、長年の紹介営業を否定することではなく、その強みを残したまま「既存商流と競合しない新しい入口」を増やすことです。

1週間で 14件の相談 がありました

  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
  • 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
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課題

新しい元請けと会えても、紹介だけでは仕事につながらないという戸惑い

社長が最も気にしていたのは、紹介先の数ではありませんでした。紹介された後、どのように信頼関係をつくるかです。

「物の売り買いなら、その物に信頼があれば紹介できます。でも、工事の仕事は人と人です。初めましてで紹介されて、そこからどう付き合えばいいのかが気になります」

この感覚は、専門工事会社の営業では自然なものです。工事は、会社案内や見積金額だけで発注が決まるとは限りません。施工品質、安全対応、現場での調整力、報告の速さなどを含め、「任せても問題ない会社か」が見られます。

そのため、紹介を受けたこと自体を成果にすると、営業活動が止まりやすくなります。初回面談の直後に案件がなければ、そのまま接点が途切れてしまうからです。

また、元請け企業の中でも窓口は一つではありません。新築工事を担う建築部、改修を扱うリニューアル部門、建物管理を担うグループ会社など、発注の入口が分かれている場合があります。

今回の会社も、ある大手建設会社の関連会社を通じてリニューアル工事を受けていました。しかし、案件の出どころをたどると、本体の建設部門から流れてきていることもありました。

「どの会社とつながるか」だけでなく、「どの部門が、どの工事を発注しているか」まで見なければ、営業先の優先順位は決まりません。

背景

昔の監督や所長との信頼が強いほど、初対面から始める営業に慎重になる構造

社長が新規開拓に慎重なのは、営業が苦手だからではありません。むしろ、仕事につながる関係がどのように育つかを、長年の経験から知っているためです。

若い頃から付き合ってきた監督が昇進し、工事や取引先を紹介してくれる。現場を離れた元所長ともゴルフなどを通じて交流が続き、専門外の相談でも最初に声をかけてもらえる。そうした経験があるからこそ、名刺交換だけの関係には距離を感じます。

「同じ釜の飯を食うではないですけど、一緒に食事をしたり、長く付き合ったりする中で生まれるものが大きいと思うんです」

ただ、新規開拓でも最初から深い信頼を求める必要はありません。初回の紹介は、信頼関係の完成ではなく、その入口です。

たとえば、元請け本体の建築部門と、リニューアルを担う関連会社の職員同士が近い関係にあるケースがあります。同じ会社から移った社員が多く、同じ拠点内で仕事をしている場合、本体側から関連会社へ自然な形で紹介してもらえることがあります。

新築の建築部門から入り、外壁塗装や防水工事の協力会社候補として認知してもらう。その後、改修を扱う関連会社にもつないでもらう。反対に、リニューアル工事で評価され、新築や別の工事に話が広がることもあります。

元請け開拓では、一社一窓口で考えず、新築・改修・建物管理のつながりを見ながら接点を設計することが重要です。

解決

既存取引・未取引・狙う工事を整理し、紹介後の継続接触まで営業として設計する進め方

既存商流と競合せずに販路を広げるには、いきなり紹介先を増やすのではなく、営業先の地図をつくるところから始めると進めやすくなります。

1.既存取引先と未取引先を分ける

最初に、現在接点のある会社を一覧にします。元請け本体だけでなく、関連する不動産会社、リニューアル会社、ビル管理会社まで確認します。

整理する項目は、複雑にしすぎなくて構いません。

  • 直接取引がある会社・部門
  • 紹介者を介して接点がある会社・部門
  • 見積もりのみで取引に至っていない会社・部門
  • 現時点で接点のない会社・部門
  • 既存取引先と競合する可能性がある領域

会社名だけで管理すると、別部門への営業まで「既存取引先だから」と止めてしまうことがあります。反対に、関連会社だと気づかず、既存商流と競合する可能性もあります。

取引状況は会社単位ではなく、部門・工事領域・紹介経路まで分けて確認します。

2.狙う工事を新築・改修・管理案件に分ける

塗装・防水工事は、リニューアル工事だけに発生するものではありません。新築工事にも外壁塗装や防水工事があります。建物管理から小規模な修繕が発生することもあります。

営業先を選ぶときは、自社が取りたい工事を先に決めます。

  • 新築工事の塗装・防水を狙うなら、支店の建築部門
  • 改修工事を増やすなら、リニューアル部門や専門子会社
  • 小規模修繕を継続的に受けたいなら、ビル管理会社や不動産管理部門

この区分が曖昧なままでは、紹介を受けても「何を相談したい会社なのか」が相手に伝わりません。

営業先の知名度ではなく、自社が取りたい工事と相手の発注機能が合っているかで優先順位を決めます。

3.協力会社として判断できる情報を整える

紹介者との信頼だけで、実際の発注判断まで進めるわけではありません。紹介先が社内で検討できる材料を用意しておく必要があります。

少なくとも、次の情報は短く説明できる状態にします。

  • 対応できる工事領域
  • 建設業許可や保有資格
  • 新築・改修それぞれの施工実績
  • 対応できる地域と工事規模
  • 現場で求められる安全・品質面への対応
  • 他社と重ならない自社の役割

情報を増やしすぎるより、「どの工事なら声をかけてほしいか」が伝わることを優先します。

4.紹介後は、案件の有無だけで関係を判断しない

初回面談の時点で、都合よく対象案件が出ているとは限りません。そこで終わらせず、相手の発注構造を理解するための接点として捉えます。

面談後には、担当部門、対象工事、協力会社登録の要否、次に連絡する時期を整理します。別部門のほうが合うとわかった場合は、自然な形でつないでもらえるか確認します。

「付き合いながら答えが出ると思います」という社長の言葉どおり、信頼関係には時間がかかります。ただし、その時間を偶然任せにする必要はありません。

紹介は一度の面談で受注を決める場ではなく、次に声をかけてもらう理由を残す場です。

まとめ

紹介で仕事が続いてきた専門工事会社には、すでに大きな営業資産があります。現場で積み上げた信用や、長く付き合ってきた監督・所長との関係は、簡単に再現できるものではありません。

一方、会社として元請け販路を広げるなら、その資産を社長個人の人脈だけに置かず、新しい接点づくりにも生かす必要があります。

進める順番は明確です。

  1. 既存取引先と未取引先を部門単位で分ける
  2. 新築・改修・建物管理のうち、狙う工事を決める
  3. 相手が協力会社として判断できる情報を整える
  4. 紹介後も、次の接点を残して関係を育てる

紹介頼みから抜けるとは、人とのつながりをやめることではありません。既存商流を守りながら、信頼が始まる入口を会社として増やすことです。

既存商流と競合しない元請け開拓を整理したい方へ

新しい元請けを開拓したくても、「どこなら既存取引先と重ならないのか」「建築部門とリニューアル会社のどちらから入るべきか」が見えにくいことがあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の既存取引、人脈、狙う工事領域を整理し、元請けや発注部門との接点づくりから、その後の営業活動まで支援しています。

「うちの場合はどこから整理すべきか」という段階でも問題ありません。無理に話を進めることはありませんので、現在の商流や目指したい取引形態から気軽にお聞かせください。

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